今回は、2006年5月に発売されたHG 1/144 MS-05B ザクⅠのレビューをご紹介します!
HGUC ザクⅠは、『機動戦士ガンダム』に登場するMS『MS-05B ザクⅠ』の1/144スケールモデルキットです。ザクⅠのベーシックな機体形状を新規造形で再現。ザクバズーカや肩部バズーカラック、105mmザクマシンガン、ヒートホーク、シュツルムファウスト、ナックルシールドといった多彩な武装が付属するキットになっています。価格は1,100円(税込み)です。
TV版『機動戦士ガンダム』第3話にてザクⅡを補給、RX-78-2ガンダムと対峙したジオン公国軍量産型MS『MS-05B ザクⅠ』がHGでキット化。動力パイプやL字シールド、スパイクアーマーといった装備のない、旧式ザクならではの機体形状が再現されています。別名『旧型ザク』、『旧ザク』。
成型色はくすみのあるグリーンとブルーのツートンカラー。地味めですが味のあるカラーリングが再現されています。関節や内部はグレー成型色での再現。
シールはモノアイとザク・マシンガン(初期型)のセンサーのみ。ヒートホークとバックパックのバーニア基部は塗装が必要ですが、その他の部分や武装類はほぼ塗装するが必要ありません。素組みで十分な色分けが再現されています。
肩や肘、膝といった強度が必要な箇所にはABSが使用されています。KPSは不使用。
ポリキャップはPC-123プラスを各部に使用し、関節強度はまずまず。足首がしっかりと伸びて角度を変えられるので接地は安定。特別負荷のかかる装備もなく、自立は安定しています。
ザク・マシンガン(初期型)、ザクバズーカ(初期型)、スパイクシールド、バズーカ・ラック、ヒートホーク、ヒートホーク用マウントパーツ、シュツルム・ファウスト、シュツルム・ファウスト用マウントパーツ、武器持ち手(右)×2、平手(左)、指揮官機用頭部パーツが付属。
頭部。動力パイプのない、ザクⅠ特有のベーシックな形状が再現されています。左右に少し合わせ目ができますが、モールドとしておいても良いのかも。上部の装甲も合わせ目はモールドとしておいて良さそうです。
下部のレバーによってモノアイを左右に振ることができます。モノアイはパーツに黒いシールを貼り、その上からピンクのモノアイシールを貼っての再現。モールドは造形されていません。
上部の装甲パーツをアンテナ付きのものと組み替えることで、指揮官機を再現することができます。
指揮官機を全身から。
胴体部。シンプルなザク系のデザインでモールドは少なめ。腰部も背広をイメージしたデザインでモールドは殆どありません。リアアーマーは少しモールドが造形されています。腹部動力パイプもなし。
バックパックは3ダボ接続なので、特に他のキットと交換することはできないようです。下部バーニアは別パーツでの再現。内部には細かなモールドが造形されていてリアルです。バーニア基部はグレーに塗り分けが必要。
腰アーマー裏にモールドはなくプレーンなデザイン。股間部はボールジョイント仕様です。
右腕部。こちらもザク系特有のベーシックな形状が再現されています。ショルダーアーマーのない軽装タイプ。
二の腕は筒型で合わせ目はありません。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肩も前後の組み合わせで合わせ目あり。すべて分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなど細かな処理が必要になります。
左にはスパイクのない球型アーマーを装備。前後の組み合わせで上部と側面に合わせ目ができます。ポリキャップ接続で広く展開させることが可能。
脚部。ザク系特有の曲状デザインです。モールドもほぼないプレーン造形。側面に動力パイプもありません。
大腿部、膝関節、膝から下各部とも左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。大腿部と膝関節は分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメやマスキング塗装などが必要そう。膝から下は分離するので、合わせ目消しはラクそうです。
ソール部もザク系定番のシルエット。足首の内部フレームは上下にスイングさせることができます。
脚底は肉抜き穴がない作り。中央にはバーニアも造形されています。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。初期型のモビルスーツなので陸ジムとほぼ同じ大きさ。ザクⅠの全高は17.5mです。
手元に通常のHG量産型ザク(40)がないので、エコプラのHG量産型ザクを並べて。発売時期は2年差があるくらいですが、フォーマットが違うのでザクⅠはプロポーションが少しスタイリッシュになっています。
リメイク版のHGUCザクIIと並べて。リメイク版はかなり頭が小さく、よりスタイリッシュで洗練されたデザインになっています。ザク1くらいのプロポーションが丁度いいという方もいるかも。
オリジン版のザク(HG ザクII C型/C-5型)とも並べて。オリジン版はモールドが細かくクセが強め。
頭部はわずかに上下する程度。左右へは干渉なくスムーズにスイングさせることができます。
腕は水平まで上げることができます。ショルダーアーマーが頭部と干渉しやすいですが、ショルダーアーマーがない右腕も可動域は同じです。肘は深くまで曲げることが可能。
肩は関節パーツが引き出せるので、前方に広くスイングさせることができます。後方へはスイング出来ないようです。
胸部と腹部がポリキャップ接続でスイング可能。ですが上半身は少し前後する程度です。
腰は干渉なく360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、股間部カバーパーツを外し、3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが広めに展開するので、前方へは水平程度展開させることができます。リアアーマーが可動しないので後方はそれなり。
膝はくの字程度とまずまず深めに曲げることができます。膝関節パーツは左右の組み合わせで合わせ目あり。膝装甲裏も肉抜き状態です。
足首は関節を引き伸ばすことで広く前後、左右にスイングできるようになります。しっかりと引き出して接地させれば自立は安定します。
左右への開脚はハの字程度まで展開可能。
内股、ガニ股共にわずかです。
立膝はまずまずの姿勢で再現可能。
可動域の総括としては、全体的な可動域はまずまずあるのでポージングでそれほど不自由することはなさそうです。細かな箇所が動かないので柔軟性には乏しいですが、むしろぎこちない旧型モビルスーツの動きが表現しやすくていいのかも。
ザク・マシンガン(初期型)。ビーム兵器ではなく、実体弾を撃ち出す速射砲(機関砲)になります。新旧ザクの最も一般的な携行武装で、一年戦争初期に多用されたとのこと。ドラムマガジンを側面に配するタイプです。基部装甲が上下の組み合わせで側面に合わせ目ができます。
上下に合わせ目はなし。
フォアグリップは前後に、センサーは上下にスイングが可能。センサーはピンクのシールでの色分けです。
ザク・バズーカ(初期型)。280ミリバズーカで、対艦攻撃用の装備になります。ザクⅡが装備しているものとは形状が異なります。
後部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。砲口側は筒型で合わせ目はなし。
砲口や後部は開口されています。
右肩のカバーパーツを外すことで、付属のバズーカ・ラックが装着可能。バズーカ・ラックはラックパネルを可動させることができます。
手首に角度の付いた持ち手を使用するので、ザク・バズーカ(初期型)を不自由なく構えさせることができます。「核弾頭射出用の炸薬が強力であり、反動で肩関節の不具合が発生することがあるため、保護のため右肩上部に追加可能なバズーカ・ラックが用意されている」とのこと。
リアアーマーのラックを展開させることで、ザク・バズーカ(初期型)をマウントさせることもできます。固定強度はあまり高くないので、予め補強しておくか、腕が当たらないように注意します。
スパイクシールド。ザクⅡのショルダーシールドに手持ち用のマウントラッチとハンドルを増設し、スパイクを装備して防御、攻撃が両立できるようにした装備です。劇中では不使用。
裏面にはザクⅡのL字シールドに似たモールドやグリップが造形。
ヒートホーク。白兵戦用装備。開戦当初はMS戦を想定しておらず、敵の艦や戦闘機に肉迫した際に使用するとのこと。1個パーツ構成で、グリップ側はパープルに、刃はイエローに塗り分けが必要です。
付属のマウントパーツを使用することで、腰部にヒート・ホークをマウント可能です。
シュツルム・ファウスト。一年戦争後期に多用された使い捨てのロケットランチャーです。「自動追尾装置は持たないため、移動する標的に着弾させる事は難しいものの、携帯用の武装としては強力とされる」とのこと。
2個パーツ構成で弾頭部分に合わせ目ができます。
付属のマウントパーツを使用することで、シュツルム・ファウストをスパイクシールドにマウントさせることができます。スパイクシールドのグリップは可動式。
一通り武装して。武装類が多いので、全て装備させるとなかなかの重武装感があります。
ザク・マシンガン(初期型)は武器持ち手を使っての保持。持ち手はバラけやすいですが、干渉がないので自然に分解することはなく、ポーズを取らせるのに問題はありません。
肩の可動域が広いので両手持ちは問題なく可能です。
スパイクシールドで攻撃シーンを演出。スパイクシールドはゲルググマリーネも装備していますが、HGゲルググマリーネに付属しているものとは形状が異なります。
グリップが細身でハンドパーツとの間に隙間ができるため、重量でクルッと回転して裏面が露出します。そのままだと通常保持が難しいので、グリップを太らせるなどしたほうが良さそうです。特殊な武装で攻撃パターンが増すのはいいですね。
ザク・バズーカ(初期型)は肩のバズーカ・ラックや角度付きの武器持ち手で安定した保持が可能。平手が付属するので、砲身に手を添えるような演出も可能です。
軽装で腕が柔軟に可動するので、ザク・バズーカ(初期型)を脇に抱えるようなポーズもラクに再現することができました。
ヒート・ホークを装備して。ヒートホークは細身でハンドパーツとの間に隙間ができるので、スルスルと移動しやすく、勝手に角度が付いたりクルッと回転したりしやすいです。切り裂くようなきれいなポーズが少し難しいので、きれいに持たせたい場合は隙間に詰め物をするなどしたほうがいいかも。
シュツルム・ファウストを装備して。多少スルスルと移動しますが、軸に太い箇所があるのでヒートホークなどに比べると保持がしやすいです。武装類が豊富に付属するので、様々な攻撃演出ができるのがいいですね。
適当に何枚かどうぞ。
劇中シーンを再現。
以上です。レトロ感あるデザインでいい意味でのロートル感がありますし、成型色、造形ともに味のあるキットになっていると思います。軽装で可動域もそこそこあるため、メカらしいぎこちなさや程よい柔軟さの両方が再現されているのがいいですね。
気になる点は、背部のザク・バズーカマウントやヒートサーベルホルダーなどの固定強度が全体的に弱めでポロリしやすいのと、武器が細身でクルッと回転するなど保持が難しいところがあります。ストレス要因にもなるので、グリグリ動かしたい場合は予め補強しておくなどしたほうがいいですね。
武装類が豊富に付属するので演出には事欠かないですし、ザクⅡとは違った初期型武装でよりレトロな雰囲気を味わうことができます。指揮官機の再現やスパイクシールド、バズーカ・ラックなどの装備により、旧式ザクながらも侮れない、演出力の高いキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら