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HGUC フルアーマーガンダム7号機 レビュー

今回は、2009年9月に発売されたHGUC 1/144 FA-78-3 フルアーマーガンダム7号機のレビューをご紹介します!

HGUCフルアーマーガンダム7号機は、PS3用ソフト『機動戦士ガンダム戦記』に登場する主人公機『FA-78-3 フルアーマーガンダム7号機』の1/144スケールモデルキットです。外装の複雑な機体形状や緻密なモールドを精密に再現。抜群のプロポーションと広い可動域により、様々なアクションシーンが再現可能なキットになっています。長距離ビーム・キャノンやテールスタビライザーといった装備も再現。価格は1,650円(税込み)です。

RX-78系のセカンドロット7番目に開発されたガンダム7号機に、ファーストアーマーと呼ばれる追加装甲を装備した状態『フルアーマーガンダム7号機』がHGUCでキット化。増加装甲を纏ったマッシブ感ある機体形状や、長距離ビーム・キャノン、テールスタビライザーといった装備を持つ重武装仕様のガンダム7号機になっています。ガンダム7号機への装甲分離ギミックはありません。

成型色はホワイトとブルーをベースに、胴体部にイエロー、頭部やソール部、背部バランサーなどにレッドを配色したカラフルなカラーリング。その他、腹部やビームライフル、シールドなどにはグレー成型色パーツが使用されています。関節や内部パーツはダークグレー成型色パーツでの再現。

ホイルシールが付属。量的に多くはないですが、頭部や肩部センサー、脚部モールドなどを部分的に細かく補うようになっています。一部に塗装が必要ですが、素組みで十分なくらいの色分けが再現されています。

ABSやKPSは不使用。ほとんどのパーツはPS素材で構成されています。

メカニカルな増加装甲を持つキットということもあり、それに準じてパーツの起伏が緻密に表現されています。エグいくらいのプレス精度。

ポリキャップはPC-001を使用。数の多いポリキャップですが殆ど使い切ります。7号機の本体やバックパック、武装類などにも組み込み、関節や接続部強度はまずまず高め。背部に長距離ビーム・キャノン、バックパック、テールスタビライザーなどを装備していますが、後方への負荷は少なく、自立は安定しています。

シールド、ビーム・ライフル、平手(左右)が付属。

頭部。シルエットは通常のガンダムタイプながら、左右にセンサー、頬にダクトが造形されるなど、フルアーマーらしい形状が再現されています。左右のセンサーと一部装甲、とさか前後のセンサーはシールでの色分け。額の60mmバルカン砲はグレーに塗り分けが必要です。

メット部は1個パーツ構成で合わせ目はなし。ただしフェイスパーツを組み合わせると分解が難しい構造なので、仮組みなどでは注意が必要です。このあたりもプレス精度の高さを感じますね。

胸部は表面に白いアーマーで覆われたメカニカルなデザイン。エアインテークや上部のグレー装甲、腹部コックピットハッチなどもパーツで細かく色分けされています。

腰部。適度にモールドが造形されていますが、形状自体はシンプル。RX-78系を思わせるヘリウムコアも別パーツできっちりと色分けされています。中央のV字はモールドが造形されていますが、その上からシールを貼って色分けします。

腰アーマー裏はヘリウムコア用の色分けパーツで埋めてあります。裏打ちパーツ自作時はパテ埋めの負担が軽減されるのはいいですね。サイドアーマーはボールジョイントでフレキシブルに可動。股間部は1軸仕様で足の付根はロール可動式です。

腕部。ショルダーアーマーや前腕に少し増加装甲が追加されている程度で、全体的に動きやすさを感じさせるつくりになっています。

二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで後面に合わせ目ができます。肘から分離するので合わせ目消しはラクそう。前腕にはグレネードランチャーが内蔵されている設定ですが、特にハッチ展開や弾頭のモールドなどはありません。

手首は少し上下します。

ショルダーアーマーはポリキャップを挟んで前後の組み合わせで上部や側面に合わせ目ができます。中身が空洞で少しチープな感じもありますが、側面のスラスター内部はパーツによるディテールが再現されています。前後センサーは赤いシールでの色分け。

脚部もフルアーマーらしく、肉厚でメカニカルな装甲が造形されています。特殊な形状で起伏が多く、存在感のあるデザイン。一部はパーツで色分けされていますが、スネ左右のダクトは黄色く塗り分けが必要。膝やスネなどはシールでの色分けです。

大腿部は筒型で合わせ目はなし。膝から下は白い基部パーツが左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から分離するので合わせ目消しはラクそう。

アンクルアーマーは左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。こちらは合わせ目を消す場合は後ハメなどの処理が必要かと。膝のアポジはシールを2重に貼り付けますが、モールドが造形されているので塗装する場合も表現はしやすくなっています。

ソール部はポリキャップを挟んでの3枚パーツ構成で軽装。ですがモールド入りの裏打ちパーツで脚裏もしっかりとデザインされています。

背部には長距離ビーム・キャノンやビーム・サーベルを持つ複合バックパックを装備。

バックパック本体は前後の組み合わせですが、マルイチモールドが造形されるなどメカニカルにデザインされています。下部にはMS用のバックパックとしては珍しい6基のスラスターが造形。これは78タイプのバックパックを積層するように配置することで、高い推力と信頼性を確保しているとのこと。スラスターは別パーツ化されているので、塗り分けする場合もラクです。マルイチモールドとスラスター内部は黄色く塗り分けが必要。

バックパックは2ダボ接続。ですが他のHGUCキットなどとはダボ幅が違っているため、他のバックパックと交換することは出来ないようでした。

右側面の長距離ビーム・キャノン。砲身に直接エネルギーCAP用のサブシステムと新開発のアクセラレーターを内蔵しており、当時の標準的なビームライフルの2倍ほどの射程距離を持つとのこと。ロングサイズの存在感がある武装になっています。表面には緻密なモールドも造形。

砲身、本体部分は簡易的なモナカ割で各面に合わせ目ができます。砲口とセンサー内部の黄色は別パーツでの再現。センサーの造りはあっさりめです。

一部に肉抜き穴があるのは気になりますね。個体差か、パーツの組み合わせの関係で砲口部分が少し沿った感じだったので、気になる場合は接着してしまうのもありかと。

長距離ビーム・キャノンはボールジョイント型のポリキャップ接続で上下に幅広く可動します。左右へも45度程度まで角度変更が可能。

バックパック左側面にはバランサーが造形されています。右の長距離ビームキャノンによって悪くなった機体バランスを調整するために装備されているとのこと。2個パーツ構成で簡易的。一部が肉抜きっぽく造形されています。

バランサーは上下にロールし、左右へも少しスイングさせることができます。長距離ビーム・キャノン、バランサー共に表情が付けやすくなっています。

リアアーマーには特徴的な4枚フィンを持つテールスタビライザーが造形。機体の機動性をさらに向上させるため、四肢の他に増設されたAMBAC(アクティブ・マス・バランス・オート・コントロール)装備で、加速性能を飛躍的に改善させているとのこと。

テールスタビライザー中央部はモナカ割の簡易的な作りで上下などに合わせ目ができます。下部の段差モールドや一部モールドはグレーに塗り分けが必要です。

4枚フィンはそれぞれが簡単な1個パーツ構成で最外の装甲内側はガッツリ肉抜き穴。後面から見るとどうしても見えてしまうので、埋めるなどしてうまく処理したいところです。こちらも一部をグレーに塗り分けが必要。ボールジョイント型ポリキャップ接続などでフレキシブルに可動します。

テールスタビライザー自体も上下にスイングさせることができます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。肩の長距離ビームキャノンが大柄で存在感がありますが、キットの大きさ自体は陸ジムと同程度。フルアーマーガンダム7号機の頭頂高は18.3m。

HGUCガンダム5号機HGUCガンダム6号機(マドロック)と並べて。各種ともRX-78のセカンドロットの機体ではありますが、プロトタイプ機ということもあって同形状の箇所は全くなく別物。バリエーションは豊かです。

頭部は適度に上下させることができます。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。

腕は水平程度まで上げることが可能。肘は一応2重関節ですが、1関節のみ深く曲がるため、V字程度までとなります。

肩はボールジョイント接続で適度に前後させることができます。前方へはポリキャップが引き出せるのでそのぶん広めにスイング可能。

腹部がボールジョイント接続で、上半身を少し前後させることができます。

腰は干渉しますが、上半身を少し引き抜くことで干渉が避けられ、360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。

前後開脚は、フロントアーマーが可動するので前方へは水平程度まで展開可能。後方はリアアーマーが可動しないので制限されます。

膝は2重関節ですが、装甲が干渉するので曲げる角度はくの字程度まで。膝関節は左右の組み合わせですが、合わせ目は段落ちモールド化されています。膝装甲裏に裏打ちパーツはなし。

足首は前後左右ともまずまず可動。

左右への開脚は水平まで幅広く展開させることができます。

大腿部と股間部が干渉しますが、強引に可動させれば内股がに股は水平まで幅広く展開させることができます。

立膝はまずまずの姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、肩や膝など多少増加装甲が干渉する箇所はありますが、全体的には広めに可動させることができます。躍動的なポーズと重装甲による静的なポーズ、どちらにも対応できそうなのがいいですね。

ビームライフル。ガンダム7号機の専用武装になります。速射性や射程、威力が以前のものに比べ強化されているとのこと。こちらも表面にはメカニカルなモールドが造形されるなどディテールはしっかり造り込まれています。

本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。

センサーは一部が肉抜きっぽいモールド造形。表面はイエロー成型色パーツでの色分けが再現されています。一旦はめ込むと抜けにくいので、仮組みの場合は注意が必要です。フォアグリップは水平にまで展開可能。

シールド。こちらもガンダム7号機用の専用装備になります。特殊なデザインで、パーツによる色分けも個性的。のぞき穴や中央の十字マークもパーツでの色分けが再現されています。裏面もかなり緻密に深掘りされていてモールドもシャープ。

一通り武装して。

ビームライフルはハンドパーツにグリップを差し込むだけで保持が可能。隙間なく差し込めるので遊びもなく安定した保持ができます。

両手持ちはラクに保持できますが、脇を締めるように引いた状態で構えるのは少し難しくなっています。前側に突き出して両手持ちさせるようになりそうです。

やはり肉厚な装甲を持つキットはポーズに迫力が出ていいですね。ビームライフルを構えるポーズでもかっこよく決めることができます。

シールドはジョイントパーツを前腕に組み付けることで装備可能。組み替えることで側面と後方に配置することもできます。

長距離ビーム・キャノンで射撃シーンを演出。左右どちらの平手も付属するので、キャノンの砲身に手を添えるポーズも再現することができます。地味にありがたい部分。

見た目によらず関節可動域が広いので、立膝で射撃するポーズも再現できますし、ポーズをつけるときも細かな動きが表現できていいですね。

ビームサーベル刃が付属していないので、HGUCガンダム6号機(マッドロック)からサーベル刃を拝借してポージング。

サーベル柄はハンドパーツに差し込むだけで保持が可能ですが、グリップと柄との間に隙間ができるのでスルッと移動しやすいです。構える角度によって抜け落ちてしまうので注意が必要です。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。全体的にメカニカルなアーマーがデザインされたキットなので、パーツのプレス造形がとにかく緻密。1個パーツ構成のメット部やシールド裏、全身各部の増加装甲などが細かく造形されていて製造技術の高さに関心させられますね。フルアーマー系の中でも比較的派手なカラーリングではありますが、これはこれで全然ありな感じ。造形的にモスグリーンなどミリタリー調に塗装しても映えそうです。

気になる点は、長距離ビームキャノンや背部スタビライザーのフィンなどにガッツリ肉抜き穴があるので、見栄えをよくするにはある程度の処理が必要です。それとフルアーマーなので、できれば腕部グレネードランチャーなど、装備されている武装の造形や展開状態が一通り再現されていると良かったですね。

関節には柔軟性があり、ポーズもぎこちなさなどなく再現することができますし、重武装仕様の機体形状と相まってパワフルさを表現することができます。長距離ビーム・キャノンやバックパック、テールスタビライザーといった装備で背部の重厚感もマシマシに。ゲーム登場機なので他に比べて影は薄いかもですが、それを覆すくらいの存在感を持ったキットになっているのがいいですね。

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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら

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