今回は、2013年1月に発売されたMG 1/100 トールギスEWのレビューをご紹介します!
MG トールギスEWは、『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光』に登場するMS『トールギスEW』の1/100スケールモデルキットです。カトキハジメ氏デザインの特徴的な形状やカラーリングを新規造形で再現。MGならではの精巧なインナー、背部や脚部スラスターの展開が再現されたキットになっています。価格は4,180円(税込み)です。
A.C.(アフターコロニー)史上初の戦闘用MSであり、以降に登場するすべてのMSの始祖となった機体『トールギスEW』がMGでキット化。高い機動性を意識したシャープ且つ力強いシルエットで再現されています。名称は降霊術師(テウルギスト、サージスト)に由来。
成型色はホワイトとグレーがメイン。外装のホワイトはグレーがかったホワイトとの2色で構成され、部分的にイエローやライトグレー、ダークブルーなどが配色されています。関節や内部パーツにはグレー成型色のABSを使用。シールはスーパーバーニアの羽や一部の丸モールドを補うくらいと少なめ。塗装はほとんど必要ありません。
元々はTV版とは異なるデザインで書き下ろされた「アーリータイプ」ですが、コミック『新機動戦士ガンダムW Endless Walz 敗者たちの栄光』に登場したことでEW版として採用されています。
ポリキャップはPC-207Cを各部関節に使用し、関節強度は高めです。背部にスーパーバーニアを装備しているためやや後方に比重がかかって倒れやすいですが、うまくバランスを取れば自立も可能です。
キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。) ⇒ヌルっと切れる片刃ニッパー
ドーバーガン、シールド、ジョイントアーム2種、指パーツ(平手:左右、武器持ち手:左右、握り手:左右)、ディスプレイ用ジョイントパーツ、ビームサーベル刃☓2、ゼクス・マーキスフィギュアが付属。
マーキングシールと擦って転写するガンダムデカールが付属。
頭部。印象的な赤い鶏冠を装備するなど、西洋騎士をイメージした特徴的なデザインになっています。ゴーグルはクリアーパーツでの再現で、青く塗り分ける必要があります。頬のダクトはグレーに塗り分けが必要。
フェイスパーツは組み換えることで少し奥に配置することができます。これによってガンダムタイプ頭部のような起伏のある表情が再現可能です。表情にメリハリがつくのでいいですね。
トールギスのフェイスを外すとリーオータイプのセンサーが露出。表面はクリアーパーツでの再現で、黄色く塗り分ける必要があります。内側はシルバーのシールを貼っての色分けです。
胸部。特有の角張った作りになっています。胸元の特徴的な丸モールドやエアインテーク、腹部のフックなどはパーツで細かく色分け。エアインテーク上の丸モールドは赤いシールでの色分けです。背部はリーオータイプの円形モールドが造形。
胸部内部フレーム。
コックピットハッチは開閉可能。
腰部。前後の丸モールドは赤いシールで、中央の黄色はパーツでの色分けです。
コックピット内部にはパイロットシートが造形され、ゼクス・マーキスフィギュアが格納されています。リアアーマーは展開が可能。
サイド、リアアーマーはそれぞれモールド入りの裏打ちパーツやバーニアが造形。アーマー表面の丸モールドなどはパーツで色分けされるなど、全体的にデザイン性の高い作りになっています。サイドアーマーは2箇所のボールジョイントでフレキシブルに可動します。
腕部はトールギス特有の筒型。ショルダーアーマーなどもEW版特有のカラーリングが施されています。
腕部内部フレーム。
二の腕以下、筒状パーツの組み合わせで合わせ目はありません。ハンドパーツは親指のみ可動し、残りの4指は組み換え式。
膝を曲げると回りの装甲が合わせて可動します。
ショルダーアーマーもトールギス特有の形状で合わせ目はなし。上部の3重ラインもパーツで色分けされています。側面の懸架モジュールはハッチが開閉可能。付属のジョイントアームを用いてシールドやドーバーガンを装備することができます。
脚部もトールギス特有の曲状でスラッとしたデザイン。足首をひねると裾のパーツが干渉して外れやすいので注意が必要です。スネのモールドは黄色いパーツでの色分け。
脚部内部フレーム。
大腿部、膝から下ともに前後挟み込みタイプですが、側面の合わせ目は段落ちなどでモールド化。膝から下はグレーのラインモールドが造形されています。
ソール部。特有の三角型に造形されています。足首も別パーツ化され、ボールジョイント接続で柔軟に可動します。側面の丸モールドや足裏なども別パーツでの色分け。
つま先は少し反らせることができます。
背部は左右にスーパーバーニアを装備。
スーパーバーニア収納時はコンパクトにまとめられています。装甲も各面がパーツで分割されていてリアル。側面の羽は黄色がシールでの色分けです。
スーパーバーニアも内部フレームが造形されています。
展開した状態で。開くとメカニカルさがわかりやすいです。
内部には2基のバーニアが造形。バーニアは若干の角度調整が可能です。
後部中央の装甲は展開しませんが、少し引き出すことができます。(開くと自動的にスライド展開します。)これだけの構造がコンパクトに収まるのはすごいですね。
スーパーバーニア接続用のアームはシンプルな2個パーツ構成で側面が肉抜き穴のような作りになっています。可動もわずか。
ですがスーパーバーニア側の基部がスイングや回転するのでフレキシブルに可動させることができます。
MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムと並べてサイズを比較。ガンダムW登場機なので少し小型。トールギスの頭頂高は17.4mです。
MGウイングガンダムゼロVer.Kaと並べて比較。ウイングゼロはごく最近発売されたキットですが、組み合わせても違和感はなさそうです。
RGトールギスEWとサイズを合わせてプロポーションを比較。MGのほうが少しマッシブ感が強いですね。
頭部は適度に見上げることができます。首の接続基部パーツも頭部の動きに合わせて可動。頬の装甲と襟が干渉しますが、左右へも水平以上にスイングさせることができます。
ショルダーアーマーが大柄ですが干渉はなく、腕は水平にまで展開が可能です。肘も深くまで曲げる事が可能。
腹部がボールジョイント接続で周りに余裕もあるので、上半身を適度に前後スイングさせることができます。左右へもある程度傾けることができます。
腰は干渉しやすく、45度程度傾けるくらい。アクションベースやスタンドへのディスプレイは、付属のジョイントパーツを股間部に取り付けてのディスプレイとなります。
前後開脚は水平程度まで幅広く展開が可能。サイドアーマーを大腿部に接続していてもラクに前後スイングすることができます。
膝も深くまでまげることができます。曲げた脚がリアアーマーと干渉しやすいので注意が必要。膝もメカニカルな作りになっています。
足首は前後左右ともまずまず。
左右への開脚も水平程度まで展開が可能。ただしサイドアーマーを接続していると可動が制限されます。
内股は股間部と大腿部が干渉するのでほとんど動かせず。がに股は45度程度まで展開が可能です。サイドアーマーを外した状態だともう少し広く展開が可能。
立膝もまずまずな姿勢でこなすことができます。サイドアーマーを接続していても問題なく可能。
可動域の総括としては、多少関節強度に緩さを感じるものの、全体的に可動範囲は広く、柔軟な印象でした。もう少し広ければ・・・という部分もありますが、なかなか及第点でポージングの自由度は高そうです。
ドーバーガン。パーツによる色分けや精密な各部構造など、MGならではの完成度の高い作りになっています。
本体部は左右挟み込みタイプですが、合わせ目はごく一部で下部の端に合わせ目がくるようになっています。それぞれ分解できるので、合わせ目を消すのは難しくないかと。
砲身は2枚パーツ(実質3個パーツ)の組わせですが、合わせ目はパネルラインのような造形になっています。
センサーはクリアーパーツでの再現。手前のフォアグリップはスイングや回転などフレキシブルに可動します。グリップも前後にスイングが可能。
スプリングが内蔵されているので、砲身を押し込むことで後部の弾倉が展開し、フックも合わせて可動します。
ドーバーガンは付属のジョイントアームによって肩の懸架モジュールと接続が可能。ジョイントアームは複数パーツの組み合わせで柔軟に可動させることができます。
シールド。西洋騎士らしい円盤状の盾になっています。ラインモールドや表面のモールドもパーツで細かく色分けされています。裏面も2基のサーベル柄を装備するなどメカニカルな作りになっています。
サーベル柄は脱着して武器として使用可能。グリップは可動式です。
シールドもジョイントアームによって肩の懸架モジュールと接続が可能。固定強度が高く、ガシガシ動かしても簡単には外れません。
ゼクス・マーキスフィギュア。仮面とマントを付けた姿が造形されています。白成型色なので塗装はしやすそうですね。
一通り武装して。
ドーバーガン、シールドともにきれいに保持してくれますが、干渉しやすいので結構ぎこちない感じがありますね。持たせるときにも少し難しさがあります。
ですがダボ固定で保持させたあとはかっちりとしているのでポロリなどはないかと。グリグリと動かすと指パーツや二の腕がが外れたりする場合があるので注意が必要です。シールドはグリップを握らせないほうがラクに取り扱えそうです。
スーパーバーニアを展開。背部から見るとメカニカルさが際立ちます。
浮かせるだけでも簡単なポーズを取るだけでも十分にかっこいいですね。
ドーバーガンのフォアグリップがフレキシブルに可動するので、ドーバーガンの両手持ちはラクでした。ただ、肩のジョイントアームやグリップ保持時の干渉で正面に銃口を向けたりするのは難しかったです。
サーベル柄もダボ固定である程度の保持は可能です。多少ぐらつきが見られますが、ポーズを取るぶんには問題ないかと。
適当に何枚かどうぞ。
股間部にはめ込むディスプレイ用のジョイントパーツは、若干固定強度に不安があり外れることもありましたが、そこまで気になることはなかったです。小型キットなので細い支柱のスタンドでもなんとかディスプレイさせることができました。
ビームサーベル刃はクリアーピンク成型色で、少し反ったようなシャープな作りになっています。ブラックライトで照らしても発光はしませんでした。
以上です。造形的にもマッシブ感があってバランスがよく、MGならではの安定したプロポーションが楽しめるキットになっています。小型で取り扱いやすいのもメリット。1/100サイズなのでRGよりもエッジが効いていて見栄えがよく、可動域も広めでポロリもほぼないのでストレスなくポージングを楽しむことができます。
気になる点としては、ジョイントアームを接続することでドーバーガンが装備できますが、思ったよりも可動が制限され、動かしづらい印象でした。自由な方向に向けるというわけにはいかないかもですね。あと、脚部の裾パーツが干渉などで外れやすいので注意が必要です。
ホワイト成型色にはならではの清潔感が感じられますし、スーパーバーニアを展開した姿にはならではの造形美があります。ドーバーガンも作りが凝っていますし、どこから見てもかっこいいと感じるくらいデザイン性が高いので、間違いないキットとして楽しめそうですね。
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