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HG ハインドリーシュトルム レビュー

今回は、HG 1/144 CFP-013 ハインドリーシュトルムのレビューをご紹介します!

HG ハインドリーシュトルムは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『CFP-013 ハインドリーシュトルム』の1/144スケールモデルキットです。実戦用MSの特徴的な機体色を成型色で、各部形状や武装を新規パーツを用いて再現。背部の可動式専用火器やビーム・ライフル、シールドといった特徴的な武装が再現されたキットになっています。価格は1,760円(税込み)です。

地球で起こった暴動を鎮圧するため、ディランザ・ソルやザウォート・ヘヴィとともにアーシアンと戦闘を繰り広げた実戦仕様ハイン系機『CFP-013 ハインドリーシュトルム』がHGでキット化。2023年2月に発売されたHGハンドリーをベースに、実戦仕様のグレーカラーや頭部、胸部、腰部外装、背部バックパックやスラスターユニット、ビームライフル、シールドといった武装が新規造形で再現されています。

成型色は全身のグレーをベースに、胸部や前腕部などにライトグレーを配色。その他、頭部バイザーはクリアパープル、内部・関節などはダークブルー成型色での再現となっています。実戦仕様機らしい重厚感あるカラーリング。

シールは頭部や肩部、ビームライフルのセンサーを補うくらいでわずか。一部モールドなどをダークグレーに塗り分ける必要がありますが、素組みでも大部分の色分けが再現されていて十分な仕上がりです。

ダークブルー成型色の内部・関節パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。

ポリキャップも不使用。背部にビームキャノンを持つバックパックや腰部スラスターユニットを装備していますが、後方への負荷は少なめ。脚底の接地面が狭めですが接地性はよく、関節強度も高いので自立は安定しています。

ビームライフル、シールド、ビームサーベル刃が付属。ビームサーベル刃は1本余剰です。

ハインドリーと同型の内部フレームが造形されています。

形状の異なる部分のみ、HGハインドリー(以下、ハインドリー)と比較しながら各部を見ていきます。

頭部をハインドリーと並べて。1本アンテナがセンサー付きのとさかに変わるなど、全体的なシルエットが実戦仕様用に変化。バイザー形状や顎などもシャープで少し力強い雰囲気のデザインに変わっています。

側頭部や後頭部はそれほど大きな変化はないですが、側頭部のパーティングラインは少し気になるかも。メット部は1個パーツ構成で合わせ目はなし。後頭部のセンサーはパープルのシールでの色分けです。

バイザーはシールを貼り、その上からクリアパープルパーツを被せての再現。シールを貼る側にモールドは造形されておらず、クリアパーツの内側にモールドが入っています。塗装する場合は悩ましいところです。

胴体部をハインドリーと並べて比較。内部フレームを含め大部分の形状は同じですが、胸部と腰部外装がハインドリーシュトルム用に新造。ハインドリーはデザイン性を意識した作り、ハインドリーシュトルムは強度を考慮した実務仕様といった形状になっています。

新造されたフロントアーマーは内側モールドのデザインも変更されています。リアアーマーはハインドリーから変わらず。

ハインドリーやベギルベウなど、他のグラスレー社製MSと同様、クリアパーツ(コックピット)内部にはシートのようなモールドが造形されています。

肩部はボールジョイント接続で適度に引き出し可能。首もボールジョイントで適度に可動します。

腕部はハインドリーから変わらず。上腕以下は細身ですが、ひ弱さは感じない程の強度を感じさせるデザインになっています。ショルダーアーマーは厚みのある装甲でメカニカルに造形。

上腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は端で目立たないようになっています。前腕は前後の組み合わせですが、合わせ目は段落ちモールド化。

肘関節はヒンジ接続で組立てやすさに配慮されていますが、反対側からパーツを被せるヘタレにくい構造になっています。

ハインドリーと腕部形状が同じなので、HGベギルベウのベイオネットやHGベギルペンデのノンキネティックシールドといった同型機の武装が装備可能です。

ショルダーアーマーは内部フレームに外装を組み合わせていく構造で合わせ目はなし。部分的なモールドも内部フレームとの兼ね合いで色分けされていますし、側面のバーニアも別パーツ化されているので塗り分けがしやすくなっています。前後の台形モールドはダークグレーに塗り分けが必要。

脚部形状もハインドリーと同じ。内部フレームに曲状の装甲を組み合わせる構造で、西洋騎士の甲冑を思わせるデザインになっています。膝のドーム状装甲も印象的に造形。

大腿部は前後の組み合わせですが、合わせ目は色分けの境目なので処理は必要ありません。膝から下は前後の組み合わせで裾の部分に合わせ目ができます。

ソール部もハインドリーと同じ。特徴的な3又で、近未来メカ的な個性的なデザインになっています。足裏は肉抜き穴もデザインの一部として造形。

背部をハインドリーと並べて。ハインドリーが3又のスラスターユニットなのに対し、ハインドリーシュトルムではスラスター付きのバックパック、ビームキャノン、サーベル柄を有した実戦仕様の装備に変更されています。

バックパックは前後2個パーツ構成ですが、合わせ目や肉抜き穴は内側にできるなど見た目に配慮されています。サーベル柄は1個パーツ構成で少し長めのものを装備。

角型のスラスター口も内側パーツとの兼ね合いで別パーツ化されているため、ラクに塗り分けできるようになっています。少ないパーツ数でも塗装に配慮されているのはなかなか優秀ですね。

バックパック右に装備するビームキャノンはアームを挟んで組み合わせる簡単な構造ですが、上下にできる合わせ目は段落ちモールド化。

アームは必要最低限の簡単な1個パーツ構成ですが、キャノン側が上下にスイングしますし、バックパック側はロールするなど幅広く可動させることができます。

バックパックはシンプルな2ダボ接続で、ハインドリーやベギルベウなどのバックパックはもちろん、HG水星の魔女シリーズやHGUC、HG THE ORIGINのバックパックなども装備することができます。

リアアーマー後部にも特徴的なスラスターユニットを装備。機動性を考慮し、背部バックパックのスラスターを補う形で装備されています。すべて新規造形での再現。

シンプルな1ダボ接続なので、左右に角度が変わりやすいのが難点と言えば難点。

中央部は前後の簡単な組み合わせですが、肉抜き穴などはなくそつのない作り。中央のスラスター口は別パーツ化されているので塗装する場合もラクです。

左右のスラスターユニット。モナカ割の簡単な作りですが、合わせ目は段落ちモールド化されるなど落ち度のない作りになっています。

ボールジョイント接続なので、少し引き抜くことで適度に可動させることができます。しっかりと押し込めば固定されます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。ハインドリーシュトルム本体は陸ジムと同程度の大きさですが、背部のビームキャノンが縦に伸びているため、そのぶん全高がやや大きめです。

ベースのHGハインドリーと並べて。そんなに大きな変化はなく、部分的に形状が異なるくらいに留まっています。カラーリングが違うので見分けるのはカンタン。

暴動鎮圧のため出撃したHGディランザソル、HGザウォートヘヴィと並べて。ハインドリーシュトルムは劇中では大きく見えましたが、この2体と並べると小柄な機体であることが分かります。

可動域はハインドリーと全く同じ。頭部は高くまで見上げることができますし、腕はY字程度まで広く展開することができます。肘は1重関節でV字程度まで可動。

肩はボールジョイント接続で適度に前後スイングが可能。前方へは肩部が引き出せるので少し広めにスイングします。

上半身は胸の付け根でロールし、360度回転可能。膝は1重関節ですがV字程度まで曲げることができます。腰部アーマーが干渉しないので、立膝も深く沈み込む形できれいに再現可能。

左右への開脚も干渉がないので水平以上に幅広く展開しますし、足首(左右)も180度以上に幅広く可動させることができます。各部ともエグいくらいに幅広く可動するので、どんなポーズでも柔軟に対応してくれそうです。

ビームライフル。ハイングラの同型装備に、ロングタイプの新型バレルを接続した携行火器になります。実戦用のバッテリーカートリッジを装備したタイプで、学園で規定された弱装仕様カートリッジの3倍の容量を有するとのこと。表面には丸モールドが造形されるなど、細かくデザインされていてリアルです。

銃身部・本体部は簡単なモナカ割ですが、上下の合わせ目は段差や段落ちなどでモールド化。

センサーはグリーンのシールで色分けします。下部のフォアグリップはヒンジ接続で左右にスイング可能。

シールド。専用の防御用装備で、ハイングラのシールドから内蔵火器をオミットし、軽量化が図られているとのこと。表面は簡単な2枚パーツ構成ですが、モールドもパーツとの兼ね合いで細かく色分けされています。

裏面のアームは3個パーツ構成。ヒンジ接続でロールやスイングなどフレキシブルに可動します。シールド裏面も細かなモールドがデザインされてチープな感じは全くありません。

一通り武装して。

ビームライフルはハンドパーツにグリップを差し込むだけで保持が可能。大柄なので、装備させるだけでハインドリーシュトルムに重厚感が出てきます。

肩や肘の関節強度が高いので腕が垂れることなく保持することができます。射撃ポーズを取ると武器の存在感が引き立つのもいいですね。

ビームライフルの両手持ちも難なく再現可能。多少前腕パーツが分解したり、シールドが干渉で外れやすかったりしますが、それほどストレスなくポーズを取らせることができます。

シールドは前腕にマウント可能。特別大きいわけではないですが、小柄で細身なハインドリーシュトルムの全身をある程度覆えるくらいの幅はあります。ベギルベウなどのようにハンドパーツで握らせるわけではないため、前腕から外れやすいので注意です。

シールドは展開して上下を反転させることで前方に向けられるので、腕を伸ばしてのディフェンスシーンを再現することができます。HGベギルペンデのノンキネティックシールドと似た構造で、通常とは違った表現ができるのがいいですね。

バックパックのビームキャノンを展開して。こちらもハインドリーにはない武装で、より攻撃的な演出をすることができます。

ビームサーベル刃はクリアピンク成型色での再現。劇中で使用していた記憶はないですが、定番の武装ですしポージングの幅が広がるので付属しているのは嬉しいですね。

柄は少し細身で凹凸もないですが、ハンドパーツに隙間なく収まるので抜けたりスルッと移動することなく保持させることができます。

深い立て膝ができるので、HGティックバランにも問題なく搭乗させることができます。ザウォートヘヴィとともに複数入手して、劇中のようにフォルドの夜明け掃討作戦の編隊を組むのもありかと。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。外装がグレーになったことで通常のハインドリーよりもミリタリー感や渋みが増していますし、背部バックパックやビームライフル、シールドといった武装類が追加されたことで重厚感も増しています。肩のビーム・キャノンを展開することでより攻撃的な演出ができるなど、実戦仕様機らしい攻撃性の高さ、機能性の高さを感じさせるのがいいですね。

気になる点は、個体差かもですが、ハインドリーに比べて前腕が少しバラけやすい気がするのと、シールドが前腕から外れやすいので注意です。グリグリと弄ってポーズを取らせたい場合は補強も考えておいたほうが良いかも。

それ以外は不満な箇所は特になし。合わせ目もほぼなく、関節強度も高いのでラクに取り扱うことができます。他のHG水星の魔女シリーズと同様、完成度の高いキットに仕上がっていますね。可動も柔軟でより自然なポーズを取らせることができますし、モールドも細かく造形されていてチープさは全くなし。価格以上のクォリティの高さを魅せるキットになっているのがいいですね。

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