MG グフ Ver.2.0 レビュー

今回は、2009年5月に発売されたMG 1/100 MS-07B グフ Ver.2.0のレビューをご紹介します!

MG グフ Ver.2.0は、『機動戦士ガンダム』に登場するMS「MS-07B グフ」の1/100スケールモデルキットです。グフの特徴的な機体形状を再現。ヒートサーベル、ヒートロッド、シールドといった武装により、劇中をイメージしたポージングが可能となっています。同スケールの「ランバ・ラル」「クラウレ・ハモン」フィギュアも付属。価格は4,620円(税込)です。

ジオン公国軍が対MS格闘戦を想定して開発した陸戦用MSで、劇中ではランバ・ラルが搭乗。ホワイトベース隊と交戦し、アムロが駆るRX-78-2ガンダムと激しい格闘戦を繰り広げ撃破された機体「MS-07B グフ」がMGのVer.2.0でキット化。

2007年4月に発売されたMG ザクVer.2.0の内部フレームを流用しつつ、グフの特徴的な外装や一部内部フレーム、武装類が新規造形で再現されています。

成型色はブルー2色を基調に、胸部や膝部、ソール部、バックパックなどにダークグレーを配色。その他、腹部やヒートサーベル刃が蛍光クリアオレンジ、動力パイプ内部やヒートロッドなどがライトグレー、内部や関節などがグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールは付属せず。内部フレームの一部やフィンガーバルカン口など細部を塗り分ける必要がありますが、大部分がパーツで色分けされているため、素組みで十分なくらいに仕上がります。

グレーの内部・関節パーツはABS素材となっています。ABSは塗装、スミ入れなどでひび割れ、破損を起こす可能性があるので注意が必要。塗装する場合は水性塗料推奨です。

ポリキャップはPC-200を使用し、全身各部に組み込みます。肘や膝はABS、肩や股間部、足首はABS+ポリキャップ構造で関節強度はまずまず高め。特別負荷のかかるような装備はないため、自立は安定します。

■付属品

シールド、ヒートロッド、ヒートサーベル、A型(初期量産型)用パーツ(ハンドパーツ:左、前腕パーツ)、ランバ・ラルとクラウレ・ハモンフィギュア、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。

MGザクⅡVer.2.0用のパーツ、動力パイプパーツが余剰で付属。

専用のマーキングシール、ガンダムデカールが付属。ガンダムデカールは擦って転写するタイプです。

■内部フレーム

全身にはメカニカルな内部フレームが造形。内部フレームも一部をMGザクVer.2.0から流用しつつ、グフのシルエットに沿ったフレーム構造が再現されています。内部パーツは大部分がABS素材となっています。

一部外装の内側には細かなモールドがデザインされています。見えない部分まで丁寧に造形されているので、外装を外した状態で飾り、フレームや外装パーツの造形を楽しむのもありですね。

■各部形状

MG グフ Ver.2.0の各部を見ていきます。

■頭部

頭部。湾曲した動力パイプや突き出た口元のダクトなどが特徴的に造形。ザクよりも造形が歪ながらも、力強さや威厳を感じるデザインになっています。口内のスリットダクトもパーツできっちりと色分けされています。

メット部は前後の組み合わせですが、頭頂部から側面にかけてできる合わせ目はモールドっぽく造形。

各部動力パイプはMGザクⅡVer.2.0では多色成形(一体成形)でパイプをずらすのが難しかったですが、このグフでは軸パーツが後ハメなため、パイプをラクに通すことができます。

しかも軸の一部が欠けた状態になっているため、パイプがロールして角度が変わる心配が無く、綺麗な形の動力パイプを形成できるようになっています。

頭部内部フレームをザクVer.2.0のフレームと比較して。シルエットは似ていますが、ザクVer.2.0からの流用はなし。口元が長く特徴的なデザインになっています。

モノアイはギアで首の可動と連動しているため、頭部を左右に振ることでモノアイも左右に可動するようになっています。HGのようにレバーを弄る必要が無いのが良いところ。

■胴体部

胴体部は曲状の装甲でまとめられています。バックパックに伸びる腰部動力パイプも存在感がありますし、ジオン系の機体らしい丸みのあるデザインで特徴的に造形されています。

胴体内部フレームをザクVer.2.0のものと比較して。デザインやフォーマットは似ていますが、胴体部は全てがグフ用に新造。コックピット内部まで細かく造形されています。

首に可動ギミックはなし。肩は前方にスライド展開します。

腹部コックピットハッチは展開可能。コックピット内部が露出します。劇中のグフ搭乗時はシートが左寄りでしたが、キットでは中央に配されています。

腹部装甲の一部モールドは蛍光クリアオレンジ成型色での再現。ブラックライト(UVライト)で照らすと鮮やかに発光します。

コックピット内部にはコントロールパネルのようなメカニカルなモールドが造形。パイロットスーツ姿のランバ・ラルフィギュアも収納されています。

腰部周りはザクの進化系のような、背広の裾をイメージしたアーマーが造形。

腰回りにはザクと同様のジョイント穴やラックがあるので、MGザクVer.2.0のヒートホークやザク・バズーカをマウントすることができます。ただしザク・バズーカは引っ掛けるだけで固定強度は弱め。

腰アーマー裏はサイドとリアのみフレーム状の裏打ちパーツが造形。フロントアーマー裏はモールドのみですが、サイドとリアの外装内側にもモールドが細かく入っていて見栄えがします。腰アーマーは上半身を外せば広く展開できますが、通常は干渉であまり広くは展開出来ないようでした。

サイドアーマーは基部が可動し、後方へのスライドが可能。また、フロントアーマーがサイドアーマーを介して展開するので、足を上げた際に大腿部との干渉が避けられるのは良いですね。(確認しやすいように上半身や一部パーツを外しています。)

■腕部

腕部。グフの象徴でもある湾曲した肩部スパイクをはじめ、適度に厚みのある上腕、前腕部が造形。右前腕にはヒートロッドの射出口を装備するなど、グフ特有の腕部形状が再現されています。

腕部内部フレームをザクVer.2.0と比較して。肩と肘、ハンドパーツはザクからの流用ですが、その他の箇所はグフ用に新造。前腕のフレームに少し厚みが持たせてあります。

上腕、前腕共に前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールドとしておいても良さそうです。肩も合わせ目は内側でモールドっぽくなっています。

右側は通常のマニピュレーター仕様で、指の基部がボールジョイント、その他も第2関節部分が可動するようになっています。手首も前後にスイング可能。表情を細かく変化させることができます。

前腕には付属のヒートロッドが組み付け可能。ヒートロッドは軟質素材での再現で、多数パーツを連結させているため、柔軟でしなやかな動きを付けることができます。

左手のマニピュレーターは5連装フィンガー・バルカン(5連装75mm機関砲)。グフの固定武装として採用された機関砲になります。指の第2関節、付け根はそれぞれボールジョイント接続で少し可動。表情を細かく変化させることができます。手甲部分は上下2枚パーツ構成で側面に合わせ目ができます。

指内部にはバルカン口がきっちりと造形。内部はグレーに塗り分けが必要です。

スパイクアーマーは曲状のアーマーに合わせ目はなし。スパイクは別パーツ化されていて、曲状のスパイクは2個パーツ構成でモールドがデザインされています。内部はフレームが造形。

ザクVer.2.0はアームによる接続でしたが、こちらはボールジョイント接続のみで可動はやや制限されます。

■脚部

脚部。膝側面にザクのような動力パイプはなく、中間部の尖った大腿部や厚みのある膝下部が特徴的に造形。シャープでエッジが効いており、硬派な雰囲気が感じられる造りになっています。

脚部内部フレームをザクVer.2.0と比較して。足の付け根や大腿部、ソール部、足首周りなど部分的にザクⅡVer.2.0のパーツを流用しつつ、大腿部や膝関節、脹脛周りなどがグフ用に新造。

フレームの内部構造。

大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は微妙に段落ちモールドっぽく造形。膝から下も多数の外装パーツを被せる仕様で合わせ目はモールド化されています。足の付け根はザクVer.2.0と同形状。ロールや上下に柔軟に可動します。

膝の装甲は膝の可動に追従する形でスライドします。

ソール部はまとまりがありますが、ザクよりも一回りほど厚みのあるデザインで造形されています。足首周りは前後シリンダーシャフトが伸縮。足首の可動に追従するリアルな可動ギミックが再現されています。

足裏もモールドが細かく、肉抜き穴を利用するような形で深みのあるモールドがデザインされていて見栄えがします。

つま先は角度変更が可能。側面装甲下部のダクトも内部がパーツできっちりと色分けされています。

■バックパック

バックパックは派手さはなく、地上戦仕様のシンプルなボックスタイプになります。側面動力パイプは組み付けが甘いと抜ける場合があるので注意。下部バーニアはボールジョイント接続で少し可動。内部もスリットが入っているため、チープな感じはありません。

バックパック内部フレームはグフ用に全て新造。左右に動力パイプを接続するため、ザクよりも少し幅があります。一部動力パイプは塗り分けが必要です。

■他キットとの比較

MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べてサイズを比較。MGの中では特別大きい方ではなく中間程度の大きさ。頭頂高もさほど高くはなく、肩部スパイクの影響で少し大きく見えるくらいです。グフの全高は18.7m。

通常のMGザクⅡVer.2.0が手元にないので、手持ちなところでMGシャア専用ザクVer.2.0と並べて。一部フレームが共通なため、プロポーションは似ていますが外装は別物。見えるところで共通なのは肩肘関節とハンドパーツくらいです。グフのほうが若干大きめ。

MGグフカスタムと並べて比較。同じグフ系ですがフォーマットは全くの別物。MGグフカスタムは2001年2月発売の商品で、古い分、内部フレームもやや簡易的です。

HGUCグフと並べて比較。HGUCのほうが少し脚長でスタイリッシュですが、プロポーションに大きな差はありません。MGもレトロ感が感じられますし、造形バランスも良いので十分に格好良いです。

通常のMG ガンダム Ver.2.0(2028年7月発売)が手元にないので、一番くじのVer.2.0、MGガンダムVer.3.0(2013年8月発売)と並べて。Ver.3.0はかなり情報量が多いので、組み合わせるならやはり発売日の近いVer.2.0かなと思います。

■各部可動域

頭部は適度に上下します。左右へは水平までは行きませんが、ある程度深くまでスイングさせることができます。

腕は水平程度まで上げることが可能。ショルダーアーマーが頭部と干渉しやすいため、少し注意が必要。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。

肩はボールジョイント接続で少し前後に可動。前方へは肩の展開ギミックによって広めに可動します。

腹部可動ギミックと腰のボールジョイントにより、上半身は少し前後します。

腰部とバックパックが動力パイプで接続されているため、干渉で腰は殆ど回転しません。浮かせてディスプレイさせる場合は股間部に付属のジョイントパーツを組み付け、別売りのアクションベースなどを介してディスプレイさせます。

前後開脚は腰部装甲の隙間から展開することで水平程度まで上げることができます。ただし股関節がヘタれると脚が垂れる場合があるので注意。

膝は2重関節で深くまで曲げることが可能。膝回りは装甲裏に裏打ちパーツも造形されていますし、造りとしてはまとまっています。

足首は広めに前後します。左右へはそれなりといった感じ。

左右への開脚は腰アーマーが干渉するため、ハの字程度までの可動となります。

足の付け根がロールするため、内股、ガニ股共に幅広く可動します。

少し腰回りが干渉しますが、立膝はまずまずきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、肘や膝は広く可動するので動きが付けやすいですが、肩や腰回りは干渉でぎこちないところがあり、やや動きが制限されます。ですがこのフォーマットは可動する箇所が多く、細かく柔らかな動きができるので、ポージングは色々と楽しめそうではありますね。

■武装類

シールド。グフの腕部に装備する専用のシールドです。マニピュレーターとしての機能を殆ど持たない左手のために開発され、近距離戦闘時の実体弾や打撃・斬撃を減免するための機能を重視したとのこと。表面形状はシンプルですが、裏面はモールドや裏打ちパーツで造り込まれています。

ヒートサーベル。灼熱化した巨大な剣を形成する斬撃用兵装です。ヒート・ホークに比べリーチが長く、ルナ・チタニウム合金製のシールドを両断するほどの威力を誇るとのこと。

グリップ周りは凹凸型で特徴的。上下2個パーツ構成で合わせ目はありません。

サーベル刃も先端部が太く尖った状態で、荒々しい雰囲気が感じられる造りになっています。

ヒートサーベル柄はシールド裏にマウント可能。

■フィギュア

ランバ・ラルとクラウレ・ハモンフィギュア。設定画に準じたポーズで造形されています。並べて飾ると二人の会話が聞こえてきそうで良いですね。

■ポージング

一通り武装して。

ヒートサーベルは手のひらのダボをグリップの溝に組み付けて保持します。

ダボ、溝共に浅く外れやすいので、指で握ってしっかりと保持させるようにします。外れる度に組み付けるのも面倒なので、指で握らせるだけにしたほうが取り扱いがラクかもですね。

左手がフィンガー・バルカンなのでグリップは握れませんが、添えるだけでも一応両手持ちっぽく表現することはできます。頭部を動かすだけでモノアイが可動するので、簡単にギロリと睨むような視線が演出できるのも良いですね。

シールドはジョイントパーツを前腕に挟み込むように組み付けます。カチッとハマりますが、干渉すると外れやすいので注意です。

フィンガーバルカンでの射撃ポーズを演出。右手マニピュレーターの指が細かく可動するので、右手で左手を支えるポーズもより自然な形で表現できます。

足首はあまり深く曲がらず、股を開いて接地させるのは少し難しめ。バランスを調整すればある程度のポーズは取れますが、スタンドでささえてやったほうがポーズが安定するので良いと思います。

立膝を付いての射撃ポーズも再現可能。腰を落としすぎると干渉でサイドアーマーが外れて吹っ飛んでいく場合があるので注意です。まぁ外れてもサクッと組み付けられるので大したストレスではないですね。

ヒートサーベル刃はコックピットと同様、蛍光クリアオレンジ成型色での再現で、ブラックライト(UVライト)に反応して鮮やかに発光します。

ヒートロッドは可動箇所が多く、柔らかく自然な垂れ具合が表現可能。軽量なので腕が重量で垂れるようなことは全くありません。こちらも可動手で握らせることで、ロッドをサポートするような自然なポーズが表現できます。

ただ、真っ直ぐに伸ばすとどうしても先端部が垂れるので、再現する場合はスタンドなどで支えてやる必要がありそうです。

個体差かもですが、腹部片側の動力パイプがやや外れやすかったです。気になるようであればあらかじめ補強、もしくは面倒なら接着してしまっても良いのかなと。(自己責任でお願いしますm(_ _)m)

ランバ・ラル、クラウレ・ハモンと共に。フィギュアを自立させるのは難しいので、両面テープを貼ってその上にフィギュアを立たせて撮影しています。

■A型(初期量産型)

付属の腕部を組み替えることで、A型(初期量産型)も再現可能。こちらはヒートロッドやフィンガーバルカンがない、両腕が通常のマニピュレーターの仕様になります。

なので両前腕ともヒートロッド部分がカバーパーツで蓋がされ、左腕も可動式のマニピュレーターとなっています。シンプルですが味がありますし、左手でもヒートロッドが保持できて遊びの幅が広がります。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。さすがのMGで、何年経とうがその質の高さは健在で衰えが無く、組んでも弄っても楽しめます。プロポーションバランスが良いですし、可動が柔軟性で造形美もよく、ポーズが格好良く演出できますね。まさしく王道と呼べる、風格を感じさせてくれるキットだと思います。

気になる点は、ヒートサーベルやシールドのダボやジョイントの固定がやや甘く、簡単に外れてしまうことがあります。指で握らせても徐々に指関節も弱まってくるため、簡単にでも補強してから遊んだほうが良いかと。それと腰回りの可動が制限されるので、若干ポージングの迫力が欠け、躍動感が制限されるところがありますね。

それでも、ヒートサーベル、シールド、ヒートロッドといったグフ定番の武装が付属しているため、様々な劇中シーンが演出出来ますし、コックピットハッチの展開や5連装フィンガー・バルカン、ヒートロッドの節々など、細部造形のクォリティも高く安定しています。リメイクは確かに魅力ですが、このVer.2.0もその期待を打ち消すくらい、高い満足度が得られるキットなのが良いですね。

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執筆者:nori
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