今回は、1997年10月に発売された1/144 ハイドラガンダム HGのレビューをご紹介します!
1/144 ハイドラガンダム HGは、コミック『新機動戦記ガンダムW DUEL STORY G-UNIT』に登場するMS『ハイドラガンダム』の1/144スケールモデルキットです。特徴的な機体形状を新規造形で再現。右肩ショルダークローの展開機構の他、パーツ差替えなしでモビルアーマー形態への変形が可能なキットになっています。ショルダークローへのマウントが可能なバスターカノンとEFMシールドも付属。価格は1,100円(税込み)です。
ドクター・ペルゲにより、オペレーション・メテオで地球に降下した5機のガンダムに対抗するために開発された機体『ハイドラガンダム』が1/144シリーズでキット化。死神をイメージしたような特徴的なデザインが再現されています。名前の『ハイドラ』は『うみへび座(ヒュドラ)』に由来。
成型色はダークグレーとグレーをベースに、各部にレッドを配色。暗めでラスボス感のあるカラーリングになっています。
シールは頭部や胸部、腰アーマーの一部、ショルダークローのアームなどを補います。起伏のある箇所に貼り付けるため、貼るのが難しかったりします。ずれないよう、慎重にきれいに貼り付けたいところです。細部モールドやダクトなど、色味が足りない箇所は塗装で補うようになります。
ABSは不使用。すべてPS素材で構成されています。
ポリキャップはPC-115を2枚分使用します。関節各部に使用し、関節強度はまずまず高め。特別負荷のかかる装備はないですが、肩部や腰部装甲の関係で多少後方に倒れやすいので注意が必要です。
バスターカノン、EMFシールド、ハンドパーツ(平手:左右、武器持ち手:左右)、ビームサーベルが付属。
専用のマーキングシールが付属します。
頭部。通常フェイスはガンダムタイプながらも個性的かつヒール感の強いデザインになっています。側頭部のアンテナや顎周りはシールでの色分け。アンテナの赤いシールはやや浮きやすく、顎周りのシールも左右で組み合わせるタイプで貼るのが難しいところがあるので注意です。左右のLモノアイスリットや頬のダクトはグレーに塗り分けが必要。
メット部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。側頭部はザクなどのジオン系機、後頭部はジオングをイメージしたフェイスが造形されるなど、阿修羅のような禍々しさが感じられるデザインになっています。設定では頭部が反転し、モノアイもレールに沿って移動。ジオングの口も後頭部ビーム砲として使用可能となっています。
頭部を回転させることで3種の頭部を再現することができます。
胴体部はジェミナス系に似たデザイン。腹部が別パーツ化されている以外はシールでの色分けです。胸部エアインテークや腹部コックピットハッチはシールでの色分け。
背部もスリット入りのダクトが造形されるなど、フロント側でも違和感が無いようなデザインになっています。
腰部。前側は中央に1枚の装甲が造形されています。裏面にモールドはなし。ポリキャップ接続で45度ほど展開可能です。
側面には下半身全体を覆うほどの装甲を装備。ステルスジャマーを搭載しているとのことです。一部スリットダクトはゴールドのシールでの色分けで、表面装甲の一部はグレーに塗り分けが必要です。
裏面はパネルラインが造形されるなどしっかりとしたデザインになっています。こちらもポリキャップ接続で広く展開させることができます。
後部にも幅のある1枚装甲を装備。裏面には5連バーニアユニットによるメインスラスターが造形されています。こちらはポリキャップ接続で大きく跳ね上げることが可能。
腕部。ショルダーアーマーが大型で特徴的ですが、二の腕以下は細身でシンプルなデザイン。
二の腕は前後、前腕は左右の組み合わせでそれぞれ合わせ目ができます。肘から分離するので合わせ目消しは比較的ラクかと。ハンドパーツは穴なしのものが付属しています。
ショルダーアーマーはショルダークローやバーニアアームなどの複合ユニットになっています。
ショルダークローはバーニアアームによって幅広く展開可能。
ショルダークロー先端の接続マウントは反転させることでクローとして使用可能。クロー中央にはビーム砲が造形されています。クローはモナカ割で合わせ目ができます。
ショルダークロー本体も左右の組わせで上下に合わせ目ができます。
バーニアアームは2節で造形され、共に左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。一部装甲はシールでの色分け。ポリキャップ接続でフレキシブルに可動します。バーニアの内側は抜かれておらず簡易的な作り。
ショルダークローを展開したあとの肩アーマーは一部が抜けた状態。前後の組み合わせで上部に合わせ目ができます。
脚部。細身ですが、後部に大柄の脚カバーが造形されるなど特徴的なデザインになっています。
脚カバーを外した状態で。大腿部は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝関節や膝から下も左右の組み合わせで前後の一部に合わせ目ができます。膝から分離しませんが、単色なので合わせ目消しはラクかと。ふくらはぎのレッグバーニアやサブスラスター内部は塗り分けが必要。
大腿部の装甲もポリキャップ接続で展開可能。裏面にはスリットダクトモールドが造形されています。
脚カバーは左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。裏面は簡易的な作りですが、簡単なパネルラインが造形されています
ソール部。つま先が鋭利に伸びた悪魔靴のようなデザイン。全体が左右の簡易的な組み合わせで上下に合わせ目ができます。脚甲は白く塗り分けが必要。
赤いつま先装甲は足裏に収納可能。足裏も適度にモールドが造形されています。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。1/144サイズのキットとしてはやや大きめ。ハイドラガンダムの全高は24.6mです。
1/144HGジェミナスL.O.ブースターと並べて。こちらとも少しサイズ差があります。どちらもHGACでのキット化を期待したいですね。
頭部はわずかに上下する程度。左右へはフェイスが回転するので干渉なくスイングさせることができます。
腕は45度までしか上げることができず。ショルダークローを展開しても腕の上げる角度は同じです。肘も90度まで曲がらない状態。
肩は胸部側からの軸接続なので前後スイングはありません。腹部が可動せず、腰部も軸接続なので上半身の前後スイングもなし。共に画像は省きました。
腰は干渉なく360度回転が可能です。アクションベースやスタンドでディスプレイできるようにはなっていないので、浮かせる場合は股間部にコの字パーツを挟んでのディスプレイとなります。
大腿部の装甲が干渉するので前方への開脚は殆どできず。後方はリアアーマーが広く展開するので幅広く開脚することができます。
膝は殆ど曲げることができません。高機動モビルアーマー形態への変形用として、逆向きには深くまで曲げることが可能。
足首は前後左右ともそれなりです。
股間部がボールジョイントなので、左右への開脚はハの字程度まで。内股、ガニ股は共にわずかなので画像は省きました。膝が曲がらず立膝ができないのでこちらも画像は省いています。
可動域の総括としては、特別広く可動するのが頭部と腰の回転くらいと、あくまで変形のみを意識した可動となっているようです。なのでMS形態での派手なポージングというのはあまり期待できなそう。ですが肩のショルダークローやアームがフレキシブルに可動するので、その辺りでダイナミックさを表現すると良さそうです。
バスターカノン。高出力のビームライフルになります。陽子をプラズマイオン化させて高速射出する荷電粒子砲で、戦艦さえも一撃で轟沈させる威力を有するとのこと。
左右の組み合わせで各面に合わせ目ができます。
グリップは収納可能。銃口は開口しておらず簡易的です。
EMFシールド。手持ち可能な対ビーム用シールドです。電磁場によるEMFフィールドが展開可能とのこと。表面の角型モールドは黒く塗り分けが必要です。
グリップは適度に可動します。
バスターカノン、EMFシールド共にショルダーアーマーにマウント可能です。
一通り武装して。
バスターカノンは付属の武器持ち手で保持させます。トリガーに指を添えるタイプですが、ハンドパーツにグリップを差し込むだけで保持が可能。ハンドパーツがポリキャップ素材で遊びなく保持させることができます。
バスターカノンは後部が腕部と干渉しやすいので、脇に抱えるなどうまく干渉を避けるように構える必要があります。
EMFシールドも武器持ち手での保持。こちらもグリップを差し込むだけで保持が可能です。トリガー用に指が伸びた状態のハンドパーツなので、こだわる場合はちょっと気になるかもですね。
膝が殆ど曲がらないのでポーズの表情付けが難しいですが、代わりに腰アーマーが広く展開したりするのである程度表情をつけることができます。
ビームサーベルはクリアオレンジ成型色での再現。単一成型色の1個パーツ構成なので、グリップを白く塗り分ける必要があります。ビームサーベルは1本しか付属していないので、ナギナタなどのギミックの再現はありません。
頭部を回転させることで、別機体のように表情が変化。
ビームサーベルはブラックライトで照らすと発光します。
高機動モビルアーマー形態への変形は、ショルダークローを左右に展開し、先端のクロー(マジックハンド)を反転させます。
サイドアーマーを前方に展開し、リアアーマーを展開。
つま先の装甲を足裏に収納して膝を逆むきに曲げます。これで高機動モビルアーマー形態への変形完了。
高機動モビルアーマー形態。
高機動モビルアーマー形態を色んな角度から。下半身がなく腰アーマーがスカート状に展開するなど、ジオングをオマージュしたようなスタイルになっています。
底面にはふくらはぎのレッグバーニアやサブスラスターが配置されるようになります。
ショルダークローを展開させることで独特のポージングが再現可能。アームの強度もまずまずあるので、特に垂れることなく形状を維持することができます。バスターカノンやEMFシールドもMS形態時と同様に装備が可能。
頭部を反転させてジオングタイプの頭部に。口のビーム砲を発射する際はこちら側の頭部になります。
底面のスラスターに存在感があり、アオリ視点から見てもかなりの迫力があります。
アームがフレキシブルに可動するので、ショルダークローを使った攻撃ポーズも様になります。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ヒール且つ個性的なデザインで存在感がありますし、高機動モビルアーマー形態はジオングのオマージュのようなスタイルで独特のかっこよさがあります。変形も簡単なので、好みのスタイルでディスプレイさせておけるのがいいですね。
気になる点は、MS形態だと膝が曲がらなかったりで全体的に可動域が狭く、アクションポーズが思ったように取れないところがあります。ダイナミックなポーズは難しいので、できる範囲でということになりそうです。あとマスクが左右からシールを貼るタイプなので、起伏に合わせてうまくはらないとグシャッとした表情になってしまうので注意です。
ジオング顔を含め、フェイスを回転させることで様々な表情に変化させることができますし、ショルダークローがフレキシブルに可動するので迫力ある攻撃シーンを再現することも可能。演出力のあるキットなので、L.O.ブースタージェミナスとの様々なシーンが再現できそうですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら