今回は、2008年1月に発売されたHG 1/144 MSJ-06II-SP ティエレンタオツーのレビューをご紹介します!
HG ティエレンタオツーは、『機動戦士ガンダム00』に登場するMS『ティエレンタオツー』の1/144スケールモデルキットです。特徴的なピンクのカラーリングを成型色で再現。ティエレン地上型とは異なる両肩シールドや、3連装35mmガトリング砲、上下に可動する背部噴射剤タンク、放熱板が付いた宇宙仕様の滑腔砲といった武装各種が付属するキットになっています。価格は1,650円(税込み)です。
超兵1号(ソーマ・ピーリス)が搭乗する、人類革新連盟開発の汎用試作型MS『ティエレンタオツー』がHGでキット化。2008年2月に発売されたHGティエレン地上型をベースに、タオツーの特徴的な機体形状が新規パーツを用いて再現されています。『ティエレン』は『鉄人』、タオツーは『桃子』という意味。
成型色はピンクをベースに、胸部やスネにパープル、シールドの一部や脚部などにオレンジ、背部プロペラントタンクにグレー、関節やハンドパーツにはブラックを配色。『タオツー(桃子)』という名前の通りのカラーリングになっています。
シールは胸部装甲やライト、200mm×25口径長滑腔砲の弾倉を補いますがわずか。一部装甲に塗装が必要ですが、素組みでも大部分の色分けが再現されています。
装甲のヒンジ接続部など強度が必要な箇所にはABSが使用されています。全体的なパーツの組み合わせ強度が高いので、仮組みなどで分解する場合は注意が必要です。
背部推進剤タンクも左右のシールドも負荷がかかるほどの重量ではありません。脚底が細く、接地面も広くはないですが、自立は問題なく可能です。
200mm×25口径長滑腔砲、カーボンブレイド、平手(右)が付属。
HGティエレン地上型用の大腿部パーツが余剰で付属します。
HGティエレン地上型(以下、地上型)と比較しながら各部を見ていきます。
頭部はタオツー用に個性的なデザインのメットが新造。ゴツゴツとしたメット部は左右の組み合わせで中央に合わせ目ができます。
T字型のモノアイレールは黒いパーツでの色分けですが、部分的に造形されているモノアイ(赤◯)は赤く塗り分けが必要です。
メット部を外すことでモノアイを左右に可動させることができます。こちらのモノアイはモールドに赤いシールを貼っての色分け。
胸部。基部形状は地上型と同じですが、タオツーは表面装甲が新造。パープル成型色パーツで色分けされています。左右の肩装甲の形状は地上型と殆ど同じですが、上部の装甲パーツが新造され、ライトが縦柄になっています。前面の装甲はパープルのシールでの色分けです。
左右の装甲は前後にスイングが可能。
腰部はフロントアーマーの形状は同じですが、後部は厚みのあるリアアーマーではなく噴射剤タンク接続部が新造されています。
バックパックは地上型がアンテナ付きボックスタイプなのに対し、タオツーでは一部が欠けた状態になっています。アンテナもオミット。
バックパックは縦長ダボ接続。
噴射剤タンクはポリキャップ接続で上下にスイング可能。バックパックの一部が欠けていることで、噴射剤タンクと干渉しないようになっています。
噴射剤タンクはモナカ割で合わせ目ができます。
腰アーマーは前後とも抜けた状態で作りが簡易的。
腕部は地上型では両肩に重機的な小型のL字シールドを装備していましたが、タオツーでは腕全体を覆うような大型L字シールドに変更されています。肩や二の腕もタオツー用に新造されています。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。肩は前後、前腕は左右の組み合わせで合わせ目ができます。肩、肘各部とも分離できるので、合わせ目を消すのはラクかと。
前腕の装甲は展開可能です。
L字シールドの接続アームはヒンジ接続で幅広く展開させることができます。閉じているときは縦長ダボでロックされます。アームは裏面が肉抜き穴。シールド接続部やヒンジパーツは強度が必要なのでABS素材になっています。肩側のヒンジ部分は外れやすいので注意が必要。
L字シールドは簡易的ながらもパーツによって色分けされています。裏面も細かいモールドが造形。オレンジのパーツには3枚のフィンが造形されていますが、その内側にあるダクトは黒く塗り分けが必要です。
シールド下部もヒンジ接続でスイングが可能。こちらもヒンジパーツはABS素材です。
アームとシールドとはポリキャップ接続でロールさせることができます。
脚部。シルエットは似ていますが、大腿部、膝から下共にタオツー用に新造されています。大腿部の一部と膝関節パーツのみ地上型からの流用。大腿部側面やふくらはぎ後部にはマルイチ型のスラスターが別パーツで造形されています。
大腿部、膝から下共に左右の組み合わせで、大腿部は前後、膝から下は後部に合わせ目ができます。膝から分離するので、合わせ目を消すのはラクかと。脚の付け根の黒い関節パーツも合わせ目ができます。
ソール部は全く別形状のものが新造。つま先が可動しそうですが、特に可動ギミックはありません。脚部との接続部もボールジョイントの凸型から凹型に変更。左右の組み合わせで全体的に合わせ目ができます。
足裏には重機的なモールドが造形されています。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。キットの大きさはルプスレクスと同程度。ただし左右に大型のシールドを装備しているため、その分横幅が広めです。ティエレンタオツーの全高は18.7m。
ベースのHGティエレン地上型と並べて。基礎的な部分の形状は同じですが、頭部や四肢各部がタオツー用に改修され、異なる形状に変化しています。膝から下が新造されたことで全高も変化。ちなみにティエレン地上型の全高は18.1mです。
鹵獲作戦で交戦を繰り広げたHGガンダムキュリオスやHGガンダムヴァーチェと並べて。左右にシールドを装備しているからか、ガンダムタイプよりも大きく感じます。
頭部はモノアイの可動のみで頭部全体が可動するギミックはありません。腕は水平まで、肘は90度までと、地上型と上半身の可動域は地上型と同じです。腰も噴射剤タンクを下げることで干渉が避けられ、360度回転させることができます。
腰はボールジョイントとポリキャップ接続で適度に前後スイングが可能。
脚部形状が違っているため、比較が難しいですが、膝の曲げる角度は地上型とあまり違いはないようです。
左右への開脚幅も足首の可動域も地上型とほぼ同じ。
可動域の総括としては、形状が違っている箇所は多いですが、基礎の形状が同じなので可動域もほぼ同じです。まずまずの可動域があるので、装備の干渉に気をつければ、適度にポージングを楽しむことができそうです。
200mm×25口径長滑腔砲(かっこうほう)。徹甲弾などが射出可能なティエレン系機の主武装になります。基部形状は地上型のものと同じですが、タオツーでは砲身の左右に放熱板が追加され、ブレイドとしても使用可能とのこと。基部はモナカ割で合わせ目ができます。
砲口は別パーツ化。側面の弾倉は前後が白いシールでの色分けです。
地上型のものと並べて。放熱板が追加されている以外は全く同じです。
200mm×25口径長滑腔砲は前腕にマウント。固定強度はまずまずで、ポージング時に外れたりすることはなかったです。
基部がロールするので、砲口の向きを自由に変化させることができます。
カーボンブレイド。1個パーツ構成で、地上型に付属しているものと同じです。
200mm×25口径長滑腔砲を装備して。
頭部や肩の構造などが一般的な人型機とは違っているため、ポージングでは少し戸惑う感じがあります。ですがシンプルに200mm×25口径長滑腔砲を向けるだけでも十分なかっこよさがあります。頭部が可動しませんが、モノアイを動かせば表情は付きます。
浮かせてディスプレイさせる場合は、股間部のカバーパーツを外し、3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。キットにそこそこ重量があるので、細い支柱だとヘナっと角度が変わってしまうかも。
200mm×25口径長滑腔砲は左腕にも装備可能。平手(右)が付属するので、支えて狙いを定めながら射撃するポーズも再現することができます。
シールドのアームを展開すれば、ポーズをよりダイナミックに演出することができます。腹部から下の可動は柔軟なので、躍動感あるポーズも取らせることができます。
背面の造形も個性的。
カーボンブレイドはダボ固定でしっかりとした保持が可能。スルッと移動したりクルッと回転することもなく、ラクにポーズを取らせることができます。地上型ではリアアーマーにマウントできましたが、タオツーではオミットされています。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。特有のピンクのカラーリングが印象的。各部形状も地上型から大きく変化し、全体的なプロポーションや造形バランスが更に良くなっています。武装類は少なめですが、200mm×25口径長滑腔砲やカーボンブレイド構えるだけで十分に重厚感あるポーズが取れるのもいいですね。
気になる点はあまりないですが、肩シールドのアームのヒンジ箇所が少し外れやすかったです。それとモノアイを動かす時、手が当たるとシールが剥がれやすいので注意が必要です。
関節各部が分離するので合わせ目も消しやすいですし、大部分がパーツで色分けされているので塗装もしやすそうです。個性的なデザインで存在感は十分。ある意味『最も実在しそうなモビルスーツ』として、ならではの良さが味わえるキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
2 件のコメントがあります。
匿名
on 2022年2月17日 at 00:59 -
カーボンブレイドって両手ともダボ固定じゃなかったっけ・・・?
nori
on 2022年2月17日 at 09:55 -
コメントありがとうございます!
ご指摘感謝ですm(_ _)m
記事を修正しておきました!