今回は、1997年11月に発売された1/144 ガンダムグリープ HGのレビューをご紹介します!
1/144 ガンダムグリープ HGは、コミック『新機動戦記ガンダムW DUEL STORY G-UNIT』に登場するMS『ガンダムグリープ』の1/144スケールモデルキットです。背部にリフレクトシールドを装備する特徴的な機体形状を再現。リフレクトシールドの可動や頭部差し替えにより、アサルトモードとモビルアーマーモードに変形可能なキットになっています。先端ビーム部が脱着可能なビーム・ランサーも付属。価格は1,100円(税込み)です。
オデル・バーネット(シルヴァ・クラウン)がOZの試作可変機をベースに開発したアディン・バーネット搭乗機『ガンダムグリープ』が1/144シリーズでキット化。背部に大柄なリフレクトシールドを装備するなど、兄であるオデル・バーネットが敵地で開発したためか、少しヒール感のあるデザイン、カラーリングになっています。
成型色はブルーとライトグリーンをベースに、腹部、ソール部、背部などにダークグレーを配色。
シールは頭部や各部のスリットダクト、スネのモールドなどを補い、まずまずの量。シールだけでは色が足りず、各部のダクトやモールドなどを塗り分ける必要がありますが多くはありません。
ABSやKPSは不使用。すべてPS素材で構成されています。
ポリキャップはPC-115が2枚付属。肘・膝関節など全身各部に使用しますが、関節強度はあまり高くはありません。背部に大柄なリフレクトシールドを装備しているため、若干後方に負荷がかかって倒れやすいですが、自立は問題なく可能です。
ビームランサー、平手(左右)が付属。平手はポリキャップと同じPE(ポリエチレン)素材です。
専用のマーキングシールが付属します。
バックパックを外した状態で。
頭部。左右の羽やとさかなどが特徴的なデザイン。ライトグリーン成型色のみで構成されているため、額の赤や顎、とさかの黒もすべてシールでの色分けです。
メット部は左右の組み合わせで後頭部に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は後ハメが必要。
胴体部は派手さのないシンプルなデザイン。腹部がパーツで色分けされているのみなので、型のスリットダクトや胸の装甲、腹部コックピットハッチ、腰アーマー中央などはすべてシールでの色分けです。背部バックパックとはポリキャップの1穴接続。
股間部は細身のボールジョイント接続で軽装。
腕部。ショルダーアーマーには幅がありますが、全体的に細身でシンプルに造形されています。前腕のスリットモールドはゴールドシールでの色分け。
二の腕は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので、どちらの合わせ目も消しやすいかと。ハンドパーツはポリキャップと同じPE(ポリエチレン)素材です。二の腕の一部はグレーに塗り分けが必要。
肘はポリキャップ接続でロール可能。
ショルダーアーマーも前後の組み合わせで簡易的。上部と側面に合わせ目ができます。二の腕パーツを挟むので、合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要そう。側面のダクトはグレーに塗り分けが必要です。
脚部はふくらはぎ左右に装備するバリアブルスラスターが特徴的。それ以外の部分もG-UNITシリーズのキットに似たデザインで造形されています。スネのモールドは赤いシールでの色分け。
大腿部、膝から下共に左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から分離するので、合わせ目消しはラクそう。
バリアブルスラスターはポリキャップを挟んで表裏の2枚パーツ構成。表面にはメカニカルなモールドが入っています。後部スリットダクトはゴールドのシールでの色分けですが、前面の左右モールドは黒く塗り分けが必要です。
バリアブルスラスターは可動式推進システムで、モビルアーマーモードでは補助スラスターとして、モビルスーツモードでは姿勢制御バーニアとして使用するとのこと。1ダボ接続で上下に可動します。
大腿部上部にはリアクタージェットエンジンのファンが造形。リアクタージェットエンジンは推進用高出力エンジンで、前方から星間物質を取り込み、後方からプラズマジェットを噴射するとのことです。
ソール部は最中割の簡易的な作りで上下各面に合わせ目ができます。ダークグレー成型色のみで構成されているので、脚甲をライトグリーンに塗り分ける必要があります。
背部にはこのガンダムグリープの特徴である大型のバックパックを装備。左右には大柄なリフレクトシールドを装備しています。
リフレクトシールド。作り自体は簡易的ですが、表面には戦闘機のボディのようなデザインモールドが造形されています。
下部のカナードスタビライザーは可動式。深くまで曲げることができます。姿勢安定用補助ウイングシステムで、大気圏内において、空力特性の向上を狙うべく構成されたスタビライザーウイングとのこと。
内側のスラスターも上部に広く展開可能。後部のスリットダクトはゴールドのシールでの色分けです。
リフレクトシールドは折りたたみが可能。ガンダムグリープ全体を覆うことでディフェンスシールドとして使用することができます。
背部中央にはモビルアーマー形態時に機種となるユニットを装備。数個パーツ構成でこちらも簡易的な作り。表面のスリットダクトはゴールドのシールでの色分けです。ユニットは最終決戦仕様でシールドとして使用されていますが、特に保持できるようにはなっていないようです。
裏面にはバスターメガ粒子砲が造形。
バスターメガ粒子砲の砲口は途中まで開口。左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。上部の三角形カナードスタビライザーは折りたたみが可能。上部の光学式アクティブソナーは赤いシールでの色分けです。
光学式アクティブソナーはモビルアーマー形態時、機体正面に接地されているセンサーシステムで、反射スペクトルパターンを解析することで敵モビルスーツを索敵する探査システムになります。
バックパックは台形型。前後2枚パーツ構成で簡易的な作りです。
背部装甲はポリキャップを交えたアーム接続で上下などにスイング可能。
リフレクトシールドもポリキャップ接続でフレキシブルに可動します。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。ガンダムグリープ本体は陸ジムよりも少し大きい程度ですが、背部のリフレクトシールドによって大柄に見えるようになっています。
1/144ハイドラガンダムと並べて。ハイドラガンダムが大型なので、リフレクトシールドを装備したガンダムグリープでも小さく見えます。
頭部の可動はわずかに上下する程度。顎が干渉するため、引くことはできません。左右へも襟が干渉するのでわずかです。
腕は水平程度まで上げることが可能。肘は1重関節で90度まで。
肩、腰共に1軸接続で、肩の前後スイング、上半身の前後スイングはできません。画像も省きました。
腰は360度回転可能。背部にバックパックを装備しても同じです。アクションベースやスタンドへは、股間部に3.0mm穴がなく、股間部が干渉してコの字パーツも使えないので、アームなどで挟んでのディスプレイとなりそうです。背部にコの字パーツを挟むと良さそうですね。
腰アーマーが無いので、前後開脚は干渉なく広めに展開させることができます。
膝はくの字程度まで曲げることが可能。膝装甲裏は抜けた状態でダボピンもそのまま露出します。
足首の前後可動はまずまず。つま先をしっかりと伸ばすことができます。左右へはわずかに可動する程度です。
股間部がボールジョイント接続なので、左右への開脚もハの字程度とわずか。
内股、がに股も45度程度まででわずかです。
腰アーマーがない分干渉しないので、立膝はきれいな姿勢で再現することが出来ました。
可動域の総括としては、他の1/144G-UNITシリーズと同様、1重関節などで可動は制限されますが、腰部が軽装なのでその分柔軟性があります。自然なポーズの再現は難しいですが、ある程度表情を付けることはできそうです。
ビームランサー。ブレード部分がプラズマビームで生成された接近戦用の大型槍になります。ビーム刃と柄との2個パーツ構成で作りは簡易的。
ビーム刃はきめ細かいモールドが入っています。ブラックライトで照らすと発光。
ビーム刃は脱着可能。柄も細身で特別凝った作りではありません。
ビームランスを装備して。
ハンドパーツがPE素材なので、柄が細身でもストップがかかります。抜け落ちることがないので保持しやすいです。
背部のリフレクトシールドが大柄なので、あおり視点などで見ると十分な存在感や風格が感じられますね。
ビームランスの両手持ちはなんとか可能。柄が細いので、折ってしまわないように注意が必要です。
首が回らないので表情付けがしにくいのが難点;ですが平手が付属するので、うまくやればそこそこ表情がつきます。
背部も装甲が可動するのでダイナミックに演出できていいですね。
リフレクトシールドを閉じて防御態勢に。
モビルアーマー形態への変形は、背部バックパックを反転させます。
頭部を外し、背部装甲を被せて固定。リフレクトシールドを上に上げ、カナードスタビライザーを折りたたみます。腕は上げて水平にしておきます。
リフレクトシールド側面の青い装甲を展開し、腕部を包むようにリフレクトシールドを折りたたみます。
下半身を後方に折りたたみ、ふくらはぎのバリアブルスラスターを前方に向けます。つま先を伸ばしたらモビルアーマー形態への変形完了です。
モビルアーマー形態。宇宙空間を秒速24000mで運動することができるとのこと。リフレクトシールドによる厚みを持たせた装甲や、シャープさのあるフライトユニットらしい形態が再現されています。
モビルアーマー形態をいろんな角度から。背面から見ると腕を広げて飛んでいるような独特のスタイルになっています。
各部にロック機構がなく、関節強度も高くはないので位置がズレやすいですが、特別崩れるほどではないので取り扱いはラク。
こちらも浮かせてディスプレイできるようにはなっていませんが、バックパックをコの字パーツで挟むことでフライトシーンを再現することは可能でした。
背部の機首を展開したことで、機首下部にあるバスターメガ粒子砲が露出。ビーム砲口の存在感が際立ちます。
モビルアーマー形態から脚部を展開することでアサルトモードに変形可能。機体テスト中に発見された途中形態で、上半身がモビルアーマー、下半身がモビルスーツという高い防御力と敏捷性を発揮するとのことです。
アサルトモードをいろんな角度から。容姿がビグ・ザムに似ていることから、ビグ・ザムガンダムと呼ばれることもあるそうです。
上部はうまく肩部を避けるようにリフレクトシールドで囲まれています。コックピットのような光学式アクティブソナーや前面のバスターメガ粒子砲などから、確かにビグ・ザムっぽさはありますね。
ビグ・ザムほど巨大でもないのでどうポーズを付けたら良いか戸惑いますが、独特の容姿で一風変わったポーズを楽しむことができます。腕が展開すればバルキリーのガウォーク形態のような表現も出来たでしょうね。
1/144ガンダムジェミナス01、1/144ガンダムアスクレプオス、1/144ガンダムL.O.ブースター、そしてこの1/144ガンダムグリープを組み合わせることで、最終決戦のスタイルも再現できるようです。(形状が違ってたらスイマセン;)
適当に何枚かどうぞ。
以上です。悪魔とも天使とも取れる独特の容姿ですが、背部リフレクトシールドが大柄で存在感がありますし、堕天使が翼を広げるようなスタイルで独自のかっこよさがあります。あおり視点ではリフレクトシールドの存在感が十二分に感じられますし、折りたたんでディフェンス力を高めるなど、ギミックに幅があるのもいいですね。
気になる点はあまりないですが、昔のキットで可動が不十分なため、柔軟なポーズが取りにくいです。ポロリこそないですが、関節強度が弱いので全体的に少し弱々しいところがあります。背部の重量で膝が曲がって倒れたりすることもあるので注意です。
ビグ・ザムを模したアサルトモードも面白いですし、簡易的な構造ながらもモビルアーマー形態への変形がなかなか秀逸。ギミックレベルの高いキットで遊びがいがありそうです。可動は不十分ですがポーズは映えるので、HGACでキット化される前にこちらでしっかりと楽しんでおくのもいいですね。
⇒あみあみで1/144 ガンダムグリープ HGを探す
⇒DMM.comで1/144 ガンダムグリープ HGを探す
⇒駿河屋で1/144 ガンダムグリープ HGを探す
⇒楽天で1/144 ガンダムグリープ HGを探す
⇒ヤフーショッピングで1/144 ガンダムグリープ HGを探す
キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら