今回は、HG 1/144 ハイングラのレビューをご紹介します!
HG ハイングラは、『機動戦士ガンダム 水性の魔女』 の前日譚「PROLOGUE」に登場するMS「CCP-068 ハイングラ」の1/144スケールモデルキットです。ハイングラの一部外装や武装を新規造形で再現。可動と組みやすさの両立により、ダイナミックなアクションポーズが可能なキットになっています。価格は1,980円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
グラスレー社が開発したハインシリーズの量産型MSで、劇中ではフォールクヴァング襲撃の際に多数機が登場。ガンダムルブリス量産試作モデルやガンダムルブリスと激しい戦闘を繰り広げた機体「CCP-068 ハイングラ」がHGでキット化。
2023年5月に発売されたHGハインドリーシュトルム※をベースに、ハインドラ特有の頭部や背部バックパック、ビーム・ライフル、シールドが新規造形で再現されています。※大元はHGハインドリー
成形色はカーキ気味のブラウンを基調に、胸部や上腕、シールドにホワイトを配色。その他、肩部や前腕部、脚部などがパープルグレー、バックパックや後部スラスターユニット、ビームライフルなどがグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部バイザーやとさか、後頭部のセンサー部分、ビームライフルのセンサーを補いますが少なめ。塗装もシールドのビーム機関砲などを簡単に塗り分けるくらいで、素組みでも十分な色分けが再現されています。
パープルグレーの内部・関節類やグレーの背部バックパック、スラスターユニットなどにはKPSが使用されています。
ポリキャップは不使用。肘はPSとKPSによるヒンジ関節、膝はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。背部にバックパックやスラスターユニットを装備していますが、いずれも軽量で負荷はあまりかからないため、自立は安定しています。
■付属品
ビームライフル、シールド、ビームサーベル刃✕2が付属。
ハインドリーシュトルムと同じバックパック(ビーム・キャノン付き)、ロングバレルタイプのビームライフルが付属します。説明書には「お好みで組み立ててください。」と記載。
HGハインドリーシュトルム用の余剰パーツがいくつか付属します。
■各部形状
形状の異なる部分のみ、HGハインドリーシュトルムやHGハインドリーと比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部をハインドリーシュトルム、ハインドリーと並べて。形状はハインドリーシュトルムと殆ど同じですが、とさかに丸みがあり、後頭部にアンテナのあるものが新造。少し柔らかい雰囲気のデザインになっています。ハインドリーとは各部が細かく違っています。
後頭部センサーは1箇所のみ。シールで色分けとなっています。
ゴーグルはクリアパープルパーツでの再現。パーツにはモールドが入っていますが、ヒトツメのようなセンサーを表現するためにはシールを貼る必要がありそうです。
■胴体部
胴体部をハインドリーシュトルム、ハインドリーと並べて。形状自体はハインドリーシュトルムと同じ。ハインドリーに比べてやや厚みがあり、エッジが効いた強度を感じさせる装甲になっています。
ハインドリーとはフロントアーマーの形状が異なるため、裏面の形状も違っています。小さいパーツながらも裏側にモールドがきっちりデザインされているのは良いですね。
リアアーマーはハイングラ、ハインドリーシュトルム、ハインドリーすべて同形状。表裏ともにメカニカルなモールドがデザインされています。
首パーツはボールジョイント接続で柔軟に可動。肩もボールジョイント接続で前方に展開することができます。
胴体内部フレーム。外装で隠れる箇所は造りが簡易的ですが、露出する腹部や腰部は丸みのあるデザインで造形されています。表面にはメカニカルなモールドが入っています。
胸部クリアパーツの内側にはコックピットシートのようなモールドが造形。ここがコックピットだとすれば、戦闘時にかなりの恐怖を味わうことになりそうな気も・・・;
■腕部
腕部はハインドリーシュトルム、ハインドリー3種とも同じ形状。全体的に細身ですが、ショルダーアーマーは丸型で厚みのある装甲がデザインされています。
上腕は左右の組み合わせで一部に合わせ目ができますがさほど目立ちません。前腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。
肘はヒンジ接続による1重関節ですが、簡単なパーツ構成で組み立てやすく、外装パーツで挟み込むため、関節強度も落ちにくい構造になっています。
ハインドリーシュトルム、ハインドリーと形状が同じなため、それぞれのシールドが装備可能です。
更にグラスレー社製のMS(ベギルベウ、ベギルペンデ)とも規格が同じなので、それぞれの武装を装備させることができます。カスタマイズしやすいのが良いですね。
ショルダーアーマーも小型スラスターなどが内外パーツの組み合わせで細かく色分けされています。側面のバーニアも別パーツ化されているので塗装による塗り分けがラク。色分けすると渋さやリアルさが増しそうです。
■脚部
脚部もハインドリーシュトルム、ハインドリーと同形状。大腿部に厚みがあり、下側に向かうにつれて細身になるシルエット。大腿部や膝周りなど、部分的な円形モールドが印象的にデザインされています。大腿部裏の肉抜き穴は少し気になるところ。
脚部は全体に簡単な細身フレームが造形されています。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目部分は色分けの境目で問題なし。膝から下の部分は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができるので、可能であればうまく処理したいところです。
ソールも三叉のつま先とかかとでデザインが特徴的。近未来的マシンのような雰囲気が表現されています。足首部分は左右にロール可能。
足裏は肉抜き穴を利用したモールドがデザインされています。肉抜き穴部分は埋めずそのままでも良さそうですね。
■バックパック
背部をハインドリーシュトルム、ハインドリーと並べて。それぞれ形状が異なり、ハイングラは2つのサーベルホルダーを持つベーシックなバックパック、ハインドリーシュトルムはビーム・キャノンとサーベルホルダー付きのバックパック、ハインドリーはタンクを備えた3つ又のスラスターを装備しています。
バックパック本体は簡単な2個パーツ構成。スラスター部分は特に別パーツ化されてはいませんが、細かなモールドがデザインされるなどメカニカルに造形されています。
バックパックは簡単な2ダボ接続なので、同じハイン系はもちろん、HG水星の魔女シリーズのバックパック(一部は不可)が装備可能です。
一部のHGUCやHGSEED FREEDOMシリーズのバックパックなども装備することができます。近年のキットは汎用性が高まっているので、カスタマイズがしやすくなっているのが良いですね。
リアアーマーにはハインドリーシュトルムと同じスラスターユニットを装備。左右にタンク型のスラスターを備えたユニットになっています。構造自体は簡易的ですが、各部ともモールドがメカニカルで質の高さが伺えます。
後部バーニアは別パーツ化されているため、塗装する場合も塗り分けがし易いかと。
タンク型のスラスターは簡単なモナカ割ですが合わせ目は段落ちモールド化。後部中央が開口されていますが、穴が浅いのでカスタマイズには使えないようでした。
スラスターユニットは簡単な1ダボ接続でロール可能。左右のタンク型スラスターもボールジョイントで可動。適度に表情を付けることができます。
■他キットとの比較
ベースキットであるHGハインドリーシュトルムと並べて。カラーリングと頭部、背部形状以外はほぼ同じ。どちらもミリタリー調で実戦的な容姿をしています。
大元であるHGハインドリーと並べて。同系統の機体なのでシルエットはよく似ていますが、細部の形状は割と違っています。ハイングラは戦闘特化型なので硬派、後発のハインドリーのほうは民間運用なので少しオシャレかなという感じ。
HGベギルベウと並べて。同社製なので部分的に形状は似ていますが、大きさや各部形状、背部などが違っています。ベギルベウは高性能機ということもあって作りが洗練されているようですね。
HGガンダムルブリス量産試作モデルと並べて。PROLOGUEで戦闘を繰り広げた機体ですが、組み合わせて劇中シーンを再現しても少し切ない気持ちになりますね;
■各部可動域
形状、構造共にほぼ同じなため、可動域は他のハイン系とほぼ同じ。頭部は広めに上下させることができますし、上半身も適度に反らすことができます。腕はY字程度まで幅広く展開可能。肘は1重関節ですが、V字程度まで曲げることができます。
腰に可動域はないですが、胸の付け根が360度回転可能。腰アーマーが軽装なため、立膝もきれいな姿勢で再現することができます。膝は1重関節でV字程度まで曲がります。
左右への開脚は水平以上に幅広く展開させることができます。足首も90度程度曲げることが可能。全体的にかなり可動域が広く柔軟。ポージングも様々な表情付けができるなど、自由度の高いキットになっています。
■武装類
ビームライフル。ハイングラの開発にあたり、同様に設計された専用の携行火器になります。高エネルギー密度の新型バッテリーカートリッジを採用し、出力安定性に優れているとのこと。各部に溝やモールドが彫り込まれるなど、デザイン性高く造形されています。
本体部分は簡単なモナカ割ですが、上下の合わせ目はきっちりと段落ちモールド化されています。
銃口は角型で適度に開口。上部センサーはグリーンのシールでの色分けとなっています。
シールド。中央部にビーム機関砲を内蔵した防御兵装になります。GUNDフォーマット搭載機体のスウォーム攻撃(多数のドローンによる)を想定し、射角可変機能が組み込まれており、防御姿勢を保ちながら広範囲に弾幕を張ることが可能とのこと。白い装甲はパーツで色分けされていますが、ビーム機関砲部分はグレーに塗り分けが必要です。
裏面は特に肉抜き穴などはなく、質の高いモールドが入っていて完成度が高いです。ジョイント部分やグリップは上下に可動。ちょっとした柔軟性があります。
■ポージング
一通り武装して。
ビームライフルはハンドパーツにグリップを差し込むだけで保持が可能。ストレスなくサクッと装備、非装備を再現することができます。
ガンダムタイプほど華があるわけではないですが、ポーズを取らせると十分格好良いですし、ショルダーアーマーに厚みがあってちょっとした重厚感もあります。可動が柔軟なのでポーズも自然に決まるのが良いですね。
カラーリングもミリタリー感が強く渋いです。実践兵器らしい泥臭い感じと少し柔らかな色味で親しみやすさもありますね。
シールドはジョイント部分が可動しますが、大柄なのでショルダーアーマーと干渉し易いです。干渉で手首や前腕がバラけるといったことがあったので、うまく干渉を避けつつポーズを取らせる必要がありそうです。
浮かせてディスプレイさせる場合は、一般的なHGと同様、股間部に3.0mm軸を差し込むことでディスプレイが可能です。しっかりと固定され、キットがクルッと反転するといった不具合はありませんでした。
ハインドリーやハインドリーシュトルムと同様、サーベル柄は筒状で引っかかりがないため、ハンドパーツで持たせるとビーム刃の太い箇所まで抜けていく場合があります。手甲をしっかりと組み付けてあまり抜けていかないようにしつつ保持させます。
ビーム刃はクリアピンク成形色での再現。ブラックライトで照らしても発光はしませんでした。その他、頭部のクリアパープルパーツもブラックライトに反応せずでした。
ガンダムルブリス量産試作モデルに付属しているガンビット「キローニアン」と組み合わせて劇中シーンのように演出してみても面白いですね。ただ、キローニアンはハイングラに組み付けることは出来ないため、画像のように水星の魔女 ウェポンディスプレイベースなどをうまく使って再現することになりそうです。
付属のビーム・キャノン付きバックパックやロングバレル式のビームライフルを装備することで、通常とは異なる仕様のハイングラを再現することができます。
バックパック自体はハイングラのものと同じデザインですが、左側面にはビーム・キャノンを装備。ビーム・キャノンは簡単な左右の組み合わせですが、合わせ目はきっちりと段落ちモールド化されています。
ロングバレルタイプのビームライフル。こちらも後部はハイングラのものと同じデザインで、バレルが円筒状の細身バレルになっています。
フォアグリップは左右にスイング可能。センサー色分け用のシールは付属していません。
ロングバレルタイプのビームライフルは軽量なので片手保持も余裕ですし、肩にキャノンがあるのでより攻撃的なポーズを演出することができます。通常のハイングラ、追加武装のハイングラ、どちらの格好良さも楽しめるのが良いですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。とにかくカラーリングがよく、カーキブラウンの渋みのある色味がハイングラの機体形状とよく合っています。ポーズを付けるとミリタリー感がうまく表現されて格好良いですね。可動の自由度が高いのでポーズが決まりやすいですし、量産機にしておくには少しもったいないくらいに映えるキットになっています。色の違いでここまでよく見えるか・・・といった感じ。
気になる点は、ハイングラのシールドが大柄なため、ショルダーアーマーと干渉しやすいです。干渉の影響で腕やシールドを動かすと手首や前腕がバラけやすかったりするので、弄る際は少し気を使う必要がありそうですね。
ハイングラのビームライフルやシールドも個性的なデザインで良いですが、おまけ武装で形態が変えられるのも魅力的。遊びにちょっとした広がりがあります。劇中ではほぼやられ役でしたが、ルブリス量産試作モデルやガンダムルブリスと組み合わせ、印象深いPROLOGUEのシーンを再現するなどして楽しめそうですね。
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