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HG シグーディープアームズ レビュー

今回は、2004年8月に発売されたHG 1/144 YFX-200 シグーディープアームズのレビューをご紹介します!

HG シグーディープアームズは、『機動戦士ガンダムSEE MSV』より、MS『YFX-200 シグーディープアームズ』の1/144スケールモデルキットです。両肩に大型ビームキャノンを持つ特徴的な機体形状を再現。キャノンの回転可動により、大胆な射撃ポーズも再現可能なキットになっています。価格は1,650円(税込み)です。

地球軍から奪取したGAT-Xシリーズを解析し、MS用小型ビーム兵器技術を習得。シグーをベースにその技術検証を目的として作られた実証テスト機『YFX-200 シグーディープアームズ』がHGでキット化。

2004年4月に発売されたHG シグーをベースに、頭部や脚部、背部バックパックといった各部、両肩の大型ビームキャノン(試製指向性熱エネルギー砲)、レーザー重斬刀といった武装が新規造形で再現されています。

ちなみに機体名の「ディープアームズ」は「Directional Energy Emission exPerimental Arms(指向性エネルギー放射兵器試験機)」の略称。

成型色はブルーを基調に、頭部や腹部、膝部などにライトブルーを配色。その他、背部のコンポーネント・バックパックや両肩の試製指向性熱エネルギー砲、腰のレーザー重斬刀はグレー、一部装甲や内部・関節はパープルグレー成型色での再現となっています。

シールは頭部モノアイや腰部モールド、脚甲の一部を補うくらいで少なめ。背部コンポーネント・バックパックや両肩の試製指向性熱エネルギー砲、各部ダクトなどを細かく塗り分ける必要がありますが、素組みでも物足りなさがないくらいの色分けが再現されています。

KPSは不使用。ABSも使用されていないので、塗装する場合でも破損を気にすることなく処理することができます。

ポリキャップはPC-123プラスの殆どを全身各部に使用します。肘・膝関節共にポリキャップとPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。背部にバックパック、両肩に試製指向性熱エネルギー砲を装備していますが、特に負荷などはかからず、自立は安定しています。

レーザー重斬刀用のビーム刃が付属。レーザー重斬刀本体は腰部に、試製指向性熱エネルギー砲は両肩に組み付けているので、付属品はこれだけになります。

HGシグー用のパーツがいくつか余剰で付属します。肩のフィンや背部ウイングなどがないので通常のシグーとして組むことはできません。76mm重突撃機銃や握り手が付属しているのでおまけ武装として装備させてみるのも良いですね。

シホ・ハーネンフースのエンブレム『鳳仙花(ホウセンカ)』やザフトのエンブレムが収録されたマーキングシールが付属。企画『機動戦士ガンダムSEED MSV戦記』や読み切り作品などでシホ・ハーネンフースが搭乗しているため、シホのエンブレムも収録されているようです。

一見するとシグーと同じに見えますが、基部パーツ以外は全てディープアームズ用に新造。額の指揮官機用アンテナや左右の尖った装甲、後頭部の大型フィンなどが印象的にデザインされています。

全体的に合わせ目の出来ないパーツ構成。後部フィンは上下の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールドとしておいても良さそうです。頬の2本動力パイプはグレーに塗り分けが必要。

モノアイは特にモールドは造形されておらず、黒いシールの上にオレンジのモノアイシールを貼っての再現です。

モノアイのシール位置を貼り替えることで表情を変化させることができます。

胸部・腹部はシグーから変わらず。上下など各部装甲がパーツで細かく色分けされ、左右のエアインテークも別パーツでの再現となっています。エアインテーク内部やその内側のスリットモールドは黒く塗り分けが必要。

首はポリキャップ接続、肩は胴体から伸びる1軸接続ですが、どちらも固定式で特に可動ギミックはありません。

フロントアーマー、リアアーマー共にシグーと同じ。リアアーマーには縦長の存在感あるアーマーになっています。フロントアーマー中央のモールドはライトブルーのシールで、下はパープルグレーのパーツでの色分けです。

フロントアーマーは幅広く展開させることができます。腰アーマー裏にモールドはなく、フロントアーマーの一部が凹んで入る以外はフラットな状態。股下からリアアーマー裏が見えますが、何もなくきれいな状態なので見えても問題はなさそうですね。

腰部右にはバッテリーパックが造形。簡単な1個パーツ構成ですが、動力パイプのようなモールドが細かく造形されています。動力パイプはライトブルーに塗り分けが必要。腰部左にもレーザー重斬刀用のホルダーを装備。レーザー重斬刀を収納することができます。

腕部。シグーではショルダーアーマー側面にF91のような2枚フィンを装備していましたが、ディープアームズではそれらがオミット。オミット箇所は簡単な装甲で蓋がされています。上腕以下はシグーと同じで細身の腕部が再現されています。

上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので合わせ目消しはラク。

左腕の前腕には28mmバルカンシステム内装防盾用のハードポイントがそのまま残されているので、余剰のバルカン砲を組み付けて追加武装として楽しむのもありかと。

ショルダーアーマーは軽装。簡単な前後の組み合わせで上部に合わせ目ができます。側面のグレーの装甲は微妙に可動する程度。

脚部は膝から下の部分がディープアームズ用に新造。シグーはジャスティスの脚部によく似たデザインでしたが、こちらも少し厚みが増しているくらいで、それに似たデザインで造形されています。後部の角型スラスターはフチをライトブルーに、内部をレッドなどに塗り分けが必要。

大腿部、膝から下共に簡単な左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。膝から分離するので、どちらも合わせ目を消すのはラクそうです。

ソール部はシャープなつま先を持つ特徴的なシルエット。脚甲の青い丸モールドはパーツで細かく色分けされていますが、一部装甲は青いシールでの色分けです。

足裏はモールド入りの裏打ちパーツで蓋がされているため、肉抜き穴などはありません。安価ですが、こういった細かい箇所にしっかりと気を使ってあるのは良いですね。

背部には特徴的なコンポーネント・バックパックを装備。両肩の試製指向性熱エネルギー砲搭載に伴って増設されたバックパックで、負荷の増大に対応した強化冷却システムや増設パワーユニット等が搭載されているとのこと。中央上下のフレームやコイルのような装甲はライトブルーに塗り分けが必要です。

左右の円形装甲は簡単な2枚パーツ構成ですが、中央の合わせ目は段落ちモールド化されています。下部には簡易的な2口のスラスターが造形。フチをライトブルー、内側をレッドに塗り分ける必要があります。別パーツ化されているので塗り分けはラクそう。

バックパックは簡単な上下の2ダボ接続になります。

背部ポリキャップ穴には試製指向性熱エネルギー砲用のアームを接続。アームは簡単な1個パーツ構成ですが、動力パイプのようなモールドが細かく造形されています。中央の凹んだ箇所やキャノンへの接続付近はグレーに塗り分けが必要。

背部アームから両肩に配置するJDP8-MSY0270 試製指向性熱エネルギー砲。大型のビーム砲ですが、巨大なユニットの大半は強力な冷却システムで占められているとのこと。

発砲のたびに背部から熱を帯びた大量の冷却ガスを大量に噴出するため、ガスの残量が切れると発砲不能になるそうです。あくまで試作段階の武装なので、PVのSEED MSVではロウ・ギュールに指摘されていたところも。

砲身部分にメカニカルなモールドが造形。見た目的にも物足りなさは全くありません。上下の動力パイプのようなモールドはパープルグレーに塗り分けが必要。側面の黄色いダクト内部も黒く塗り分ける必要があります。

砲身部分は簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。青い外装部分は後から組み付けるため、合わせ目はそのまま消せば良いのでラク。

後部スラスターは簡単な2個パーツ構成。スラスター口の内側は赤や黒に塗り分けが必要です。

スラスターは上下に可動。

試製指向性熱エネルギー砲はボールジョイント接続で上下に幅広く可動させることができます。左右へも少し動きを付けることが可能。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。ディープアームズ本体は特別大きくはなく、陸ジムと同等程度。ですが両肩の試製指向性熱エネルギー砲が大柄なため、そのぶん少し幅があって高さも増しているようです。

PVのSEED MSVで戦闘を繰り広げたHGガンダムアストレイレッドフレーム(フライトユニット装備)と並べて。発売時期に10年ほどの差があるため、アストレイのほうがスタイリッシュですが、組み合わせてもそこまで違和感は無いのかなと。

同じMSVシリーズのHGジンハイマニューバHGハイペリオンガンダムと並べて。どれも個性的でメカニカル。重厚感がありますし、通常のベース機とは違ったMSVならではの良さがありますね。

頭部は少し上下する程度。左右へは顎が干渉しますが、水平にまでスイングさせることができます。

ショルダーアーマーのグレーの装甲が干渉するため、腕は水平にまで上げることはできません。肘は1重関節で90度ほど曲げることが可能。

肩に可動ギミックがないため、肩の前後スイングはありません。画像は省きました。

腰がポリキャップと1軸ダボ接続で、上半身は少しだけ前後させることができます。

腰は干渉なく360度回転可能。バックパックや両肩の試製指向性熱エネルギー砲を装備していても可動域は同じです。股間部にアクションベースやスタンド用のジョイント穴はないので、浮かせてディスプレイさせる場合は股間部にコの字パーツを組み付けてディスプレイさせます。

前後開脚は、フロントアーマーが広く展開するので、前方への開脚は幅広く展開可能。後方はリアアーマーを交わすようにすれば広く展開できます。

膝は2重関節である程度深くまで曲げることができます。

足首は前後へは適度に、左右へは広めに可動します。

股間部がボールジョイントなので、左右への開脚はハの字程度まで。ただし股間部にコの字パーツを挟んでいると半分くらいに制限されます。

内股、ガニ股は共にハの字程度まで。

立膝はまずまずな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、全体的にHG SEEDシリーズのキットと大きく変わらずで特別広くはないですが、狭いほどでもないのである程度ポーズを取らせることは出来そうです。ただし腕があまり上がらないぶん、腕の動きは少し制限されそうではありますね。

NOL-Y941 レーザー重斬刀。地球軍から奪い取った技術データを基に、わずか3週間という短期間で開発させた接近戦用の武装になります。簡単な3個パーツ構成ですが、特に落ち度はなくしっかりとした作りになっています。

鍔の部分も別パーツでメカニカルに造形。

刃の内側に付属のビームエフェクトパーツが組み付け可能。ビームエフェクトパーツは刃先と付け根の間に挟むため、折れないようにゆっくりと曲げながら組み付けていく必要があります。

レーザー重斬刀は腰部左のホルダーに差し込んで固定。適度な固定強度があるので、ポージング時もふらついたり抜けたりすることなく装備しておけます。

試製指向性熱エネルギー砲を前方に展開して射撃ポーズを再現。前方に多少負荷がかかりますが、うまくバランスを調整することで自立は可能。足首が広めに可動するので、又を開いた状態でも問題なく自立してくれます。

試製指向性熱エネルギー砲は少しなら左右に動くので、片側に向けての射撃ポーズも一応再現することができます。

レーザー重斬刀は柄をハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。少し太さが合わず抜けやすいですが、クルッと回転したりするほどではないのでまぁ問題はないかと。腕の角度によっては抜け落ちてしまうので注意です。

両肩の試製指向性熱エネルギー砲はボールジョイントで自由に角度が変えられるので、ポーズにダイナミックな表情がついて良いですね。

股間部にコの字パーツを挟んでいるとあまり開脚できないので、ポージングの幅がやや制限されやすいです。スタンドのアームパーツなどでバックパックを掴んでやったほうがポージングは捗るかも。

余剰の武器で遊んでみたり。どんなポーズでも様になりますし、格好良く決まるのが良いですね。(76mm重突撃機銃は余剰の武器持ち手を使って保持しています。)

全ての火器を使って集中砲火シーンを再現。

グゥル(ディープアームズが搭乗していた輸送機)はキット化されていないのでありませんが、SEED MSVのPVで交戦したアストレイレッドフレームと組み合わせてシーンっぽく演出。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。武装類が多いわけではないですが、両肩の試製指向性熱エネルギー砲にはかなりの存在感がありますし、ボールジョイントで自由に可動するのでポーズに表情が付きやすいです。おかげでどんなポーズでも格好良く決めることができるので、可動域が広くなくてもそんなに気にはなりません。

気になる点としては、ショルダーアーマーとの干渉で腕があまり上がらないので、グレーのパーツを可動させるなどもう少し動く仕様にしても良かったのかなと。それとHG SEEDシリーズのキットではお馴染みですが、握り手に対してレーザー重斬刀の柄が細身なため、腕の角度によってレーザー重斬刀が抜け落ちやすいので注意です。

古いキットですが、プロポーション的な違和感もなく、武装類の造形も細かくリアルです。MSVシリーズならではのメカニカルさや重厚感があって格好良さも倍増。10年後に発売されたアストレイと組み合わせても殆ど違和感はないですし、まだまだ現役として十分に楽しめる、魅力的なキットに仕上がっているのが良いですね。

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1件のコメントがあります。

  1. 774

    on 2024年1月21日 at 09:06 - 返信

    剣のビームエフェクトが長すぎて歪むのは相変わらずみたいですね
    再販はありがたいですがこういう明らかな不具合は修正して欲しいです

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