今回は、 2016年12月に発売されたHG 1/144 MS-05S シャア専用ザクIのレビューをご紹介します!
HG シャア専用ザクIは、『THE ORIGIN IV 運命の前夜』より、MS「MS-05S シャア専用ザクI」の1/144スケールモデルキットです。スパイクアーマーを装備した旧ザクの特徴的な機体形状を再現。ベルト給弾式MS用マシンガンやヒートホークといった特徴的な武装が付属するキットになっています。価格は1,870円(税込み)です。
ザクIIに機種転換される過渡期に生産された上位モデルのザクⅠで、劇中ではシャア・アズナブルが搭乗。多数の連邦軍艦隊が待ち受けるフォン・ブラウン宙域戦にて、激しい戦闘を繰り広げた機体「MS-05S シャア専用ザクI」がHGでキット化。
2016年5月に発売されたHG ザクI(デニム/スレンダー機)※をベースに、バックパックをHGシャア専用ザクII(オリジン)から流用しつつ、シャア専用ザクI特有のスパイクアーマーやMS-05S型の胸部、肘部、脚部装甲、そしてベルト給弾式MS用マシンガンが新規造形で再現されています。※大元はHGシャア専用ザクII(オリジン)(2015年4月発売)。
成形色はくすみのあるピンクとワインレッドを基調に、バックパックやベルト給弾式MS用マシンガンのマガジンにレッドを配色。その他、胸部や膝部、ソール部などがレッド、内部や関節パーツがダークブラウン成形色での再現となっています。
ホイルシールは付属せず。各部のアポジモールドなど細部を塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
内部や関節のダークブラウン成形色パーツはKPS素材。ABSは使用されていないので、塗装やスミ入れをする場合も安心して取り組めそうです。
ポリキャップはPC-001を使用し、内部や関節など各部に組み込むオリジン版ザクフォーマット。肘や膝はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高めです。バックパックも小型で特に負荷はかからないため、自立は安定します。
■付属品
ベルト給弾式MS用マシンガン、ヒートホーク(収納型・展開型)、武器持ち手(右)、平手(左)、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。
HGシャア専用ザクII(オリジン)やHGザクI(デニム/スレンダー機)用の余剰パーツが多数付属。各部を組み替えることでMS-05ザクⅠ(シャア機)に近い形状を再現することはできそうです。(バックパックのパーツはありません。)
専用のマーキングシールが付属。オリジン版特有のデザイン性が高いマーキングが収録されています。
■各部形状
形状の異なる部分のみ、HGザクⅠ(デニム/スレンダー機)(形状が近いスレンダー機)と比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部はデニム/スレンダー機と同じ。動力パイプがなく、口ダクトが突き出ただけのシンプルなデザインで造形されています。メット部表面にはオリジン版特有のラインモールドが造形。
メット部は上下の組み合わせで側面などに合わせ目ができます。内部にモノアイレールパーツを組み込むため、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。段落ちモールド化したほうが良いかもですね。
モノアイはダークグレーのモノアイレールパーツにモノアイシールを貼っての再現で特にモールドは造形されていません。モノアイは◯の小さい発光前と発光状態のものがお好みで選択可能です。今回は発光状態を選択。お好みで貼る位置を変えても面白そうですね。
下部のレバーを動かすことで、モノアイを左右に振ることができます。
■胴体部
胴体部をデニム/スレンダー機と並べて比較。大部分の形状は同じですが、胸部中央の装甲がシャア専用ザクⅠ用に、中央に縦のラインモールドが入ったものが新造。ちょっとしたディテールアップが施されています。腰部中央のパーツも新造されていますが形状はほぼ同じです。
首はヒンジとボールジョイントで前後などフレキシブルに可動。肩はポリキャップ構造で前方に展開することができます。
胸部左右の装甲は内外に可動。肩がより広く可動するようになっています。
腰アーマー裏は各部ともモールドはなくフラットな造り。
股間部にはオリジン版フォーマットのスライドギミックがあり、脚部の可動域を広げることができます。サイドアーマーもボールジョイントポリキャップが前後にスライドするようになっていて干渉が避けられます。
■腕部
右腕部をデニム/スレンダー機(スレンダー機)と並べて。肩にL字シールドを装備した仕様で大部分の形状は同じですが、肘左右の装甲(赤◯)がシャア専用ザクⅠ用に新造。内側が凹みのないものに変化しています。
上腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせ箇所があり、前後の一部に合わせ目ができます。肘から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。
L字シールドは簡単な2枚パーツ構成ですが、裏面にはフレーム状のモールドが造形。ジョイント部分もポリキャップを交えた構造で柔軟に可動します。裏面モールドはグレーに塗り分けが必要。
左腕部も同様ですが、肩はシャア専用ザクⅠがスパイクアーマー、デニム/スレンダー機はフラットな球状装甲で違っています。アーマーは簡単な前後の組み合わせで上部から側面にかけて合わせ目ができます。スパイクのモールドに合わせ目ができるので、処理する際はモールドを埋めないように注意が必要。
スパイクアーマーはアーム接続で広く展開させることができます。
■脚部
脚部をデニム/スレンダー機と並べて。こちらも大部分の形状は同じですが、後部の裾の部分(赤◯)だけ形状が違っています。膝から下の装甲も新造されていますが形状は同じ。大腿部や膝装甲は配色が違っています。
大腿部は前後の組み合わせ、膝から下は左右などの組み合わせですが、各部とも合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。このあたりはザクⅠ辺りでフォーマットが見直されて完成度が高まっています。
足の付け根はロールは上下などフレキシブルに可動。
ソール部はザクⅡ(オリジン)から変わらず。丸みのあるフラットな装甲になっています。
足裏はメカニカルなモールドが造形。合わせ目や肉抜き穴などはありません。
ソールには足首の可動に合わせてかかとが上がる可動ギミックがあります。
■バックパック
バックパックをデニム/スレンダー機と比較して。バックパックはザクⅡ(オリジン)と同じものが造形。表面にアポジ、下部に2重スリットのバーニアが造形されるなど機動性に優れた仕様のものになっています。
下部のバーニアはボールジョイント型ポリキャップ接続で適度に可動。
バックパックはオリジン版共通の2ダボ接続。なのでデニム/スレンダー機などのバックパックとも組み換え可能です。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。ザク1の大きさはRX-78-2と同等くらい。HGの中では標準的ですが、やや小柄かなというくらいです。
ベースキットであるHGザクⅠ(デニム/スレンダー機)(スレンダー機)と並べて。一見すると殆ど同じに見えますが、左肩のスパイクアーマー、肘や脚部裾の装甲、バックパックの形状が異なります。徐々にザクⅡへと進化している過程が垣間見えるようですね。
HGシャア専用ザクII(オリジン)と並べて。成形色は全く同じ。形状はかなり違っていますが、同形状の箇所も多いです。
HGザクⅡC型/C-5型、HGザクⅡC-6型/R6型とも並べて。オリジン版ザクはとにかくバリエーションが豊富。アクトザクやデザートザクなどあらゆる系譜に進化しています。
HGUC ザクⅠとも並べて。デザインは似ていますが、HGUCとHGオリジン版とはフォーマットが別もの。HGUCはかなりレトロ感が強く、オリジン版はメカニカルで見栄えがします。どちらにもそれぞれの良さがありますね。
■各部可動域
各部可動域はデニム/スレンダー機と全く同じ。頭部は適度に上下します。腕はL字シールドやスパイクアーマーを交わすことで水平よりも少し上まで上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。腰もボールジョイントで少し反らすことが可能。
腰は干渉なく360度回転可能。膝は2重関節ですが、可動は90度(くの字)程度までとなります。立膝はきれいな姿勢で再現することができます。
左右への開脚は水平まではいきませんが、幅広く展開することができます。これ以上に開くとサイドアーマーが外れやすいので注意。足首はあまり深くまでは曲がらないようでした。
可動域の詳細は以下のリンクから、デニム/スレンダー機のレビューをご参考ください。
■武装類
ベルト給弾式MS用マシンガン。ランドセル下部に装着するボックスマガジンより、給弾ベルトによって装填されるMS用のマシンガンです。ドラムマガジン装着型よりも装弾数が上がっているとのこと。このキットで新造された武装になります。
マシンガン基部は簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。銃口は別パーツ化されていて合わせ目などはなし。塗り分けなどもしやすくなっています。
銃身下部のフォアグリップは左右に、側面センサーは上下に可動します。
通常のザクマシンガンと並べて比較。形状は殆ど同じ。ドラムマガジンの有無と、グリップ形状が少し違うかなという程度です。
給弾ベルトは少し柔らかめのPS素材で曲げることが可能。
ボックスマガジンは2枚パーツ構成ですが、合わせ目は端でモールドっぽくしてあります。バックパック下部にマウント可能。他のオリジン版ザクもバックパックが共通であれば装備可能です。スラスター口直下に弾倉を持ってくるのはなかなか・・・・;
ヒートホーク(収納型・展開型)。手斧型の格闘戦闘用兵器で、オリジン版ザク各種に付属している定番の武装になります。どちらも簡単な1個パーツ構成ですが、動力パイプのようなモールドや刃などもきっちりと再現されています。
展開型は刃ありですが、収納型は刃なし。刃の部分はシルバーなどに塗り分けが必要です。
ヒートホーク収納型はサイドアーマーにマウント可能。説明書に記載はありませんが、リアアーマーにもマウント可能でした。
■ポージング
一通り武装して。
ベルト給弾式MS用マシンガンは付属の武器持ち手でグリップを握らせて保持します。ダボ固定ではないですが、グリップが隙間なく握らせられるのでふらつきなどの不具合はありません。
背部ボックスマガジンと給弾ベルトで接続されているため、少し突っ張る感じはありますが、ベルトは軟質で曲げて形が付けられるので、特に腕が垂れたり持っていかれたりということはないですね。
浮かせてディスプレイさせる場合は股間部にジョイントパーツを組み付けます。固定強度がそこまで高くないので、キットをイジっているとたまに外れることもあります。ただ、そんなにストレスを感じるほどではありませんでした。
肩が柔軟に可動しますし、腕もしっかりと突き出せるので、マシンガンの両手持ちはゆったりとした姿勢で保持することができます。保持に余裕があるためポーズの微調整がしやすく、狙いを定めるような細かな表情も付けやすいです。
柔らかい表情の平手が付属するので、マシンガンの銃身を支えたり、腕を伸ばして意思表示をするようなポーズも表現しやすいです。
脚部の動きも細かく調整できるので、うまくバランスを調整すれば片足立ちなどのポーズも再現することができます。
ヒートホークは軽武装なので取り扱いがラク。ダボ固定ではなく、ハンドパーツ穴に差し込むだけで保持が可能です。やや細身ですが、太い部分を握らせておけば抜けることはないですし、反転することもなく構えることができます。
適当に何枚かどうぞ。
「いい子で待っていなさい。仕事が終わったら、すぐ帰る」(・・・どこのお父さんやねん・・・・;)
以上です。特別派手な容姿ではないですが、生産初期の機体ながらザクの進化の過程が垣間見えるような、良い雰囲気を持ったザクⅠになっているのが良いですね。オリジン版ザクのデザインを元に、シャア専用ザクのカラーリングや造形がキットにうまく落とし込まれていると思います。オリジン版ザクのフォーマットなので可動が柔軟ですし、ポーズも決まりやすいですね。
気になる点は、オリジン版のキット全般に言えることですが、ディスプレイ用のジョイントパーツが組み付け式なので、できれば3.0mm穴だとディスプレイがもっと安定するので良いかなと。
デニム/スレンダー機とは間違い探しレベルではありますが、形状が異なる部分によってシャア専用ザクⅠの差別化がきっちりと表現されていますし、ベルト給弾式のMSマシンガンも特殊な造形で臨場感が感じられるようになっています。劇中ではそんなに活躍はしていないですが、キットではそのぶん、特別感や渋さ、存在感など、いろんな面でシャア専用機の良さが味わえるのが良いですね。
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