今回は、2015年6月に発売されたHGUC 1/144 RX-77-2 ガンキャノンのレビューをご紹介します!
HGUC ガンキャノンは、『機動戦士ガンダム』に登場するMS「RX-77-2 ガンキャノン」の1/144スケールモデルキットです。ガンキャノン特有の赤いカラーリングを成型色で再現。関節各部の幅広い可動により、劇中さながらの迫力あるアクションポーズが可能なキットになっています。基本装備のビームライフルの他、ポージングを豊かにする平手パーツも付属。価格は1,320円(税込み)です。
主にカイ・シデン、ハヤト・コバヤシが搭乗したホワイトベース搭載機であり、一年戦争のV作戦によってガンダム、ガンタンクと共に開発されたRXシリーズの1機「RX-77-2 ガンキャノン」がHGUCでキット化。
両肩の240mm低反動キャノン砲を持つ中距離支援の特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。1999年5月に発売されたHGUCガンキャノン(001)から各部が再構築されたREVIVE版になります。
成型色はレッドを基調に、肩やソール、背部バックパック、低反動キャノン砲、武装類、内部・関節などにグレーを配色。その他、エアインテークや腰部モールドなどがイエロー、頭部がホワイト成形色での再現となっています。
ホイルシールは付属せず。こめかみのバルカンなど細部を塗り分ける必要がありますが、素組みでほぼ設定通りの色分けが再現されています。
内部・関節などのグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップはPC-002を使用し、肩や胴体部、脚部など各部に組み込みます。肘はKPSのみ、膝関節はKPSパーツとポリキャップ構成で関節強度はまずまず高め。背部にコンパクトなバックパックを装備していますが、特に後方への負荷はかからず、足底の接地性も高いので自立は安定しています。
■付属品
ビームライフル、平手(左右)が付属。
劇場版に登場した108(カイ・シデン機)、109(ハヤト・コバヤシ機)、そして劇中で1カットのみ登場した203号機が再現できるマーキングシールが付属します。
■頭部
頭部。比較的丸みのあるシルエットで、頬の3本スリッドダクトなど、キャラクター性のある特徴的なデザインで造形されています。こめかみのバルカンはオレンジに塗り分けが必要。
メット部は前後挟み込みタイプで、上部から側頭部にかけて合わせ目が出来ます。特に内部にパーツは挟まないので合わせ目消しはラクそう。
バイザーはクリアグリーン成形色での再現ですが、ブラックライトで照らしても発光はしませんでした。バイザー内部もメカニカルなモールドがデザインされていてリアルです。
両肩には240mm低反動キャノン砲を装備。キャノン砲は基部が左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。砲口部分は筒型パーツで合わせ目はなし。キャノンは真上から前方に90度ほど可動するので表情付けは十分です。キャノンの付け根はパーツによる組み合わせなので、塗装する場合も剥げがなくて安心です。
■胴体部
胴体部。ガンキャノン特有のエッジの効いた装甲で、各部が重機的なデザインで造形されています。エアインテークや腰中央の丸モールドは黄色いパーツでの色分け。胸部側面の小型スラスターは黄色く塗り分けが必要です。
胸部内部構造。キャノンの基部は他キットとは異なり、少し特殊な構造になってます。
腰アーマー裏に裏打ちパーツやモールドなし。特に段差などもなくフラットな状態です。裏打ちパーツやモールドの掘り起こしなどはしやすそうですね。
■バックパック
バックパックには左右の筒型タンクが造形。シンプルな前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。側面のダクトや下部のバーニアは別パーツ化されているので、塗り分けたりすると見栄えがしそうですね。
■腕部
腕部。比較的軽装でシンプルですが、球状の肩部や筒型の装甲などにガンキャノンらしさを感じさせます。
腕部は全体に内部フレームが造形されています。
上腕、前腕共に筒型パーツの組み合わせで合わせ目はありません。
前腕の膝側には裏打ちパーツが造形。隙間がなくしっかりとした作りになっています。肘関節は左右の組み合わせで合わせ目が出来ます。
肩にも合わせ目ができますが、簡単な作りなので合わせ目消しはラクそう。段差があるので、合わせ目を消す場合は角を落とさないように注意が必要です。
■脚部
脚部。他の箇所と同様、モールドが少なくプレーンですが、角丸フォルムのガンキャノンらしいデザインで造形されています。
大腿部は筒型で合わせ目はなし。膝関節部分は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。膝部は分離が可能なので、合わせ目消しは比較的ラクそう。膝から下は左右の組み合わせですが、前後にできる合わせ目は段落ちモールド化されています。
ソール部。こちらも派手なモールドはないですが、ガンキャノン特有の厚みのある重機的なデザインで造形されています。足裏もモールド入りのパーツで蓋されているため肉抜き穴はありません。
足首はスリットモールドが印象的に造形。左右の組み合わせですが、合わせ目は段差モールド化されています。ポリキャップ接続による可動ギミックで適度に可動します。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと比較して。陸ジムと同サイズ程度で比較的小柄な部類になります。ガンキャノンの全高は18.1m。
エコプラを塗装したものですが、HGガンキャノン(001)(画像左)、後発のHGガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)(画像中央)と並べて。001のガンキャノンやククルス・ドアン版は適度にマッシブ感がありますが、このREVIVE版(画像右)は比較的細身でスタイリッシュに造形されています。
■各部可動域
頭部は幅広く上下しますが、両肩のフレームが干渉するので、左右への可動は45度程度と制限されます。
肩のフレームが干渉するため、腕の上げる角度も水平より少し下までとやや制限されます。肘は二重関節で深くまで曲げることが可能。
肩キャノンのフレームがあるため可動が確認し辛いですが、内蔵されているポリキャップが前方に引き出せるので肩は広めに前後させることができます。
上半身は少し前後スイングが可能。
腰は少し浮かせて干渉を避けることで、360度回転させることが可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが広く可動するので、前方へは水平程度まで展開させることができます。後方はリアアーマーが可動しないため、干渉で可動が制限されます。
膝は多少装甲が干渉して制限されますが、ある程度深くまで曲げることができます。膝裏は裏打ちパーツが造形されるなど、丁寧な作り。膝関節は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができますが、膝から分離するので合わせ目消しはラクそうです。
足首は前後左右とも適度に可動します。
左右への開脚は幅広く展開可能。サイドアーマーを後方に交わすことで干渉が避けられます。
足の付根がロールするため、内股、がに股は共に幅広く可動させることができます。
立膝はまずまずきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、全体的に細身でプロポーション良く造形されているため、干渉も少なく可動が柔軟。劇中ではランバ・ラル隊との激戦において格闘シーンがありましたが、そういったポーズも比較的再現しやすいキットになっているようですね。
■武装
ビームライフル。RX-78ガンダムのものとは別設計で、照準精度や射程に優れ、遠距離からの精密射撃に用いられたとのこと。比較的ボリューム感があり、メカニカルさも持ったビームライフルになっています。
本体部分は簡単なモナカ割で上下に合わせ目ができます。
センサーはイエロー成型色パーツで色分けされています。一旦はめ込むと抜きにくいので、塗装する場合は仮組み時に注意が必要です。
センサーは上下に可動。ハンドパーツとグリップの幅が同じなので、保持しても遊びがなく、取り回しがラクです。
■ポージング
ビームライフルを装備して。
特徴的な形状のビームライフルなので、射撃ポーズの演出力も高いです。
接地性が高いので、片足立ちでのポージングも再現可能。
立膝もきれいな姿勢で再現できるのでポージングの幅が広がります。
平手が付属しているので、ビームライフルの銃身を支えたり、240mm低反動キャノン砲に手を添えるなど、より自然な表情を付けることができます。
旧HGUCに付属していたスプレーミサイルランチャーは付属していないのはちょっと残念かも。基部形状が異なるため、旧HGUCのものを装備させるのも難しいようでした。
定番のホワイトベースからの出撃シーンや、OPの寝そべった状態でのキャノン砲射撃シーンなども再現しやすくて良いですね。
以上です。全体的にモールドが少なく、変にアレンジが加えられていないのが良いですね。アニメの設定に応じたスタイルでバランスよく造形されていると思いますし、1stを見てきたファンにとっても違和感のないディテール、フォルムになっていると思います。REVIVE版ということで、無駄を省いたフォーマットで組み立てやすく、可動も柔軟な優良キット。
気になる点はあまりないですが、肘や膝関節など部分的にできる合わせ目できるので、塗装・製作する場合はそのあたりに少し手間がかかりそうです。それと比較的細身なので、もっとどっしりとしたスタイルが良かったというファンもいるかもですね。
ビームライフルも合わせ目こそありますがスタイリッシュに造形されていますし、キャノンも可動ギミックによる表情付けが可能。組み立てやすく遊びやすい、ガンプラ初心者の方でも手に取りやすいキットになっています。ナンバリングシールも付属しているので、複数入手して劇場版仕様の108、109を再現するのもいいですね。
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4 件のコメントがあります。
匿名
on 2019年12月5日 at 19:38 -
このスタイリッシュ体型は十分アレンジされてると思うんですが好みの問題ですかね
可動のためにスカスカな膝関節と細すぎる脇ブロックもちょっと・・・
古い方のガンキャノンも並行して再販してくれれば何の文句もないんですが
nori
on 2019年12月6日 at 08:25 -
コメントありがとうございます!
REVIVE版のプロポーションは確かにスタイリッシュですよね。
プロポーションは旧のほうがアニメに近いと思います;
変にモールドなどが入っていないので、そんなところが『アニメの設定に応じたスタイル』と感じました。
言葉足らずでした;
匿名
on 2019年12月6日 at 00:46 -
初期HGUCのガンキャノンとの比較も有ればいいなと
最新版だけだと、最新の流行で飾るより、ブンドド前提やYouTubeでガンプラが踊ってる動画で真似て動かせるのは向いてるけど、初期HGUCバウと手を加えないとね。当時には想定すらしてないし、プレバン版のリバウや、トリスタンも当時のガンプラに新規パーツだからな。
仮面ライダー、スーパー戦隊、プリキュアの可動フィギュアが当たり前の
時代ですしね。
匿名
on 2019年12月7日 at 15:02 -
接着剤で作っていた頃に比べると感動の一言ですね。
ガンキャノンは買ってはいないんですが、新造形ガンダムも
素晴らしいですよ。