今回は、HG 1/144 F/D-20 ザウォートヘヴィのレビューをご紹介します!
HG ザウォートヘヴィは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『F/D-20 ザウォートヘヴィ』の1/144スケールモデルキットです。ミリタリー調の機体色を成型色で再現。特徴的なフォルムを持つ専用武装の他、オプション装備であるミサイルランチャーやビームキャノンといった武装が再現されたキットになっています。価格は1,760円(税込み)です。
ベクタードブースターに代わってミサイルランチャーとビームキャノンを装備するザウォートの実戦仕様機『F/D-20 ザウォートヘヴィ』がHGでキット化。2023年2月に発売されたHGザウォート(以下、ザウォート)をベースに、頭部や肩部装甲が新造された他、背部ミサイルランチャーやビームキャノン、バッテリーマガジン、ロングビームガンといった実践仕様の装備が新規造形で再現されています。
成型色はミリタリー調のグリーンをベースに、腹部や膝部、ソール部などにダークブルー、頭部や胸部エアインテーク、ひじ膝関節などにグレーを配色。その他頭部バイザーはクリアオレンジ、武装類はダークグレー成型色での再現となっています。
シールは付属せず。塗装も一部モールドを塗り分けるくらいで殆ど必要ありません。
ABSは不使用。ベースのザウォートと同様、内外パーツにKPSっぽいマットな質感の素材が使用されているため、組み立てるだけで塗装したような仕上がりになります。
ポリキャップも不使用。背部にミサイルランチャーとビームキャノンを装備していますが、若干後方に負荷がかかるくらいであまり気にはなりません。ハイヒール状のソールは接地が少し難しめですが、関節がKPSパーツ構成で強度が高いので自立は安定します。
ロングビームガン、バッテリーマガジンのラック、ビームサーベル刃✕2が付属。
形状の異なる部分のみHGザウォートと比較しながら各部を見ていきます。
頭部をザウォートと比較して。頬や後頭部形状は同じですが、額の装甲はバルカン付きのものが新造。左右のモールドもオミットされて強度が増したような作りになっています。合わせ目が出来ないパーツ構成で後頭部の合わせ目は段落ちモールド化。
バイザーはザウォートと同じクリアオレンジ成型色での再現です。内部はザウォートと同形状でモノアイのようなモールドが造形。
胸部・腹部は通常のザウォートと同じ。装甲にはボリューム感があり、内部フレームに外装を被せていく構造で各部が緻密に造形されています。
首や肩部の可動ギミックも健在。これらの可動によって頭部や腕部の可動域が広がります。
胴体部には簡単な内部フレームが造形。少ないパーツ数で効率良く可動する構造になっています。
腹部や腰部に可動ギミックがあるため、上半身を幅広く前後させることができます。
フロントアーマーもヒンジ接続で展開可能。腰アーマー裏の作りは前後とも簡易的です。
腕部をザウォートと比較して。大部分の形状は同じですが、肩にはエッジの効いた装甲が新造されています。
上腕、前腕ともに合わせ目が出来ないパーツ構成で完成度は高め。前腕はヒンジ接続ですが、ヘタレの懸念は小さそうです。
ザウォート同様、前腕のサーベル柄は脱着が可能。付属のビーム刃も組付け可能です。マウントラッチにスライドギミックはなく、接続ダボの部分も特に可動しないので、無理に取り外して破損させないように注意です。
ザウォートヘヴィ用に新造されたショルダーアーマー。派手さは無いですが、表面には簡単な台形モールドが造形。3個パーツ構成で合わせ目が出来ない構造になっています。側面には3.0mmが造形されるなどカスタマイズ性の高さも伺えます。
肩内部パーツはヒンジの後ハメ構造で組立てやすさに配慮がされています。ショルダーアーマーは肩内部パーツを挟み込んでしっかりと組み付くので全く外れないですし取り扱いがラク。
ただ、新造されたショルダーアーマーの影響で、ザウォートに比べて腕が上げにくくなっているのはもったいないですね。
脚部をザウォートと比較して。形状は全く同じですが、大腿部にはザウォートヘヴィ用にマガジンラックを装備しています。
脚部は全体にメカニカルな内部フレームが造形。露出する膝関節とスネや後部のトリゴナルスラスターはそれらしくデザインされています。
大腿部、膝から下ともに合わせ目が出来ないパーツ構成。ゲートも細身で跡があまり目立たないように配慮されています。
膝は1軸を差し込むだけで組付けが可能。腕部と同様、大腿部と膝から下の部分を組んでからはめ込む簡易構造で組み立てがラクです。
右大腿部のマガジンラックは1個パーツ構成で裏面は肉抜き穴。取り外すことで通常のザウォート大腿部にすることができます。
一方、左大腿部のマガジンラックは2個パーツ構成。
付属のマガジンラックを組み付けることでロングビームガンのバッテリーマガジン用ラックとして使用することができます。
バッテリーマガジンの内側には薬莢型のモールドも造形。
ソール部もザウォートと同じ。ハイヒール型で、少ないパーツ数ながらも落ち度のない作りになっています。
足裏などもきっちりと裏打ちパーツで蓋がされ、細かなパーツの組み合わせでつま先や足首なども幅広く可動します。
背部をザウォートと並べて。バックパックの形状は同じですが、通常のザウォートがベクタードブースターを装備しているのに対し、ザウォートヘヴィは右にビームキャノン、左にミサイルランチャーを装備しています。
バックパック基部は幅のあるユニット。合わせ目のない組み合わせで、下部のトリゴナルスラスターも別パーツできっちりと色分けされています。取り外しは不可。特にカスタマイズ要素はありません。
ビームキャノン。オプション装備の一つで、中・長距離に対応した高出力のビームが発射可能とのこと。派手ではないですが、適度にモールドが造形されたまとまりのある装備になっています。
中央部分は左右の組み合わせですが、上下の合わせ目は段落ちモールド化。
接続用のアームは1個パーツ構成。内側は肉抜き穴で簡易的かと思いきや、細かなモールドが造形されています。肉抜き穴と思わせないような配慮がされているところに近年のキットの質の高さを感じますね。
ミサイルランチャー。こちらもザウォートの背面用オプション装備の一つで、4発のAMM(対機動ミサイル)を格納する発射装置になります。
ダークグレーの本体部分は4個パーツ構成。前後で組み合わせ、左右から外装を組み合わせる構造で上下に合わせ目ができます。ですがそのままモールドとしておいても良さそうな作り。
表面のカバーパーツはパーツできっちりと色分けされ、組み換えることで射出状態も再現することができます。内部も弾頭モールドが造形されるなどしっかりとした作り。アームはビームキャノンキャノンと同じものになります。
アームが2箇所で可動するので、ビームキャノン、ミサイルランチャー共に幅広く前後させることができます。
ビームキャノンは左右に3.0mm穴があり、ミサイルランチャーも上下を反転させることで、武装を左右で入れ替えることができます。
バックパック形状が同じなので、ザウォートのベクタードブースターを装備させることも可能。ザウォートヘヴィもベクタードブースターを装備した高機動仕様が存在するとのことなので、塗装して仕様を変更してみても良さそうです。
HGザウォートと並べて比較。成型色や各部形状が異なる他、背部にはミサイルランチャーやビームキャノンを装備しているため、通常のザウォートに比べてかなり攻撃的なスタイルに変化しています。背部装備や大腿部のバッテリーマガジンが追加されたことでマッシブ感も強くなっていますね。
同シリーズのHGガンダムエアリアル(改修型)と並べて。どちらも元の機体から重武装仕様に変化したことで存在感が増しています。今後劇中でエアリアルとザウォートヘヴィがどう関わってくるのかも楽しみですね。
続いて各部可動域を簡単に見ていきます。
可動域の大部分は通常のザウォートと同じ。頭部は適度に上下スイングが可能で、腹部、腰部も幅広く前後します。前述した通り、肩はショルダーアーマーの干渉で可動が制限されます。肘は1重関節ですがV字程度まで曲げることが可能。
腰は干渉しますが、少し浮かせることで360度回転が可能。膝は1重関節ですがV字程度まで深く曲げることができます。立膝もきれいな姿勢で再現可能。
左右への開脚も幅広く展開させることができます。足首も深めにスイング可能。腰のマガジンラックも可動に影響はなさそうです。
可動域の詳細はHGザウォートのレビューをご参考くださいm(_ _)m
続いて武装類です。
ロングビームガン。実戦用に専用モジュールを連結した携行火器になります。交換用バッテリーマガジンを後部にマウント。バレル下部にはグレネードランチャーが増設され、近接戦において有効に機能するとのこと。
ロングバレルと後部バッテリーマガジンは分離可能。バレルを取り外せば、ザウォートに付属しているものと同じ、通常のビームガンとして使用することもできます。
ビームガンは左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちなどできっちりとモールド化。手間のかかる処理もなく完成度が高いです。
銃口は開口されています。
ザウォートのビームガンと並べて比較。成型色も全く同じ。なのでロングバレルを組み替えることもできます。
ロングビームガンを装備して。
通常のザウォートとは頭部形状が異なるため、特殊部隊のベレー帽のような雰囲気が出ていて面白いですね。
ロングビームガンはグリップ部分が可動するので、ハンドパーツにグリップを差し込むだけでラクに持たせることができます。
ロングバレルが若干外れやすいですが、特別大きいわけでもないので取り扱いはラク。グリップがハンドパーツにしっかりと収まるので振らつきなどもありません。
浮かせてディスプレイさせる場合は通常通り、股間部に3.0mm軸を差し込むだけでOK。ミリタリー風の容姿でパケ絵のように降下するシーンも様になります。足裏にモールド入りの裏打ちパーツが造形されているので見栄えもいいですね。
バレルを外してノーマルのビームガンとして装備。攻撃性能は落ちますが、軽装になるぶんロングビームガンよりも取り回しがラクになります。
背部のビームキャノンとミサイルランチャーも存在感は十分。アームが可動するので表情が付けられますし、ミサイルランチャーはハッチが展開するので射撃直前のシーンも演出することができます。
通常のザウォート(別売り)のバッテリーマガジンを拝借すれば、予備マガジンを備えるザウォートヘヴィを再現することもできます。
ビーム刃は通常のザウォートは蛍光クリアグリーンでしたが、このザウォートヘヴィではクリアピンクに変わっています。このあたりも実戦仕様の設定に忠実。ザウォートと同様、柄が細身で引っかかりが弱いので、ビーム刃まで抜けてしまうのは気になりますね。
HGティックバラン(別売り)と組み合わせて。可動はザウォートと変わらないので、特別不自由な感じもなく、立膝をついた状態で搭乗させることができます。
ティックバラン下部のグリップに懸架させることで、戦場に向かうシーンやデモ鎮圧に向かうようなシーンもリアルに再現可能。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ミリタリー調のグリーンがマットな質感で再現されているため、組み立てるだけで実機的な仕上がりになりますし、それによって簡単なポーズを付けるだけでも、戦場の臨場感みたいなものが感じられるようになっています。シールなどもなくほぼパーツで大部分の色分けが再現されるあたり、無駄が削ぎ落とされていくかのようなガンプラの進化を感じますね。
気になる点は、新造されたショルダーアーマーが干渉し易いため、腕の可動が制限されるのと、少し肩のヒンジが外れやすいです。せっかくの攻撃的な仕様なので、このあたりはもう少し可動が配慮されていると良かったですね。
新造されたビームキャノンやミサイルランチャーは作りがよく、ハッチ開閉ギミックやアームによる可動で表情が付けやすいです。腰部マガジンラックも機体の重厚感を出すのに一役買っていますし、軍隊や特殊部隊風の容姿もかっこいいですね。ザウォートが元なので完成度の高さは折り紙付きですし、あらゆる面で文句のつけようがないキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
2 件のコメントがあります。
ギャラクシーキャノンエンターテインメント
on 2023年4月8日 at 12:03 -
ゲート処理は、もう少し丁寧にやれば見栄えが良くなりますよ。
https://jerid-mesao.com/gate-processing-file/#:~:text
このサイトにいい方法が書いてあります。ぜひ、参考にしてみてください!
774
on 2023年4月11日 at 21:26 -
ここはゲートの二度切りをしていない時点でスピード重視のレビューサイトでしょう
丁寧にやってて1週間とかかかったら他レビューサイトに遅れをとりますし。