今回は、2016年12月に発売されたHG 1/144 MS-04 ブグ(ランバ・ラル機)のレビューをご紹介します!
HG ブグ(ランバ・ラル機)は、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』に登場するMS『MS-04 ブグ(ランバ・ラル機)』の1/144スケールキットです。ランバ・ラルが乗る試作MSの特徴的な機体形状を新規パーツを用いて再現。MS用マシンガン、シールドといった武装類や各部の可動により、躍動感あるアクションポーズが再現可能なキットになっています。特徴的な各部装甲も精密なディテールで再現。価格は1,870円(税込み)です。
ジオニック社がヴァッフに続いて開発したMSで、スミス海の戦いにおいて黒い三連星のザクⅠと共に出撃。地球連邦軍のガンキャノン最初期型12機と戦闘を繰り広げた『MS-04 ブグ(ランバ・ラル機)』がHGでキット化。THE ORIGIN版ザクの関節や内部パーツを流用しつつ、青い機体色や全身各部の外装が新規造形で再現されています。名称は日本語の「武具」に由来。
成型色はランバ・ラルのパーソナルカラーであるブルーを基調としたカラーリング。その他、関節・内部、膝、ソール、バックパックが濃いめのダークグレー、ハンドパーツや武装類は少し薄めのダークグレー(ブルーグレー)成型色での再現となっています。
ホイルシールは付属せず。モノアイはマーキングシールで色分けしますが、素組みで十分な色分けが再現されているため、ほぼ塗装の必要はありません。ヒートホーク刃を塗り分けるくらい。
ダークグレーの内部・関節パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップはPC-001を肩部や胴体部、足の付根、足首など関節各部に使用。膝・膝はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。特別負荷のかかるような装備はなく、足裏の接地もしっかりとしているため自立は安定します。
MS用マシンガン、シールド、ヒートホーク(展開型、収納型)、平手(左)、武器持ち手(右)、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。
オリジン版ザクのパーツやアンテナなしのメット部パーツが余剰で付属。
専用のマーキングシールが付属します。
頭部はザクのような口元ダクトはなく、仮面を被ったような独特の形状で印象的。モノアイスリットと後頭部のとさか、額のブレードアンテナのみが造形された、MSの起源とも思わせるようなデザインになっています。
メット部は上下の組み合わせで一部に合わせ目ができますが、そんなに不自然でもないのでそのままモールドとしておいても良いのかなと思います。(襟パーツが少し浮いたようになっていますがご了承下さいm(_ _)m)
モノアイはギア構造になっているため、頭部の左右の可動に合わせてモノアイも左右に可動します。可動用にメット部や頭部を取り外す煩わしさがないのがいいですね。
余剰のメット部パーツを組み付けることで、アンテナなしの状態も再現可能。
胸部はザク系とは異なり、左右に簡単なダクトを配した厚みのある装甲が造形。両肩の動力パイプが造形されるなど印象的な機体形状が再現されています。どことなくグフにも繋がるようなデザイン。
胸部装甲は左右に展開可能。肩が柔軟に可動するようになっています。
動力パイプもスリットモールドが印象的に造形。設定では動力パイプを外に配置することで関節駆動が向上し、運動性能を向上させたとのこと。肩のポリキャップは上下に可動します。
腰部。派手では無いですが、程よく幅がありますし、物足りなさを感じない程度のモールドが造形。全体的にまとまりのある作りになっています。動力パイプは腰部から背部に伸びています。動力パイプの切り欠きは1箇所のみ。
腰アーマー裏は各部ともフラットな状態。裏打ちパーツの自作やスジボリによるモールド造形などもし易いかと。フロントアーマーは左右で個別に可動します。
股間部にはスライドギミックがあり、前方にスライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。サイドアーマーはボールジョイント型ポリキャップ接続で、適度に前後スライドが可能。
腕部。ザク系とよく似たデザインですが、ショルダーアーマーにはコの字フックが連なるような特徴的なモールドが造形されています。
腕部はHGシャア専用ザクⅡなどのオリジン版ザクと同じ内部フレームが造形。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせ箇所がありますが、前面の合わせ目は段落ちモールド化。その他はパーツを細かく組み合わせる構造で合わせ目はありません。
ショルダアーマーも前後の組み合わせですが、上面の合わせ目はモールド化。側面の合わせ目もモールドに沿った位置にあるので、特に合わせ目消しは必要ないのかなと思います。
ショルダーアーマーはジョイントパーツで肩部に連結。適度に展開可能です。組み立てる際はジョイントパーツの向きに注意。
脚部。ザク系に比べるとやや角ばった形状で、大腿部やヒザ下の側面などに細かなモールドがデザインされています。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちなどでモールド化。膝から下も四方からパーツを組み合わせる構造で合わせ目はありません。
脚部もオリジン版ザクと同じ内部フレームが造形されています。ヒザ下の側面には動力パイプのモールドが造形されるなどメカニカル。
スネの外側にはモールドがパーツで色分けされるなどおしゃれにデザインされています。膝は柔軟に可動。動力パイプも特に突っ張る感じはありません。
ソール部はザク系と同じく丸みのあるデザインですが、つま先、かかと共に段差モールドが造形されるなど差別化が図られています。
足裏はオリジン版ザクのものとよく似たモールドが造形。肉抜き穴などはありません。
足首のパーツを持ち上げるとそれに連動してかかとも浮き上がります。このあたりもポージングでのちょっとした表情付けが出来ていいですね。
バックパックは派手ではないですが、適度な段差やモールドがバランスよくデザインされています。四方に伸びる動力パイプも印象的。基部は側面に合わせ目ができますが、簡単な3個パーツ構成なので合わせ目消しはラク。
バーニアはボールジョイント型ポリキャップ接続で適度に可動します。
バックパックはシンプルな2ダボ接続ですが、動力パイプが連結されているので他キットとの交換は現実的ではないかと。HGUCやHG水星の魔女シリーズなどともダボ幅が微妙に違うため、組み付けるのは難しいようでした。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。肩周りが詰まった感じなので少しマッシブ感がありますが、陸ジムと同サイズ程度でやや小柄。ブグの全高は17.5mです。
HGシャア専用ザクⅡ(オリジン版)と並べて。内部・関節は同じものが流用されているため、関節形状はほぼ同じ。ですが外装がブグ用に新造されているため、全く違った機体のようになっています。
首はボールジョイントやヒンジで可動が柔軟ですが、頭部は干渉で少し上下する程度。左右へも肩の動力パイプが干渉するので可動が制限されます。
腕はショルダーアーマーを避けるようにすれば水平まで上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。
肩はボールジョイント接続で適度に前後させることができます。
上半身は腹部のボールジョイントによって適度に反らす動きが可能。
腹部と腰部の装甲が干渉するため、腰の回転は45度程度までしか回らず。アクションベースやスタンドへは、付属のジョイントパーツを股間部に組み付けてのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが適度に可動するので、前方へは水平程度まで展開します。後方はリアアーマーが可動しないので制限されます。
膝は2重関節ですが、外装が干渉するため、曲げる角度はくの字程度までとなります。
足首は前後左右ともまずまず。
左右への開脚はハの字程度までと制限されます。
内股は股間部と大腿部が干渉するため制限されますが、がに股は脚の付け根がロールするので幅広く展開させることができます。
立膝はまずまずきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、全体的にやや可動がぎこちなく、見た目によらず可動が制限される箇所は多いです。ですがオリジン版ザクの関節で可動に柔軟性があるため、ある程度融通は効きますね。MSの元祖のような機体なので、逆に初期MSのぎこちない動きが再現できていいのではないでしょうか。
MS用マシンガン。八州重工業製の小型マシンガンになります。地球連邦軍の一部のMSでも使用され、実体弾が発射可能とのこと。後部にストック、下部に厚みのあるマガジンが造形されるなどメカニカルに造形されています。
後部ストックは展開可能。形態を変化させることができます。
本体部は左右の簡単な組み合わせで上下の一部に合わせ目ができます。段差が多いので合わせ目消しは少し難しいかも。エッジを落とさないように処理したいところです。側面のフォアグリップも展開可能。
銃口上部にはセンサーが造形。ピンクに塗り分けが必要です。
シールド。上腕に装着される防御兵装になります。MS用マシンガンであれば防げるが、MS-06のL字型シールドと比べると防弾性能は劣るとのこと。
簡単な3個パーツ構成ですが、表裏共に適度なデザインモールドが造形。裏面のジョイントもボールジョイントで上下などフレキシブルに可動します。
ヒートホーク。刃が高熱で赤熱化し、装甲を溶断する斧型の近接戦闘武装になります。このブグをはじめ、多くの機体で装備、使用されています。
展開型(画像下)、収納型(画像上)共に1個パーツ構成ですが、動力パイプなども細かく造形。展開型は刃をシルバーに塗り分けが必要です。
ヒートホーク(収納型)はサイドアーマーにマウント可能。ただしちょっとした干渉で外れやすいので注意です。説明書に記載はないですが、リアアーマー上下の穴にもマウント可能でした。こちらはしっかりと固定できます。
一通り武装して。
MS用マシンガンはハンドパーツにしっかりとダボ固定できるため、バラけることもなくしっかりとした保持が可能です。トリガーに指を添える形も自然でいいですね。
股間部と大腿部が干渉して若干股が開き気味になるため、脚をクロスさせるような動きは難しめ。ですが接地状態でポーズを取らせるぶんには特に問題ないかと。
ストックを展開すると少し上腕と干渉しますが、うまく脇に抱えることで問題なく構えることができます。平手が付属するので、銃身を支えるようなポーズも自然な表情で演出可能。
シールドはジョイントパーツを前腕にカチッと固定し、グリップもハンドパーツで挟んで保持させます。2箇所でしっかりと組み合わさるので保持は安定。
浮かせた状態でのディスプレイもラク。劇中での空中に飛び上がってガンキャノンを射撃するシーンも再現可能です。ただ、頻繁にキットの角度を変えたりすると股間部のジョイントパーツが外れやすくなるので注意です。
ヒートホークは柄がハンドパーツの穴よりも細いため、スルッと移動し易いです。そのぶん刃も反転し易いですが、太い部分を引っ掛けるとある程度固定できるので、その辺りでうまく調整したいところです。
武装した状態でHG ガンキャノン 最初期型(鉄騎兵中隊機)と並べて。同シリーズなので並べても特に違和感はありません。造形がしっかりしているので、劇中のスミス海の戦いもリアルに再現出来そうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。口ダクトを持たない頭部や各部にむき出しの動力パイプなど、MSの元祖とも言える独特の機体形状が再現されていて味がありますね。HG THE ORIGINシリーズ特有のクセも感じられますし、合わせ目も少なく、完成度の高いキットになっています。
気になる点ですが、画像には反映されにくいですが、成型色が若干、説明書や公式ページの見本(コバルトブルー)とは異なり、ややインディブルー系の色味になっています。ですが特別合わないこともないので特に問題はないかと。もっとマイルドな色味にしたい場合は塗装するようになると思います。
可動域がやや狭めで動きにぎこちない部分がありますが、それがまたMSの元祖らしい雰囲気を味わせてくれますし、何気に劇中シーンをイメージしたポージングにも対応してくれます。ランバ・ラル機らしい青いカラーリングも魅力的。一年戦争開戦前でもランバ・ラル機がしっかりと存在し、その造形や存在感、特別感が味わえるのがいいですね。
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