こんにちは!今回は、エアブラシ(タミヤSX-74802ハンドピース)のメンテナンスをご紹介します!
ガンプラや模型類をキレイに塗装する際にはとてもよく使うエアブラシ。キレイにムラなく塗装して、満足な完成品に仕上げるにはある意味必須のアイテムですが、使っていると段々不具合が生じてくるようになります。
その不具合で多いのが、エアーが出っぱなしになってしまうとか、塗料が詰まって吹き出ないといった問題です。これらの問題の原因は、エアブラシの穴が詰まってしまったり、バルブやレバーなどがスムーズに可動していないということ。この原因を解消するには、定期的にエアブラシをメンテナンスして、つまりをなくしたり、可動をスムーズにしてやる必要があります。
自分のエアブラシもすでに半年以上?1年?くらい使用しているものなので、最近可動がスムーズにいかず、エアーが出っぱなしになってきました。そのままでも使えなくはないですが、エアーが無駄に出るので塗料も余計に出てしまったり、周りのゴミがエアーで吹き上がってパーツに付いたりすることもあるのでけっこううっとうしかったりします。そこで今回は、このエアー出っぱなし現象を解消するためにも、エアブラシのメンテナンスをしておきたいと思います。
まずは使用しているエアブラシ(タミヤSX-74802ハンドピース)です。ダブルアクションのエアーと塗料の吹き出る量を別々に調整できるハンドピース。大体ダブルアクションハンドピースの構造はどれも似ていて、これも同じようなものです。なので、このメンテナンスレビューはどのダブルアクション型エアブラシでもある程度参考にできるものになっていると思います。
ちなみにダブルアクションは、上のメインレバーを下に押すとエアーが出るようになっていて、後ろに引くと塗料が出るようになっています。この2機構を持つエアブラシをダブルアクション型と呼びます。指先でメインレバーをうまく調節することで、エアーも塗料も出る量を調整できるというスグレモノです。
このエアブラシはアマゾンで7,000円以上する、けっこうお値段が高めのものですが、これを購入した理由はカップが大きかったからです。MGなどの大きめパーツを大量に塗装する場合、かなり多めに塗料が必要になってきます。紙コップなどに塗料を合わせてキープしておけば問題ないですが、何度も塗料を補充するのが面倒ということもあって、この大きめカップのタミヤSX-74802を使用しています。
それから今回エアブラシのメンテナンスに使用するクリーニングセット『タミヤエアーブラシシステム スプレーワーク エアーブラシ用クリーニングセット』とMr.カラーうすめ液です。
タミヤのクリーニングセットはノズルシール材やグリス、クリーニングブラシなどが全てセットになっていて、ノズルレンチまで付属しているのでお買い得と思い購入しました。こういったメンテナンス品は頻繁に使うものでもないので、グリスもこの量があれば一生くらいもつアイテムだと思います。使わないものを細かく分けて購入するよりも、一式がまとめて入っている低価格セットのものを入手しておけば事足りるかと。
もしグリスを別途購入する場合は、ものによってはゴム製のOリングを侵食して溶かしてしまうものもあるので、そのあたりを十分確認して購入しましょう。
うすめ液についてはツールクリーナーなどを使えばいいのですが、とりあえず手元にあったうすめ液をそのまま使用しています。部屋でメンテナンスをする場合は、匂いがこもらないよう換気などを徹底して行いたいですね。あと、全く匂いの出ないクリーナー『アイクラフト ツールクリーナージェル』なんてのもあるので、お金に余裕があれば入手してみてはいかがでしょうか。※うすめ液はこの後、クリーナーと表記してご紹介していきますので、お間違えのないようにお願いします。
まずエアブラシのつまりがよく起こる原因ですが、これはつや消し塗料や金属系塗料を使うとつまりやすくなります。
つや消し塗料には細かいガラス?の粒子が含まれていて、この粒子によって塗装面が凸凹になります。この凸凹が光の反射を拡散させることで艶がないように見えるのですが、この細かい粒子がエアブラシに蓄積されてつまる原因になるというわけですね。
一方、金属(メタリック)系塗料には金属粒子が含まれていて、この粒子を含んだ塗料を吹きかけることで、輝きのある美しい塗装面に仕上がります。しかし、しっかりと薄めてやらないと粒子が偏り、エアブラシがすぐに詰まったりして、吹きかけても塗装面がザラザラになってしまったりします。この金属系粒子もエアブラシの内部に溜まりやすく、つまる原因になってしまいます。
これらの原因から、エアブラシを頻繁に使用していると詰まったり、つや消しの粘着質の粒子がたまって可動がぎこちなくなったりしてきます。これらを解消するために、定期的なメンテナンスが必要というわけです。
随分前置きが長くなってしまいましたが、それではエアブラシを分解してクリーニングをしていきます。
まずはエアブラシを分解した状態。メインレバーとエアバルブは一体型になったものも多いですね。そしてエアブラシの中でも特に詰まりやすい箇所がカップの底(エアーと塗料の吹き出し口)やエアバルブ付近、そして本体内部中央に位置するニードルの通し穴です。
エアバルブ付近は内部にあるOリングとエアバルブがつや消しの粒子などでつまり、スライドしにくくなります。そしてバルブが戻らず、エアーが出っぱなしになるんですねー。
それではエアブラシクリーニング用のその他の道具を用意しておきます。その他の道具は綿棒、爪楊枝、塗装筆、塗料皿などです。この他にもウエス(布)やティッシュですね。手持ちのもので代用できればそれでもOKかと思います。
まずはノズルをキレイにしていきます。ノズルはかなり小さいので、紛失させないよう特に注意して取り扱います。
ノズルを外す時はエアブラシに予め付属しているレンチを使うか、クリーニングセットに付いているレンチを使って優しく回して外します。ムリにひねるとノズルのねじ部がすぐに折れてしまうので注意です。
ブラシ(細)にクリーナー(うすめ液)をつけ、ノズル内部に差し込んで掃除していきます。汚れていないように見えても透明なつや消しの粒子などが詰まっていることがあるので、丁寧に掃除しておきます。あと、クリーニング用のブラシにはティッシュが巻き付いてちぎれたりします。なので、あまりブラシとティッシュはかみ合わせ過ぎないよう優しく汚れたブラシを掃除しておきます。
次に本体です。大きいブラシにクリーナーをつけ、本体内部を掃除します。そして内部につまっている塗料などを溶かしておきます。その後に綿棒や塗装筆で内部を細かく掃除して汚れを落としていきます。
ブラシを濯ぐだけで大量の粒子が出てきます。つや消しの粒子も見えないだけで、かなりの量が溶け出していると思います。あと、ブラシの先端はかなり曲がりやすいので、差し込んで掃除をしているとき、ひん曲げて折ってしまわないよう注意が必要です。
エアブラシ本体のノズル付近もかなり汚れていて、細いブラシを差し込むと黒い汚れがついて出てきました。白いブラシ先がまっくろけっけ^_^; これだけ汚れているんですねー、詰まるわけだ^_^;
各部しっかりとブラシを駆使し、汚れを落としておきます。スゴイ汚れの量^_^;
では一通り各部の汚れを落としたら、今度はノズル部分にシール材を塗っておきます。ノズルシール材はエアーの漏れ防止やネジ部の摩耗防止のために使用します。ノズルは細かく繊細な部分なので、ねじ部をきつくハメすぎて摩耗するのを防いだりするんですね。
シール材は赤色の糊状の材質です。小学校で使用した「糊(のり)」の香りがしますね。懐かしい感じ♪ 爪楊枝でねじ部に塗っておきます。ノズルを手に持ってグリスを付ける時は、ノズルが小さいのでふっとばさないよう注意して行います。一番大事な部分なので、なくしてしまわないよう注意です。
またレンチを使って、優しくノズルを取り付けておきます。あまりきつく締めすぎるとネジ部分が弱くなったり曲がってしまったりするので、ある程度締まったらそれまでにしておきます。
それから今度はねじ部やスライド部にグリスを塗っていきます。塗る箇所はエアバルブのピストン部、メインレバー、エアーバルブ、そのほかネジ部分です。ねじ部は一部分にグリスを塗っておくと、回してハメる時に全体にグリスが広がります。
特にエアバルブのピストン部やメインレバー、エアーバルブはスライドする肝の部分なので、必ずグリスを塗っておきます。グリスは余計に塗ってしまうと玉になってかたまり、エアーや塗料の吹き出しの妨げになる場合があるので、各部位の表面に膜を作るように塗っていきます。
メインレバーは、ダボやレバーの下部全体に塗っておくと、レバーを押したり引いたりする可動がよりスムーズになります。
念のため、エアバルブ穴のOリングにもグリスを塗ってバルブがよりスムーズにスライドするようにしておきます。
ここまでグリスを塗ったら後はハンドピースを組み立てて完成です。
以上、エアブラシのメンテナンス方法をご紹介しました。
グリスを塗った後のエアブラシは新品に近い性能に戻り、エアーも全く出っぱなしになることもなくなりましたし、メンテナンス前のギシギシしていた可動も滑らかになってかなり使いやすくなりました。ネジ部分も回す時に錆びたような動きだったのが、かなりスムーズに回るようになりました。
つや消しや金属系の粒子は、塗装面はキレイに仕上がっていいのですが、繊細なエアブラシにおいてはけっこう厄介者です。なので、もしエアブラシの動きがおかしいなと感じたら早めにメンテナンスして、キレイな塗装ができるように心がけておきましょう。