今回は、2016年4月に発売されたMG 1/100 ZGMF-X10A フリーダムガンダム Ver.2.0のレビューをご紹介します!
MG フリーダムガンダム Ver.2.0は、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する主人公機『フリーダムガンダム』の1/100スケールモデルキットです。肘関節の伸縮やスライド機構を備えた太腿など、各部に柔軟な可動ギミックを搭載。フレーム、外装ともに完全新規造形でプロポーションが一新されるなど、Ver.2.0の特徴的なシルエットが再現されたキットになっています。価格は4,950円(税込み)です。
主人公『キラ・ヤマト』の搭乗機であり、ザフト軍が開発したニュートロンジャマーキャンセラー搭載型試作モビルスーツ『フリーダムガンダム』がMGでキット化。2004年7月に発売されたMGフリーダムガンダムから12年、スタイリッシュなプロポーションときめ細かなディテール、ウイングバインダーにオリジナルのアレンジが追加されるなど、各部がVer.2.0として一新されています。
成型色は全身のホワイトに加え、各部にダークブルーやブルー、レッド、イエローが配色されたフリーダムカラー。一般的なガンダムタイプに比べて落ち着きを感じるカラーリングになっています。シールは頭部や武器センサーを補うくらいでわずか。細部までパーツ分割されるなど、細かい色分けが再現されています。塗装もほぼ必要なく、素組みで十分な仕上がりになっています。
ポリキャップは不使用。内部や関節にはグレー成型色のKPSが使用され、関節強度はまずまず高め。背部に大型のウイングバインダーを装備しているため、後方に比重がかかります。脚底の接地面が小さいため、ふらつきや転倒もしやすいですが、うまくバランスを取って接地させることで自立は可能です。
キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん、薄刃ですが強度が高く、長持ちします。 ⇒ヌルっと切れる片刃ニッパー
対ビームシールド、MA-M20ルプス・ビームライフル、MA-M01ラケルタ・ビームサーベル刃☓2、組み換え用指パーツ(平手:左右、握り手:左右、武器持ち手:右)、キラ・ヤマトフィギュア、ディスプレイ用ジョイントパーツ2種が付属。
支柱の角度変更が可能な台座が付属。
専用のマーキングシールとガンダムデカール(擦って転写するタイプ)が付属します。
背部ウイングバインダーを外した状態で。ウイングを外した状態でもバランスは取れていてプロポーションがいいですね。
頭部は全体的にやや面長でシャープに造形。多少強面にも感じられるようなデザインになっています。アンテナが少し長めなので、引っ掛けて折ってしまわないように注意が必要です。
こめかみのピクウス76mm近接防御用機関砲や頬のダクトなどはパーツによる細かい色分けを再現。マスクはへの字スリットが開口されていますが、内部の赤いパーツが透けてしまうので、気になる場合は黒く塗って見栄えを良くするなど対応が必要そうです。
ツインアイやとさか前後のセンサーはクリアーパーツにシールを貼っての色分けです。
胴体部。エアインテーク内外や腹部など、各部がメカニカルかつ精密にパーツ分割され、リアルに再現されています。
リアアーマー中央には形式番号のモールドが造形。下部ダクトなどもパーツで色分けされています。C口の接続パーツによって後部に展開することができます。
コックピットハッチは開閉が可能。胸板左右のマルチセンサーは白いパーツでの色分けが再現されています。パーツが小さいので紛失に注意が必要です。
胸部左右の装甲は前後にスライドし、肩部の可動域を広げることができます。
胴体は内部フレームが造形。外装と同様、各部がメカニカルに造形され、細かいパーツ構成で柔軟に可動します。
コックピットにはパイロットスーツ姿のキラ・ヤマトフィギュアを設置。白成型色なので塗装はしやすいかと。
腰アーマー裏はフロントとリアアーマーに裏打ちパーツが造形。サイドアーマーやリアアーマーは、白外装パーツ裏にもモールドが造形されるなど細かい作りになっています。白ダボ部分が目立つので、ガンダムマーカーなどで塗装すると良さそうですね。
股間部は細かいパーツ構成で外側に展開が可能です。ただし脚部への接続軸が細身なので、無理に動かしたり塗装して強度が上がっていると、ねじ切れてしまうことがあるので注意が必要です。
サイドのMMI-M15クスィフィアス・レール砲はコンパクトに閉じた状態。細身で曲状にデザインされ、旧MGやHGCEなとどは少し違った雰囲気の作りになっています。
砲身や後部は展開が可能。
砲身、後部共に内部が別パーツ化されるなど、細かい色分けが再現されています。砲身は上下、中間部や後部は左右の組み合わせですが、各部とも合わせ目はモールド化されています。
上部のラケルタ・ビームサーベル柄は脱着が可能。ダボを引っ掛けるようになっていますが、ポージング時に手が当たったりすると外れやすいので注意が必要です。クスィフィアス・レール砲のグリップは展開が可能。
腕部は細身で身軽な印象。ショルダーアーマーは幅広で存在感があります。
二の腕、前腕ともに複数パーツを組み合わせる形で合わせ目はモールド化されています。内部フレームの造形はなし。肘関節は引き伸ばしが可能で、ポージング時に躍動感あるポーズを取らせることができます。ハンドパーツは親指のみ可動し、残り4指は交換式。
ショルダーアーマーも合わせ目はなし。側面のダクトなど各部がパーツで細かく色分けされています。側面のグレーパーツがポロリしやすかったので補強しましたが、紛失には注意が必要です。
脚部も腕部と同様に細身でスタイリッシュ。モールドが豊富で、メカニカル且つリアルに造形されています。
内部フレームが外装と同じシルエットで造形。
大腿部は前後に外装を組み付ける仕様、膝から下は外装パーツを細かく被せていく仕様で、各部とも合わせ目はモールド化されています。ふくらはぎ後部でモールド化された合わせ目が少し広がりやすいかも。
後部のスラスターカバーは少し可動します。
肘、膝共に深くまで曲げることが可能。大腿部は膝を曲げることで前後にスライドします。
ソール部は小型でコンパクトに造形。脚甲のモールドなどは別パーツで細かく色分けされています。内部パーツも中央の合わせ目は段落ちモールド化。足裏も別パーツ化されていますが、モールドは簡易的。
つま先は少し引き延ばせ、深く角度変更させることができます。内部にはシリンダーシャフトのモールドも造形されるなど作りが細かいです。
背部には小型のバックパックと、左右に接続されたウイングバインダーを装備。ウイングバインダーは複数の薄型羽を重ね合わせることで厚みのあるウイングが形成されています。
小型のバックパック。ダクト口などが別パーツ化され、上部にも形式番号や『Z.A.F.T』が印字されています。ダクト内部もモールドが細かく造形。
バックパックとは横長ダボ接続。プラ素材による接続ですが、それなりに深さもあるので簡単に抜けることはありません。
ウイングバインダー。M100バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲を含むウイングユニットになっています。
これまでのフリーダムガンダムとは異なり、ウイングの一部に棘状の装甲や小羽が造形されるなどVer.2.0独自のアレンジが追加されています。
ウイングやバラエーナ・プラズマ収束ビーム砲はそれぞれ個別に展開させることができます。
少羽だけを可動させることも可能。
バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲は左右挟み込みタイプですが、基部共々上下にできる合わせ目は段落ちモールド化。上部のセンサーはブルーのシールでの色分けで、クリアーパーツなどは使用されていません。
上下の装甲は展開が可能で、内部のスリットモールドが露出します。
砲口部分も伸縮が可能。個性的に造形されています。モナカ割構造ですが、合わせ目は段落ちモールド化。
ウイング側面の装甲にはVer.2.0独自の展開ギミックがあり、装甲を左右に広げることができます。
ウイングは接続部がフレキシブルに可動するので、左右に展開したり、上下にスイングさせたりすることができます。
中央のバラエーナ・プラズマ収束ビーム砲だけを前方に展開させることもできますし、基部がロールするので左右にスイングさせることも可能です。
なので、ウイングを展開した状態でバラエーナ・プラズマ収束ビーム砲で攻撃するような態勢を取ることも可能です。展開したバラエーナ・プラズマ収束ビーム砲は頭部アンテナと干渉しやすいので、破損などには注意が必要です。
MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べてサイズを比較。ジム・コマンドよりも少し大きいくらいです。フリーダムガンダムの全高は18.03m。
手持ちなところでMGモビルジンと並べて。モビルジンのほうが近年のキットで最適化されているため、取り扱いやすくかっちりとしています。
FULL MECHANICS カラミティガンダムとも並べて。ブランドは違いますが、カラミティはディテールのきめ細かさなどがMGと全く見劣りしないものになっています。
HGCEフリーダムガンダムとサイズを合わせてプロポーションを比較。プロポーションは殆ど同じ。ですがVer.2.0のほうは細身で細部がきめ細かいです。頭部は少しツリ目になってますね。
頭部は適度に見上げることができます。顎引きは干渉するのでわずか。左右へもラクにスイングさせることができます。
腕はY字程度まで上げることができます。ただしアンテナとショルダーアーマーが干渉しないように注意が必要です。肘は完全に曲げることができます。
肩は前方に広く展開が可能。後方へはわずかです。
腹部が細かく可動するので、上半身を適度に前後スイングさせることができます。
左右へも少しスイングが可能。
腰は干渉しやすいですが、上半身を少し引き抜いたりして干渉を避けるようにすれば、360度回転させることができます。背部ウイングの干渉には注意が必要。アクションベースやスタンドへは、バックパック下部にジョイントパーツを組み付けてのディスプレイとなります。一般的なキットのような股間部に取り付けるジョイントパーツはありません。
股間部が複雑に可動することもあって前後開脚は干渉なく、幅広く展開させることができます。
膝も深くまでまげることができます。膝関節パーツも合わせ目が出来ず、膝装甲裏も裏打ちパーツが造形されるなど作りが細かいです。
足首は前後左右ともあまり広くは可動せず。
左右への開脚は水平程度まで幅広く展開させることができます。
内股、ガニ股共に深くまで曲げることが可能。
立膝もきれいな姿勢で再現することができます。
可動域の総括としては、肩上げや腹部などはそこまで幅広く可動するわけではないですが、肘や膝、股間部の可動は秀逸ですし、肩の引き出しギミック、肘の伸縮など、各部の可動箇所が多く、より自然な人間らしい動作でのポージングを再現することができます。
対ビームシールド。実体式のシールドになります。表面や側面の装甲など各部がパーツで色分けされるなどしっかりとした作りになっています。パーツ分割が細かく、塗装もほぼ必要ありません。
前腕への接続基部やグリップは可動式。
MA-M20ルプス・ビームライフル。フリーダムガンダムの主兵装になります。こちらも各部がパーツ分割され、細部まで細かく造形。
グリップ周の基部が左右挟み込みタイプで、下部の一部に合わせ目ができます。
フォアグリップ、後部のグリップともに前後に可動します。
フォアグリップは左右へもスイングが可能。センサーはクリアーパーツにブルーのシールを貼っての色分けです。クリアーパーツは一旦はめ込むと抜けにくいので、塗装などする場合は注意が必要です。
リアアーマーにマウント可能。サーベル柄やクスィフィアス・レール砲と干渉しやすいので注意が必要です。
キラ・ヤマトフィギュア。オーブの制服を纏った姿で造形されています。なのでこのキットは機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場した際のフリーダムガンダムということになりそうですね。カガリにソックリ?
一通り武装して。
ルプス・ビームライフルは保持用の指パーツでダボ固定しますが、グリップが可動するため、逆に保持に難しさがあります。ただそれでも、一度持たせるとある程度保持してくれるのでストレスは感じないかと。
対ビームシールドは前腕とのダボ接続部に固定強度があり、グリップもハンドパーツで握れるのでしっかりとした保持が可能です。
ビーム・ライフルはフォアグリップがフレキシブルに可動しますし、肩のギミックを展開させることで余裕ができるので、よりラクに両手持ちさせることができます。
ラケルタ・ビームサーベルもダボ固定なのでしっかりとした保持が可能。ストレスがないのでラクにポーズを取らせることができます。ただし手首が少し抜けると垂れたりするので、しっかりとポーズを取らせたい場合は手首を押し込んで固定させておく必要があります。
ラケルタ・ビームサーベルは連結させることで『アンビデクストラス・ハルバード』が再現可能。劇中のような迫力あるポージングを再現することができます。連結させても保持はしっかりとしています。長くなるので引っ掛けないように注意が必要。
クスィフィアス・レール砲を展開して。
ディスプレイ用のジョイントパーツはバックパックを乗せているだけですが、ディスプレイは割と安定しています。ですがキットに角度をつけてディスプレイさせたい場合は、外れてキットが落下することもあるので注意が必要です。
バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲とクスィフィアス・レール砲を展開してハイマット・フルバーストモードに。ウイングを幅広く展開させることで、ダイナミックで迫力あるポージングが楽しめます。
クスィフィアス・レール砲はグリップが脇にあるので、握らせるのがぎこちなく、少し難しいところがあります。難しく感じたら握らせない状態にしておくのも両手が空いていいのかも。バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲は各部が展開できますが、個人的には展開しないほうが好み。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。頭部形状やウイングバインダーの形状など、これまでのフリーダムとは違った独自のアレンジがされていてどうしてもそちらが気になりがちですが、全体的なデザイン、シルエット、緻密なモールド、プロポーションなどはやはり素晴らしく、主人公機ならではヒロイックさやかっこよさがあって魅力的。扱うほどに良さが増すキットになっています。
気になる点はやはりアレンジされた部分。これまでとは一線を画すウイング造形などには少し違和感がありますね。それと、腰のサーベル柄が外れやすいのと、股間部は軸が細身なので、無理やり動かしたり、塗装などして太らせるとネジ切れる場合があるので注意です。
肩や腕、股間部などの可動ギミックにより、どのキットよりも人体らしい、より自然で躍動感あるポージングを再現することができますし、細かい動きが自在に取れるので、ポーズを取らせていてとても楽しめました。気になる点もありますが、Ver.2.0として秀逸な改良が加えられていますし、高品質且つガンプラの楽しさを十二分に味わせてくれるキットになっているのがいいですね。
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