今回は、2016年9月に発売されたwave 1/35 ATM-09STTC スコープドッグ・ターボカスタム[PS版]のレビューをご紹介します!
wave スコープドッグ・ターボカスタム[PS版]は、『装甲騎兵ボトムズ』に登場するAT『ATM-09STTC スコープドッグ・ターボカスタム』の1/35スケールモデルキットです。4機セットの「スコープドッグ ターボカスタム」にコックピット、降着機構を備えたPS版。ブースターノズルや降着機構の展開ギミックが完全再現されたキットになっています。多種武装が付属し、「キリコ」、「グレゴルー」、「ムーザ」、「バイマン」機のいずれかが再現可能。価格は5,280円(税込み)です。
OVA『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』に登場し、戦友であるグレゴルー、バイマン、ムーザと秘密基地攻撃を行ったAT『ATM-09STTC スコープドッグ・ターボカスタム』がPS版でキット化。
ヘヴィマシンガン、ハンディロケットランチャー、ヘヴィマシンガン ショートバレルタイプ、ソリッドシューターといった武装により、キリコ機、グレゴルー機、バイマン機、ムーザ機それぞれの仕様が再現可能なキットになっています。
成型色はグリーンとライトグリーンを基調としたミリタリーカラー。その他、頭部やバックパック、脇のSMMミサイル、ガトリングガンがブルーグレー、予備マガジンや武装類が抱くブルー成型色での再現となっています。
シールは頭部ターレットレンズの2箇所を補うものが付属。ターレットレンズや武装類、パイロットフィギュアなどを塗装する必要がありますが、素組でも違和感がないくらいの色分けが再現されています。
接着剤は不要ですが、一部開口する必要があるので2.0mmピンバイスを使用します。
アンテナなど細い部分にゲートがあったりするので、パーツを切り取る際に反発などで細いパーツを折ったりしないように注意です。切れ味の良いニッパーで切り取ると安心かと。サイズの関係で小さいパーツも多いので紛失に注意です。
スコープドッグ用とターボカスタム用のPCランナー(ポリキャップ)を全身各部に組み込みます。関節強度はまずまず高め。背部にミサイルポッドを装備していますが、特に後方への負荷はかからず、自立は安定しています。
ハンディロケットランチャー、ヘヴィマシンガン ショートバレルタイプ、ソリッドシューター、ヘヴィマシンガン、アームガン、武器持ち手(右)、握り手(左)、手首パーツ6個(2個は組付け済み)、ソリッドシューター用センサーパーツが付属。
ショルダーアーマーが余剰で付属します。
頭部。ドーム状装甲に3つ目のターレットレンズを持つスコープドッグ特有の機体形状が再現されています。ターレットレンズは一番大きいもののみクリアパーツでの再現で、内部モールドも適度にデザインされています。大中2箇所は青と赤のシールを貼っての色分け。
頭部は合わせ目が出来ないパーツ構成。側面のアンテナは単体での可動ギミックはありません。
バイザーは上下に可動。展開することで、劇中と同様、パイロットの表情を確認することができます。
ターレットレンズの回転ギミックはありませんが、左右へのスライドは可能。ただしスライドさせるとバイザーに固定している裏打ちパーツがポロリし易いので注意です。
胸部もスコープドック特有のマッシブ感あるミリタリー装甲がデザインされています。エッジが効いていて、左右のダクトや手前のフックも別パーツ化されるなどリアルに造形。合わせ目の出来ないパーツ構成です。
右脇にはSMMミサイル、左脇にはバックパックと連結したガトリングガンを装備。それぞれ基部は簡単な組み合わせで上下に合わせ目ができます。肩部はボールジョイント軸とポリキャップでフレキシブルに可動。
胸部ハッチは組み換えなしで展開可能。内部にはパイロットスーツ姿のキリコが内蔵されています。ハッチは引き抜くだけで簡単に脱着が可能。ハッチ裏や頭部内部もメカニカルなモールドが造形。
コックピットシートは脱着が可能。コックピットも内側のメカなどがパーツできっちりと造形されています。
パイロットフィギュアは四肢など各部が別パーツ化されていますが、組み合わせることでリアルに仕上がります。オレンジ1色なので各部を細かく塗り分ける必要があります。
腰部は各面とも簡単なパーツ構成ながらプレート状の装甲が造形。各面とも適度なモールドが造形されていてリアルです。フロントは片面に搭乗用のグリップが造形。側面にはヘヴィマシンガン用のマガジンを装備。マガジンも簡単なモナカ割で合わせ目ができます。
腰アーマーは各面とも幅広く展開可能。少しプラプラした感じですが、ポロリなどはなさそうです。サイドとリアアーマー裏にはフレーム状のモールドが造形。
股間部にはポリキャップとT軸によるスライドギミックがあり、降着状態を再現する際に展開します。
腕部は細身ながらも兵器感あるミリタリー調のデザイン。前腕にアームパンチのスライドギミックなどはありません。
上腕は筒型パーツで合わせ目はなし。前腕も四方からパーツを組み合わせる構造で合わせ目はありません。ハンドパーツもパーツを細かく組み合わせる構造で穴のない握り手がリアルに造形されています。
前腕の装甲パーツはヒンジ接続で展開可能。ただしプラプラした感じなので展開しても閉じてしまいます。
左肩は球状の装甲で、上部には3口のスモークディスチャージャーを装備。球状装甲は前後の組み合わせで中央に合わせ目ができます。
右肩も球状の装甲は同じ。中央には簡単なフックが造形されています。フックは手が当たるとポロリすることもあるので注意。
脚部はエッジの効いたスコープドッグらしい厚みのある装甲で造形。右膝にのみ搭乗時の足置きのようなフレームが備わっています。
大腿部は左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化。膝から下も細かなパーツの組み合わせで合わせ目はモールド化されています。
スネには可動ギミックがあり、降着状態用に大腿部を前方に展開させることができます。
後部装甲は展開可能。装甲を開くことで内部に収納されているローラーダッシュユニットを引き出すことができます。収納されている装甲(ふくらはぎ)の内側にまで細かなモールドが造形されているというこだわりよう。内側はパープルグレーに塗り分けが必要です。
ソール部。形状はシンプルですが、側面のターンピックなども別パーツで細かく造形されています。ターンピックの展開ギミックはありません。
足裏もモールド入りの裏打ちパーツが造形。ローラーもきっちりと別パーツ化されています。後部ローラーダッシュユニットは左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。ローラーの回転ギミックはなし。
背部にはボックスタイプのバックパックと、右側面には大柄のミサイルポッドを装備。ミサイルポッドはポリキャップ接続で前後にロールが可能です。
下部にはヘヴィマシンガン用の予備マガジンを2基装備していますが、バックパックをバラさないと脱着ができないようになっています。予備マガジンはヘヴィマシンガンのマガジンと交換することができます。
背部には設定通りのフックが造形されていて、バックパックを差し込んで下げることでしっかりと固定することができます。
ミサイルポッド。基部は上下の組み合わせで側面に合わせ目ができます。バックパックへの接続基部も左右の組み合わせで中央に合わせ目あり。
前面のミサイル口は弾頭が別パーツで細かく色分けされています。
1/144サイズのHG陸戦型ジムと並べて。頭一つ分小さい程度ですが、このサイズでも細部の情報量が多く、かなり詳細な構造やディテールが再現されているのは凄いですね。
頭部は左右に幅広く可動します。後部アンテナがミサイルと干渉し易いので注意。
肩が干渉するので、腕は水平までは上がりません。肘は1重関節で90度程度曲がります。
肩はボールジョイントとポリキャップで適度に前後します。
上半身の前後スイングはないので画像は省きました。
腰は干渉なく360度回転可能。浮かせてディスプレイできるようにはなっていないため、再現したい場合は股間部にコの字パーツを挟むなどして再現するようになりそうです。
腰アーマーが広く展開するので、前後開脚は水平程度まで展開可能。
膝はポリキャップによる2重関節ですが、外装が干渉するのでくの字程度まで。膝装甲裏はきっちりと蓋がされています。
足首の可動は、ローラーダッシュユニットが格納されているので後方へは殆ど動きませんが、前方へは適度に可動します。左右へも適度にスイング可能。
左右への開脚は幅広く展開しますが、サイドアーマーのマガジンや脇の武装類が干渉するのでハの字程度に制限されます。
内股は干渉するので45度程度まで。がに股は幅広く展開可能。
立膝はまずまずな姿勢で再現することができました。構造が複雑なため、ポーズを付ける際に破損などが少し怖いところもありますが、全体的に適度な可動域があるのである程度のポージングは楽しめると思います。
ヘヴィマシンガン。ATM-09系の標準火器で、30mm口径のアサルトライフルです。後部ストックや長い重心がデザインされたライフル特有のシルエットで造形。重厚などはグレーに塗り分けが必要です。側面の予備マガジンは脱着が可能。
本体部分は簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
フォアグリップは左右にスイングが可能。
ハンディロケットランチャー(ハンディロケットガン)。速射ロケット砲になります。円筒状の特徴的なシルエットで、側面には曲状のマガジン、後部には細身のストックも造形。
本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
砲口は別パーツ化。発射口は少し浅め。
ヘヴィマシンガン ショートバレルタイプ。その名の通り局地戦用にヘヴィマシンガンのバレルを短縮化した派生タイプになります。形状もヘヴィマシンガンの基部と同じデザイン。側面には予備マガジンを備えています。銃身(銃口)をグレーに塗り分けが必要。
こちらも基部が簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
フォアグリップは左右にスイング可能。
ソリッドシューター。マシンガンとロックガンの中間的な火器になります。モールドは比較的少なめで側面に少しだけモールドが造形。
砲身部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
砲口は別パーツ化され、適度に開口。後部の円形弾倉も別パーツ化。弾倉はブルーグレーに塗り分けが必要です。
センサーはクリアパーツと通常のパーツがチョイス可能。通常のパーツには十字のモールドがデザインされています。
アームガン。前腕に装備するコンパクトな武装になります。マガジンなどは一体型で作りは簡易的。
基部は2枚パーツの組み合わせで側面に合わせ目ができます。
ヘヴィマシンガンを装備してキリコ機仕様に。
ヘヴィマシンガンは付属の武器持ち手を使用して保持します。トリガーに指を添える自然な形での保持となっています。
手首パーツは組み替えることで角度や長さを調整可能。ただしかなり細かく分解する必要があるので組み換えは少し面倒です。
ヘヴィマシンガンと武器持ち手は特にダボ固定ではないですが、指パーツでグリップをしっかりと握れるので安定した保持が可能。指パーツをバラして保持させますが、パーツに固定強度があるので簡単には外れません。
フォアグリップを握らせての両手持ちはぎこちないですが、なんとか再現することはできました。突っ張る感じになって握らせた指パーツが外れやすいので注意です。
ハンディロケットランチャーを装備してグレゴルー機仕様に。
ハンディロケットランチャーもヘヴィマシンガンと同様、武器持ち手で保持します。多少後部ストックが干渉しますが、特に保持に不自由さはありません。射撃ポーズもラクに再現することができます。
足首は適度に角度変更が可能ですが、股を広げて接地させると端が浮くため、自立でのポージングが少し難しくなります。ですがむしろこのぎこちない感じがメカのリアルな動きが表現されているようで良いですね。
ヘヴィマシンガン ショートバレルタイプを装備してムーザ機仕様に。
ヘヴィマシンガン ショートバレルタイプも付属の武器持ち手で保持します。どの武装も基本的には角度の付いた手首パーツを使用せずともラクに保持できます。表情を付けたい場合にのみ手首パーツを組み替えるだけで問題はなさそうですね。
立膝を付いての射撃ポーズも不自然な感じはありません。多少の不安定さはありますが十分に表情を付けることができます。
背部のミサイルポッドを外し、前腕にアームガンを装備。右手にはソリッドシューターを保持させてバイマン機仕様に。
ソリッドシューターはグリップが可動しないので、角度の付いた手首パーツに組み替えて保持させてみました。角度が付きすぎると少し不自然にも見えるので、数種の手首パーツが付属することで、自分の好みにあった角度に調整できるのは良いですね。
手首に角度が付いているので、ソリッドシューターを構えるポーズは干渉なくラクに再現することができました。特に重量で腕が垂れるようなこともなく、安定した保持が可能。
バイマン機を再現する場合は前腕にアームガンを組み付けますが、アームガンを装備する場合は装甲を2.0mmピンバイスで開口する必要があります。
股間部と脚部を展開して降着状態に。
深く寝そべったような独特の状態になっています。関節強度が適度にありますし、特に各部を弄る必要もないので形状が崩れたりすることはありません。
胸部ハッチを展開すると劇中のシーンのようなよりリアルな演出をすることができます。このあたりの構造もPS版ならでは。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。今回始めてwaveのスコープドッグを組みましたが、パーツ精度が高く、ディテールがしっかりとしていて完成度が高いですね。部分的にピンバイスで開口する必要があるものの、組み立てもし易いですし、サイズに対して構造が細かくプロポーションも優秀。可動ギミックの再現度も高いです。
気になる点はあまりないですが、サイズの割に構造が複雑なので、部分的に少しデリケートなところがあったり、ポロリがあったりします。それと細いアンテナやフックなどを折らないよう、破損にも少し注意が必要ですね。
劇中シーンを再現する場合は4機セットが好ましいですが、武装類が一通り付属しているのでこのキット1体でも十分に満足できます。コックピットやパイロットフィギュアもリアルに造形。PS版ならではの良さが詰まったキットになっているのが良いですね。
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