今回は、2018年9月に発売されたHGUC 1/144 AMX-123X-X ムーンガンダムのレビューをご紹介します!
HGUC ムーンガンダムは、ガンダムエースに掲載の漫画『機動戦士MOONガンダム』に登場する主役機『AMX-123X-X ムーンガンダム』の1/144スケールモデルキットです。サザビーに通じる特徴的な機体形状を新規造形で再現。アームを介して背部に懸架可能な三日月状サイコプレートの他、ビーム・トマホーク、ビーム・ライフル、バタフライ・エッジといった武装が付属するキットになっています。価格は3,300円(税込み)です。
サザビーのプロトタイプにあたるネオ・ジオンのNT専用MS「バルギル」の改修機で、ムーン・ムーンに住む少年「ユッタ・カーシム」が搭乗する『AMX-123X-X ムーンガンダム』がHGUCでキット化。サザビーに似たデザインの機体形状を完全新規造形と最新フォーマットで再現。全体的に情報量が多く、こだわりのディテールを持ったキットになっています。
成型色は2色のホワイトとブルーをベースに、頭部や腹部にレッド、胸部エアインテークにイエローを配色。その他、頭部センサーにクリアとクリアグリーン、関節や内部パーツ、武装類にグレー成型色パーツが使用されています。
シールは付属せず。全てパーツの組み合わせのみで構成されています。一部ダクトなどを塗り分ける必要がありますがわずか。素組みでほぼ設定通りの色分けが再現されています。
グレー成型色の関節・内部パーツ、武装類にはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップも不使用で、KPSによる関節強度はまずまず高め。背部に月型のサイコプレートを装備していますが、後方への負荷は少なく、足首がしっかりと曲がって接地できるため、自立は安定します。
ビーム・ライフル、バックパック用のアーム、平手(左右)、武器持ち手(右)、ディスプレイ用ジョイントパーツ、サイコプレート用ジョイントパーツ2種)、ビーム・トマホーク用ビーム刃、バタフライ・エッジ用ビーム刃☓4、ツインアイ用のクリアパーツが付属。
クリアブラック成型色のアクションベース5、アクションベース用の各種パーツが付属。
その他、サイコプレート用のパーツやアクションベース5用のパーツが余剰で付属します。
背部のサイコプレートを外した状態で全身から。
続いて各部を見ていきます。
頭部。V字アンテナを持つガンダムタイプですが、左右のバルカンや表面モールドが緻密に造形。シールでの色分けはなく、ツインアイやクマドリなどもパーツできっちりとした色分けを再現。後頭部から伸びるアンテナも印象的にデザインされています。
メット部は左右の組み合わせで後頭部に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合はフェイスパーツなどの後ハメなど複雑な加工が必要。素直に段落ちモールド化してもいいかもですね。
とさか前後のセンサーはクリアグリーンパーツでの再現で、付属のクリアパーツと組み替えることで色味を変化させることができます。起動前のような無機質な雰囲気に。蛍光クリアレッドやクリアイエローなど塗装して色味を変えてみても面白そうですね。
胸部・腹部。胸部はガンダムタイプらしいエアインテークが別パーツで色分けされていますが、腹部にサザビーを思わせる動力パイプが造形。設定では赤一色ですが、塗り分けてみても面白そうです。
首は複数パーツ構造で前後に柔軟に可動します。首周りの動力パイプもサザビーを思わせるデザイン。肩部は上部への展開ギミックが搭載されています。
腰部はシャープな装甲が印象的に造形。前面の中央装甲や下部ダクト、リアアーマーなどにサザビー味を感じるデザインになっています。リアアーマーはメカニカルな装甲や下部ダクトが裏打ちパーツできっちりと色分けされています。
腰部は腹部側、腰部側ともに展開ギミックがあり、上半身を柔軟に可動させることができます。
腰アーマーは前後とも展開可能。股間部にはスライドギミックがあり、脚部の可動域を広げることができます。
腰アーマー裏はフロントアーマーにモールド、サイド、リアアーマーはそれぞれ裏打ちパーツが造形。各面とも思わず塗り分けたいくらいにしっかりとしたデザインになっています。リアアーマーの肉抜き穴が表面から見えるのでその点はちょっともったいないですね。
腕部。各部ともメカニカルなモールドが造形されていてデザイン性が高いです。ショルダーアーマーは随所にサザビーを思わせるデザインモールドが造形。前腕にはバタフライ・エッジ用のホルダーが造形されています。
腕部は簡単な内部フレームが造形。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕も細かなパーツの組み合わせで合わせ目はモールド化されています。
前腕のバタフライ・エッジは上下2箇所が展開可能。付属のクリアピンクビーム刃を組み付けることで武器として使用することができますし、取り外してブーメランとして使用することもできます。取り外した箇所にダボピンが目立つのは少し気になるかも。
ショルダアーマーは合わせ目ができないパーツ構成。側面のダクトもパーツできっちりと色分けされています。
側面の装甲は展開可能。こちらも裏面にモールドが造形されていて抜かりがないですね。
脚部はモールドと多数パーツの組み合わせでメカニカルに造形。各部ダクトもパーツできっちりと色分けされるなど、HGとは思えないほどのしっかりとした作りになっています。
大腿部は筒型で合わせ目はなし。膝から下も細かなパーツの組み合わせで合わせ目はありません。側面下部のスラスターもパーツでの色分けとなっています。
脚部も腕部と同様、簡単な内部フレームが造形。
膝を曲げると外装が分割され、内部からメカニカルなフレームが露出します。
側面の装甲は少し展開可能。
下部のスラスターカバーも幅広く展開。カバー裏には筒型のタンクかスラスターのようなものが造形されています。
ソール部はブルーのハイヒール型でシャープに造形。表面には細かなモールドもデザインされています。アンクルアーマーは上下に展開可能。
足裏は細かなモールドが入った裏打ちパーツで蓋がされているため、肉抜き穴はありません。足首も細かなKPSパーツ構成でフレキシブルに可動します。
バックパックはシャープなボックスタイプですが、上部のアームや表面マルイチモールドなどにサザビー味を感じるデザインになっています。中央上部にはビーム・トマホーク柄を装備。
上部のアームは細かいパーツ構成で合わせ目はなし。基部はロールや上下にスイングしますし、展開してサイコプレートをマウントさせることもできます。可動箇所は多いですが、保持強度もそこそこあります。
ビーム・トマホーク柄は取り外してビーム刃を組み付け、武器として使用することができます。こちらもサザビーのビーム・トマホークに似ていますね。
バックパックは3ダボでしっかりと固定されます。左右の2ダボだけ使用すればHGUCやHG水星の魔女シリーズのバックパックなども装備可能。バックパック基部は前後で組み合わせますが、合わせ目は内側に隠れるので見た目に落ち度はありません。
下部バーニアは簡易的でモールドも少ないですが、別パーツ化されているので塗り分けると見栄えがしそうです。
アームを介して背部にマウントするサイコプレート。ムーンガンダムの特徴的な装備の一つで、パイロットの感応波を機体の操縦に反映させる受信装置としての機能を持つほか、自在に分割してオールレンジ攻撃用の武器として使用することができるとのこと。
サイコプレート用のアームは固定式で内側は肉抜き穴。サイコプレートが大柄なので肉抜き穴はほぼ隠れますし、固定式なのでサイコプレートを安定して背部に装備することができます。
サイコプレートは3タイプのものが付属。白い外装パーツとクリアレッド成型色パーツで構成され、うっすらと中身が見えるようになっています。クリアレッドパーツはブラックライトで照らしても発光はせず。
サイコプレート同士を連結する側面のジョイントは収納可能。表面に穴のあるサイコプレートは単体でディスプレイさせ、ファンネルのようなオールレンジ攻撃用の武器として使用することができます。
更に一部のプレートは形状の異なるジョイントが引き出せ、プレート同士を縦状に連結することもできます。
簡単に組み合わせて。組み合わせ次第で自由に変化させられるのは創造性が高められますし、組み合わせる楽しみがあっていいですね。
更にバタフライ・エッジを取り外した前腕にジョイントパーツを組み付けることで、サイコプレートをシールドとして使用することもできます。
付属のジョイントパーツを使用すれば、サイコプレートを直接スタンドにディスプレイすることができます。3.0mmダボにはストッパーが造形されているので、差し込み時に角度を調整して固定させることも可能。重量でクルッと回転することがないので安心です。
さらにさらに、クリアレッドの装甲部分を組み合わせることができるので、2重で厚みあるディフェンスシールドのような形態にすることもできます。多機能でギミックが豊富。かなり自由度の高い武装になっています。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。サザビーに繋がる機体ということもあり、HGのキットの中では比較的大きめ。背部にサイコプレートを装備しているため更に大型になっています。
HGUC バルギルと並べて。発売されたのはムーンガンダムが先ですが、ムーンガンダムがバルギルの改修機という設定なので胴体部はほぼ同形状。ムーンガンダムはガンダムタイプのカラーリングでヒロイックさがありますね。
HGUCサザビーが手元に無いのでRGサザビーと並べて。部分的な形状は似ていますが、大きさがかなり違っています。設定ではムーンガンダムの全高が21.7mなのに対し、サザビーは25.6m。
首が細かく可動するので、頭部の上下可動は干渉を避けながら適度に上下させることができます。左右へは干渉なくスムーズにスイングが可能。
肩に展開ギミックがあるので、腕はY字以上に高くまで上げることができます。肘も2重関節でV字程度まで深く曲げることが可能。
肩はボールジョイント接続で適度に前後させることができます。
腰の展開ギミックにより、上半身を適度に前後させることができます。
腰は少し干渉する程度で360度回転させることが可能。アクションベースやスタンドへは、股間部の後部にジョイントパーツを組み付けてのディスプレイです。しっかりと固定されるので安定したディスプレイが可能。
前後開脚は、後方リアアーマーが少し干渉しますが、前後とも広めに展開させることができます。
膝は外装が干渉しますが、2重関節で広めに曲げることができます。膝装甲も裏打ちパーツがきっちりと造形。
足首は幅広く前後させることができます。左右へも広めに展開可能。
左右への開脚も水平まで幅広く展開させることができます。
脚の付け根がロールするので、内股、ガニ股も幅広く可動させることができます。
立膝は少し浅めですが、まずまずな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、見た目の割に可動は柔軟。全体的に幅広く可動するのでポージングはしやすそうですね。可動箇所が多い分自然なポーズも取らせやすいですし、躍動感あるポーズや派手なアクションポーズも再現し易いかと。
ビーム・ライフル。バルギルから引き継いだ携行火器で、サザビーのショットライフルに似たデザインで造形されています。ショットライフルと同様、ビームは拡散させて発射することができ、グレネード弾も発射可能とのこと。
簡単なモナカ割ですが、合わせ目は一部にできるくらい。目立たないのでそのままでも問題なさそうですね。砲身下部のフォアエンドスライドギミックはありません。
ビーム・ライフルを装備して。背部サイコプレートは単体でディスプレイさせ、配置バランスを調整してみました。単体でディスプレイさせると本体への負担が軽減されて取り扱いもラクになります。
ビーム・ライフルは付属の武器持ち手で保持させます。ダボ固定ではないですが、ハンドパーツの組み合わせ強度が高いのでしっかりと保持させることができます。ヘタれると隙間ができてふらつきますが、バラけるほどではないので安心。
平手が付属するので柔らかい自然なポーズを表情豊かに演出することができます。平手は丸みのあるジオン系のハンドパーツで、このあたりにもサザビーを感じさせるなどこだわりが感じられますね。
ヒートホークもダボ固定ではないですが、ハンドパーツで柄をしっかりと挟み込めるのでラクに構えさせることができます。こちらのビーム刃もブラックライトで発光せず。
バタフライ・エッジにビーム刃を組み付けて攻撃シーンを演出。こういった小物類にも細かなギミックが搭載されていてポージングバリエーションが豊富。多彩なポージングを演出することができます。
サイコプレートを展開し、組み合わせてシールドとして使用。
M.S.GのプレイングベースAを使用してファンネルのように連動して展開するシーンも再現してみました。サイコプレートは2基しか3.0mm穴がないので、少し無理やりですが側面に差し込んでいます。
頭部のクリアグリーンパーツや外装の明るいほうの白成型色パーツはブラックライトで照らすと発光します。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。全体的にモールドが細かく、メカニカルさが強調されていてディテールが豊か。腰アーマーの作りや膝可動など、HGとは思えないほどの完成度の高いキットになっています。各部がサザビーを思わせるデザインになっているのもいいですし、可動が柔軟なのでポーズが付けやすいです。
気になる点はそんなにないですが、前腕のバタフライ・エッジを外すと内側のダボピンなどが目立つのと、リアアーマー裏に肉抜き穴があり、前面からも見えてしまうのはちょっともったいないですね。うまく穴を埋めるなどして処理したいところです。
サイコプレートは分解や組み合わせの自由度が高く、様々な表情を見せてくれますし、固定強度がしっかりとしているので取り扱いやすいです。月型だけでなくシールドやファンネルタイプなど様々な武装として使用できるという組み合わせる楽しさもありますね。専用のジョイントパーツが付属し、単体でもディスプレイできるなど、バツグンの演出力を持ったキットとして幅広く楽しめるのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら