今回は、HG 1/144 RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL]のレビューをご紹介します!
HG RX-78-2 ガンダム [BEYOND GLOBAL]は、2020年の「ガンプラ40周年」を記念して作られた、大河原邦男氏デザインの「RX-78-2 ガンダム」1/144スケールモデルキットです。「HGシリーズ」で培った技術を集約し、「美しいポージング」と「可動性能とプロポーション」を追求。拳を握り込む力強い動きなども演出できるなど、より人間らしい自然なポージングを実現したキットになっています。価格は2,200円(税込み)。
ファーストガンダムのデザインを再検証し、「BEYOND GLOBAL」として極限まで追求した『RX-78-2ガンダム』がキット化。これまでのHGシリーズの中でも特にスタイリッシュに、より緻密に造形されたガンダムになっています。
成型色はガンダムタイプ定番のホワイト、ブルー、レッドを基調としたトリコロールカラーですが、ホワイトはクリーム色に、その他の色は全体的に少し淡めでくすみのあるカラーリングになっています。シールはツインアイを補うのみで、頭部センサーなどもすべてパーツによる色分けが実現されています。
ポリキャップは使用せず、すべてパーツによって構成されています。これまでのHGフォーマットとは異なる新構造を採用し、あらゆる箇所が可動するようになっています。内部や関節パーツはKPSを使用し、関節強度はまずまず高め。細身ですが前後などに比重はかからず、自立は安定しています。
頭部。シャープでバランスの良いイケメンフェイスに造形されています。とさか前後のセンサーやツインアイ、顎はすべて1個パーツ構成。こめかみのバルカンも色分けされるなど、HGの中でも比較的色分け再現度が高い作りになっています。左右のダクトはグレーに塗り分けが必要。
メット部は上から被せるタイプなので合わせ目はありません。ツインアイとこめかみのバルカンは1個パーツ構成なので、シールを貼らない場合、ツインアイなどはふちをグレーに塗り分ける必要があります。
頭部を左からHGUC RX-78-2ガンダム(REVIVE)、このHG RX-78-2ガンダム(BEYOND GLOBAL)、HG RX-78-2ガンダム(THE ORIGIN版)、HG RX-78-2ガンダム(G40)の頭部と並べて比較。BEYOND GLOBALは比較的小柄で整った形で造形されているようです。
胴体部。各部ともパーツの組み合わせで構成されているため、可動や色分けの再現度がかなり高いです。合わせ目という概念もない構造に。これまでのHGと比べて腹部が細身なので、よりスタイリッシュな印象になっています。エアインテークもパーツで色分けされています。
胸部内部構造。
胸部と腹部の付け根も前傾姿勢が取れるように可動します。
腰部はV字までパーツで色分けされ、ヘリウムコアもパーツによって色分けされています。
腰アーマーはリアアーマーやサイドアーマーもそれぞれ展開が可能。サイドアーマーは中央部を残し、外側だけ展開するようになっています。腰アーマー裏にモールドは造形されておらず、比較的シンプルな作り。股間部には可動ギミックが内蔵されています。中央にはスタンドディスプレイ用の3.0mm穴(赤◯)も造形。
腕部。全体的にスクエアなレトロ感あるフォルムになっています。
腕部内部構造。前腕のモールドなども内外パーツを絡めて色分けされています。
二の腕は筒型で合わせ目はありません。前腕は左右挟み込みタイプですが、中央にできる合わせ目は段落ちモールド化されています。
前腕の手首側は付け根がボールジョイント接続となっていて、少し引き抜くことで自由に可動させることができます。ロール可動も可能。手首側のパーツは内外パーツの組み合わせになっていて、パチンとはまり込みます。塗装などで分解を予定している場合は外れやすく処理しておく必要がありそうです。
肩はボールジョイント接続で、外装パーツを被せるようにして胸部側ボールジョイントと接続します。肩ボールジョイントの強度がそこまで高くはないので、重量のある武器を保持させた場合、腕が垂れてしまう可能性がありますね。
ショルダーアーマーは簡単な1個パーツ構成で、その上からそのまま被せて取り付ける仕様になっています。合わせ目はなく、組み合わせも簡単。
脚部。大腿部は肉厚に、膝から下は細身にと、全体的に細マッチョな印象のデザインになっています。モールドは程よく造形。膝のモールドは内部パーツでグレーに色分けされています。
脚部内部構造。
大腿部やスネは前後挟み込みタイプで、側面の合わせ目はモールドのようなラインになっているのでそのままでも良さそうです。ふくらはぎ周りは左右挟み込みタイプですが、後部にできる合わせ目は段落ちモールド化されています。
脚の付け根は引き起こしが可能。回転させることもできます。
股間部の可動ギミックと合わせることで、脚をクロスさせるようなポーズや脚を高く蹴り上げるようなポーズも再現可能となっています。
ソール部。多くないパーツ構成ですが、足首は柔軟に可動するようになっています。足裏にはモールドが造形されていますが、つま先側には肉抜き穴があります。アンクルアーマーは左右挟み込みタイプですが、合わせ目は端でモールド化されています。
バックパックは他のRX-78-2に比べて少し特殊なデザイン。中央には3.0mmジョイント穴があります。
バーニアは可動しませんが、別パーツ化されているので塗り分けはしやすそうです。
サーベル柄は先端に凹みのラインモールドが入っているので、バックパックに差し込むときにパチンと固定できるのでふらつきや落下がない作りになっています。
バックパックは2ダボ接続ですが間隔が狭いので、HGUCなど他キットのバックパックをそのまま取り付けることはできないようです。
左からHGUC RX-78-2ガンダム(REVIVE)、このHG RX-78-2ガンダム(BEYOND GLOBAL)、HG RX-78-2ガンダム(THE ORIGIN版)、HG RX-78-2ガンダム(G40)を並べて。
REVIVE版と比べると少し精密な感じ、オリジン版と比べると質は同等ですが、可動と造形とでジャンルが分かれる感じかと。G40とは可動は似た部分がありますが、G40のほうがデザイン的に異質な感じがします。それぞれ個性的。サイズ的にはどれも同じくらいです。
上半身と下半身をアップで比較。
頭部はまずまず広めに上下可動させることができます。左右へも干渉なくスムーズに可動。
腕は真上にまで上げることができ、肘は二重何節で完全に曲げることができます。
肩は後方へはほぼスイングしませんが、前方へは胸部引き出しギミックによって少しスイングさせることができます。
上半身は、胸部の可動ギミックや腰のボールジョイントによって適度に前後スイングさせることができます。
腹部は左右へのスイングが可能。
腰は少し浮かせることで360度回転が可能です。アクションベースやスタンドへは、通常通り、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。差し込み強度も高めで安定しています。
フロントアーマー、リアアーマー共に広く可動するため、前後開脚は水平程度にまで展開させることができます。
膝も二重関節でほぼ完全に曲げることができます。膝はメカニカルに造形されています。
足首は前後に幅広く可動します。左右へは適度に可動。
左右への開脚も広い展開が可能と柔軟。サイドアーマーも展開するので干渉がありません。
内股、がに股は通常の位置だと大腿部と股間部が干渉してほとんど動きませんが、股間部を可動させることで干渉を避け、広く展開させることができます。ガニ股も同様。
立膝はラクにこなせますし、更に深くまで沈めることも可能です。
可動域の総括としては、全体的にガンプラトップレベルの可動域となっています。さらに他のキットにはない股間部の可動などがあるのでさらに幅広いポージングが可能です。足りないのは肩の前後スイングくらいかと。
シールド、ビームライフル、ビームサーベル刃×2、武器持ち手(右)、平手(左)が付属。
シールド。表面にグレーのラインが入った独特のデザインになっています。十字や丸モールドはパーツによる色分け。裏面もスライドレールが造形されるなど、メカニカルな作りになっています。(スライドレールによる可動ギミックはありません。)
シールドも構造が特殊。フレームのような外装や基部パーツが造形されています。
中央のジョイントパーツは可動式。前腕手首側の装甲を引き出してモールドにパチンと固定するので、保持強度はまずまず高めになっています。
ジョイントパーツを外すことでバックパックにもマウント可能です。
グリップは組み換えることでハンドパーツで保持させることが出来、シールドの保持強度がさらに上がります。
さらに、ジョイントパーツを外し、中間部にグリップを取り付けることで、前方に向けるように保持させることも可能です。
シールドもそれぞれを並べて比較。※左からHGUC RX-78-2ガンダム(REVIVE)、このHG RX-78-2ガンダム(BEYOND GLOBAL)、HG RX-78-2ガンダム(THE ORIGIN版)、HG RX-78-2ガンダム(G40)です。このキットのものが一番小型です。
ビームライフル。全体的に整った作りになっています。正規のものと形状は大きく変わりません。
本体部分は左右挟み込みタイプで、部分的に合わせ目ができます。
フォアグリップ、センサーともに左右に可動します。センサーはイエローパーツでの色分けで、後部にダボが突き抜けているので分解しやすくなっています。
ビームライフルはリアアーマーにマウント可能。ライフル側面の角型ダボをリアアーマーに差し込んでのマウントとなります。固定強度が高いのでポロリはなさそうです。
ビームライフルをハンドパーツ付きでそれぞれ並べて比較。※下からHGUC RX-78-2ガンダム(REVIVE)、このHG RX-78-2ガンダム(BEYOND GLOBAL)、HG RX-78-2ガンダム(THE ORIGIN版)、HG RX-78-2ガンダム(G40)です。ビームライフルはG40のものが一番小型。
ビームライフルとシールドを装備して。
可動箇所が多いので、サクッとポーズを取ることができます。
ビームライフルの両手持ちは肩スイング幅が狭いのでギリギリですが、自然な感じでの保持は出来ています。
バックパックからサーベル柄を引き抜くポーズもらくらくと。
ビームサーベルは柄が細身なので、ハンドパーツからスルッと抜け落ちやすいので注意です。
適当に何枚かどうぞ。
劇中シーンっぽく演出。ラストシューティングはもちろん、デニムザクのコックピットを貫くシーンもラクに再現可能です。
以上です。なかなか好みが分かれそうなデザインで、RX-78-2の中でも個性的なキットになっているようです。ただ、内部フォーマットはかなり卓越したものになっていて、驚くくらいによく動きます。見た目をどうこうというよりは、ガンプラの可動範囲や構造的な実験機な感じもしますね。(あくまで個人的な感想ですが;)
それと、見た目がスタイリッシュですが、ポージングさせるとそれがあまり気にならないようになり、むしろポーズの取りやすさに魅力を感じてきました。これまでのガンプラとは違った格闘系などの躍動感あるポーズも取れるので、とても楽しくポージングができると思います。
武装類も整った作りになっていますし、手元でしか味わえない良さを持ったキットになっています。十分な可動域を持った新境地のガンプラとして楽しめるのではないでしょうか。
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13 件のコメントがあります。
逆シャア好きだけど(以下略)
on 2020年6月5日 at 21:42 -
コメントを控えるよう言われたばかりなのに申し訳ないのですがRGνガンダムHWSはレビューして頂けますか?
レビューする場合はRGνガンダムHWSとHWS拡張ユニットのどちらをレビューしますか?(このような状況で金銭的問題もあると思うのであまり無理はなさらずに。自分の生活が大事ですから)
匿名
on 2020年6月6日 at 01:00 -
なんか目のシールの大きさがおかしいような?
ところでヒサシとアンテナが一体化してるのは後に出るエントリーグレードと同じですね
このパーツ分割はEGみたいな安価で初心者向けでもある商品なら構いませんが、アンテナを黄色とか別の色に塗り分ける時に塗装しづらいから高価なモデルには採用しないでほしいと思います。
あとここに来てバックパックの2穴の互換性の無さにはガッカリしました。
774
on 2020年6月6日 at 09:41 -
太腿の箱っぽさ・太さがどうも気になるのは自分だけでしょうか…
あと、定価2000円超えてるのならバズーカは付けて欲しかったです
匿名
on 2020年6月6日 at 21:26 -
足の肉抜きはどうにかならなかったのかねぇ・・・ そこ以外はいいんだけどね。
nori
on 2020年6月11日 at 10:45 -
コメントありがとうございます!
つま先の肉抜き穴は普通に素立ち状態でも見えちゃいますからねぇ;
匿名
on 2020年6月7日 at 10:54 -
ファースト世代のおっさんモデラーです。可動範囲やギミックは素直に凄いと思いますが、やはり胴体と下腿の細さが気になります。大腿が太すぎるのかも知れませんが、胴体のサイズに四肢のバランスが合って無いような・・・。それとも、おっさんの感性が今風のデザインに付いていけて無いのか(苦笑)
nori
on 2020年6月11日 at 10:48 -
コメントありがとうございます!
確かに腹部、それとスネがちょっと細いですね。その割に大腿部は太めと、それらの点でスタイリッシュさが強調されているような;
ガンダム好き
on 2020年6月8日 at 17:44 -
デザインは他のガンダムと薄く、足はオリジンの足がベースとなっている感じ、シールドは、小さいのに複雑。うーん、欲しいなぁ。(近くの店には売ってないので)^_^
匿名
on 2020年6月10日 at 10:02 -
手の平側のモールドを気にしなければ、次元 ビルドナックルズ「角」で開いた右手として代用できそうです。
リオりん
on 2020年6月10日 at 14:33 -
パーツの材質ってKPS使用していましたっけ?取扱説明書を拝見する限りは「PS」のみだと思ったのですが。。。
nori
on 2020年6月11日 at 11:07 -
コメントありがとうございます!
KPSパーツが使ってあっても、説明書にはPSと記載されています。
最近のHGは関節などがだいたいKPSになっているので、このキットもそうですね。
リオりん
on 2020年6月11日 at 19:27 -
こちらこそ勉強になります。確かにF1,F2パーツはKPSのようです。ランナーにその旨記載しないのはなぜだろう?
リオりん
on 2020年6月11日 at 20:18 -
追記です。C1パーツもKPSのようですね。全てのランナータグ、確認しましたがやはり「PS」としか表記されていませんでした。