今回は、HG 1/144 ZGMF-MM07 ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)のレビューをご紹介します!
HG ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)は、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場するMS「ZGMF-MM07 ズゴック」の1/144スケールモデルキットです。SEED FREEDOMバージョンの特徴的な機体形状を再現。独自の「SEEDアクションシステム」により、腕・脚の蛇腹のしなりや腹部の大きな動きなどが再現可能となっています。「インフィニットジャスティスガンダム弐式」を模した内部フレームを再現。価格は3,520円(税込み)です。
インフィニットジャスティスガンダム弐式がその姿を隠すために偽装アーマーを纏った姿で、劇中ではアスラン・ザラが搭乗。キラの救助に駆けつけた際、ブラックナイトスコードシヴァと激しい戦闘を繰り広げた機体「ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)」がHGCEでキット化。
2024年6月に発売されたHGインフィニットジャスティスガンダム弐式(以下、弐式など)の背部リフター「M2X32Eフォランテス」を流用しつつ、1stのズゴックをオマージュしたような特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。インフィニットジャスティスガンダム弐式の頭部とボディパーツも付属。
成形色はピンクとレッドを基調に、各部にホワイトを配色。その他、弐式の頭部アンテナがイエロー、各部ダクトや蛇腹状の上腕や大腿部などがグレー、弐式の一部外装パーツなどがくすみのあるピンク、背部リフターがライトグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールは弐式の頭部ツインアイを補うもののみが付属。その他の箇所はパーツでの色分けです。破損頭部の一部やモールド、スラスター内部、ダクトなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
グレー、ライトグレー、ホワイトの成形色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。なので塗装する場合も破損やひび割れなどを気にする必要がなく、安心して取り組めそうです。
ポリキャップも不使用。背部にリフターを装備しているため、後方に負荷がかかりますが、関節強度が適度にあり、脚底もしっかりと接地できるので自立は安定します。
■付属品
赤熱化状態の腕部クロー(対装甲斬牙爪)(左右)、破損頭部パーツ、リフター用のビーム刃パーツ✕4が付属。
背部リフターを外した状態で。
フレームのみの状態で全身から。ソール部は外装パーツで固定するため、シンプルに乗せているだけです。不安定なので取り扱いに注意です。
■各部形状
HG ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)の各部を見ていきます。
■頭部・胴体部
頭部・胴体部。ドーム状の頭部に加え、胴体部に幅広の装甲を持つズゴックらしいシルエットで造形。モノアイレールや胸部エアインテーク、スリットダクトなどもパーツできっちりと色分けされています。
頭部表面には地対空ミサイル ジャーヘッドを装備。ミサイル弾頭もパーツできっちりと色分けされています。中央には白いカバーパーツで覆われた弐式のアンテナが造形。なかなかの存在感を醸し出しています。カバーパーツ裏の肉抜き穴もモールドっぽく造形。
モノアイはクリアピンクパーツでの再現。レールの可動ギミックによって左右にスライドさせることができます。レールの表面にはスリットモールドがきっちりと造形。メカらしい雰囲気が強調されています。
外装パーツを外すと胴体内部には簡単な内部フレームが造形。
モノアイは蛍光クリアピンクでブラックライトに反応。やや弱いですが発光します。
更にフレームの内部にはインフィニットジャスティス弐式の頭部と胴体部が格納されています。劇中の印象的だった仕様を再現するため、かなりこだわった造りになっているようですね。
内部に収納されている弐式とHGインフィニットジャスティス弐式の頭部・胴体部を並べて比較。シルエットは似ていますが、構造や形状、色分けはかなり違っています。当然ズゴック内部のもののほうが造りが簡易的。
付属の弐式はツインアイや額のセンサーがパーツ分割されていないので、シールで色分けするか、塗装で塗り分ける必要があります。
胴体部も形状は簡易的ですが、各部が柔軟に可動するようになっています。なんならHGの弐式よりも可動域が広め。アンテナも角度変更が可能です。
内部にはHGインフィニットジャスティスガンダム弐式の頭部と胴体部を格納することもできます。
破損頭部に組み替えて。こちらはモノアイレールがないため、内部の弐式の頭部を直接確認できるようになっています。地対空ミサイル ジャーヘッドや破損部分のフレームなどはグレーに塗り分けが必要。
肩は前後にスイング可能。
腰部は1stズゴックの逆三角形型とは異なり、各面に厚みのある装甲を装備。フロントアーマーは左右個別に可動するようになっています。
フロントアーマーは中央の装甲を少し手前に引き出すことで広めに展開させることが可能。
腰アーマー裏はフロントとリアアーマー裏にフレーム状のモールドが造形。チラ見対策として塗り分けても良さそうです。
股間部はボールジョイント構造で前後など適度に可動。脚部の可動域を少し広げることができます。腰部には可動ギミックがあり、サイドアーマーを適度に展開させることが可能。
■腕部
腕部は蛇腹状の上腕部と筒型の前腕部、3爪のクロー(対装甲斬牙爪)が印象的に造形。1stのズゴックとよく似たデザインで立体化されています。ただし前腕にはSEED FREEDOM Ver.特有のシールドを装備。
前腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。シールドも2枚パーツできっちりと色分けされています。
腕部にはメカニカルな内部フレームが造形。外装に応じた長いフレームになっています。上腕のパーツは組み付ける向きを上下で間違えないように注意です。間違えると画像赤丸のように少し白化します;
3爪のクロー(対装甲斬牙爪)は展開可能。中央には重粒子力線砲のビーム口がパーツで丁寧に色分けされています。
上腕は筒形パーツを重ねて蛇腹状にする仕様で自然な動きが表現できます。合わせ目はありません。
■脚部
脚部。こちらも大腿部の蛇腹と丸みのある下腿が印象的。1stのズゴックそのままのデザインで造形バランスも良いです。
蛇腹状の大腿部はこちらも筒状パーツの組み合わせで合わせ目はなし。下腿部分も前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。
下腿内部には、簡易的ではありますがインフィニットジャスティス弐式の脚部が再現されています。外装を被せると殆ど見えないですが、そういった部分にもこだわりが感じられるようになっています。HGとは結構形状が違うようですね。
蛇腹状の大腿部はくねくね角度変更が可能。輪型パーツの組み合わせなので見た目も自然です。
膝を曲げると後部装甲も内部に収納されるようになっており、可動にもしっかりと配慮がされています。肘も同様の構造。
ソール部はも丸みのあるズゴックらしいデザインで造形。足裏にはインフィニットジャスティス弐式の足裏が格納されるなど、劇中でも垣間見られた特徴的な形状が再現されています。
■バックパック
背部にはリフター「M2X32Eフォランテス」を装備。M2X32Eフォランテスは新設計のリフターで、ファトゥム-01に代わる形で運用されています。
ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)背部とは2箇所の角型ダボ接続。
HGCEインフィニットジャスティスガンダムと共通なため、ズゴックにファトゥム00を装備させることもできます。
機首とビーム砲を展開し、ウイングを90度ロールさせることで飛行形態に変形可能。こちらはウイングを閉じた状態(水平にした状態)の「ガンモード」になります。
ガンモードのM2X32Eフォランテスを色んな角度から。
特にロック機構はありませんが、全体的に軽量でパーツの組み合わせ強度も適度にあるため、自然に形状が変わってしまうようなことはないようでした。
機首部分は左右の組み合わせですが、中央の合わせ目は段落ちなどでモールド化。左右の高エネルギー長射程ビーム砲は上下に可動させることができます。高エネルギー長射程ビーム砲は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。
ウイングは2枚重ねで厚みのあるウイングを形成。前面のビーム発振器は黒いパーツでの色分けとなっています。表面にも適度なモールドが造形。チープな感じはありません。
ウイングの基部には「AIM-1913D自律誘導中距離空対空ミサイル スコルピオ」を装備。前面には4門のバルカン砲が特徴的に造形されています。後方もスラスターが造形。
ウイングは上下に分離展開可能。前面に付属のビーム刃を組み付けることで「スラッシャーモード」を再現することができます。
フォランテス基部は適度に厚みがあり、表面には細かなモールドが造形。
後部スラスターもパーツできっちりと色分けされています。
フォランテスの底面には3.0mm穴があるので単体でディスプレイさせることができます。
ウイングを展開して4枚の「スラッシャーモード」に。高エネルギービーム砲を上下動かして表情を変えてみても良いですね。
劇中では見られませんでしたが、ズゴックとM2X32Eフォランテスを分離させた状態での攻撃シーンを再現してみても面白いかも。
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。HGとしては結構大きめ。全高であればνガンダムにも匹敵するような大きさになっています。横幅もあるのでボリューム感も十分。
HGUCとRGのシャア専用ズゴックと並べて比較。部分的にSEED系のアレンジはされていますが、それでもズゴックらしさはしっかりと表現されています。カラーリングや配色はHGUCに類似。大きさはSEED FREEDOM Ver.が少し大きめです。
HGインフィニットジャスティスガンダム弐式と並べて比較。改修で全身を埋め込むにはちと厳しいかもしれませんが、弐式が入っていても不自然ではないくらいのサイズ差かなと思います。
劇中で激しく交戦したHGブラックナイトスコードシヴァと並べて比較。アスランがズゴックでやって来たのを見た際はとにかく度肝を抜かれました;立ち上がる姿もシャアのズゴックをオマージュしていて面白かったですね(笑)
■各部可動域
腕はY字程度まで上げることができます。肘は1重関節でV字程度まで曲げることが可能。
ちょっとわかりにくいですが、肩は少し前後スイングが可能です。
上半身は適度に前後スイングが可能。
腰は少し干渉しますが、360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。スラスター穴3箇所がジョイント穴になっていてお好みの箇所が使用可能。
前後開脚は広めに展開可能。ただしフロントアーマーが干渉するため、前面はアーマーを避けるように展開する必要があるのと、後方はリアアーマーが可動しないため展開が制限されます。
膝は1重関節でくの字程度まで曲げることができます。膝装甲裏はパーツできっちりと蓋がされていて見た目が良いです。
足首は少し可動する程度ですが、引き伸ばすことで広めに可動するようになっています。
左右への開脚は水平まではいきませんが、広くまで展開させることができます。
足の付根がロールするので、内股、ガニ股共に広く可動します。
立膝はきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、特別広くはないですが、不自由な感じもなく各部とも割とよく動きます。左右への開脚や肘膝、立膝なども問題なく再現できますし、躍動感あるポーズもまずまず再現できそう。劇中シーンの再現性も高そうです。
■ポージング
メット部パーツが簡単に取り外せるので、モノアイの左右への可動も容易に変更可能。ただ、モノアイがそんなに目立たないので、LEDで発光させたり、マーカーや蛍光塗料などを使って目立たせたほうが表情がつきやすくて良いかもです。
足首を伸ばすと角度が付けられるので接地が安定します。なので自立してのポーズがしやすいのが良いですね。
可動が柔軟なのでより自然な動きが表現可能。劇中シーンのような表情も付けやすいです。特にパーツのポロリなどもありません。あえて言うなら立膝を付いたときなどに腰アーマー(フロントとサイド)が若干外れやすいかなと言う程度。
赤熱化状態のクロー(対装甲斬牙爪)は形状自体は通常のものと同じ。ですが爪が蛍光レッド成形色での再現で、ブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。中央のビーム口はパーツでの色分けとなっています。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。全く文句がないくらいにズゴックらしく、キット自体の完成度も高いです。SEEDアクションシステムによって可動域が広く動かしやすいのが良いですね。弐式を格納するための内部フレームも完璧なまでに再現されていますし、構造もかなり面白くて関心します。劇中の設定をそのまま反映させたような、とてもこだわった造りになっているのが良いですね。
気になる点は殆どないですが、あえて言うなら、内部に弐式が収納されていたり、フレームが再現されているため重量があるので、浮かせてディスプレイさせる場合は強度のあるスタンドを使ったほうが良さそうです。
パーツのポロリなども殆どなく、ストレスなくポージングを楽しむことができますし、蛇腹関節がヌルっと動いて強度もあるのでより自然な表情が付けられます。劇中シーンの再現もサクサク再現できますし、破損頭部で劇中の弐式頭部がちらりと覗く演出も忠実に再現可能。SEED版ズゴックの良さが余すことなく再現されているのがとにかく嬉しいですし、高いクォリティで楽しめるのが良いですね。
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