今回は、2016年10月に発売されたHG 1/144 ASW-G-11 ガンダムグシオン リベイクフルシティのレビューをご紹介します!
HG ガンダムグシオン リベイクフルシティは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『ASW-G-11 ガンダムグシオン リベイクフルシティ』の1/144スケールモデルキットです。グシオンリベイクを改修した特徴的な機体形状を新規パーツを用いて再現。バックパックから展開可能なサブアームの他、シールドや大型シザースに展開可能なリアアーマーといった特殊な武装を持つキットになっています。組み換えによる手甲ナックルガードも再現。価格は1,320円(税込み)です。
ダメージが蓄積したグシオンリベイクをフルオーバーホールと全面改修し、最終制圧戦等、三日月・オーガスらと最後まで共闘した昭弘・アルトランド搭乗機『ガンダム・グシオンリベイクフルシティ』がHGでキット化。内部にHGガンダムグシオンリベイクのフレームを流用しつつ、特徴的なシルエットやカラーリングが再現されています。名称の「フルシティ」はコーヒー豆の焙煎度の1つ「フルシティロースト」に由来。
成型色はミリタリー調のブラウンにに加え、全身各部にホワイトやブラックを配色。頭部や腰部にはオレンジでワンポイントが加えられています。
シールは頭部や腕部、踵部、背部スラスターポッドユニットなど各部を補うためかなり多め。ですが色分け箇所の大部分をシールで補うため、塗装しなくても十分な色分けが再現されています。
関節や内部フレームにはダークグレー成型色のKPSが使用されています。
ポリキャップはPC-002を使用し、関節強度はまずまず高め。背部にスラスターポッドユニットを含むバックパックやシザース可変型リアアーマー(大型シザース)を装備していますが、後方にそれほど負荷はかからず、自立は安定しています。
照準モード用の頭部、大型シザース保持用の握り手(左右)が付属。
HGガンダムグシオンリベイク用の内部・関節パーツが余剰で付属します。
内部フレームを露出させた状態で。内部・関節パーツはHGグシオンリベイクの『HG1/144 IBO ガンダムフレーム3』がそのまま流用されています。首部、肩部、膝下はポリキャップやフレームを外装で挟み込むため、分解すると自立が難しくなります。
胴体内部フレームは通常のガンダムフレームと同様、2基のエイハブ・リアクターと腹部シリンダーシャフトが造形されています。人体を模したようなフレームで印象的。
腕部は2個パーツ構成の簡易的な作りながら、外部に露出する動力パイプなどがリアルに再現されています。
脚部は主に後部のシリンダーシャフトや長い動力パイプがデザインされています。これらは外装を被せても露出したままです。
頭部は動物を模したような、ガンダムタイプとは思えないくらいの個性的なデザイン。アンテナや側面の外装こそパーツで色分けされていますが、額のセンサーや口元、2本のツノなど各部をシールで色分けするようになっています。シールはやや浮きやすいので注意。
メット部は左右の組み合わせで頭頂部から後頭部にかけて合わせ目ができます。フェイスパーツを挟むので合わせ目を消す場合は後ハメなどが必要。
照準モード用の頭部。アンテナや額のセンサーをコンパクトに収納した状態で、射撃時に高感度カメラセンサーを重視した形態になっています。ブラウンの部分は簡易的な最中割で中央に合わせ目ができます。
こちらも額のセンサーやアンテナ、2本のツノなどをシールで細かく色分けします。マスキングで塗り分けるにはかなり細かな作業が必要なので、シンプルに筆塗りしたほうが良いかもですね。
通常の頭部と照準モード用の頭部を並べて。並べるとどこが変化しているのかが良くわかります。
胸部にはエッジの効いた装甲を装備。エアインテークは網状のデザインでオレンジに塗り分ける必要があります。腹部は内部フレームのシリンダーシャフトは露出した状態。
腰部。派手さはないですが、エッジが効いていて重機感があります。サイドアーマーの一部は黒いシールでの色分け。
腰アーマー裏にモールドはなく、起伏も殆どなし。裏打ちパーツが自作しやすそうですね。
腕部。こちらもエッジの効いた装甲を装備していますが、特に前腕の装甲が大柄で強度を感じさせるデザインになっています。肩のオレンジモールドや膝、前腕の装甲などはオレンジ、ホワイト、黒などのシールで細かく色分けします。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化されています。
前腕の装甲を外すと内部には簡易的なスライドシャフトが造形。設定ではナックルガードをスライド、ロールさせて手甲に装着しますが、キットではナックルガードを取り外して前腕に組み付けるようになっています。ナックルガードは小型シールドとしても使用可能とのこと。
ショルダーアーマーも個性的なデザイン。適度に色分けされていますが、前後のオレンジモールドはシールでの色分けです。上部に合わせ目ができるパーツ構成。
脚部。太いふくらはぎから裾にかけて細身になる、グシオンリベイクから継承されたデザイン。膝や後部ダクトなどはモールドが緻密に造形されています。ダクトはそれぞれオレンジやブラックに塗り分けが必要。
大腿部は前側から外装を被せる仕様で合わせ目はなし。膝から下は後部装甲を被せますが、合わせ目はモールドとしておいても良さそうです。
ソール部。こちらもグシオンリベイクを想起させるワイルドなデザイン。踵は黒成型色のみなので、ブラウンの部分をシールで色分けします。膝のモールドもオレンジのシールでの色分け。
脚裏はある程度細かいモールドが造形されています。つま先や踵は少し肉抜き穴あり。つま先が深く曲げることができるのと、脚甲の白いパーツは少し可動します。
背部には左右にスラスターポッドユニットを持つ特徴的なバックパックを装備。
バックパックは前後2個パーツの簡易的な構造ながら、表面にはマルイチモールドなど細かいディテールが再現されています。左右のスラスターポッドユニットとは1ダボ接続ですが、長めの軸でしっかりと固定。
他のHG鉄血のオルフェンズシリーズと同じ2ダボ接続。なので同シリーズのバックパックを交換することも可能です。
スラスターポッドユニット。グシオンリベイクではグシオンの脚部流用であることが伺えるデザインでしたが、フルシティではフラットな装甲でディテールも少なめ。上部の白い装甲はシールでの色分けです。
スラスターポッドユニット内部にはサブアームが格納されていて引き出し可能。肘を曲げた状態で格納されているので、画像左のように展開し、右のように基部を外側にスライド。前腕の装甲は反転させてハンドパーツの自由度を高めます。
グシオンリベイクのサブアームはグレイズと同じでしたが、こちらはフルシティ用に新造。二の腕は筒型で合わせ目なし。前腕は左右の組み合わせですが、合わせ目は段差モールド化されています。なので特に処理の必要はありません。
膝は深くまで曲げることができます。
サブアームを展開した状態で。4腕になると人型とは思えないような怪物的な雰囲気が感じられるようになってきます。グシオンリベイク系ならではの個性が感じられていいですね。
スラスターポッドユニットの外側装甲は上下にスイング可能。
基部は45度程度前後にスイングさせることができます。
上下も干渉しやすいですが適度に可動します。
シザース可変型リアアーマー。六角形の個性的な武装になります。シルエットはグシオンリベイクのシールドの進化形のようですが、エッジが効いた重機的なデザインになっています。中央の白い装甲と黒いラインモールドはシールでの色分け。
左右のブラウンの装甲は展開可能。手前のグリップを引き出します。
そしてグレーの装甲部分を更に展開。そうするとこの状態でロックがかかります。
この状態で後部のグリップを左右に広げれば、前端のシザースも合わせて開閉するようになっています。
ブラウンのグリップ基部は側面に合わせ目ができます。消す場合は後ハメなど細かい処理が必要。
シザース部分も一部に合わせ目ができます。
シザース可変型リアアーマー用のジョイントパーツが付属。ダークグレー成型色の1個パーツ構成ですが、グリップや3.0mm軸が多数造形された複合ジョイントパーツになっています。
ジョイントパーツをリアアーマーに組み付けることで、シザース可変型リアアーマーを背部にマウントさせることができます。ジョイントの軸が長めでしっかりと固定されるので、特にポロリすることなく装備できています。
ジョイントの角度を変えて組み替え、グリップを握らせることで、シザース可変型リアアーマーをシールドとして使用することができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。そこそこの大きさがありますが、ルプスレクスよりは若干小型。グシオンリベイクフルシティの全高は18.2mです。
改修前の機体であるHGガンダムグシオンリベイクと並べて。各部形状こそ異なりますが、シルエットやデザインは似ています。成型色はガンダムグシオンリベイクフルシティのほうが濃いめ。形状もシャープさがあって機械的です。
頭部は適度に上下させることができます。左右へは顎と襟が干渉するので45度程度まで。
腕はY字程度まで上げることが可能。肘は1重関節で90度よりも少し深くまで曲がります。
肩は後方に広めにスイング可能。前方は胸部装甲が干渉するのでやや制限されます。
内部フレームの可動により、上半身を適度に前後スイングさせることができます。
腰は干渉なく360度回転させることができます。バックパックを装備しても同じ。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は前後共にまずまず展開可能。
脚部装甲が特徴的で厚みがありますが、膝は2重関節で深くまで曲げることができます。膝装甲裏は肉抜き。
足首の可動は、前後は特別広くはないですが、左右へは180度反転させることができます。
左右への開脚は水平程度まで幅広く展開可能。
内股は45度程度までですが、がに股は幅広く展開させることができます。
大腿部と膝下のバランスが悪く、立膝をきれいな姿勢で再現するのは少し難しいようでした。
可動域の総括としては、HG鉄血のオルフェンズシリーズフォーマットで肩や腰、膝、足首などはかなり広く可動します。脚部は特徴的な形状で不自然な姿勢になることもありますが、全体的にはよく動くので、躍動感あるポーズも再現することができそうです。
独特の機体形状をしていますが、重厚感あるシルエットで全体的にポーズが決まりやすいです。シンプルに素手で殴るようなシーンでも重みや破壊力を感じるようなポーズが取れるのがいいですね。
可動域が広いので躍動感あるポーズもラクに再現することができます。腰のボールジョイントや外装パーツの組み合わせなど部分的に強度が弱い箇所があるので、イジっていると上半身が抜けたりナックルガードが外れたりする場合があるので注意。
シールド(シザース可変型リアアーマー)も持たせるだけでかなりの迫力。腰から六角形のアーマーを外したことで、フルシティ本体のシルエットが変化するのも面白いですね。
シールドを保持する際、前に構えると重量で倒れやすいので、予めスタンドで支えるなどしておいたほうが、ポーズは取らせやすいかと。
シザースが大型武装なので、シンプルに持たせるだけでもズッシリとした重量感が感じられます。手首に角度の付いたハンドパーツで保持しますが、手首にある程度の固定強度があるので、保持させるのにそれほど難しさはありません。
高くまで持ち上げることも可能。ただし上半身に負荷がかかってくるので、腰のボールジョイントが外れないように注意する必要があります。
サブアームを展開して。サブアームが自由に可動するので、簡単なポーズでも2本腕の時以上に表情が付きます。
照準モードの頭部に組み替え、グシオンリベイクに付属している120mmロングレンジライフルを装備して射撃シーンを再現。照準モードの頭部は狙い撃つような表情でいい味が出てますね。(ライフル下部の装甲パーツを組み付け忘れてますが、前腕と干渉しやすいので組み付けると保持が難しくなります。)
4本腕に様々な武装を保持させて。無双するような攻撃的演出ができるのがいいですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。グシオンリベイクからエッジの効いた装甲になったことで、よりメカニカルさや重機的な印象が強くなっています。大型シザースが付属し、他キットとディスプレイさせることで圧巻の攻撃シーンが演出できるのもいいですね。装甲に厚みがありつつも干渉は少なめで、より柔軟なポーズが取れるようになっています。
気になる点は、シールが多いので、貼らない場合はやや物足りなさを感じるところがあります。パーツ分割もされていないので、塗装する場合は細かな塗り分けが必要となりそうです。それとやや武装類が少ないので、できればロングレンジライフルやアックスでも付属していると良かったですね。
新造されたサブアームは出来が良く表情も付けやすいですし、他キットから武器を拝借するなどして4腕をフルに使えば、無双するような超攻撃的演出も可能。迫力ある容姿や武装で、敵に恐怖を感じさせるくらいのダイナミックな演出ができそうですね。
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