今回は、2017年3月に発売されたHG 1/144 ASW-G-66 ガンダムキマリスヴィダールのレビューをご紹介します!
HG ガンダムキマリスヴィダールは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『ASW-G-66 ガンダムキマリスヴィダール』の1/144スケールキットです。宇宙決戦仕様の特徴的な機体形状を新規パーツを用いて再現。大型ドリルランスやパイルバンカー、刀が付属する他、背部シールドの展開ギミックによるダインスレイヴ発射態勢が再現可能なキットになっています。価格は1,540円(税込み)です。
ガンダム・ヴィダールの偽装を解いたガンダム・キマリスの決戦仕様であり、マクギリス・ファリドが駆るガンダムバエルと死闘を繰り広げたガエリオ・ボードウィン搭乗機『ASW-G-66 ガンダムキマリスヴィダール』がHGでキット化。
HGガンダムヴィダールなどに使用されている『HG 1/144ガンダムフレーム2』を流用しつつ、内部フレームの一部や肉厚な各部外装、ドリルランス、パイルバンカー、刀といった武装が新規造形で再現されています。
成型色はくすみのあるホワイト、パープル、ダークブラウンがベース。その他、頭部や腰部、脚部、ドリルランスの一部などにイエローが配色されています。内部・関節パーツはダークグレー成型色での再現で、全体的に気品を感じるカラーリングになっています。
シールは頭部や前腕部、フロントアーマー、シールド表面のボードウィン家エンブレムなどを補いますが多くはありません。各部ダクト内部やドリルランスの一部などを塗装する必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
ダークグレーの内部・関節パーツやダークブラウンの外装パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップはPC-002を肩部や腰部、足の付根、足首などに使用します。関節強度はまずまず高め。背部に大柄なシールドを装備していますが、少し後方に負荷がかかるくらいで倒れることはなく、自立は安定しています。
ドリルランス、パイルバンカー、刀、ドリルランス用の持ち手(右)が付属します。
頭部以外の各部には簡易的な内部フレームが造形。HGガンダムキマリスやHGガンダムヴィダールに使用されている『HG 1/144ガンダムフレーム2』を流用しつつ、上腕や腰部、ソール部のフレームが新規パーツで構成されています。
胴体内部フレーム。他のHG鉄血のオルフェンズシリーズのガンダムタイプと同様、胸部には2基のエイハブ・リアクターが造形されています。
腕部内部フレーム。前腕はキマリスやヴィダールと同じですが、上腕はキマリスヴィダール用に新造されています。
脚部も全体に内部フレームが造形されていますが、足首のポリキャップは外装がないと姿勢が維持出来ないので組み合わせています。
続いて外装を組み付けた状態で各部を見ていきます。
頭部はシャープなフェイスや棘感のあるとさかなど、全体的に厳つい雰囲気を感じさせるデザインになっています。ガンダムタイプらしいV字アンテナも健在。アンテナ中央はグレーのシールでの色分けです。
メット部は左右の組み合わせで後頭部に少し合わせ目ができます。合わせ目を消す場合はフェイスパーツの後ハメが必要。側面の黄色いモールドもパーツで細かく色分けされています。
胸部・腹部。手前に突き出た胸部装甲が印象的に造形。モールドもパーツで細かく色分けされています。内部フレームに外装を被せる簡単な構造で、ガンダムフレームの腹部シリンダーシャフトが露出するなどメカニカル。
首と肩はポリキャップ接続でフレキシブルに可動。肩のポリキャップや上向きに展開するようになっています。
腰部。フロントアーマーシンプルですが、サイドとリアアーマーにはシャープで幅のあるスカートアーマーが造形。スラスターは黄色いパーツでの色分けですが、円形のスラスター口はグレーに塗り分けが必要です。フロントアーマーの一部装甲は黄色いシールでの色分け。
腰アーマー裏は簡易的な作りで色分けパーツがそのまま露出します。リアアーマーが縦長で股の間から見えやすいので、グレーで塗るなどしてカモフラージュでもしておきたいところです。
腕部。部分的にフレームが露出しつつも、各部に強固な装甲を装備。ショルダーアーマーは丸く厚みのある装甲で存在感があります。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合はフレームを交えた後ハメ加工、もしくは細かなマスキング塗装が必要でちょっと面倒かも。ホワイト成型色パーツのみの構成で、肘周りのパープルとダークグレーはシールでの色分けとなっています。
ショルダーアーマーはパープルとホワイトの両装甲上部に合わせ目ができます。パープルはそのまま消せますが、ホワイト外装の合わせ目を消す場合は後ハメ、もしくはマスキング塗装が必要。こちらも処理がちょっと面倒そうではありますね。
ショルダーアーマーは幅広く展開させることができます。
脚部は上半身とは異なり、全体がダークブラウンで締まりがあり、上品さも感じさせるデザインになっています。膝のパイルバンカー射出口や膝の三角モールド、膝のダクトはそれぞれパーツで細かく色分けされています。
大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。膝から下も左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。どちらも合わせ目を消す場合は後ハメなどの細かな処理が必要。膝から下は合わせ目がモロに見えるので、できれば端でモールド化するなどされていると良かったですね。
ソール部はシャープなつま先が印象的なハイヒールタイプ。接地面が小さいので片足立ちは難しいですが、自立させるぶんには特に問題はありません。ただしつま先の関節強度があまり高くないので、つま先が伸びて完全に接地してしまう場合もあるので注意です。
足裏はつま先側のふちが肉抜き穴。つま先は上下に反らすことができます。
背部は左右にシールドを装備。シールドはアームで連結され、コンパクトに収納されています。
シールドは左右ともに1ダボ接続。キマリスヴィダール本体の背部には2ダボ穴があるので、同シリーズのバックパックなどを装備させることができます。HGUCとは幅が合わないので装備できず。
HG MSオプションセット4&ユニオンモビルワーカーに付属しているキマリスブースターも装着可能でした。
シールドを接続しているアームは多数パーツによるヒンジ接続。収納字はシールド裏にダボでロック(赤◯部分)させるようになっていて、展開時はロールや上下など幅広くフレキシブルに可動するようになっています。アームは片面が肉抜きっぽいですが、フレーム状に開口されているのでデザインとしてそのままにしておくのもありかと。
シールドとアームとの接続部もボールジョイントでフレキシブルに可動。
シールドは肉厚でシャープな装甲で、表面には2基のスラスター口も造形されています。スラスター口はグレーに塗り分けが必要。表面にはボードウィン家のエンブレムシールを貼るようになっています。特にエンブレムのモールドはありません。
裏面は肉抜きっぽい作りですが、細かなモールドも造形されていてある程度様になっています。
ダークブラウンの装甲内部にはダインスレイヴ用の特殊KEP弾も収納されていて脱着が可能。
外装を組み替えることでダインスレイヴの射出用動力ユニットとして使用することができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。ソールがヒール状ということもあって、全高は陸ジムよりも頭一つ分ほど大きめ。HGとしては中間程度の大きさになりますかね。キマリスヴィダールの全高は19.5m。
ガエリオ(仮面の男)搭乗機であるHGガンダムキマリストルーパー、HGガンダムヴィダールと並べて。どちらの要素も取り入れたようなデザインになっていますね。
劇中で死闘を繰り広げたHGガンダムバエルとも並べて。この2体が並ぶと死力を尽くして戦うマクギリスとガエリオの勇姿が蘇りますね。
首周りに余裕があるので、頭部は幅広く上下させることができます。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。
腕はY時程度まで高く上げることができます。肘は1重関節ですが、V字まで深く曲げることができます。
肩はボールジョイント接続で広めに前後させることができます。
胸部と腰部ボールジョイントが可動するので、上半身は適度に前後させることができます。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は適度に展開可能。前方はフロントアーマーが広く展開するため、水平程度まで上がります。後方はリアアーマーを避けるようにすれば適度に展開可能。
膝は2重関節ですが、外装が干渉するのでくの字程度までとなります。
足首は適度に前後スイングが可能。つま先が装甲と干渉し易いので、避けるようにして可動させます。左右へは他のHG鉄血のオルフェンズシリーズキットと同様、ロールするので180度ほど角度を変更することができます。
左右への開脚はある程度広くまで展開しますが、広げすぎるとサイドアーマーが干渉で外れやすいので注意です。
脚の付け根がロールするので、内股、ガニ股はともに幅広く展開させることができます。
立膝はきれいな姿勢ではないですが、ある程度再現することはできるようです。
可動域の総括としては、HG鉄血のオルフェンズシリーズのキットなので全体的に可動は柔軟。脚部が少し太いので干渉し易いですが、肩や腰部、股間部周りはよく動きます。なのでそのあたりを上手く活用すれば、ダイナミックなポーズも十分に再現することができそうです。
ドリルランス。ダインスレイヴの発射機構を内蔵した専用のランスになります。機体の突進力を更に高めた一撃を放つため、先端部は回転式の仕様を採用しているとのこと。
その構造の通り、後部にはダインスレイヴの発射口やスラスター、先端にはドリルのようなモールドが造形されています。ダインスレイヴ発射口の側面(赤◯辺り)は黄色に塗り分けが必要。ドリルランス本体は左右の組み合わせで合わせ目ができます。消す場合は黄色いパーツの後ハメが必要です。
柄は肉抜きのような作り。
刀。MSのフレームに使用される稀少金属を使用した刀剣型の武装になります。貫通力は当然のことながら、zん劇としても使えるよう、刃は研ぎ澄まされているとのこと。簡単な1個パーツ構成ですが、適度にモールドが造形。ダークブラウンの渋いカラーリングで再現されています。
刀はサイドアーマーの内側にマウント可能。ダボを差し込んで固定させるので、簡単に外れるようなことはありません。背部のアームと干渉し易いので、シールドとアームは干渉を避けるように配置します。
一通り武装して。
ドリルランスは大型なので、シンプルに保持させるだけでもかなりの迫力が出ます。ただし重量で手首が持っていかれる場合があるので、構え方は少し工夫する必要がありそうです。肩はボールジョイントに強度があるので、しっかりと差し込んでおけば垂れるようなことはなかったです。
造形美を感じさせる容姿なので、四肢を適度に広げるだけでも十分に格好良いポーズを取らせることができます。
脚の付け根がほぼポリキャップ1本で固定されているため、球状パーツが少しバラけやすいのが難点。頻繁にバラけるわけではないですが、少し強度を持たせておいたほうが良いかもです。
背部のアームがフレキシブルに可動するので、シールドで前面を覆ってディフェンスするポーズも再現することができます。
刀はダボ固定ではなく、ハンドパーツとの間に少し隙間もできるので少し移動しますが、抜けることはなく保持させることができます。1個パーツ構成で軽量なので取り回しもラク。
シールドは劇中のようにウイングのように配置することも可能。ハネモノ機体のような演出もできるなど、ポージングをより華やかに演出することができます。
パイルバンカーはピンバイスのドリルのような渦巻き状のデザイン。膝に組み付けることでドリルニーを発動させることができます。
ダインスレイヴの発射態勢を再現する場合は、手首に角度の付いた持ち手に組み替え、シールドから特殊KEP弾を取り出してドリルランスに差し込みます。
そしてシールドを組み替えて展開状態にし、ドリルランスに差し込んだ特殊KEP弾の部分に組み付けて固定します。
ダインスレイヴ発射態勢に。ドリルランスに重量がありますが、シールドがダボで固定できるのである程度姿勢を維持することができます。
たしか劇中では使用していないと思いますが、何気にとんでもない武装を所持していますね;シールドをドリルランスに組み付けられるので、ポージング時にドリルランスのサポートとして使っても良いかも。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。元々キマリス系の白とパープルの気品あるカラーリングでしたが、それにダークブラウンが加わったことでより上品で重厚な雰囲気が強調されたキマリスになっています。ポージングを意識したような造形美を感じるデザインで、簡単に四肢を展開するだけでも十分に格好良いポーズを再現することができます。
気になる点は、ドリルランスに重量があるため、どうしても手首が返ったり手甲がバラけたりしてしまうので注意です。対策として、手首を補強する、もしくはシールドを組み付けてサポートしたりするとラクに保持ができそうですね。
鉄血のオルフェンズに登場した機体としては数少ないダンスレイヴが発射できる機体として、迫力ある射撃ポーズが再現できますし、パイルバンカーや刀といった個性的な武装でポージングバリエーションは多数演出することができます。マクギリスのバエルを粉砕したシーンなど、劇中のやるせない死闘を十分に演出できる、高いクォリティを持ったキットなのがいいですね。
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