今回は、HG リーベン・ヴォルフ(A.O.Z RE-BOOT版)のレビューをご紹介します!
HG リーベン・ヴォルフ(A.O.Z RE-BOOT版)は、『A.O.Z RE-BOOT ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』より、MS「AMX-014R リーベン・ヴォルフ」の1/144スケールモデルキットです。リーベン・ヴォルフの特徴的な機体形状を再現。頭部モノアイや胴体部、股間部などの各部可動ギミックのほか、多岐HGシリーズとの連動、ジョイントパーツによるウーンドウォートとの連結といった多彩なギミックを持つキットになっています。価格は3,520円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
ジオンマーズが開発したドーベン・ウルフの改良型で、重装型だったベース機の装備をオプション化する事で一般兵でも難なく運用できるように改良。劇中では検閲部隊のハイザック2機を撃墜するなど活躍を見せた機体「AMX-014R リーベン・ヴォルフ」がHGUCでキット化。
HGUCドーベン・ウルフからのパーツ流用はないですが、ドーベン・ウルフ系が持つ細身でメカニカルな機体形状が新規造形で再現されています。
成形色はオリーブブラウンとダークブラウンを基調とした渋みのあるカラーリング。その他、頭部や腹部など各部動力パイプがオレンジ、胸部メガ粒子砲口がレッド、内部や関節、スラスター類、武装類などはパープルグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールは付属せず。頭部モノアイや武器センサーなど細かい部分も全てパーツでの色分けとなっています。細部の塗り分けも殆ど必要なさそうです。
パープルグレー成形色パーツはKPS素材。ABSは不使用で塗装に対応しています。
ポリキャップは不使用。肘や膝など各部関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。ソール部が細身のハイヒール状接地面が小さいですが、バックパックも特に負荷のかかるような装備ではないため、自立は安定します。
■付属品
ビーム・マシンガン、ビーム・ソード・アックス✕2(ビーム刃2種)、ビームソード刃✕2、ビーム・ソード・アックス用ジョイントパーツ、ハンドパーツ(武器持ち手:左右、平手:左右、握り手:左右)、一般機用頭部パーツ、ガンダムTR-6用ジョイントパーツ✕2が付属。
余剰パーツがいくつか付属します。
マーキングシールが付属。ジオンマーズのエンブレムが収録されています。
■各部形状
HG リーベン・ヴォルフ(A.O.Z RE-BOOT版)の各部を見ていきます。
■頭部
頭部。ジオン系特有のモノアイタイプで、幅のあるメット部や口元の動力パイプが特徴的に造形。こめかみのバルカンや口ダクトもパーツできっちりと色分けされています。ひさしの隙間もなんか良いですね。
モノアイ周りはかなり細かく造形されていて、モノアイも蛍光クリアピンクパーツできっちりと色分けされていて完成度が高いです。
モノアイや額のセンサー部分はブラックライト(UVライト)で照らすと発光します。
底面のレバーを動かすことでモノアイを左右に振ることができ、表情の変化が楽しめます。
■胴体部
胸部・腹部。起伏のある装甲やスラスター、動力パイプなどがメカニカルに造形。腹部のメガ粒子砲も砲口内部がパーツで色分けされるなどかなり造りが細かいです。メガ粒子砲の赤いパーツは一旦組み付けると外しにくいので、仮組みする場合は注意が必要です。
首はヒンジ接続で前後に可動し、基部も引き起こすことができます。肩は前面にスラスターノズルがある装甲が前方にスライドし、それによってボールジョイント部分が前方にスイング。
上下にも可動します。可動箇所が多め。
胸部や腹部には細かな可動ギミックがあり、各部がMGに近いレベルで柔軟に可動するようになっています。腹部や腰部が展開しますし、バックパックへのジョイント部分も上向きに展開します。
バックパック基部にはロックがあり、引き出すことでバックパックごと展開することができます。このあたりは説明書の記載がわかりにくいため、どう動くのか少し把握しづらいと思いました。無理に動かして破損させないように注意です。
腰は鍵型ダボ接続のロック仕様。接続軸にも前後や左右への可動ギミックがあり、上半身が柔軟に可動するようになっています。
腰部。フロントアーマーはふんどし部分のみですが、リアアーマーは幅のある装甲が造形。
リアアーマーはヒンジ接続で少し展開可能。内側にはモールド入りの裏打ちパーツも造形されています。
股間部にはロールギミックがあり、回転させることで脚部の可動域を広げることができます。
■腕部
腕部。両肩にはスパイク付きの厚みのあるシールドを装備。上腕以下は比較的細身でシンプルなデザインになっています。
上腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は前後ともモールド化。ハンドパーツは穴なしのものが付属しています。
肘は分離可能。前腕側の接続部や手首側も個別に細かく可動するようになっています。
手首は上下に可動。
ショルダーアーマーはかなり厚みがあり、内外が個別のパーツで構成されています。
上部装甲は展開可能。内側のあまり見えない箇所もモールドが造形されていてディテールが細かいです。
シールドの接続部は上下に可動。スパイクシールドとはボールジョイント接続で、シールドをしっかりと押し込むと固定され、少し抜くとボールジョイントを活かして適度な角度に可動するようになっています。
スパイクシールドはメカニカルな裏打ちパーツまできっちりと造形。肉厚で存在感あるシールドになっています。
■脚部
脚部。厚みのある装甲やダクト、動力パイプが混在。多数の外装パーツが重なる特徴的なデザインでメカニカルに造形されています。フレームと外装パーツを交えつつ、ライン状のモールドも細かく色分けされていてリアル。
脚部内部にはメカニカルな内部フレームが造形されています。
大腿部は前後、膝から下は多数パーツの組み合わせで各部とも合わせ目はモールド化されています。
スラスター付きのサイドアーマーは足の付け根に装備。ボールジョイント接続で適度に可動します。股を開く際、干渉が避けられるようになっているのが良いですね。
膝は装甲がスライドし、深く曲げることができます。
足首の前後スイングに連動して後部の3基バーニアも前後するようになっています。
ソール部は高さのあるハイヒールタイプ。こちらも内外パーツで構成され、メカメカしさが感じられるつくりになっています。
足裏は一部に肉抜き穴あり。他のキットではあまり見ないですが、かかと側を少し閉じることができます。
■バックパック
背部には複合型のバックパックを装備。2口のスラスターノズルを持つ本体部や上部左右のミサイルポッド、2基のプロペラントタンク接続口で構成されています。
バックパック本体部はスラスターノズル付きの基部パーツに前後から外装を被せる簡易仕様。なのでノズルの可動ギミックはありません。合わせ目はモールド化。
左右のプロペラントタンク口は上下に可能。HGUCシナンジュのプロペラントタンクを組み付けてカスタマイズすることができます。
ミサイルポッド。オプション装備のミサイル発射機で、設定では内部に4発のミサイルを内蔵しているとのこと。特にハッチの開閉ギミックなどはありません。
ミサイルポッドのアームはボールジョイントのクランクで前後などに柔軟に可動。
バックパックは縦配置の2ダボ接続。
HGCドーベン・ウルフと同形状なので、バックパックを組み替えてカスタマイズすることができます。(画像右)太めダボでしっかりと組み付くので、脱着時は破損させないように注意です。(軸に強度があるので簡単には壊れないですが一応;)
バックパック基部はリーベンヴォルフのまま、左右のユニットだけミサイルポッドと組み替えることもできます。(画像左)(プロペラントタンク口は外しています。)
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。HGとしてはかなり大きめで、νガンダムよりも大型のキットになっています。リーベン・ヴォルフの全高は不明。
原型機であるHGUCドーベン・ウルフと並べて。大きさはドーベン・ウルフのほうが大きめですが、それに匹敵するくらいの大きさになっています。ドーベン・ウルフの全高は25.9m。
HGUCシルヴァ・バレトとも並べて。
■各部可動域
頭部は可動ギミックがあるため、まずまず広めに上下します。左右へは干渉しやすいですが、顎を交わすようにすれば水平程度までスイングさせることができます。
腕はY字程度まで上げることが可能。肘は2重関節でV字程度まで曲がります。
肩はボールジョイントで広めに前後します。特に前方へは、可動ギミックによってより幅広くスイングするようになっています。
腹部などの可動ギミックにより、上半身を広めに前後させることができます。もっと動くかもしれませんが、破損が怖いので無理していません。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は幅広く展開可能。前方はアーマーがないので干渉しませんし、後方もリアアーマーを交わすようにすれば広く展開します。
膝は2重関節ですが、スラスターが干渉するため、くの字程度までとなります。
足首は前後左右とも広めに可動します。
左右への開脚は水平程度まで幅広く展開させることができます。
足の付根がロールするので、内股、ガニ股ともに幅広く展開します。
立膝は少し難しく、姿勢が崩れるようでした。
可動域の総括としては、この大型キットで干渉もしやすそうな造りながら、各部が細かく可動して干渉が避けられるため、かなり柔軟に可動させることができます。造形的に少し特殊なため、ポーズかわかりにくかったりするものの、動きは付けやすいかと思います。
■武装類
ビーム・マシンガン。リーベン・ヴォルフ用のビームライフルになります。ヤクトドーガのビームアサルトライフルに似ていますが、グレネードランチャー部分がセンサーになっています。
本体部分は簡単なモナカ割ですが、上下の合わせ目は殆どが段落ちなどでモールド化。後部のフックは上下に可動します。
センサーは蛍光クリアブルー成形色パーツでの再現。右側のセンサーパーツ(向かって左側)は一旦組み込むとかなり抜きにくいので仮組み時は注意が必要です。
ビーム・ソード・アックス。ギラドーガのものに酷似した近接戦闘用の斬撃ビーム兵装になります。
ビーム刃を外すことで、柄を前後にスライド可能。長さを調整することができます。アックスとして使用する場合は柄を長くし、ソードとして使用する場合は短くします。
ビームソード刃を組み付け、柄を短くしてビーム・ソードに。
ビーム・ソード・アックス柄は付属のジョイントパーツを使用することで、2本をリアアーマーにマウントすることができます。
ガンダムTR-6用の膝関節ジョイントパーツが付属。組み替えることで、ウーンドウォートなど他のキットと組み合わせることができます。ただし完成後のキットを組み替える場合、パーツの組み合わせの関係で脚部の全ての部分をバラす必要がありそうです。なのでまた後日組み替えて試す予定です。
■ポージング
一通り武装して。
ビーム・マシンガンは付属の武器持ち手で保持します。後部が長いですが、特に前腕との干渉もなくラクに構えることができます。
可動が柔軟なので動きが付いて良いですね。大型キットですが、KPSが多く軽量なので、小型のスタンドでも問題なくディスプレイできるようでした。
プロペラントタンクをつけると背部に幅が出てシルエットが変化するため、より格好良くなって良いですね。
ビーム・ソード・アックスは柄を握り手に差し込んで保持します。ややスルッと抜けやすいので、柄の太い部分までしっかりと押し込んでおくと抜けにくくなって良いかと。
どことなくグレイズ系など鉄血味を感じさせるのが面白いところ。ちなみに「リーベン・ヴォルフ」とはドーベン・ウルフのリファインの「Re」と、ドイツ語で生存を意味する「leben」を組み合わせたもので、「ドーベン・ウルフはまだ生きている」という意味が込められているとのこと。
平手が付属するので、ビーム・マシンガンに手を添えたり指揮するポーズを取らせたりと自然な表情をつけることができます。近年のキットには当たり前のように付属していますが、あるとないとでは全然違ってくるのでありがたいです。
ドーベン・ウルフの前腕部が装着可能。ワイヤーパーツは接続できないので、有線での射出シーンを演出することはできないようでした。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。正直ドーベン・ウルフの面影はそんなにない気がしますが、逆にそれがよく、ジオン系機らしいデザインと質の高い造形、大型キット特有の存在感を併せ持つキットになっています。ギラドーガとグレイズ系を掛け合わせてAOZで割ったような、懐かしさと新鮮味を感じさせるのも良いですね。
気になる点は、可動箇所がかなり多いのですが、強度が高いため、どこが動くのかちょっとわかりにくいのと、無理に動かすと破損する可能性があるのがちょっと怖いですね。説明書もちょっとわかりにくいので、構造をよく把握し、可動する箇所を確認しながら動かすか、経年などで少し可動をスムーズにしてからのほうが破損がなくて良いかと。
カラーリングもオリーブブラウンが基調でとても渋く仕上がっていますし、各部とも内外パーツを交えつつ、隙間が見えても大丈夫なような裏打ちパーツがきっちりと造形されていて造りが丁寧。強度も高いですし、可動域もかなり広く、躍動感あるポーズを取らせることができます。かなり完成度が高く、リーベン・ヴォルフ・カスタムなどのバリエーション機も期待してしまうくらいの両キットになっているのが良いですね。
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1件のコメントがあります。
ななし
on 2025年5月25日 at 01:53 -
ヘルメットのヒサシですけれど、隙間こんなに空くものなんでしょうか?
形状的にもう少し奥へ入りそうに見えるのですが…違ったらすみません