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HG ドム試作実験機 レビュー

今回は、2016年2月に発売されたHG 1/144 YMS-08B ドム試作実験機のレビューをご紹介します!

HG ドム試作実験機は、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD』より、MS『YMS-08B ドム試作実験機』の1/144スケールキットです。ドムの開発経路示す特徴的な機体形状を新規パーツを用いて再現。十字モノアイの可動ギミックの他、各部可動ギミックによって迫力のあるアクションポーズが再現可能なキットになっています。ヒート・サーベル、巨大なビーム・バズーカが付属。価格は2,200円(税込み)です。

新型モビルスーツの自社開発に着手したツィマッド社が、汎用機から陸戦用へと開発コンセプトを転換。軽量化から重量化へとシフトし、機動力不足を解消した実験用MS『YMS-08B ドム試作実験機』がHGでキット化。

HG シャア専用ザクII(オリジン)の内部フレームを流用しつつ、ザク系の上半身、ドムの重厚な各部外装といった特徴的な機体形状が再現されています。胸部パーツの組み換えによって地上戦用と宇宙仕様が再現可能。まずは地上戦用で組んでいます。

成型色はダークグレーを基調に、胸部や膝部、ソール部などにブラック、肩部や大腿部にホワイト、腕部やソール部などにライトグレーを配色。その他、頭部はレッド、内部・関節はダークグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールは付属せず。頭部モノアイは付属のマーキングシールで補います。塗装はビーム・バズーカのセンサーを塗り分けるくらい。素組みで十分な色分けが再現されています。

内部・関節のダークグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。

ポリキャップは定番のPC-001を全身各部に使用します。肘、膝関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。特に負荷のかかるような装備はなく、足底も平らで接地状態が良いので自立は安定しています。

ビーム・バズーカ、ヒート・サーベル、平手(左)、武器持ち手(右)、宇宙仕様再現の胸部パーツが付属。

専用のマーキングシールが付属します。ライン状のデカールが付属しているので、貼るとよりメカニカルでリアルなドム試作実験機を再現することができます。

胸部パーツを組み替えて宇宙仕様に。

頭部。ドム特有の十字フェイスながら、口元にスリットダクトが造形されるなどザクの名残を残す形になっています。左右には湾曲した個性的な動力パイプが造形。十字フェイスのバイザーはクリアパーツでの再現です。

メット部は合わせ目ができないパーツ構成。

モノアイはドーム状パーツの組み合わせで上下や左右などフレキシブルに可動。赤いバイザーパーツを外して動かします。

胴体部は左右装甲など、ザクの名残を残しつつ、特徴的な機体形状が再現されています。

腹部動力パイプは背部バックパックに接続。一部に切り欠きがありますが、うまく曲げて切り欠きを埋めたいところです。

首はヒンジとボールジョイントでフレキシブルに可動。肩はポリキャップ式で前方に展開させることができます。

胸部はパーツを組み替えることで地上仕様と宇宙仕様が再現可能。地上仕様の腹部にはグフを思わせる3ラインのコックピットが再現されています。コックピットはクリアパーツに赤いマーキングシールを貼るようになっていますが、今回はシールは貼っていません。宇宙用はザク系と同じ装甲。

胸部にはオリジン版ザクと共通の可動ギミックがあり、わずかながら左右に展開、収縮することができます。

腰部はドムを思わせる幅広なスカートアーマーが造形。ただし試作型ということもあってか、適度に段差やモールドのある特殊な形状のものになっています。ふんどし部分の形状もメカニカルでリアル。

フロントアーマー、サイドアーマー共に展開可能。

腰アーマー裏にモールドはなく簡易的な作りです。

股間部にはスライドギミックがあり、脚部の可動域を広げることができます。特にロック機構はないですが、強度があるので簡単に位置が変わったりすることはありません。

腕部。肩部はドムを想起させる曲状の装甲を装備していますが、上腕以下はザクの腕部がそのまま再現されています。

腕部にはHGシャア専用ザクⅡ(オリジン)と同じ内部フレームが造形。KPS素材です。

上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。個体差かもですが、少し隙間ができてしまうようでした。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの細かな処理が必要。

曲状のショルダーアーマーは前後の組み合わせで上部に合わせ目ができます。肩内部パーツを挟む構造なので合わせ目を消す場合は後ハメなどの処理が必要。

ショルダーアーマーは展開可能。展開させることで腕部の可動域が広がります。

脚部。大腿部はオリジン版ザク特有のモールドが入った曲状タイプですが、膝から下はドム特有の幅広なスカートアーマーが造形。ただし腰部と同様、少しモールドや段差のある特殊なデザインになっています。

大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下も前面と左右装甲の組み合わせですが、後部の合わせ目は段落ちモールド化されています。

側面にできる合わせ目はもモールドっぽく造形。膝のマルイチモールドは別パーツ化されているので、塗装で塗り分けてみても面白そうですね。

ソール部はドムらしい山型タイプ。少ないパーツ数で幅広の装甲が再現されています。足首はポリキャップ接続で適度に可動します。

足裏はメカニカルな裏打ちパーツが造形。肉抜き穴などはありません。スカートアーマー内部は左右に小型バーニアが造形。ポリキャップ接続で適度に前後します。

背部には小型のバックパックを装備。バーニアスラスターはドムの雰囲気を感じさせるデザインになっています。中央にはサーベルラックが造形。

バーニアスラスターは適度に可動します。バックパックは2ダボ接続ですが、動力パイプと連結しているので脱着はあまりしないほうが良いのかなと。裏打ちパーツが造形されていることもあり、動力パイプが簡単に抜けないのが良いですね。

背部のサーベルラックは一応脱着が可能。ですがダボ穴が露出するので、そのまま組み付けた状態のほうが良さそうです。サーベルラックは簡単なモナカ割で合わせ目ができます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。スカートアーマーなどに幅があるため、単体だと大きく見えたりもしますが、他キットと並べると特別大きくないことが分かります。

HGドム/リックドムのドムと並べて比較。ドムの基礎になった機体なだけあって、シルエットや頭部形状などは良く似ています。ですが異なる箇所も多く、オリジン版のドム試作実験機はプロポーションがスタイリッシュにデザインされています。

HGシャア専用ザクⅡ(オリジン)とも並べて。胸部や腕部、大腿部などは形状が似たところがありますね。

頭部は適度に上下します。左右へもスムーズにスイング可能。

腕は水平以上に上げることができます。肘は2重関節で完全に曲げることが可能。

肩はボールジョイントで適度に前後スイングが可能。前方へはポリキャップが引き出せるので、かなり広くスイングさせることができます。

腹部と腰部のボールジョイントによって上半身を広めに前後させることができます。

腰は360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。

脚部装甲が肉厚ですが、前後開脚は前後とも適度に展開させることができます。

膝は2重関節で深くまで曲げることができます。膝関節パーツが少し縦長なのは気になりますが、膝装甲裏は裏打ちパーツが造形されるなど膝周りの造りはしっかりとしています。

足首の可動は前後左右ともまずまず。

左右への開脚は水平程度まで幅広く展開させることができます。

脚の付け根がロールするので、内股、ガニ股も幅広く展開させることができます。

立膝は少し傾きますが、まずまずな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、脚部が肉厚ですが、可動に関して特に不安はなく、各部とも幅広く可動させることができます。前後スライドギミックなどによって腰周りも良く動きますし、上半身はザク系のフォーマットなので可動が柔軟。ポージングの自由度は高そうです。

ヒート・サーベル。ドムタイプのMSが装備する近接戦闘用武器になります。ザクのヒート・ホークと原理は同じで、長い刀身を赤熱化させて対象を溶断するとのこと。刃は赤熱化した状態の赤成型色での再現となっています。

柄と刃の簡単な2個パーツ構成ですが、柄も適度な段差でチープさなく造形。

ヒート・サーベルは背部バックパックにマウント可能。上から斜めに差し込みます。

ビーム・バズーカ。戦艦に搭載されていたメガ粒子砲を小型化し、MSに装備させることを目的としたビーム兵器になります。小型化には成功したが、連射性能に難があったため、標準装備には時間がかかったとのこと。角型の砲身部やメカニカルなセンサー周りが印象的に造形。

本体部から砲身部まで簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。

砲口は別パーツ化されているので、塗り分けるなどすると映えそうですね。

センサー基部はモナカ割で部分的に合わせ目ができます。丸型のセンサーはクリアパーツでの再現。一旦はめ込むと外しにくいので、仮組みする場合は注意が必要です。

グリップは可動式。

HGドム/リックドムに付属しているビーム・バズーカと並べて比較。大部分の形状は同じですが、センサー周りなど細部形状が少しずつ違っています。成型色も相まってよりメカニカルで洗練された感じになっていますね。

一通り武装して。

ビーム・バズーカは付属の武器持ち手で保持します。トリガーに指を添える自然なかたちでの保持。

手のひらにダボ固定させますが、ダボが小さく、固定強度はやや弱め。ですがハンドパーツがバラけにくいので、特にストレスなく保持させることができます。

ドム特有の重厚感があって格好良いですね。

ビーム・バズーカはグリップが可動するので、脇を締めて肩に担ぐようなポーズも問題なく再現可能。特に干渉などもなくラクに構えることができます。関節強度が高いので、腕が重量で垂れたりということもありません。

ただ、弄っていると手首が徐々にヘタれて簡単に外れるようになってくるので注意です。それとビーム・バズーカに重量があるため、自立させて射撃体勢を取る場合は負荷がかかって倒れやすくなります。なのでうまくバランスを調整しつつポーズを付ける必要がありそうです。

サイドアーマーに3.0mm穴があるので、HGオリジン版ザクなどに付属しているヒート・ホークをマウント出来たりします。

拝借したヒート・ホークを使ってポージング。造形的な違和感は特になし。様になっていますし、ヒート・ホークとの相性は良さそうです。

ヒート・サーベルはダボ固定ではないため、ハンドパーツで握らせても少しスルッと移動したりします。ですが裾が太いので抜けることなく保持させることができます。

ヒート・サーベルとの相性はバツグン。構えるポーズ、斬りかかるポーズ、どんなポーズでも格好良く決めることができます。ドムといえばヒート・サーベルですが、これほど様になる武装もそうそうないですね。

胸部を組み替えて宇宙用仕様に。

股間部がポリキャップなので、アクションベースやスタンドをしっかりと固定できるようになっています。たまにサイズが合わずクルッと回転するものもありますが、このキットはそういった感じはありません。

宇宙仕様は地上戦用に比べて少し地味かなという程度。容姿的にも特に大きな違いはないですね。

平手が付属するので、ビーム・バズーカに手を添えるようなポーズも表情豊かに演出することができます。モノアイが可動するので、平手以外にも表情付けができてポージングがより自然なものになります。

肩が広くスイングするので、ヒート・サーベルの両手持ちも問題なく再現することができました。各部の可動域が広く、ダイナミックで躍動感あるポーズが再現できるのでポージングが楽しくなってきます。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。スカートアーマーなどドム特有の機体形状で重厚感がありますし、プロポーションバランスがとにかく秀逸。上半身にザク系のデザインを採用しているからか、スタイリッシュさがあるので素立ちさせてもポーズを取らせても格好良く決めることができます。構造的にも合わせ目が少なく、組み立てるだけで十分な仕上がりになるのもいいですね。

気になる点は、少し手首の強度が弱く、ヘタれた状態でビーム・バズーカを装備すると手首が反ったりするようになります。なのでビーム・バズーカを構えさせる場合は予め補強してからのほうが良さそうです。

可動が柔軟なのでポージングに躍動感が出ますし、ポーズが決まるので弄っていて楽しくなってきます。胸部パーツの組み替えによって地上用のドムと宇宙用のリックドム両方の要素が楽しめるのも魅力。ドムの元祖というよりもドムの進化系のような、高い完成度を持ったキットなのがいいですね。

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