今回は、2010年2月に発売されたHGUC 1/144 RGM-89S スタークジェガンのレビューをご紹介します!
HGUC スタークジェガンは、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS『RGM-89S スタークジェガン』の1/144スケールモデルキットです。特徴的なミサイルポッドやアーマーを新規造形で再現。重武装仕様ながらも自由なポージングが可能なキットになっています。ハイパー・バズーカを含む武装各種やロンド・ベル隊、機体番号が収録されたマーキングシールが付属。価格は2,200円(税込み)です。
クラップ級巡洋艦「キャロット」の小隊長機としてクシャトリヤと交戦し、奮戦するも撃破されたジェガンD型の強化仕様機『スタークジェガン』がHGUCでキット化。2009年8月に発売されたHGUC RGM-89 ジェガンをベースに、D型特有の各部形状や肩部の3連装ミサイルポッド、脚部装甲、背部バックパックといった各部増加装甲が新規造形で再現されています。『スターク』とは『硬い・硬直した』という意味。
成型色はややくすみのあるライトグリーンをベースに、胸部エアインテークにイエロー、3連装ミサイルポッドの弾頭や腰部中央にレッドを配色。各部増加装甲はブラウン気味のグレー、関節やバーニアなどはグレー成型色での再現となっています。
ホイルシールは付属せず。各部バーニア内部やダクト、足裏のモールドなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも大部分の色分けは再現されています。
肩や肘、膝関節など強度が必要な部分のパーツにはABSが使用されています。KPSは不使用。
ポリキャップはPC-132Aの殆どを使用します。ABSパーツによる関節強度は高め。肩に3連装ミサイルポッド、背部にスタビライザーやスラスターを持つバックパックを装備していますが、負荷は少なく自立は安定しています。
ハイパー・バズーカ、ビームライフル、武器持ち手(右)、ビーム・サーベル刃(長、短)、サーベル柄が付属。
HGUCジェガン用の余剰パーツがいくつか付属。肩部装甲やソール部パーツなどが付属しないので、通常のジェガンとして組むことはできません。
ロンド・ベルや連邦のマーク、機体番号が収録されたマーキングシールが付属します。
HGUCジェガンと比較しながら各部を見ていきます。
頭部をHGUCジェガンと並べて。全体がスタークジェガン用に新造。グレーのマスクや左側面のバルカンポッドシステムなども特徴的に造形されています。共通なのは額のひさし装甲とクリアブルーのバイザーのみです。
シルエットは似ていますが、細部形状がかなり違っています。メット部にはラインモールドが造形。右側面のダクトは2口になっています。
胸部をHGUCジェガンと並べて。こちらも全体がスタークジェガン用に新造。中央にはグレー成型色の増加装甲が、左右にはイエロー成型色のエアインテークが再現されています。胸板にはダミー弾発射口も造形。
腰部をHGUCジェガンと比較して。スタークジェガンは前後とも厚みのある装甲が造形されています。中央のV字やアーマー各部のダクトは黄色などに塗り分ける必要があります。成型色と隠蔽の関係でムラができやすいので、下地塗装しないと難しいかも。
首はボールジョイント型パーツで構成されています。サイドアーマーにはビームライフル用のマガジンが造形。付属ビームライフルへの脱着ギミックはありません。
腰アーマー裏は各部ともプレーンで起伏も少なめ。裏打ちパーツなどは自作しやすそうです。
腕部をHGUCジェガンと並べて。二の腕以下の形状は同じですが、肩上部には3連装ミサイルポッド、前腕には特徴的な増加装甲を装備。重厚感あるシルエットに変化しています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。前腕の増加装甲も合わせ目が出来ないパーツ構成。
前腕のサーベルホルダーにハッチ開閉ギミックなどはありませんが、ハッチのモールドは造形されています。
ショルダーアーマーはD型仕様。グレーのマウントラッチを前後で組み合わせる構造になっています。3連装ミサイルポッドは太めの1ダボ接続で、劇中のような脱着状態を再現することはできません。
グレー成型色パーツを外すと通常のD型ショルダアーマーになります。側面のダクトは黄色や黒に塗り分けが必要。前後の組み合わせで上部や側面に合わせ目ができます。
3連装ミサイルポッド。本体部は上下2枚パーツ構成で側面や後部ダクト周りなどに合わせ目ができます。ミサイルの弾頭は赤いパーツでの色分け。上部センサーは黄色く塗り分ける必要があります。
裏面にもラインモールドが造形。
脚部をHGUCジェガンと並べて。スタークジェガンは膝から下に特徴的な増加装甲を装備しています。増加装甲は脚部本体にダボ固定するわけではないので、遊びがあって脚部を振るとカチャカチャと音がします。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下は前と左右装甲の組み合わせですが、こちらも合わせ目は段落ちモールド化されています。増加装甲も合わせ目が出来ない組み合わせ。
後部や増加装甲のバーニア、増加装甲側面のダクトなどは黄色に塗り分けが必要です。筆塗りなどだとムラができやすいので注意。
増加装甲を外すと通常のジェガン脚部になります。
ソール部をHGUCジェガンと並べて。脚底にスタークジェガン用の厚みのあるものが新造されています。
足裏はモールド入りの裏打ちパーツが造形されています。肉抜き穴はなし。モールドに沿って一部をグレーに塗り分ける必要があります。
背部をHGUCジェガンと並べて。スタークジェガンは上部スタビライザーや下部に2枚のスラスターを持つ特徴的なバックパックを装備しています。
バックパックは通常のジェガンと同じ角型2ダボ接続。なので通常のジェガンバックパックも装備可能です。固定強度は高め。
スタビライザーは上下2個パーツ構成で側面に合わせ目ができます。下部の台形型ダクトは黄色く塗り分けが必要。
下部の縦長スラスターも上下の組み合わせで側面に合わせ目ができます。
バックパック基部は前後2枚パーツ構成の簡易的な作り。側面に合わせ目ができます。下部大型バーニアは内部を黄色く塗り分けが必要。
スタビライザー、スラスター共に上下に可動させることができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。ルプスレクスと同程度の大きさでHGとしては中間程度。スタークジェガンの全高は19.2mです。
ベースのHGUCジェガンと並べて。成型色が渋みのあるグリーンに変わっている他、武装各種や増加装甲などによってかなりカスタマイズされたジェガンになっています。
HGUC ジェガン(エコーズ仕様) コンロイ機、HGUC EWACジェガンとも並べて。ジェガンには多数のバリエーション機が存在します。各種とも機動戦士ガンダムUCに登場。
劇中で交戦したHGUCクシャトリヤと並べて。共に1/144ですが、スケールが違っていると思えるくらい大きさに差がありますね。
頭部形状が変わっているため、HGUCジェガンとは上下スイング幅も異なります。左右へは干渉なくスムーズにスイングが可能。
ショルダーアーマーがD型に変わっているため、腕は水平程度までしか上げることができず。3連装ミサイルポッドの有無は影響ありません。肘は同じ。1重関節で90度程度までとなります。
腰はどちらもバックパックとサイドアーマーが干渉するので可動がやや制限されます。膝は増加装甲が干渉するめ、HGUCジェガンよりも可動域が若干狭め。
厚みのあるリアアーマーが干渉するため、後方への開脚は制限されます。
股間部は共にボールジョイント接続で左右への開脚幅は同じです。
可動域の総括としては、大部分の可動域はHGUCジェガンとそれほど変わりません。ですが頭部形状や各部に増加装甲を纏っているぶん、やや可動が制限されるようです。不自由を感じるほどではないので、ある程度思ったポーズに対応してくれそうではありますね。
ハイパー・バズーカ。スタークジェガン専用として設計された大型携行武装になります。380mm通常弾の他、散弾にも対応し、直撃時の破壊力はビーム兵器を遥かに凌ぐとのこと。
砲身部分は左右の簡易的な組み合わせで上下に合わせ目ができます。
グリップは前後にスイングが可能。
センサーは2個パーツ構成ですが、合わせ目はモールドっぽく造形。センサーの覗き穴はグレーに塗り分けが必要です。
後部マガジンも合わせ目が出来ないパーツ構成です。
砲口周りのモールドはグレーに塗り分けが必要。
ビームライフル。ジム系で使用していた旧式モデルを小改造したものとのこと。表面には細かなモールドが入っています。
本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。マガジンの脱着ギミックはなし。砲身上部のセンサーは塗り分けが必要です。
ハイパー・バズーカを装備して。
ハイパー・バズーカは脇に抱えるように保持します。肘を深く曲げて抱えたほうが保持し易いですね。
グリップと武器持ち手がダボ接続なのでしっかりとした保持が可能。ハンドパーツもABSパーツのダボ接続で簡単にバラけることはありません。
グリップが前後するので、肩に担ぐポーズも再現可能。多少肩の3連装ミサイルポッドが干渉しますが、割りと柔軟に保持させることができます。
3連装ミサイルポッドはロックを解除したタイプの砲口パーツや弾頭の脱着ギミックなどがあると、もっと表現の幅が広がって良かったかも。できれば平手も欲しいところです。
ビームライフルもハイパー・バズーカと同様、安定した保持が可能。ハンドパーツのダボが折れてしまいましたが、グリップがダボ固定できるのとハンドパーツの噛み合わせがいいのでバラけることなくポージングできました。
ビーム・サーベル刃はクリアピンク成型色での再現。サーベル柄を通常の握り手に差し込むだけで保持が可能です。柄が短く、ハンドパーツからも抜けやすいので注意が必要。サーベル柄に滑り止めをするか、ハンドパーツを抜け落ちない程度の角度に調整する必要がありそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。ミリタリー調のグリーンカラーと全身各部の増加装甲によって、重厚感ある魅力的なジェガンに仕上がっています。可動に柔軟さはないですが、派手な装甲を装備していることでポージングにも迫力が出ますし、戦地における臨場感みたいなものが感じられていいですね。
気になる点は、ABSの関節部分が固く、ややポーズが取りにくいところがあります。なので予めグリスなどを塗って可動を柔軟にておくなどしたほうが、弱い箇所の負荷が軽減されていいかも。あと、肩の3連装ミサイルポッドの脱着がただのダボではなく、マウントラッチ風であると劇中シーンの再現性も高まったかなと思います。
クシャトリヤと組み合わせることで劇中の名シーンがリアルに再現できますし、各部に装甲を装備し、発展強化仕様ならではの迫力が加わったことで、より格好良さ、独特の渋さを感じる、ジェガンバリエーションに華を添えるようなキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一部パーツは2度切りしています。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く、長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら