今回は、2017年3月に発売されたSDガンダム EXスタンダード MSN-06S シナンジュのレビューをご紹介します!
SDEX シナンジュは、『新機動戦記ガンダムUC』に登場するMS『MSN-06S シナンジュ』のSDキットです。シナンジュの特徴的な機体形状をSDで再現。従来のSDガンダムシリーズキットから可動域が大幅に向上し、洗練されたスタイリッシュなプロポーションと幅広い可動域を両立したキットになっています。ビームライフルやシールドといった武装類が付属。価格は660円(税込み)です。
袖付きがAE社から強奪した試作機をベースに開発したニュータイプ専用MSで、劇中ではフル・フロンタルが搭乗。バナージ・リンクス搭乗のユニコーンガンダムと幾多の戦闘を行い、ラプラスの箱開示の行く手を阻んだ機体『MSN-06S シナンジュ』がSDEXでキット化。袖付きの特徴であるエングレービングやシナンジュ特有の刺々しい機体形状が新規造形で再現されています。
成型色はレッドが大部分を占め、ハンドパーツやバックパック、ビームライフルがグレー成型色で再現されています。成型色がわずか2色というシンプルなカラーリング。
シールは頭部モノアイや顎装甲、全身各部のエングレービングやソール部、シールドなどを補いまずまずの量。シールだけだと色が足りないので、腰部や前腕の動力パイプ、肩部や腰部ダクト、背部プロペラントタンクなど各部を細かく塗り分ける必要があります。
ABSやKPSは不使用。ほとんどのパーツはPS素材で構成されています。他のSDEXキットと同様、組み立てにニッパーは不要。パーツはランナーから手で切り離すことができます。
ポリキャップはPC-303-Cを関節各部に使用し、すべて使い切ります。関節強度はまずまず高め。背部にフレキシブル・スラスターやプロペラントタンクを持つバックパックを装備していますが、後方への負荷は殆どなく、自立は安定しています。
ビーム・ライフル、シールドが付属。最低限の武装のみで、劇中で見られたグレネード・ランチャーやビーム・アックス、ロケットバズーカなどは付属していません。
シールを貼らない状態で。シナンジュ本体はほぼ真っ赤。特徴であるエングレービングが色分けされていないため、かなり物足りなく見えますね。
頭部。モノアイや丸みのある装甲、1本アンテナが印象的に造形。顎はメタリック調のシールで色分けします。裾の動力パイプやこめかみの60mmバルカン砲はグレーに塗り分けが必要。
メット部は左右の組み合わせてひさし部分に少し、頭頂部から後頭部にかけて合わせ目ができます。内部にモノアイパーツを挟むので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの処理が必要。モノアイはモールドにグリーンのシールを貼って色分けします。
胴体部。エングレービングやシャープな装甲、動力パイプやダクトなど、ジオン系機の特徴を備えつつもメカニカルにデザインされています。
エングレービングはモールドにシールを貼って色分けしますが、腹部動力パイプはグレーに、腰部アーマーのダクト類は黒と黄色に細かく塗り分ける必要があります。
首、肩共にポリキャップでフレキシブルに可動。肩は前方への展開ギミックがあります。腰アーマー裏は表面モールドに沿っただけの簡易的な作りですが、サイドアーマー裏には細かなバーニアが造形されるなどちょっとした配慮がされています。バーニアはグレーに塗り分けが必要。フロントアーマーはボールジョイント接続で、ロールや前後などに可動します。
腰もボールジョイント型のポリキャップ接続で柔軟に可動します。この可動によって上半身に自然な動きを付けることができます。
腕部。棘感のあるショルダーアーマーや前腕の装甲など、SDながらもシナンジュ特有の腕部形状がうまく再現されています。
上腕の内側とハンドパーツ裏には肉抜き穴があります。前腕は筒型で合わせ目はなし。前腕の動力パイプや肘のマルイチモールド部分などはグレーに塗り分けが必要です。
前腕のエングレービング部分もジオン系のモールドが造形されていてそれらをシールで色分けします。シールだとモールドの凹凸がわかりにくいので、できれば塗装して形状もきっちりと表現したいところです。
ショルダーアーマーは側面の棘状装甲との2個パーツ構成。側面の棘状装甲はバーニアこそ開口されていませんが、スパイクなどが細かく造形されています。
棘状装甲はボールジョイント接続で適度に可動します。内側には3.0mm穴も造形されていました。
肘はSDEXのフォーマットによる可動ギミックがあり、90度程度曲げることができます。ただしショルダーアーマーなどと干渉しやすいため、少し動きが制限されやすいので注意です。
脚部。大腿部と膝下は1個パーツ構成。膝のエングレービングはモールドの上からシールで色分けしますが、左右のエングレービングは塗り分けが必要です。後面はすべて肉抜き穴。塗装・製作する場合は後面のスラスターカバーなども細かくデザインし、自作する必要があります。
1個パーツ構成なので側面のフレキシブルスラスター可動ギミックなどもありません。ですが下部の前側バーニア(白◯)はモールドが細かく造形されています。後側バーニア(青◯)は自作が必要。
ソール部も簡単な1個パーツ構成ですが、つま先の段差などエッジの効いた装甲が再現されています。つま先、足甲の黒はシールで色分けしますが、つま先のシールは端が剥がれやすいので注意です。
足裏は全体が肉抜き穴。足首はボールジョイントで幅広く展開させることができます。足首内側のモールド部分はグレーなどに塗り分けると良さそうです。
背部にはシナンジュ特有のフレキシブルスラスターとプロペラントタンクを持つバックパックを装備。
バックパック基部とプロペラントタンクは一体成型ながら、バーニアやタンクの角型スラスターなども細かくモールド化されています。かなり色が足りていないので、バックパック基部は全体を赤に、プロペラントタンクは全体を白に塗り分ける必要があります。
バックパックとシナンジュ本体とは2ダボ接続。
背部中央や肩部装甲裏に3.0mm穴があるので、他のオプションアイテムなどと組み合わせてカスタマイズすることもできます。
フレキシブル・スラスターはモナカ割の簡単な作り。ですが内側のスラスターや上下のスラスターカバーなど、各部が細かく造形されていて物足りない感じは全くありません。
モナカ割なので上下に合わせ目ができますが、後部スラスター口の合わせ目は段落ちモールド化。スラスター口は特に開口されておらず、グレーやホワイトなどに細かく塗り分ける必要があります。
フレキシブルスラスターはボールジョイント接続で上下に可動。左右へも適度に展開します。
HG陸戦型ジムと並べてサイズを比較。頭頂高だと陸ジムの2/3程度ですが、アンテナやフレキシブル・スラスターがシナンジュを少し大きく見せています。
HGUCシナンジュと並べて。赤い成型色はSDEX、HGUC共に同じ。SDながら細部も細かく造形されていますし、HGUCと並べても物足りない感じはないですね。それにしても1/144サイズのシナンジュ、デカすぎる・・・;
通常のSDEXユニコーンガンダムが手元にないので一番くじのSDEXユニコーンガンダム ソリッドクリアと並べて。
頭部は適度に上下させることができます。背部フレキシブルスラスターが少し干渉しますが、ボールジョイントの可動で干渉は避けられます。左右へは干渉なくスムーズにスイング可能。
ショルダーアーマーがやや干渉しますが、腕は水平に近いくらいに上げることができます。肘は90度程度曲げることが可能。
肩はボールジョイントで適度に前後します。ボールジョイントの展開ギミックによって前方へは更に幅広くスイングさせることができます。
上半身は腰部ボールジョイントによって適度に前後させることができます。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は適度に展開可能。
足首はつま先をかなり幅広く伸ばすことができます。
左右へは多少角度が付けられる程度。
左右への開脚はハの字程度まで展開可能。
内股、がに股は共に広く可動させることができます。
他のSDEXシリーズと同様、多少干渉などでぎこちない感じはありますが、肘には可動ギミックがありますし、腹部は360度広く可動するので適度にポーズを取らせることができます。
ビーム・ライフル。シナンジュ専用の高出力ビーム・ライフルになります。簡単な1個パーツ構成ですが、銃身が長くスタイリッシュに造形。センサーはグリーンに塗り分けが必要です。銃身下部やグリップ上部にはカスタマイズ用の3.0mm軸あり。
シールド。こちらもシナンジュ用の多目的防御兵装になります。簡単な1個パーツ構成で、裏面には多数の3.0mm穴や簡単なモールドが造形されています。ビーム・アックスなどの武装はありません。
表面にはネオ・ジオンエンブレムのモールドがあり、エングレービングと共にシールで色分けします。
一通り武装して。
ビーム・ライフルはハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。隙間なくしっかりと差し込めるので、銃身の向きが変わることなく保持させることができます。後部と前腕との干渉もほぼなし。
シールドは前腕のダボに差し込んで固定。ショルダーアーマーの棘状装甲が干渉し易いので、少し肘を曲げて干渉を避けるように組み付けます。左右どちらの前腕にも組み付けることが可能。
1ダボ接続でロールするため、角度を変えるなど多少変化を付けることができます。背部フレキシブル・スラスターがやや頭部と干渉しやすく外れやすいですが、他はポロリなども少なく、比較的ポージングがし易いです。
シナンジュ自体が造形美を感じさせるデザインなので、このSDEXでポーズを取らせても格好良く決まります。シャア専用機のような赤いカラーリングも威圧感があって良いですね。
ビーム・アックス、もしくはビーム・サーベルが付属していると、劇中のようなユニコーンガンダムと鍔迫り合いをするシーンが再現できて良かったかも。
背部フレキシブルスラスターとバックパック、肩のスパイクアーマー、ビーム・ライフルを分解して組み合わせることで、オリジナル武器Aが再現可能。大型キャノンのような独特のデザインで造形されています。
元々シナンジュの装備を組み合わせて構成されているので、シナンジュに保持させてもそんなに違和感はないですね。
片手で保持すると多少肩が垂れ気味になるので、ボールジョイントをしっかりと押し込んで保持力を確保します。左右に組み付けたフレキシブルスラスターがボールジョイントで可動するので、頭部との干渉を避けるようにして持たせます。
SDEXユニコーンガンダムやHGUCシナンジュに保持させても合わなくはないようです。ただ、HGUCだとハンドパーツの穴が大きく、オリジナル武器Aがクルッと向きが変わりやすいので注意です。
シールドとバックパックを組み合わせることで、オリジナル武器Bも再現することができます。
どういった武装なのかはわかりませんが、HGUC RX-78-2ガンダムの前腕などに組付け可能。アームドアーマーVNなどのクローっぽい武装として使用すると良さそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。SDですがシナンジュ特有の造形美は健在で、通常の素立ちでもポーズを取らせても格好良く決まります。赤いカラーリングには十分な存在感がありますし、細部モールドも細かく造形されるなど、シナンジュの良さがしっかりと再現されていて良いですね。
気になる点は、多少背部フレキシブルスラスターや肩のスパイクがある装甲などが干渉し易いため、ポーズを付ける際に干渉してぎこちなかったり、干渉で外れたりするので注意です。それとできればビーム・アックスやビーム・サーベルと行った武装類も付属していると、よりポージングの幅が広がって良かったかと。
少しシールが浮きやすいのは気になりますが、エングレービングのモールドは細かく塗装するとかなり映えそうですし、オリジナル武器も個性的で、ヒトクセあるポーズを楽しむことができます。ユニコーンガンダムと組み合わせると劇中シーンもより良く表現できますし、色んな面でSDファンやUCファンを唸らせてくれる一体なのが良いですね。
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