今回は、2011年10月に発売されたHG 1/144 ovv-f ガフランのレビューをご紹介します!
HG ガフランは、『機動戦士ガンダムAGE』に登場するドラゴン型MS『ガフラン』の1/144スケールモデルキットです。獣のような特徴的な機体形状を再現。各部がフレキシブルに可動し、劇中のようなポーズも再現可能。印象的な飛行形態への変形も可能なキットになっています。価格は1,320円(税込み)です。
UE(アンノウン・エネミー)/ヴェイガン所属の初期主力可変機『ovv-f ガフラン』がHGでキット化。生物的な局面主体の形状が再現されています。AGE-1ノーマルが登場するまでは、連邦軍の兵器群をまったく寄せ付けない性能を発揮したとのこと。
成型色はダークブルーの外装をメインに、四肢や関節などをダークグレーに配色。腹部の拡散ビーム砲をクリアーグリーンパーツで補いますが、ほぼ前述した2色で構成されています。シールも頭部カメラアイセンサーや頬のモールド、脚底のモールドを補うのみで、塗装する箇所もほぼないキットになっています。
背部ウイングやテール型のビームライフルなど、上半身に重量感があり、脚底が小さめなので、自立には少し不安定さがあります。ですが後部装備の配置を考慮しつつ、少し前方に比重を掛けることで自立は可能です。
頭部。ギザギザラインのカメラアイと大柄な装甲をまとったフォルムが印象的。装甲を含め複数のパーツで構成されていて、全体的に合わせ目は少なめ。顎の部分に合わせ目が出来ますが、分解できるので合わせ目消しはしやすいかと。
外装は変形用に展開が可能。後部はヒンジのような作りになっています。
顎は上下に可動。
後部の装甲も付け根がボールジョイント型ポリキャップでの接続で上下などに可動します。
首はポリキャップパーツを逆向きに取り付ける仕様で、基部も少し可動します。基部は左右挟み込みタイプで中央に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要そうです。
胴体部。独特のフォルムで造形されています。腹部の拡散ビーム砲や肩左右の装甲はパーツによる色分け。左右の組み合わせなので、中央に合わせ目ができます。内部が複雑なため、合わせ目を消すのは結構大変そうです。
腹部拡散ビーム砲のクリアーパーツはブラックライトで照らしても発光しませんでした。
肩はボールジョイントで別パーツ化。
単独で可動するため、腕を幅広くスイングさせることができます。
腕部。人的な程よい肉付きと、生物的なハンドパーツが印象的な作りになっています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。肘関節と前腕は左右挟み込みタイプで前後中央に合わせ目ができます。肘から分離するので、合わせ目消しはラクそう。(肘関節はマスキングなどが必要かもです。)
ショルダーアーマーは前後挟み込みタイプで上部に合わせ目ができます。前後で形状が異るので、組み合わせには注意が必要です。
脚部。こちらも人らしい程よい肉付きと、大腿や膝部の凸部が悪魔のような印象的なデザイン。
大腿部は前後挟み込みタイプで側面に合わせ目ができます。膝から下は左右挟み込みタイプで前後に合わせ目ができます。膝から分離できるので、共に合わせ目を消すのはラクそうです。
ソール部は小型でコンパクトなタイプ。足裏はごっそり抜かれた状態で内部のパーツが露出する状態です。かかとの円形モールド(スラスター?)はシールでの色分け。
背部は左右のウイングや中央のテール型のビームライフルを装備した獣らしい作りになっています。
ウイングはギザギザな作りで獣感が表現されています。表裏共にモールドはほとんどなく、シンプルなデザイン。
付け根はポリキャップでスイング。中間の接続部はヒンジのような形状になっています。
これらの動きで、腹部を覆うようなスタイルにもなりますし、後部に広く展開することで翼のような表現をすることも可能です。
ヒンジの部分は挟み込みタイプで合わせ目ができます。
最外のウイングは付け根ボールジョイント型ポリキャップによって上下に幅広く可動します。各部とも固定強度が高いので、自由な形状に変化させることができますし、ヘタレもしにくくなっています。
テール状のビームライフルは可動箇所が多く、かなり柔軟に可動します。全体的に伸ばしたり、後部に収納したりと自由に可動。
付け根ポリキャップ接続により、幅広い左右スイングも可能です。
基部や蛇腹モールドが入った接続部も左右挟み込みタイプで合わせ目ができます。それぞれ節目で分離するので、合わせ目消しはラクそう。左右にはハードポイントが造形され、付け根がボールジョイントでフレキシブルに可動します。ここは強度が固めなので、動かすときに破損させないように注意です。
ビームライフルの砲身部も左右挟み込みタイプで合わせ目ができます。こちらもハードポイントが造形され、付け根ボールジョイントで少し可動します。ハードポイントに装備する武装などは付属していません。
中間部は伸縮が可能。伸ばすとパチンと固定されます。
砲口は開口していません。
背部は獣感ある作りになっていて、中央が少し可動します。
背部のウイングやテール状のビームライフルを外した状態で。モビルスーツと言うにはあまりにも生物的で独特なフォルム。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて比較。HGとしては少し大きめのサイズになります。ガフランの全高は19.4m。
頭部は広く見上げる動きが可能です。顎を引く動きはわずか。左右への可動は外装がショルダーアーマーと干渉するため難しく、45度程度までの可動となります。うまく干渉を交わすようにすれば、もしかすると真横くらいにまで動かせるかも。
腕は水平程度、肘はV字程度と、どちらもあまり広くは可動しません。
肩はの可動は、後方へはボールジョイントなり。胸部が可動するので、前方へは幅広くスイングさせることができます。
上半身はわずかに前後スイングさせることができます。
腰は少し浮かせることで45度程度まで回転が可能。アクションベースやスタンドへのディスプレイは、股間部のカバーパーツを外し、3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。ポリキャップパーツで脱着強度が高めなので、破損させないように注意が必要そうです。股間部は少し回転し、柔軟に可動するようになっています。
腰アーマー類がないので、かなり広くまで前後開脚させることができます。
装甲を取り付けた状態だと干渉するので、それなりに展開するようになります。
膝は完全とまではいきませんが、二重関節で深くまで曲げることができます。膝関節の作りも独特。膝関節パーツは左右挟み込みタイプで合わせ目ができます。
変形用に逆向きに可動させることも可能。
つま先は変形用に展開が可能。
足首は前後、左右共にわずかです。
左右への開脚はハの字程度まで。
内股、ガニ股共にわずかに可動する程度です。股が開き気味になるため、閉じるような姿勢を取るのは難しいようです。
腰アーマーの干渉がないので、深くまで腰を下ろした状態での立膝が可能です。
可動域の総括としては、首の可動や左右への開脚など、今ひとつという部分はありますが、全体的にはまずまずな可動域を持っているようです。ただ、人型という程でもないので、あまり躍動感あるポーズというのも必要ないのかと。その容姿を生かしたポージングができれば問題ないかもですね。
手のひらにビームバルカンを装備した平手が付属。ビームバルカンは付け根のボールジョイントで適度に可動します。
平手と握り手だけで表現力にはやや乏しいですが、特殊な外装によって異物、異星人的な容姿は十二分に楽しむことができます。
背部のビームライフルを展開することで、独特の射撃体勢を取ることができます。後部から展開しますが、可動が柔軟なので外装やショルダーアーマーなどとも干渉することなくポーズを取ることができました。
このキットにビームサーベル刃は付属していないですが、ビームバルカンの砲口には、劇中のようなビームサーベル刃を取り付けることも可能。(ちなみに劇中のビームサーベルはイエローでした。)
劇中シーンっぽく再現。適役にはうってつけの容姿です。
飛行形態への変形は、平手に組み換え、肩を前方に可動させます。頭部は装甲を後部に展開し、上向きに起こして顎を下げておきます。
膝を逆S字にし、つま先を展開。テール状のビームライフルは伸ばしておきます。
ウイングを左右に展開したら、飛行形態への変形完了です。
飛行形態を色んな角度から。かなり個性的で生物的なフォルムに変化します。
各部にリブ固定があるタイプではないため、手足をきれいに揃えたりというのは微調整が必要になるので難しかったです。むしろ柔軟性を生かした生物的なポーズを表現するのに適していますね。
一見するとガンダムの登場機とは思えない容姿。それだけに、セオリーとは違った魅力が味わえるのがいいですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。独特のフォルムでかなり個性的。ガンプラと言われても耳を疑うくらい、独特の容姿をしていますが、人型と飛行形態でそれぞれのスタイルを楽しむ事ができるのはいいですね。好みはかなり分かれそうですが、個人的にはむしろクセが有りすぎるくらい見た目のインパクトが強いことに好感が持てます。
欠点的には、四肢や胴体各部に合わせ目ができるので、その点はちょっと不満かも。敵側の機体だからか、少し妥協感が感じられるのはもったいないですね。
ガンダムと組み合わせると善悪の区別がくっきりと出ますし(作品内で善悪はないですけど;)、ガンダムのヒロイックさ、かっこよさもより際立ちます。もちろんガフラン単体としても、何気に凝った作りの部分があり、柔軟にポーズを取ることができるなど、侮れない楽しみ方ができるキットでした。