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HG デミギャリソン レビュー

今回は、HG 1/144 デミギャリソンのレビューをご紹介します!

HG デミギャリソンは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『デミギャリソン』の1/144スケールモデルキットです。一部外装や追加装備された武装類を新規造形で再現。ロケットバズーカやミサイルランチャー、4連装ビームバルカンといった多数の武装が付属し、様々な演出が可能なキットになっています。価格は2,420円(税込み)です。

ブリオン社が展開するデミシリーズのラインナップにおいて、警備・軍事用途を目的とした実戦仕様機で、劇中ではガンダムエアリアルの捕獲やテロリストとの交戦に努めた『デミギャリソン』がHGでキット化。

2022年11月に発売されたHGデミトレーナー(チュチュ専用機)HGデミトレーナーをベースに、頭部や肩部スラスター、膝部装甲、背部サーベルホルダーといった各部、ロケットバズーカ、ショートライフル、ミドルライフル、ミサイルランチャー、バッテリーパックといった武装類が新規造形で再現されています。

成型色は青みのあるダークグレーとライトグレーをベースに、頭部バイザーにクリアオレンジ、内部・関節など各部に濃いめのダークグレーを配色。渋みのあるミリタリー調のカラーリングが再現されています。

ホイルシールは付属せず。一部ハードポイントなどを塗り分ける必要がありますが、素組みするだけでも十分な色分けが再現されています。

ダークグレーの内部・関節パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。

ポリキャップも不使用。肘・膝関節はKPSパーツを交えたヒンジ接続構造で関節強度はまずまず高め。円筒状のバックパックを装備していますが、小型で大した負荷もないため、自立は安定しています。

大型ビーム・ライフル、ロケットバズーカ、ミサイルランチャー(左右)、ミドルライフル、ショートライフル、4連装ビームバルカン✕2、バッテリーパック✕2、ビーム・サーベル刃✕2、平手(左右)、武器持ち手(左右)、肩部シールドが付属。肩部シールドはお好みで組み立ててくださいとのこと。

HGデミトレーナー(チュチュ専用機)、HGデミトレーナー用の余剰パーツがいくつか付属。頭部センサーパーツがないので、チュチュ専用機や通常のデミトレーナーを完全な形で組むことはできません。

専用のマーキングシールが付属。武装類のセンサーや右肩のフロント管理社マークなどを補いますが、今回はシールは貼っていません。

形状の異なる部分のみ、HGデミトレーナー(チュチュ専用機)(以下、チュチュ専用機)やHGデミトレーナー(以下、デミトレーナー)と比較しながら各部を見ていきます。

頭部をチュチュ専用機、通常のデミトレーナーと並べて。どれもドーム状のシルエットではありますが、表情が少し厳つい雰囲気に変化。左側頭部には縦型のアンテナが増設され、こめかみのバルカンなどもパーツによる色分けが再現されています。

頭部バイザーのクリアオレンジパーツはブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。

胸部・腹部はチュチュ専用機や通常のデミトレーナーと同じ。エッジのあるメカニカルな装甲で、腹部や胸部左右の小型スラスター?などがパーツでの色分けとなっています。

首に可動ギミックはなし。肩はボールジョイント接続で前方に広く展開させることができます。

上下にも適度に可動。腹部は適度に反らすことができます。

腰部前面をチュチュ専用機と並べて。大部分の形状は同じですが、フロントアーマー中央にはダボ穴を隠すためか、角型スラスター付きのカバーパーツを組み付けるようになっています。

カバーパーツを取り外すことで、チュチュ専用機や通常のデミトレーナーと同じく、付属の大型ビームライフルをマウントさせることができます。

リアアーマーやサイドアーマーはチュチュ専用機や通常のデミトレーナーと同じ。リアアーマーは幅のある簡易的な装甲で、サイドアーマーには簡単なハードポイントが造形されています。

腰アーマー裏はフロント、リア共に簡単なモールドが造形。見えても違和感がないように配慮されています。

リアアーマーを展開させ、腰部を傾けてリアアーマーを戻すことで、上半身を深くまで反らすことができます。

右腕部をチュチュ専用機、通常のデミトレーナーと並べて。上腕以下の形状はどれも同じですが、肩はデミギャリソンがボックス型のスラスターを装備。チュチュ専用機はフレームの軽装状態、通常のデミトレーナーはショルダーアーマーのみとなっています。

ちなみに左腕部はチュチュ専用機だけが大型シールドを装備しています。

上腕は前後の組み合わせですが、合わせ目は下部の左右でモールドっぽく造形。前腕も一部が左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。ハンドパーツは新規で穴なしのものが付属。

肘関節は他のデミトレーナーと同じヒンジ接続で組立てやすさに配慮がされています。前面からカバーパーツを被せることで関節がヘタレにくい構造。

前腕はロール可能。

ショルダーアーマー自体は通常のデミトレーナーから変わらず。前後の簡単な組み合わせですが合わせ目ができない構造です。上部にはヒンジのアームを装備。アームはチュチュ専用機のシールド用アームと同じもので、適度に展開させることができます。裏面の肉抜き穴は少し気になるところ。

肩のスラスターは簡単な3個パーツ構成ですが、表面や下部のスラスターは適度に開口されていますし、各面には物足りなくない程度のモールドが入っています。

内側のジョイント部分も引き起こしが可能。内側には3.0mm穴があるので、何かしらカスタマイズにも使えそうですね。

アームを介してスラスターを前後や上下などフレキシブルに可動させることができます。

脚部をチュチュ専用機、通常のデミトレーナーと並べて。形状自体はチュチュ専用機とよく似ていますが、膝の装甲はデミギャリソン用にスラスター付きのものが新造されています。

大腿部、脛共に筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。他のデミトレーナー系と同様、膝関節が肉抜きっぽい作りなのは少し気になるところです。

脚部側面のスラスターは上下にスライド可能。カチッとロックがかかるため、自然に上下したりすることはありません。

更に後方へも展開可能。脚部の表情を変化させることができます。上部ダクトや下部のスラスター口もパーツで色分けされています。

スラスターは裏打ちパーツもきっちりと造形。

新造された膝装甲は左右の組み合わせですが、合わせ目は端で段差モールド化。中央のスラスターは上下に可動させることができます。スラスター内側もモールドが造形されていて存在感がありますね。

膝関節もヒンジ接続の組立てやすさに配慮された構造。片面からカバーパーツを被せるため、経年劣化による関節のヘタレも軽減されるような仕様になっています。

ソール部。つま先はチュチュ専用機や通常のデミトレーナーと同じですが、かかとのウィルダッシュプラスのローラーがデミギャリソン用に新造。適度にモールドが入っています。

足裏は全体が肉抜き穴ですが、かかとには簡単なローラー型のモールドが造形。つま先はボールジョイント、かかとは1軸で幅広くロールさせることができます。

バックパックをチュチュ専用機、通常のデミトレーナーと並べて比較。バックパック本体の形状はチュチュ専用機と同じ。円筒のタンク型ですが、左右にはビーム・サーベルのホルダーを装備。

背部は他のHG水星の魔女シリーズと同じ2ダボ接続。なので他のデミトレーナー系の装備はもちろん、HG水星の魔女シリーズ、一部のHGUCのバックパックなども装備可能です。

バックパック本体は基部が前後2枚パーツ構成ですが、上下の合わせ目はモールド化。

サーベルホルダーは上下にロールさせることができます。

HGデミトレーナー(チュチュ専用機)と並べて。似た箇所は多いですが、肩膝などに実践仕様の装甲が加えられたことでより強靭さ、機動力の高さなどが増しているようです。

HGデミトレーナーコンセプトモデルであるHGデミバーディングと並べて。通常のデミトレーナーは教習などで使用されたベーシックなデミトレーナーですが、デミバーディングは各部にカスタムが施された仕様でバリエーションが豊か。

各部可動域はチュチュ専用機と殆ど同じ。頭部は微妙に上下する程度です。左右へはラクにスイング可能。腕はY字程度まで上げることができます。ショルダーアーマーの形状が違っていますが可動域は同じ。肘は1重関節で90度より少し深くまで曲がります。

腰は干渉なく360度回転可能。膝は2重関節で深くまで曲げることができます。立膝もきれいな姿勢で再現可能。

左右への開脚は幅広く展開させることができます。足首も広くまで展開できますが、かかと側は少し制限されるようでした。

可動域の総括的には、デミトレーナーのフォーマットなので各部が柔軟に可動します。超絶広いというわけではないですが、ポーズを取らせるには十分。デミギャリソン用に装甲が追加されていても干渉などはなく、思ったようなポーズが再現できそうなのが良いですね。

ロケットバズーカ。デミギャリソン専用に設計された大型携行火器になります。全体的にモールドが細かく入っていますし、各部に起伏があってメカニカル。

本体部分は左右の組み合わせですが、上下各部の合わせ目は段落ちなどでモールド化。

グリップ、フォアグリップともに前後に可動させることができます。

砲口や筒型の後部も細かなモールドが造形。センサーはグリーンのマーキングシールで色分けします。

ロケットバズーカを装備して。

バズーカは付属の握り手で保持。グリップをハンドパーツに差し込んで保持します。微妙に隙間がありますが抜けるほどでもなく、安定した保持が可能です。グリップが前後するので肩との干渉もありません。

平手が付属するので、バズーカに手を添えるようなポーズも自然な形で再現可能。

フォアグリップが可動するので、両手持ちも特に不自由さはないようでした。肩に可動ギミックがあるのでゆったりと保持させることができます。

しっかりと脇を占めて狙いを定めるようなポーズが取れるのが良いですね。

ミドルライフル。中型の単発式携行火器になります。通常出力とチャージショットの切り替えが可能。ショートライフルとは部品に互換性があり、簡便なメンテナンスが可能とのこと。こちらも部分的に点型のモールドが造形されるなど、メカニカルにデザインされています。

本体部分んは簡単なモナカ割ですが、上下の合わせ目は段落ちなどでモールド化。

銃口も近未来的なデザインで造形されています。センサーはグリーンのマーキングシールでの色分けです。

ミドルライフルはグリップをハンドパーツに差し込み、後部ストックのダボを前腕のハードポイントに組み付けて保持します。2箇所で固定できるので、ある程度しっかりとした保持が可能。

左肩にシールドを装備させると仕様の異なるデミギャリソンを再現することができます。もちろん右肩に装備することもできますし、腰部や前腕部の3.0mmハードポイントにいろんな武装を組み付けてカスタマイズしても良さそうですね。

ショートライフル。取り回しに優れた連射性の携行火器になります。単発の威力は低いが、制圧火器としての評価は高いとのこと。劇中でも主にこのショートライフルを装備したデミギャリソンをよく目にしました。

こちらも本体部分は簡単なモナカ割ですが、上下の合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。

こちらも銃口は近未来的に造形。銃口下部の丸型センサーや上部の角型センサーはグリーンのマーキングシールで色分けします。

ショートライフルもミドルライフルと同様、グリップをハンドパーツに差し込み、後部ストックのダボを前腕のハードポイントに組み付けて保持します。ミドルライフルよりも軽量なので取り回しがラク。

せっかくミドルライフルとショートライフルの2基が付属するので、両手射撃ポーズを再現してみるのもありなのかなと。

ミサイルランチャー。中~遠距離に対応した5連装のミサイル発射装置になります。弾頭は特に別パーツ化されておらず、表面をライトグレーに塗り分ける必要があります。

ランチャー本体部は左右と前後からパーツを組み合わせる構造で合わせ目はなし。

ミサイルランチャーはバックパック左右のサーベルホルダーを外して組み付けます。

ランチャー基部は適度に角度変更できますし、バックパックにマウントした部分も前後に幅広くロール可能。射撃方向を細かく調整することができます。左右への可動ギミックはありません。

4連装ビームバルカン。デミトレーナーにも採用されているデダラス(マルチツールシステム)のデミギャリソン専用ブロックユニットになります。ハンドパーツを外して組み付けます。ボールジョイント接続で少し角度変更が可能。

前腕側面には外付けのバッテリーパックを装着します。バッテリーパックは1個パーツ構成。背部のミサイルランチャーと組み合わせれば、多数の弾丸を浴びせるような、ダイナミックで迫力のある射撃ポーズを再現することができます。

ミサイルランチャー、肩やふくらはぎのスラスターなどから、背部からもその重厚感を楽しむことができます。浮かせてディスプレイさせる場合は、アクションベースやスタンドの3.0mm軸を股間部に差し込みます。

ビーム・サーベルはサーベルホルダーからグリップを取り外し、付属のビーム刃を組み付けます。ビーム刃はクリアピンク成型色での再現で、ブラックライトで照らしても発光はしませんでした。

グリップがやや細身でスルッと移動し易いです。ですが鍔の付け根が少し太く、丁度ハンドパーツとハマるのでなんとか抜けることなく保持させることができました。

大型ビームライフル。収束率の調整によりショートレンジからロングレンジまで対応した射撃が可能とのこと。チュチュ専用機に付属しているものと同じですが、バックパックに接続するためのケーブルは付属していません。

本体部分や砲身部分など、各部の左右の組み合わせ箇所は上下の合わせ目が段落ちなどでモールド化。

グリップやフォアグリップも個別にロール可動します。側面のセンサーも簡単な2個パーツ構成ですが肉抜き穴などはありません。

腰部へのジョイント用アームも細かなパーツ構成でフレキシブルに可動。

カスタマイズ用に各部を分解することができますが、このキットでは特に分解して使用するようにはなっていません。HG デミトレーナー用拡張パーツセットと組み合わせることで、様々な武装として楽しむことができます。

アームで腰部に固定していると、射撃ポーズを取らせるのが少し難しいところがあります。なので腰の可動ギミックを使って上半身をしっかりと反らすことで、ある程度様になる射撃ポーズを再現することができると思います。

アームを外して射撃ポーズを取らせたほうがラクではありますね。特にバックパックへの接続ケーブルも付属していないので、自由に装備させてポージングを楽しむのが宜しいかと。

武装類が豊富に付属するので、ポージングは選り取り見取り。すべて装備してその武装モリモリ感を楽しんでもいいですし、単品武装して個別のポージングを楽しむのもありですね。

デミギャリソンの機能として設定されているかは分かりませんが、かかとのウィルダッシュプラスを使って滑走するシーンを再現してみるのも良さそうです。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。既存のデミトレーナー系ベースで見慣れた箇所は多いものの、新造された頭部や肩部スラスター、膝部装甲などは実戦仕様機らしい、効率的且つ性能の高さが伺える容姿になっています。全体的にチープな感じはなく、メカニカルなディテールが入っていて作りが良いですし存在感も十分。

気になる点も特になし。とても良くできたキットになっていると思いますし、可動域も広くポーズが付けやすいです。あえて上げるなら、ヒンジ接続の膝裏に少し肉抜きが見えるくらいですね。

武装類の完成度も高く、ディテールがしっかりとしていますし、豊富に付属するのでポージングのバリエーションが多彩。特にミサイルランチャーや4連装ビームバルカン(バッテリーパック付き)を装備した際の攻撃ポーズはなかなかの迫力です。量産機にはもったいないくらいの多数の武装が付属しているので、その分自由な組み合わせも可能。様々な仕様のデミギャリソンが楽しめる、プレイバリューに優れたキットなのが良いですね。

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