今回は、2011年11月に発売されたHG 1/144 xvv-xc ゼダスのレビューをご紹介します!
HG ゼダスは、『機動戦士ガンダムAGE』に登場する高機動型可変MS『ゼダス』の1/144スケールモデルキットです。ヘッドパーツの瞳部分と胸部をクリアパーツとホイルシールで再現。脱着可能なテール型実体剣「ゼダスソード」やハンドパーツのビームバルカンが造形されるなど、印象的な機体形状を再現したキットになっています。価格は1,650円(税込み)です。
UE(アンノウン・エネミー)/ヴェイガン所属の高機動型可変機『xvv-xc ゼダス』がHGでキット化。Xラウンダー用に開発され、連邦からはガフラン後継機、または上位機との推測も。生物的ながらも、ジェット機のような飛行形態への変形が可能です。
成型色は全身がダークグレー。部分的にライトグレー(ブラウン)やライトイエローに配色されていますが、全体的には敵役感の強いカラーリングになっています。シールは頭部センサーや胸部の目のようなモールドを補いますが、全体的に少なめです。塗装による塗り分け箇所もほとんど必要なし。
HGガフランとは形状が似ていますが、共通部分はなく完全新規造形によって再現されています。ポリキャップはガフランと同じPC-001Aを使用。すべてPS素材パーツ構成で、大部分の関節にポリキャップを使用し、関節強度は高めに仕上がっています。
背部にウイングやテール状のゼダスソードを装備しているためやや後方に比重がかかります。足首の角度もつきにくく、接地が安定しにくいですが、バランス良く姿勢をとらせることで自立は可能です。
頭部をガフランと並べて。ガフランと似ていますが、可動展開する装甲はなく、全て固定式です。見た目もシンプル。ライン型のカメラアイセンサーはグリーンのシールでの色分けです。
ライトグレーの装甲部分は左右挟み込みタイプで後頭部に合わせ目ができます。カメラアイ部分を挟み込むので、合わせ目を消す場合は後ハメ加工やマスキング塗装などが必要そう。
胸部。動物の頭部のような突き出た形状に、目のようなモールドが造形された生物的なフォルムになっています。突き出た部分は上下挟み込みタイプなので中央に合わせ目ができます。
両肩には特徴的なアンテナを装備。
左右の目のようなモールドは赤いシールでの色分けで、下部のビーム・キャノンはグリーンのシールでの色分け。両部共に表面をクリアーパーツで覆うようになっています。
腹部や腰のライトグレー装甲は適度に可動します。
腰部は左右挟み込みタイプ。前部には合わせ目ができますが、後部の合わせ目は段落ちモールド化されています。
腕部。トゲトゲしい獣感ある作りになっています。色分け箇所も少なく、単色でヒール感の強いカラーリングになっています。
二の腕は左右挟み込みタイプで前後中央に合わせ目ができます。肘から下も左右挟み込みタイプで前後部分的に合わせ目ができます。肘から分離できるので、合わせ目を消すのはラクかと。ハンドパーツはガフランと同じ獣的なものになっています。
ショルダーアーマーも挟み込みタイプで上部や側面に合わせ目ができます。こちらも内部にポリキャップを挟むだけなので合わせ目を消すのはラクそうです。
脚部。こちらも腕部と同じく棘感のある作りに。配色も部分的にライトグレーの装甲があるくらいでヒール的。
大腿部は前後挟み込みタイプで側面に合わせ目ができます。膝から下は左右挟み込みタイプで前後に合わせ目ができます。膝から分離可能なので、共に合わせ目を消すのはラクそうです。
大腿部裏の装甲は可動式。
ソール部はシンプルなブーツ型。つま先側は左右挟み込みタイプで合わせ目ができます。かかとは1個パーツ構成。足裏はかかと側にモールドが造形されているのみで、つま先側にはモールドがなくのっぺりな感じに。
背部ユニット。上部にジェットエンジンのようなユニットを装備し、中央には左右に伸びるウイングやテール状のゼダスソードを装備。下部には冷却装置のような3枚フィンが造形されています。基部は左右挟み込みタイプですが、合わせ目は段落ちモールド化されています。
背部ユニットの上部。この部分も上下挟み込みタイプで中央に合わせ目ができます。背部に組み込むようになるので、合わせ目を消す場合は手間がかかるかも。
ウイングは脇から前方にかけ、腹部腰部を覆うように展開。
ウイングは獣の翼のような刺々しい作りになっています。付け根や球状の中間部はフレキシブルに可動するような組み合わせ。
背部のユニットは変形用にガバっと後方に展開させることができます。
胴体部もそれに合わせて後方に移動させることが可能。
ゼダスソードは脱着が可能。
刀身は挟み込みタイプで合わせ目ができます。接続部は可動式。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。ルプスレクスと同サイズくらい。ゼダスの全高は19.3mです。
HGガフランと並べて比較。似た形状の部分は多いですが、細部などの作りはかなり違っています。
ウイングを外した状態で、上半身と下半身の各部をアップで比較して。
HGガンダムAGE-1ノーマルやHGジェノアスと並べて。地球連邦軍のMSに比べて体格も大きめで強そうな印象。
頭部は左右のグレー装甲と襟が干渉するため、あまり顎を引く動きはできないようです。少し見上げることはできました。左右への可動は、干渉してぎこちない感じはありますが、真横にまで向けることができました。
腕は水平より少し下くらいまで上げることができます。肘はV字程度にまで可動。
肩は前方に少し広めにスイングさせることができます。
上半身はある程度前後スイングさせることができます。
背部ユニットを後方に展開することで、さらに広く前後スイングさせられるようになります。
腰も背部ユニットの配置次第で360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへのディスプレイは、股間部のポリキャップ穴に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
腰アーマー類がないので、幅広い前後開脚が可能です。
腰周りにウイングを覆った状態でも水平程度まで展開が可能です。
膝はくの字程度まで曲げることができます。大腿部の装甲が大柄なため、膝関節はわずかに確認できる程度です。膝関節は左右挟み込みタイプで中央に合わせ目ができます。
足首は前後、左右とも少し可動する程度。
つま先は折りたたみが可能です。
股間部がボールジョイント接続なため、左右への開脚はハの字程度となります。
内股、ガニ股の可動もわずかです。
立膝はきれいな姿勢でこなすことができました。
可動域の総括としては、腰回りにアーマーがない分、前後開脚などは広く可動させることができますが、それ以外の部分はお世辞にも広いとは言えません。ただ、腹部周りが柔軟なので、ある程度柔らかいポーズは取れそうではありますね。
平手(左右)が付属。手のひらにはガフランと同じくビームバルカンが造形されています。ビームバルカンは付け根ボールジョイントでフレキシブルに可動します。
平手を装備し、ビームバルカンを展開。ヒール感はありますが、形が整っているのでポージングもなかなかかっこいいものになります。
設定では人型時にはウイングを展開しないのかもしれませんが、展開させればドラゴンのような獣感あるスタイルでポーズさせることもできます。
背部のゼダスソードは取り外して平手のビームバルカン部に取り付けが可能。若干重さで手首が反りやすいので注意です。
飛行形態への変形は握り手に組み換え、肘をL字にします。背部ユニットやウイングを後方に展開し、膝をS字に。つま先は伸ばしておきます。
腹部以下を背部ユニットの下側に一気に反らせます。腹部のライトグレー装甲は動かして内側に向けたら変形完了です。
飛行形態。かっちりと固定されるわけではないので、形が安定するわけではありません。ですが関節強度は高いので、ある程度の形状維持はできています。
飛行形態を色んな角度から。
ガフランは獣感が強い飛行形態でしたが、ゼダスはジェット機とドラゴンが混じったような、半機械的なスタイルになっています。
飛行形態のディスプレイも人型形態と同じく、股間部のポリキャップに3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。ポリキャップなので、キットがクルッと回転することもなく、ディスプレイさせやすいです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ガフランよりも人型、機械型により近いフォルムになっていて、造形バランスやプロポーションも良くなっていると思います。ガフランの後継機としても魅力的な一体。UE所属機らしい獣感は残しつつ、見た目によらないかっこよさを持っているのもいいですね。
欠点的には、ガフランからそうですが、四肢などに合わせ目ができるので、素組みでもポーズ次第で合わせ目が目立ったりします。塗装などして仕上げるにも手がかかるところがあるので、その辺りは勿体ない気がします。
飛行形態はシャープな作りでスピード感がありますし、人型形態も強そうな印象がよく表現されています。ポージングも不自由さなどは感じずサクサクと試すことができました。クセのあるUE機ですが、騙されたと思って入手してみたら、思いがけない良さを味わえるかもしれませんね。