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HGUC シナンジュ レビュー

今回は、2010年10月に発売されたHGUC 1/144 MSN-06S シナンジュのレビューをご紹介します!

HGUC シナンジュは、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS『MSN-06S シナンジュ』の1/144スケールモデルキットです。フルフロンタル搭乗機の特徴的な機体形状を新規造形で再現。胸部や手首、膝などの複雑なエングレービング、印象的な脚部や背部スラスターなどが再現されたキットになっています。劇中仕様の専用ビーム・ライフルやシールドいった武装類が付属。価格は2,860円(税込み)です。

ネオ・ジオン残党軍「袖付き」が強奪した試作MS「シナンジュ・スタイン」を改修し、完全な実戦機体として完成させたMS『シナンジュ』がHGUCでキット化。「赤い彗星の再来」を思わせる『フル・フロンタル』の深紅のカラーリングと、造形美を感じさせる刺々しい機体形状が再現されています。

成型色はレッドをベースに、各部にブラックやイエローを配色。その他プロペラントタンクがホワイト成型色での再現となっています。

シールは頭部モノアイと全身各部のエングレービングを補くくらいですがエングレービング箇所が多め。各部のダクト内部などを塗り分ける必要がありますが、シールを貼れば素組みでも違和感がないくらいに再現されています。

関節や内部パーツはグレー成型色のPS素材。ABSやKPSは使用されていません。

ポリキャップはPC-132ABCを全て使用し、各部関節に多数のポリキャップを組み込むようになっています。関節強度はまずまず高め。背部左右にフレキシブル・スラスターを装備しているため、後方に負荷がかかりますが自立は可能です。

シールド、ビーム・ライフル、ビームアックス✕2、シールドジョイントパーツ、ビーム・ライフル用マウントパーツ、握り手(左右)、武器持ち手(右)が付属。

その他ビーム・サーベル(サーベル刃、柄)✕2、ビームソードアックス刃✕2、ビームアックス刃✕2が付属します。

シールを貼らない状態で。エングレービング部分が真っ黒なので、高級感というか、上品さみたいなものが少し薄い感じになっています。物足りなさを感じますね。

頭部。額のアンテナでヒロイックさを出しつつも、曲状の各部ラインがジオン系の機体を思わせる特徴的なデザインになっています。こめかみのバルカンはグレーに塗り分けが必要。

メット部は左右の組み合わせで後頭部に合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどが必要そう。下部には動力パイプが造形されるなど、ジオン所属機の要素が垣間見られます。

内部にはモノアイが造形。表面はグリーンのシールを貼っての色分けです。劇中で破損した際に見られたツインアイセンサーのようなものは再現されていません。

胸部・腹部は表面や襟のエングレービングが印象的なデザイン。ゴールドとブラックで綺羅びやかさが表現されています。胸部にはネオ・ジオンのエンブレムが再現されたエングレービングも。腹部にはジオン機らしい動力パイプも造形されています。

各部のエングレービングにはぞれぞれモールドが造形。シールを貼らないと物足りないので、モールドに沿ってガンダムマーカーなどで塗り分けても良さそうです。

腰部は刺々しい装甲によって左右に幅のあるデザインで造形されています。各部の黄色いダクトはパーツによって色分けされていますが、内部をグレーに塗り分けが必要。フロントアーマーのエングレービングはシールでの色分けです。

腰アーマー裏はリアアーマー裏にのみ、メカニカルな裏打ちパーツが造形。フロントアーマー、サイドアーマーともに裏打ちパーツはなく抜けた状態になっています。簡易的な作りなので、技術があれば裏打ちパーツを自作して蓋をしても良さそうですね。サイドアーマーのバーニアは別パーツによって色分けされています。

腕部。曲状装甲とスパイクアーマーのような刺々しい装甲が組み合わさった強度や威圧感を感じさせるデザイン。

二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前側に合わせ目ができます。前腕は肘関節との分離が出来ないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要そう。ハンドパーツは穴なしのものが付属しています。

前腕のエングレービングはシールでの色分けです。前腕にビーム・サーベル柄の収納ギミックはありません。

ショルダーアーマーも特徴的。内側や肩内部パーツの合わせ目が少し見えますが、そのままでも気にならないくらいのデザインになっています。

側面の装甲は適度に展開可能。バーニア2基は1個パーツ構成。装甲パーツの裏面と合わせて塗り分けると違和感が消えそうです。

脚部。全体的に曲状でジオン系機らしさがありますが、膝から下は生物的な要素も感じさせるくらいにインパクトのあるデザインになっています。スネのダクトは黄色いパーツでの色分けですが、内部をグレーに塗り分ける必要があります。膝周りのエングレービングはシールでの色分け。

大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。膝から下は合わせ目が出来ないパーツ構成。大腿部は膝関節が分離しないので、後ハメやマスキング塗装などが必要です。

側面の装甲裏面は簡易的な作り。ポリキャップ接続で上下に可動します。下部には大小のバーニアが3基造形。脚部側面のアポジはグレーに塗り分けが必要です。

後部のスラスターカバーは少し展開可能。内部にはバーニアが別パーツ化されています。展開した状態だと、膝を曲げたときに膝が干渉して少し抜けやすくなるので注意。

ソール部は複数パーツ構成ですがかっちりとした作り。各部装甲がパーツできれいに色分けされています。

脚裏にはメカニカルなモールドが造形。肉抜き穴などはありません。

背部には2基のフレキシブルスラスターとプロペラントタンクが増設された特徴的なバックパックを装備。機動性を重視した特徴的な装備ユニットが再現されています。

バックパックと本体は1ダボ接続ですが、背部の装甲形状に合わせてダボの基部が角型に造形されているので、角度が変わったり外れたりすることなく装備させることができます。

バックパックは内部パーツの上下から外装を被せる仕様で合わせ目はなし。左右にはパーツで色分けされたプロペラントタンク基部が造形されています。

バックパック下部には2基のバーニアが造形。バーニア、左右のプロペラントタンク基部共に可動ギミックはありません。

プロペラントタンクは簡易的な最中割で合わせ目ができます。下部の角型スラスターはグレーに塗り分けが必要。

フレキシブルスラスター。2口の後部角型スラスターに曲状の上下装甲が造形されるなど、デザイン性の高さを感じさせるユニットになっています。

内部のグレー成型色パーツが左右の組み合わせで一部に合わせ目ができます。それ以外の部分は合わせ目が出来ないパーツ構成。バックパックへの接続アームは簡易的な1個パーツ構成で裏面が肉抜き穴になっています。

上下の装甲はポリキャップ接続で上下に展開可能。中央角型スラスターの内部はスラスター口が別パーツでリアルに色分けされています。

プロペラントタンクはボールジョイント接続で適度に可動。

フレキシブルスラスターも接続アームによって上下や左右フレキシブルに展開させることが可能。可動させることで、シナンジュ背部の表情を変化させることができます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。元々大型の機体ですが、背部フレキシブルスラスターの存在感もあってかなり大きく見えます。シナンジュの全高は22.6m。

シナンジュのあとにキット化されたHGUCシナンジュ・スタイン(ユニコーンVer.)と並べて。大まかな形状や装甲の配置などは同じですが、各部の装甲がシナンジュはジオン所属機らしく曲状に、シナンジュ・スタインはエングレービングもなく、強奪前の連邦所属機らしいエッジの効いた仕様になっています。

劇中で戦闘を繰り広げたHGUCユニコーンガンダム(ユニコーンモードデストロイモード)と並べて。ユニコーンガンダムよりも大型。ちなみにユニコーンモードが全高19.7m、デストロイモードが全高21.7mになります。

HGUCクシャトリヤとも並べて。さすがにクシャトリヤのほうが大きいです。クシャトリヤの全高は22.3mと何故かシナンジュよりも小型。もしかするとバインダーは含まれていないのかもですね。

頭部は少し上下する程度。顎が干渉するので顎引きは殆どできません。左右へは襟が干渉しますが、真横に近いくらいには可動します。塗装する場合は擦れによる塗装ハゲに注意が必要。

腕部はショルダーアーマーが干渉しますが、水平よりも少し上くらいまで上げることができます。肘は1重関節で90度程度まで。

肩は前方に少しスイングさせることができます。

肩は前方に少しスイングさせることができます。

腰は360度回転させることができます。バックパックを装備していても同じ。アクションベースやスタンドへは、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。

腰アーマーが前後とも可動するので、前後開脚は水平程度まで展開させることができます。

膝は2重関節である程度深くまで曲げることができます。膝関節が長いので少し不自然さがあるかも。膝関節は左右の組み合わせで合わせ目ができます。

足首の可動は、前後へはまずまず可動しますが、左右への可動はわずか。

股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚はハの字程度まで。

内股、がに股も共に45度程度までとあまり広くはありません。

立膝もきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。

可動域の総括としては、特別広くはなく、全体的にまずまずといった感じ。ポージングでのぎこちなさは感じると思いますが、ある程度のポーズは取れるので、あとは造形の良さで補いつつ表現していくといったところでしょうか。

ビーム・ライフル。シナンジュ専用に開発されたロングバレル型の高出力ビーム・ライフルになります。

劇中ではネェル・アーガマのカタパルトデッキも貫通。細身ながらもシャープでメカニカルに造形されています。

基部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。

上部センサーも各部がメカニカルに造形。後部はサイトセンサーマウント用に可動します。前側のセンサーはグリーンのシールでの色分け。

リアアーマー中央のカバーパーツを外し、付属のマウントパーツを組み付けることでビーム・ライフルを背部にマウントさせることができます。ビーム・ライフルのダボでしっかりと固定できるので、干渉しなければ外れることはなさそうです。

ビーム・ライフルは付属の武器持ち手で保持します。手のひらでダボ固定し、ハンドパーツも分解しにくいので、ポーズを取らせても難しさや不自由さはないですね。

大きめのキットで重量があるので、細い支柱だとヘナっとなりやすいかも。ある程度強度のあるスタンドでディスプレイさせたほうが安定しそうです。

シールド。サザビーのシールドを思わせる、ジオン系機の装備らしいデザインで造形されています。表面のネオ・ジオンエンブレムやゴールドラインはモールドにシールを貼っての再現。スタイン専用のシールドを改良し、次期MS用統合火器システムのアタッチメントやカプラーが流用されているとのことです。

付属のジョイントパーツを前腕に組み付けることでシールドを装備させることができます。ジョイントパーツには2箇所のダボがあり、組み替えることでシールドを側面と後面に配置することができます。

シールドは前腕にしっかりと固定されるので外れにくいですが、ショルダーアーマーの棘状装甲と干渉しやすいので注意です。最悪破損もあり得るかも。

裏面にマウントされているビームアックスやグレネード・ランチャーは脱着可能。シールド裏はメカニカルなモールドが造形されています。一部をグレーに塗り分けが必要。

ビームアックスをシールド先端側に組み換え、ビームソードアックス刃やビームアックス刃を組み付けることで、迫力のある武装として使用することができます。

縦長のシールドが更に延長され、大柄なビームソードアックスに変化。劇中でジェガン(ゼネラル・レビル配備機)の腕を切り裂いたような、攻撃性の高いポージングを再現することができます。

シールド裏のグレネードランチャーで攻撃するポーズも再現可能。何気にシールドの武装が充実しているので、ポージングバリエーションも多彩に演出することができます。

ビームアックスはシールド裏にマウントする収納型と、ハンドパーツで保持する展開型が付属。柄の部分にはメカニカルなモールドが造形されています。一部をシルバーなどで塗り分けても良さそう。

展開型のビームアックスにはビームソードアックス刃やビームアックス刃が組み付け可能ですし、後部を連結させることでビーム・ナギナタとして運用することも可能です。ビームアックス刃はクリアイエロー成型色での再現。

ビームアックスはダボ固定ではないですが、ハンドパーツは分解しにくいですし、柄とハンドパーツとの間に隙間がないのでしっかりと保持させることができます。

両手持ちはややぎこちないですが、ある程度動かせるくらいの余裕はあります。

ビーム・サーベル刃はビームアックス刃と同じくクリアイエロー成型色。棘感のあるデザインで造形されています。ハンドパーツと柄の間に多少隙間がありますが、抜け落ちるほどではないのでポージング時のストレスはなさそうです。

下部のホルダーを展開することで、銃身下部にグレネードランチャーをマウントすることができます。固定強度はまずまず高め。

グレネードランチャーは最中割で上下に合わせ目ができます。

ビーム・ライフルにグレネードランチャーをマウントするだけでも、ちょっとした重武装感や攻撃的な表現が強調されていいですね。

HGUCシナンジュ・スタイン(ユニコーンVer.)などに付属しているシナンジュ専用バズーカと組み合わせることで、劇中でゼネラル・レビルを攻撃した際の武装を再現することができます。

砲口を延長したものに組み替えて射撃シーンを再現。グレネードランチャー装備型以上に射撃ポーズに迫力が出てきます。なかなかの重量があるので、ある程度関節強度があるシナンジュでも腕が垂れる場合があるので注意です。(グリップや砲口下部のフックなどが色々とだらしないことになっていますがご了承くださいm(_ _)m)

シナンジュバズーカはシールド裏にもマウント可能です。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。刺感のある装甲や背部ウイングなどが特徴的な造形美を感じさせるデザインで、赤い彗星の再来とされるフル・フロンタル搭乗機らしい存在感のあるキットになっています。大柄で重量感もありますし、簡単なポーズでも華やかでダイナミックに演出できてかっこいいですね。

気になる点は、各部がやや干渉しやすく、ポージングでぎこちない感じがあります。シールドと肩の棘装甲が干渉しやすいなど、何度もポーズを変えていると干渉でポロリするパーツが出てきたり、ポージングで表情を付けるのが難しかったりするかも。

ですがある程度は造形の良さで補ってくれますし、グレネードランチャーやビームアックスによる多彩な演出など、ポージングバリエーションも豊富。機動戦士ガンダムUCの主要登場機として、ユニコーンガンダムと共に欠かさず入手しておきたいキットの一つですね。

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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら

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