今回は、2005年2月に発売されたHG 1/144 ZGMF-X56S/β ソードインパルスガンダムのレビューをご紹介します!
HG ソードインパルスガンダムは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するMS「ZGMF-X56S/β ソードインパルスガンダム」の1/144スケールモデルキットです。特徴的なカラーリングを成形色で、背部ソードシルエットを新規造形で再現。インパルスガンダムの合体・分離ギミックにより、コアスプレンダー、チェストフライヤー、レッグフライヤーが再現可能なキットになっています。価格は1,650円(税込み)です。
インパルスガンダムに格闘戦型シルエット「ソードシルエット」を装着した形態で、主人公「シン・アスカ」や「ルナマリア・ホーク」が搭乗。劇中ではアーモリーワンの強奪事件の他、クレタ沖の戦闘やのヘブンズベース攻防戦でも戦果を上げた機体「ZGMF-X56S/β ソードインパルスガンダム」がHG SEEDに登場。
インパルスガンダム本体は2004年11月に発売されたHGフォースインパルスガンダムからの流用ですが、赤を基調としたカラーリングが成形色で、背部ソードシルエットや飛行形態のコアスプレンダーが新規造形で再現されています。
成形色はホワイトを基調に、上半身や膝周り、背部ビームブーメラン、機動防盾などにレッドを配色。その他、頭部アンテナや胸部エアインテーク、機動防盾の十字がイエロー、背部バックパックや内部・関節などがグレー成型色での再現となっています。
ホイルシールは頭部ツインアイや胸部、腰部、ビームブーメラン、対艦刀の一部を補いますがそれほど多くはありません。頭部センサーや各部ダクト、肩や対艦刀の一部などを塗り分ける必要がありますが、素組みでも物足りなさはないくらいの色分けが再現されています。コアスプレンダーは白一色なので細かな塗り分けが必要。
グレー成形色の内部・関節、高エネルギービームライフルにはABSが使用されています。なので塗装やスミ入れをする場合は破損、ひび割れなどに注意する必要があります。その他なPS素材。KPSは不使用です。
ポリキャップはPC-123プラスを全身各部に組み込みます。肘や膝関節などもポリキャップ構成で関節強度はまずまず高め。背部にソードシルエットを装備していますが、後方への負荷は少なく、関節強度が高いので自立は安定します。
■付属品
機動防盾、高エネルギービームライフル、コアスプレンダー、ビームエフェクトパーツ(対艦刀用✕2、ビームブーメラン用✕2)が付属。
■各部形状
背部ソードシルエットを外し、インパルスガンダムを全身から。
■頭部
頭部。ヒロイックながらもどことなく渋みを感じさせるような、インパルスガンダム特有の頭部形状が再現されています。ソードインパルスガンダムなので額や顎は黒く色分けされて締まった印象に。
メット部は前後の簡単な組み合わせで上部から側面にかけて合わせ目ができます。内部にパーツを挟むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。とさか前後のセンサーや頬のダクトなど細部を塗り分ける必要があります。
ツインアイは黒いパーツにシールを貼っての色分け。モールドが造形されているので塗り分けはしやすそうですね。
■胴体部
胴体部。ガンダムタイプ特有のエアインテークなどがヒロイック。主人公機らしいバランスの良いプロポーションで造形されています。胸部手前のラインやフロントアーマーの裾はグレーのシールで色分けしますが、色が足りないので襟や胸部20mmCIWS、エアインテーク内部をグレーに、中央のV字をイエローに、腰部ダクトをレッドなどに塗り分けが必要です。
当然ながら背部形状もHGフォースインパルスガンダムと同じなのでシルエットを交換することができます。
首はボールジョイント型ポリキャップで前後にスイング可能。肩はチェストフライヤー用に2段階の引き出しギミックがあり、肩を幅広く可動させることができます。
胴体内部には収納状態のコアスプレンダーが格納されていて、ぞれぞれチェストフライヤーとコアスプレンダー、レッグフライヤーに分離させることができます。
収納状態のコアスプレンダー。ポリキャップやパーツを挟みますが、簡単な左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。分離した状態だと少し情報量に欠けますが、格納された状態だとチープさは感じないくらいにはなっているかと。白一色なのでブルーやグレー、レッドなどで細かく塗り分ける必要があります。
腰アーマー裏は各面とも簡易的でモールドなどはありません。段差などもないので裏打ちパーツの自作はラクそうです。
■腕部
腕部。形状自体はシンプル。エッジの効いた装甲でまとめられています。ショルダアーマーは赤一色なので、内側のモールドや外側のダクト周りをホワイトに、ダクト内部をグレーに塗り分けが必要です。
上腕は筒型なので合わせ目はありません。肩内部と前腕は合わせ目ができる構造。肘など各部が分離するので合わせ目消しはラクそうです。
ショルダーアーマーも前後の簡単な組み合わせ。こちらは肩内部パーツを挟むため、合わせ目を消す場合は後ハメ、もしくはマスキング塗装などの手間がかかりそうです。
■脚部
脚部。全体的に細身でスタイリッシュ。腕部とは異なり、丸みもあって柔軟性を感じさせる造りになっています。ふくらはぎ後部には角型スラスターがありますが、HGCEのような上下への可動ギミックはありません。膝の参画モールドはイエローに、縦型ダクト内部はグレーに塗り分けが必要。
大腿部、膝から下ともに左右の組み合わせで前後にガッツリ合わせ目ができます。膝が分離しないため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの細かな処理が必要そう。膝関節も合わせ目ができる構造なので処理はかなり手強そうです。
ソール部。ハイヒール型ですが形状自体はシンプル。足首のグレーパーツは申し訳程度ですが前面にシリンダーモールドが入っています。左右の組み合わせで中央に合わせ目ができますが、分解できるので合わせ目消しはラクそうですね。足甲のモールドはグレーに塗り分けが必要。
足裏は裏打ちパーツできっちりと蓋がされていて肉抜き穴などはありません。モールドも小型スラスターなどがきめ細かく、完成度の高い造りになっています。つま先はレッグフライヤーへの変形用に角度変更が可能。
■バックパック
背部にはパワーパック、エクスカリバーレーザー対艦刀、フラッシュエッジビームブーメランで構成されたソードシルエットを装備。バランス良く配置された左右2本の対艦刀やV字のビームブーメランが機体デザインの質を高めています。
パワーパックはダクトやスラスターなどがパーツで細かく色分けされています。部分的に合わせ目はできますが、造り自体は悪くないですね。スラスターは各部をグレーやレッドなどに塗り分けが必要です。
パワーパックの後部ユニットは飛行形態用に上下に可動。
対艦刀はRGのようなホルダーはなく、1軸ダボでアームに直接接続するようになっています。アームはシンプルな1個パーツ構成。1軸接続で対艦刀を前後にスイングさせることができます。
エクスカリバーレーザー対艦刀はシンプルな3個パーツ構成。少ないパーツ数ながらも落ち度のない造りになっています。長さは劇中に比べるとやや短め。刃の一部は青いシールで色分けしますが、グリップ周りが白一色なのでグリップをグレーに、ガードなどをブルーに塗り分けが必要です。
鍔の部分は左右の組み合わせで合わせ目ができます。
刃の部分には付属のビームエフェクトパーツが組み付け可能。波状のエフェクトがリアルに造形されています。エフェクトは組み付ける向きを間違えないように注意。
フラッシュエッジビームブーメラン。ジャスティスガンダムのバッセルの発展改良型のビームブーメランになります。投擲後は量子通信によって操作されるため、大気圏内のみならず宇宙でも使用が可能とのこと。合わせ目ができないパーツ構成です。黒いラインはシールでの色分け。
ビームブーメランは基部と2本のブーメラン柄に分離可能。柄はビームエフェクトを組み付けることで武器として使用することができます。
基部が1軸接続なのでロールさせることができますし、ヒンジ接続部は角度変更が可能です。
■他キットとの比較
HGフォースインパルスガンダムと並べて。フォースインパルスのほうがヒロイックさが強いですが、ソードインパルスの方は要所に黒が使われているため、硬派な印象が強く感じられますね。
HGCEソードインパルスガンダムが手元にないので、HGCEフォースインパルスガンダムと並べて比較。HGCEは脚長でプロポーションがかなりスタイリッシュ。HG SEEDのほうが良いという方もいると思いますし好みが分かれそうですね。
RGソードインパルスガンダムと並べて。流石にRGは情報量が多くリアル。武装類も大柄で存在感がありますし、全体的なプロポーションバランスが良く、キット自体の完成度がかなり高いです。
■各部可動域
可動域は本体形状が同じなのでHGフォースインパルスガンダムと全く同じ。頭部は少し上下する程度で、腹部や腰部も合体・分離ギミックがあるため可動はしません。腕は水平まで上げることが可能。肘は1重関節で90度程度曲げることができます。
腰は干渉するため、45度程度までの回転となります。膝は2重関節で深くまで曲げることが可能。立膝はきれいな姿勢で再現することができます。
股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚はハの字程度まで。
古いHG SEEDフォーマットなため、どうしても可動は制限されますが、割と開脚や膝などの可動域は広かったりもするので、そのあたりをうまく活かしつつポーズを取らせたいところです。
■武装類
高エネルギービームライフル。フリーダムやジャスティスが持つルプス・ビームライフルの改良型ビームライフルになります。表面には細かなモールドが造形されるなど、メカニカルで見栄えのする武装になっています。上部センサーの表面は白に、側面の角型モールドは赤に塗り分けが必要。
本体部分は簡単な2枚パーツ構成で上下に合わせ目ができます。起伏は小さいので合わせ目消しはラクそうですね。(一部ゲートが・・・;)
高エネルギービームライフルはリアアーマーにマウント可能。薄型なのでソードシルエットの邪魔にもならず、ラクにマウントさせることができます。
機動防盾。左腕部に装備する装甲板式の実態盾になります。表面の十字はパーツでの色分けを再現。裏面には簡易的なモールドのみデザインされています。
■ポージング
一通り武装して。ソードインパルスガンダムは武装した際のシルエットが格好良いですね。背部ソードシルエットもそれを意識した配置になっているのかもしれません。
高エネルギービームライフルは一旦手甲パーツをバラし、グリップをハンドパーツで挟みますが、グリップが細いので保持するとふらつきやすいです。ですが抜け落ちることはないのでストレスは少なめ。
機動防盾は前腕に組み付け可能。付属のジョイントパーツを前腕に組み付けて装備します。組み替えることで側面と後面に配置することが可能。
前腕にある程度しっかりと固定されますし、小型なので干渉も少なく取り扱いやすいです。胴体部がコアブロックシステムの組み合わせ構造になっているため、弄っていると上半身が少し抜けやすいので注意。
このソードインパルスガンダムに付属している機動防盾は展開ギミックがありませんが、HGフォースインパルスガンダムに付属しているものを使えば、展開状態を再現することができます。
エクスカリバーレーザー対艦刀を装備して。ロングサイズの武装なので、簡単に保持するだけでも重厚な雰囲気を表現することができます。
ハンドパーツ穴に対してグリップが細身なため、少し回転したり上下に移動したりしますが、抜け落ちることはないので保持のストレスは少ないです。
軽量なので腕に負荷がかかることはなくラクラクと保持が可能。
エクスカリバーレーザー対艦刀は後部を連結させることで、双刃剣である「アンビデクストラスフォーム」が再現可能。ガードを掴ませられるので、劇中第1話の印象的なシーンも再現することができます。「また戦争がしたいのかっ!!あんたたちはっ!!」
2本連結しても大した重量ではないため、片手でもラクに保持することができます。
フラッシュエッジビームブーメランを装備して。こちらもハンドパーツ穴に対してグリップが細身ですが、うまく引っかかるので角度が変わることなく保持できます。
2本を連結した状態の大型実刃ブーメランとしても使用できますし、分解してビーム刃を組み付け、ビームブーメランとしても使用できるという使い勝手の良い武装になっています。
■ソードシルエット(飛行形態)、コアスプレンダー、チェストフライヤー、レッグフライヤー
ソードインパルスガンダムは各部を分離し、付属のコアスプレンダーやHGフォースインパルスガンダムに付属しているシルエットフライヤーと組み合わせることで、個別の単機ユニットを再現することができます。
■ソードシルエット(飛行形態)
説明書に組み付ける方法は記載されていませんが、ソードシルエットはHGフォースインパルスガンダムのシルエットフライヤーを使用することでソードシルエットの飛行形態を再現することができます。
シルエットフライヤーに接続する場合は対艦刀のアームの角度を調整し、後部スラスター部分を展開。ブーメランを反転させておきます。
そして内側のジョイント部分の角度を変えて組み付けます。
ソードシルエットの特徴を活かしつつ、戦闘機らしい機体形状がうまく再現されていますね。
ソードシルエットは単体でディスプレイできるようになっていないので、アクションベースに付属している筒型パーツを底面に組み付けてディスプレイさせています。スピード感のあるシルエットで格好良いですね。
付属のコアスプレンダー。白一色で物足りない感じはありますが、モールドが多くプロポーションも優秀。エッジも効いていて造形物としての完成度が高いです。塗り分けると一変しそうですね。
コアスプレンダーを上下から。各部をブルーやイエロー、レッド、グレーなどに塗り分けが必要。ウイングのハードポイントにある航空ミサイルランチャーは脱着が可能です。
3.0mm穴などはないため、単機でディスプレイさせる場合はコの字パーツなどで挟む必要があります。
■チェストフライヤー
インパルスの上半身を構成するユニットになります。ミネルバから出撃する際は高エネルギービームライフルと機動防盾を装備した状態で射出。
やや高エネルギービームライフルがふらつきやすいので注意。角度が変わりやすいので、うまく調整しつつのディスプレイとなりそうです。こちらも単体でディスプレイさせるようにはなっていないので、アクションベースなどの筒型パーツを使ってディスプレイさせました。
■レッグフライヤー
レッグフライヤー。インパルスの下半身を構成するユニットになります。下半身を簡単に変形させただけのシュールな機体形状ですが、破損時には使い捨てが可能という効率的なユニットではありますね。
こちらは股間部にコの字パーツを挟んで飛行時のシーンを再現してみました。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ソードインパルスガンダムならではの赤いカラーリングや背部ソードシルエットに存在感があって良いですね。縦に長い対艦刀を背部に装備することで、インパルスガンダムのシルエットがかなり格好良く見えますし、古いキットながら思った以上に良いポージングを再現することができます。
昔のキットなのでどうしても構造的な物足りなさ、武器のふらつき、合わせ目といった気になる点はあります。ですがそれがこのHG SEEDの味でもありますしレトロな良さでもあるので、それらを踏まえた改修、合わせ目消し、塗装などを楽しんでみるのも良いのかなと。
合体・分離変形というロボット的な魅力が備わっていてとても楽しめますし、別途付属しているコアスプレンダーも白一色ながら造りはかなり良いです。チェストフライヤーやレッグフライヤーなど4機での飛行シーンを再現すると圧巻。その他対艦刀の存在感、ビームブーメランの軽快さなど、あらゆる面で遊びを体感できる、幅を持ったキットなのが良いですね。
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2 件のコメントがあります。
バナナ猫
on 2024年7月17日 at 21:20 -
左肩のジョイントを間違えて切ったことがあります
匿名
on 2024年7月17日 at 21:26 -
悲しいね…バナナ猫