今回は、2009年10月に発売されたHGUC 1/144 NZ-666 クシャトリヤのレビューをご紹介します!
HGUCクシャトリヤは、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS『クシャトリヤ』の1/144スケールモデルキットです。ネオ・ジオン軍残党組織『袖付き』が擁するサイコミュ搭載型MSを完全立体化。フレキシブルに可動する大型バインダーが再現されたキットになっています。バインダーは特徴的な隠し腕の他、ポーズ固定のためのロック機構も再現。価格は4,950円(税込み)です。
クィン・マンサを基に開発されたサイコフレーム搭載型ニュータイプ専用MS『クシャトリヤ』がHGUCでキット化。重量感ある機体形状や、肩から伸びる4枚のサイドバインダーなどが新規造形で再現されています。『クシャトリヤ』とは古代インドの階級で第2位の王族・武人層を意味し、シナンジュに次ぐ機体であることを表現。通称『四枚羽根』。
成型色はグリーンをベースに、胴体部にダークグリーン、胸部やバインダーのメガ粒子砲、腹部・四肢動力パイプにイエロー、胸部や前腕部エングレービングにブラックを配色。その他ソールや膝にブルーグレー、胸部・腰部にホワイトを配色するなど、見た目によらず多色で構成されています。
シールは頭部モノアイと胸部・前腕部エングレービング、脚部モールドを補うくらいで多くはありません。胸部やバインダーのメガ粒子砲内部を塗り分ける必要がありますが、素組みでも塗装する必要がないくらいの色分けが再現されています。
大部分はPS素材で構成されていますが、関節や一部の内部パーツ、バインダーのアームなど強度が必要な箇所にはABSが使用されています。
肩からバインダーを展開していますが、負荷が四方に分散するため自立は安定します。
ビーム・サーベル(ビーム刃、柄)✕2、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。
肩のバインダーを外した状態で。
頭部。ゲルググ系に似たデザインですが、縦に伸びるシャープなアンテナが印象的。合わせ目のできないパーツ構成になっています。色分け箇所も少なくシンプルなカラーリング。
モノアイはモールドにピンクのシールを貼っての色分けです。
下部のレバーを動かすことで、モノアイを左右に振ることができます。個体差かもですが、モノアイパーツがゆるく、たまに自然に左右に振られることもあるようでした。
胸部。ジオンのエンブレムを象ったエングレービングや4基メガ粒子砲といった特徴的な形状が再現されています。メガ粒子砲脇のマシンキャノンもグレー成型色パーツでの色分けを再現。メガ粒子砲は中央を黒く塗り分けが必要です。
内部の黄色いパーツは一旦はめ込むと抜けにくいので、塗装などで仮組みする際は注意が必要です。
胴体内部はHGながらも割と細かいパーツ構成になっています。
エングレービングはモールドが造形されているので、塗装する場合も塗り分けはしやすそうです。
背部。バックパックなどはなく、適度にモールドの入った装甲のみが造形されています。
腰部フロント、リアアーマー。どことなく亀を意識したような、生物的な雰囲気を感じるデザインになっています。
フロントアーマー下部にはスリット入りのダクトが別パーツ化。フロントアーマーやサイドアーマーも裾が別パーツで色分けされています。フロントアーマー裏に裏打ちパーツやモールドの造形はなく作りは簡易的。
サイドアーマー裏も裏打ちパーツの造形はなし。リアアーマーのみ適度な裏打ちパーツが造形されています。
腕部。肩のスクエアな装甲が印象的。二の腕以下もシナンジュに似たジオン系のシルエットに造形されています。前腕にはエングレービングも造形。
腕部は簡単な内部フレームが造形。
二の腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどが必要そう。前腕は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。こちらも消す場合は後ハメなどが必要。動力パイプは別パーツでの色分けが再現されています。
前腕の装甲裏は簡易的ですが、肘装甲には裏打ちパーツが造形されています。エングレービングは胸部と同様、モールドが造形されているので塗り分けがしやすいかと。
肩の装甲は上部にバインダー接続穴が造形。前後はフィンなどが造形されたパーツで色分けされています。前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。消す場合はマスキング塗装などが必要そう。
肩装甲は特殊な形で展開可能。それほど組み合わせ強度が高くないので、ものによっては腕が垂れることもあるかと。肩はロールします。
肩装甲と二の腕の接続部もロール可能。
脚部はクィン・マンサを想起させるような肉厚なデザインになっています。各部にダクトや動力パイプが造形されるなどメカニカルに造形。膝周りの装甲の白いラインモールドはシールでの色分けです。
大腿部は左右の組み合わせですが、前後の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下も複雑なパーツ構成ですが、外装は左右の組み合わせでスネの合わせ目は段落ちモールド化されています。膝周りの装甲裏のダクト内部はスリットモールドが造形。内部グレーパーツは左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。動力パイプは別パーツでの色分け。
スネの内側の装甲は前後にスイングします。後部の装甲も少し展開可能。ダクトはイエローパーツでの色分けです。
ソール部はシナンジュに似たデザインに造形。各部がパーツで色分けされています。足首の基部は左右の組み合わせですが、中央の合わせ目は段落ちモールド化。
足裏もメカニカルに造形されています。肉抜き穴もありません。
肩からはクシャトリヤの特徴であるバインダーが展開。全4枚で、それぞれが前後左右に展開しています。
バインダー。クィン・マンサの名残を残しつつ、甲羅のような生物的なデザインに造形されています。表面左右2箇所にはメガ粒子砲が造形。黄色と白のパーツでの色分けです。中心部を黒く塗り分けが必要。ファンネル発射用の表面装甲展開ギミックはありません。
内側にはサブアーム、2基のバーニア、6基のファンネルが格納(装備)されています。
バーニアは基部がボールジョイント接続でフレキシブルに可動します。基部パーツには肉抜き穴があるので少し気になるかも。
ファンネルは個別に脱着が可能です。
ファンネルは1個パーツ構成で作りが簡易的。バインダーに格納するため、一部が欠けた状態になっています。
サブアーム可動部は細いフレームパーツの組み合わせですが幅広く展開します。
先端のアーム展開部分も簡易的ながら、内外パーツの組み合わせで造形されています。
クローはスライド展開が可能。クローの内側には肉抜き穴があります。
バインダーのアームは細かいパーツ構成で各部がフレキシブルに可動するようになっています。
アームは各部が左右の組み合わせですが、中央の合わせ目は段落ちモールド化。
バインダーとの接続部はロール可動します。
接続部は上下にもスイングが可能(下画像)。基部にはスライド式のロックがあるため、好みの角度でロック固定することができます(上画像)。
その他の箇所も上下に広く可動させることが可能。肩装甲との基部もロール可動します。
なのでバインダーを幅広く柔軟に展開させることができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。1/144サイズとは思えないくらいの大きさ。肩のバインダーも大型なのでより大きく見えますね。クシャトリヤの全高は22.3mですが、キットはそれ以上に大きく見えます。
HGUCユニコーンガンダム(ユニコーンモード、デストロイモード)と並べて。ユニコーンガンダムが比較的サイズ感のある機体なので、キット同士を並べても上記2体ほどの差は感じないですね。ユニコーンガンダム(デストロイモード)の全高は21.7m。(設定されている全高にはやや曖昧なところがあるのかもです。)
頭部はわずかに上下する程度。左右へも口元が干渉するのでスイングはわずかです。
腕は水平程度まで上げることが可能。肘は1重関節で90度よりも少し深く曲がります。
肩は引き出しギミックにより、前方に適度にスイングさせることができます。後方へのスイングはなし。
胸部や腹部に可動ギミックがないため、上半身の前後スイングはできないようになっています。
腰は少し浮かせることで360度回転させることが可能。浮かせた状態でのディスプレイは、股間部のカバーパーツを外し、専用のジョイントパーツを組み付けます。
ただしジョイントパーツはアクションベース1の支柱パーツに組み付けるようになっているため、どのスタンドでも使えると言うわけではないようです。
派手な腰アーマーと肉厚な脚部装甲が干渉するため、前後開脚はあまり広く展開することはできないようです。
ちょっとわかりにくいかもですが、膝は2重関節でくの字程度まで曲げることができます。膝装甲裏の作りは簡易的。
足首は前後左右とも特に広くはありません。
左右への開脚は意外にも水平程度まで幅広く展開させることができます。
内股は膝と股間部が干渉するので45度程度まで。がに股は干渉せず幅広く展開させることができます。
立膝は装甲の関係で浅めにはなりますが、それなりに再現することができます。
可動域の総括としては、肉厚な装甲が鑑賞しやすく、動かない箇所もそれなりにあります。ですが腕を上げたり腰を回転させたり、左右に開脚させたりと広く可動する箇所もあるのでダイナミックなポーズを取らせることもできそうです。
大型のバインダーを装備しているので、簡単なポーズを取るだけで圧倒的な存在感を感じることができます。
ビーム・サーベルはクリアグリーン成型色での再現。ハンドパーツとはダボ固定ではないので、柄が移動しやすいです。ですが起伏があってハンドパーツに引っかかりやすいので、ある程度保持させておくことは可能です。
リゼルが手元にないので劇中のような色違いサーベルの二刀流は再現はできませんでしたが、柄が細身だと保持がかなり難しそうです。
バインダーは多少可動が制限されることもありますが、四方に展開することで派手な演出をすることも可能です。
バインダーにかなりの重量があるため、肩関節が重量でクルッと回転したりすることがあるので注意が必要です。
サブアームを展開するとさらに迫力のあるポーズが楽しめます。
ビームサーベル刃はブラックライトで照らすと発光します。
サブアームはクローが可動しないので、ビーム・サーベルをしっかりと保持することはできないようです。もし再現したい場合は簡単に引っ掛けるくらいになりそうですが、すぐに外れるので注意が必要です。
ファンネルは3.0mm軸を差し込むなど単体でディスプレイさせるのは難しいようです。手持ちのスタンド(コトブキヤ プレイングベースA)のフレームとたまたまサイズが合っていたのでそれなりに射出状態を再現してみました。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。クィン・マンサを想起させる造形でどことなく馴染み深さを感じつつ、4枚羽根の大型バインダーによって存在感と重量感を持ち合わせた印象的なキットになっています。バインダーがフレキシブルに可動するため、かっこいいポーズが簡単に再現できるのもいいですね。
気になる点は、スタンドが角度変更出来ないため、ポージングの幅が制限されるのはもったいないですね。あと、ファンネル単体でのディスプレイが出来ない、ビームサーベルがしっかりと保持できないなど、良いキットなだけにその辺りもきっちりとしていると良かったかと。
干渉によって可動が制限されるところもありますが、劇中シーンの再現は問題なく可能。サブアームを展開することでよりド派手な演出も出来ますし、シリーズ冒頭でスタークジェガンと激しいバトルを繰り広げるなど注目度は高いので、UCの主要機体としてぜひ入手しておきたいキットの一つですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
1件のコメントがあります。
匿名
on 2021年12月31日 at 11:03 -
僕も持っています。