今回は、HG 1/144 CFK-029 ミカエリスのレビューをご紹介します!
HG ミカエリスは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『CFK-029 ミカエリス』の1/144スケールモデルキットです。グラスレー社MSの特徴的な機体形状を新規造形で再現。右腕には展開可能な大型武装『ビームブレイサー』、左腕にはビーム刃が組み付け可能な小型シールドといった武装が再現されたキットになっています。価格は1,760円(税込み)です。
GUNDフォーマット妨害装置『アンチドートデバイス』に攻撃能力を付加させて戦闘優位性を高めたシャディク・ゼネリ搭乗機『ミカエリス』がHGでキット化。一部にHGベギルベウ(2022年8月発売)と似た箇所がありますが流用はなく、完全新規造形での再現となっています。
成型色はホワイトとパープルがベース。頭部や腹部、関節・内部パーツはグレー成型色での再現となっています。その他、頭部や肩部、大腿部などにクリアパープル成型色パーツが使用されています。
シールは頭部や肩・大腿部のクリアパーツ内部、ビームブレイサーのプレート内部、ショートシールドの一部を補いますが多くはありません。ビームブレイサーのシールはアンチドート使用時の発光と非発光をチョイスすることができます。ほぼパーツで色分けされているので塗装の必要はありません。
内部・関節パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。甲冑を纏ったナイトのような機体形状で個性的。気高い雰囲気も感じられるデザインになっています。白い外装パーツはゲートが太いので2度切りしたほうが良さそうです。
ポリキャップも不使用。細身で足底の接地面が広くはないため、自立させるのが少し難しいところもありますが、負荷がかかるような装備はなく、関節強度高いので自立は可能です。
ビームサーベル刃✕2、ビームブレイサー用のスタンドとワイヤーケーブルが付属。
ディスプレイ用のジョイントパーツがいくつか余剰で付属します。
腕部以外は内部フレームが簡単に造形されています。
頭部は十字型のフェイスが印象的。外装もとさかが造形されるなど、造形西洋兜のような気品が感じられるデザインになっています。十字型フェイスはクリアパープル成型色パーツでの再現。
構造自体は簡易的でパーツ数も少なめですが、合わせ目の出来ないパーツ構成です。
十字型のクリアパーツ内部には簡単なモールドが造形され、表面をシールで補うようになっています。
胸部はエッジの効いた装甲が造形。派手ではないですが、中央にある球状のユニットなどが印象的にデザインされています。
胴体部は簡単な内部フレームが造形。球状のユニット内部には簡単なモールドも造形されています。細かい箇所にも注力されていていいですね。
肩はボールジョイント接続ですが、少し角度が変わる程度。
背部に大柄なバックパックや装備はなく、薄型のスラスターを装備した軽装仕様。スラスター口は細長のものが2基造形されています。
スラスターは2ダボ接続で他のHG水星の魔女シリーズと共通。
なのでベギルベウのバックパックも装備できますし、陸ジムなど一部のHGUCキットのバックパックも装備が可能です。ミカエリスもベギルベウもグラスレー社製なのでデザイン的な相性は良さそうですね。
腹部と腰部は比較的軽装。特に腹部はより細身でスタイリッシュにデザインされています。リアアーマーは幅広の装甲。中央のスラスターは別パーツによる色分けが再現されています。
リアアーマーには起伏のあるメカニカルな裏打ちパーツが造形。フロントアーマーは1個パーツ構成ですが、こちらにもモールドが造形されていてリアル。
右腕部。ナイトの甲冑のような曲状ショルダーアーマーの他、前腕には通常のハンドパーツではなく、ミカエリスの主武装であるビームブレイサーを装備。
ビームブレイサーはアンチドートデバイスを主とした複合装備で、ビーム発振器を内蔵したフレームと、シールドコーティングが施された4枚のプレートで構成されています。
手前3枚のプレートはアームによって展開可能。アームは1個パーツ構成ですがヒンジ接続でやや簡易的な作り。プレートが外れやすいので注意です。
コンパクトに展開することもできますし、アームを全開にして幅広く展開させることも可能。表情豊かに演出することができます。
ブームブレイサー基部の中央にはビーム・キャノンの砲口が造形。砲口パーツに外装を組み付けていく構造なので、塗り分けると砲口が色分けされてリアルに仕上がりそうです。
プレート内部は簡単な3ラインのスリットモールドが造形され、スリットモールドはシールで色分けします。一部をグレーに塗り分けが必要。
3枚プレートの先端にはクローが造形。それぞれが展開しプレート先端の表情を変化させることができます。内側に向ければ牙のような表情を作ることも可能。
後部のプレートは1枚のみで、上腕をガードするためのシールドとなっています。こちらには裏打ちパーツが造形。アーム接続で上下に幅広く可動します。
ビームブレイサーは脱着が可能。取り外した腕部にハンドパーツはなく、ビームブレイサー用のジョイントのみが造形されています。
腕部はベギルベウと同構造で肘関節はヒンジ接続。前腕パーツで挟み込むためヘタレが軽減され、長期に渡って関節強度が保たれます。
ビームブレイサーは付属のケーブルとスタンドを使用することで射出状態が再現可能。ケーブルはジョイントパーツと1本のリード線で構成されています。
付属のスタンドは2軸の支柱と円形台座の簡易的なタイプで、ベギルベウなど浮遊物が付属しているHGキットで良く見かけるタイプです。
リード線は抜けない構造になっているので安心。ケーブルのジョイントパーツに3.0mmダボがあるので、こちらにスタンドを接続することで浮かせた状態でのディスプレイが可能です。
ビームブレイサーの砲口には付属のビームサーベル刃を組み付けることが可能。ビームサーベル刃は蛍光のクリアグリーン成型色パーツで色鮮やか。ブラックライトで照らすと発光します。
左腕部。形状自体は右腕部と同じですが、前腕にはショートシールドを組み付けるための前腕装甲とショートシールドを装備。こちらには通常通りのハンドパーツ仕様となっています。
ちなみに手首の白い装甲形状が同じなので、ベギルベウの武装を無改造で保持させることも可能でした。(コメントありがとうございます!)
ショートシールドは脱着が可能。2枚パーツ構成でメカニカルな裏打ちパーツもきっちりと造形されています。表面の一部モールドはシールでの色分け。
ショートシールドにもビーム刃が組み付け可能。
ショルダーアーマーは西洋騎士の甲冑のような曲状型。フレームに外装パーツを組み付ける構造で合わせ目はモールド化されています。
肩部や大腿部のフレームにはグラスレー社機特有の楕円状モールドが造形。ベギルベウと同様、シールの上にクリアパープルパーツを被せての再現です。
脚部。細身ですが、西洋騎士の鎧を模したようなデザインで、ふくらはぎ側面にはシールドのような装甲も造形されています。
脚部には一直線上の内部フレームが造形。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面は段差モールド化。膝から下も前後の組み合わせですが、こちらは裾の部分に少し合わせ目ができます。膝から分離せず、フレームに外装を被せる仕様で合わせ目を消すのは難しめ。なので段落ちモールド化するのが手っ取り早いかと。
シールドのような装甲は脚部から取り外しが可能。表裏の2枚パーツ構成です。モールドは少なめ。特に可動ギミックはないですが、他に見ない装備なので珍しいですね。
ソール部は軽装でコンパクト。足裏はつま先側が✕字のディテールで肉抜き穴っぽさが軽減されています。つま先は少し反らすことが可能。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。見た目によらず大きいキットで、ルプスレクスよりも大きく、陸ジムとは頭2つ分くらいの差があります。ミカエリスの全高は20.3m。
HGベギルベウと並べて。肩や大腿部の楕円状モールド、腹部などは似ていますが、完全新規造形なので全く同じ形状の箇所はありません。大きさにも少し差があります。
劇中で決闘を繰り広げたHGガンダムエアリアル、HGデミトレーナー(チュチュ専用機)と並べて。どちらよりも大型。劇中では気が付きませんでしたが、デミトレーナーとはかなりの差がありますね。どれも造形がしっかりとしているので、劇中シーンの再現ディスプレイは様になりそうです。
頭部の可動は、顎引きは干渉して制限されますが、見上げる動きは2箇所のボールジョイントで幅広く展開可能。左右へは多少顎が干渉しますが、真横にまでスイングが可能です。
腕は以外にもY字程度まで幅広く展開可能。肘は1重関節で90度よりも少し深くまで曲がります。
肩はボールジョイント接続で適度に前後させることができます。
胸部と腹部がボールジョイント接続なので上半身を適度に前後させることができます。左右へも少し可動。
腰部は可動せず。胸部がロールし、上半身を360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが小柄なので前方へは幅広く展開させることが可能。後方はリアアーマーが干渉しますが、脚部を外側に広げて干渉を避けれ幅広く展開します。
膝は1重関節ですが深くまで曲げることができます。
足首は前後左右とも適度に可動。
左右への開脚もベギルベウと同様、Y字くらいに幅広く展開させることが可能です。他のキットではあまり見られない異次元の可動域。
内股、がに股も幅広く展開させることができます。
立膝もきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、ベギルベウと同様、ミカエリスも全体的な可動域がかなり広め。肩や胸部、脚の付け根なども幅広く可動しますし、しっかりとした強度があるのでグリグリ動かしても安定しています。ポーズも決めやすく維持しやすいので、よりラクで自由度の高いポージングが楽しめそうですね。
装備しているビームブレイサー、ショートシールド以外の武装はありませんが、ビームブレイサーを構えるだけでも十分様になりますね。
脚底が広くないので、接地状態でポーズを取らせるのはやや不向き。なのでアクションベースやスタンドを使ってディスプレイさせたほうが無難です。
ビームブレイサーを展開するとよりダイナミックな攻撃シーンを演出することができます。今回は内部スリットにグリーンのシールを貼りましたが、展開する場合はこちらのほうが攻撃的な雰囲気が強くなるのでいいですね。
付属のワイヤーケーブルを組み付けてビームブレイサー射出シーンを再現。クローを展開すれば、ビームブレイサーで掴みかかるシーンもダイナミックに演出可能です。リード線が長めなので、垂みなどが気になる場合は好みの長さにカットして使用します。特に抜けたりすることはありませんでした。
ビームブレイサー、ショートシールドともにビーム刃を組み付けて。蛍光グリーン成型色で色鮮やか。二刀流での攻撃ポーズも様になりますし、可動の自由度が高いので軽快なポーズもラクに再現することができます。
ビームブレイサーはビーム・サーベルビームキャノン、ビームマシンガン、クローなど様々な複合武装として使えるのでポージングバリエーションが多彩。攻撃パターンが豊富なので遊びの幅も広がります。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。西洋騎士のような容姿やカラーリングには、気品や気高さと共にどこか禍々しさや冷酷さを感じさせますし、シャディク・ゼネリ搭乗機らしい雰囲気が強く感じられるキットになっています。可動域が広いので躍動感あるポージングが再現しやすく、簡単なポーズでもかっこよく決まるので弄っていて楽しくなります。
気になる点は、ビームブレイサーが腕部から抜けやすいのと、アームのヒンジ接続部が外れやすいので注意です。何度も弄っているとポロリ頻度が高くなってくるので、多少補強してからのほうが安心かと。
ビームブレイサーはワイヤーケーブルによる射出状態が再現できる他、クロー展開やプレートによる表情の変化や先端にビームサーベル刃が組み付けられたりと武器としてのバリエーションが多彩。射撃から近接戦闘まで幅広いポージングが再現できるなど演出力も高いです。劇中での登場回数が1話のみというのももったいないので、せめてキットでミカエリスのギミックを思う存分楽しみたいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
3 件のコメントがあります。
匿名
on 2023年1月14日 at 12:43 -
レビューお疲れ様です。
質問なのですがミカエリスの左腕部にベギルベウの武装って無改造で取り付け出来ますか?
nori
on 2023年1月14日 at 13:46 -
コメントありがとうございます!
白い手首パーツの形状が同じなので、ベギルベウの武装も問題なく無改造で取り付けられますね!
匿名
on 2023年1月14日 at 14:28 -
良かった……改造が捗りますね!
返信ありがとうございます!