今回は、HG 1/144 ロードアストレイΩのレビューをご紹介します!
HG ロードアストレイΩは、『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女』より、MS『ロードアストレイΩ』の1/144スケールモデルキットです。頭部や腕部、脚部、背面ユニットといった特徴的な各部形状を新規造形で再現。組み換えによって大剣や双剣、蛇腹剣といった形態が再現可能なロードロングソードが付属するキットになっています。価格は2,640円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
フェアネスの手に渡った150ガーベラのレアメタルΩを用いて、ロードアストレイを改修した機体『ロードアストレイΩ(オメガ)』がHGでキット化。2020年11月に発売されたHGBD:R ロードアストレイダブルリベイクをベースに、特徴的な頭部や胸部、肩部、脚部、背面ユニットといった各部形状、武装のロードロングソードが新規造形で再現されています。
成型色はホワイトとブラックをベースに、各部にダークレッドやグレーを配色。特に腕部や脚部はメタリックレッド、ブラック、グレーの3色パーツが重なるように造形されるなど、緻密な色分けが再現されてます。
シールは各部センサーと腹部、腰部装甲、ソール部などを補いますが、あまり多くはありません。塗装は背部推進ユニットのバーニア口、ロードロングソードなどの塗り分けが必要ですが、本体は素組みでも十分な色分けが再現されています。シールは端が破れていました。おそらく包装の際に一緒にプレスされてしまったんですね。
グレーやメタリックレッド、ブラック、ダークレッドなど大部分の成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。小さいパーツが多いので、組立時の紛失には注意が必要です。
ポリキャップはPC-002を使用しますが、肩部やソール部、股間部に使用するくらいで少なめ。肘、膝関節はパーツによる組み合わせで、組み立て直後の関節強度はまずまず高めです。背部にロードロングソードやバックパックを装備していますが、意外と後方に負荷はかからず、自立は安定しています。
蛇腹剣刃が付属。
ロードアストレイダブルリベイクの余剰パーツがいくつか付属します。
専用のマーキングシールが付属。
背部のバックパック、ロードロングソード、推進ユニットパーツを外した状態で。
頭部。かなり細かいパーツ構成で、アストレイらしいデザインの頭部が新造。左右の装甲やダクトなどパーツでの色分けが再現されています。額のアンテナはV字のシャープな4本アンテナと手前の赤い装甲が印象的。個体差かもですが、左右の白い装甲パーツがポロリしやすかったです。
後頭部はツインアイや額のモールドがシールで色分けされるなど、フェイスを模したようなデザインになっています。
ロードアストレイダブルリベイクの頭部と並べて。どちらもアストレイ顔ですが、全体的な形状は全く違っています。
胴体部前面をロードアストレイダブルリベイクと比較。成型色は異なりますが、胸部の増加装甲が違っているくらいで他は同じです。フロントアーマーやリアアーマーの形状も同じ。フロントアーマーや腹部の一部装甲はグレーのシールでの色分けです。
背部も、ロードアストレイΩは軽装、ロードアストレイダブルリベイクは増加装甲が追加されています。背部に1ダボ穴が開口していますが、ダボサイズが違うのでレッドフレームのフライトユニットなどを装備することは出来ないようでした。
ロードアストレイダブルリベイクは前後の増加装甲を外すとロードアストレイΩと同じ形状になります。
腰アーマーは比較的軽装で裏面にモールドなどもありません。
股間部には可動ギミックがあり、可動させることで脚部の可動域を広げることができます。
腕部をロードアストレイダブルリベイクの装甲を外した状態と比較して。ショルダーアーマーと手首の一部形状が違っていますが、それ以外は同じです。
腕部は4色パーツを重ねるように組み合わせ、リアルな色分けが再現されています。肘はヒンジ型パーツですが、後面から蓋をするようになっています。前腕のセンサーはグリーンのシールでの色分け。
ショルダーアーマー。派手ではないですが、各部ともパーツでの色分けが再現されています。後部のダクトもリアルに造形。
側面の白い装甲はボールジョイント接続でフレキシブルに可動します。表面センサーはグリーンのシールでの色分け。
脚部をロードアストレイダブルリベイクと並べて。こちらもロードアストレイダブルリベイクにはレベルソへのモードチェンジ用に脚部ユニットが追加されていますが、ロードアストレイΩは側面に白い装甲が追加されているだけで軽装です。
ロードアストレイダブルリベイクの脚部後部形状。
腕部と同様、4色パーツを重ねる緻密なパーツ構成でリアルに造形されています。合わせ目が出来ないパーツ構成。
側面の白い装甲はボールジョイント接続でフレキシブルに可動します。
ソール部もロードアストレイダブルリベイクと同じ形状で軽装。土踏まずの側面は赤いシールでの色分けです。
足裏はつま先側に肉抜き穴があります。
背部にロードロングソードをマウントするためのバックパック。ブラック成型色一色の細身でシンプルなパーツ構成になっています。
上部のホルダーを外し、ロードロングソードをダボ(赤◯部分)に組み付けてマウントさせます。KPSパーツ構成で固定強度はまずまず。
リアアーマーにマウントする推進ユニット。3個パーツ構成で簡易的。スラスター口はグレーに塗り分けが必要です。リアアーマーとは角型ダボ接続。
ロードロングソード。ロードアストレイΩ専用の両刃型の大型実体剣になります。機体の全高にも匹敵する大きさの武器ですが、高出力パワーシリンダーにより自在に扱うことができるとのこと。この形態は大剣状態です。
柄側はブラック成型色での再現。
実体刃はグレー成型色での再現で、アイアン系に塗装する必要があります。
片刃2本と柄、ジョイントパーツに分離可能。
柄とジョイントパーツ、片刃を組み合わせることで、双剣状態(片刃)として使用することができます。
柄は2枚パーツ構成ですが、合わせ目があまり目立たない組み合わせになっています。
片刃も左右の組み合わせで、内側の合わせ目は各部ともモールド化。先端に少し合わせ目ができます。外側は全体に合わせ目ができます。
グリップは内側から引き出すことで展開可能。
先端を深く折り曲げることで、双剣状態(両刃)として使用することができます。
柄と付属の蛇腹剣を組み合わせることで、蛇腹剣状態も再現可能です。
蛇腹剣はその名の通り、刀身が蛇腹のような形状をしています。軟式素材でグネっと曲げることができますが、一旦曲げると元のきれいなまっすぐに戻すのは少し難しいかと。
先端は肩側が肉抜き穴です。
軽装状態でHG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGとしては平均的なサイズ。大きくも小さくもありません。
ベースキットのHGBD:R ロードアストレイダブルリベイクと並べて。胴体部や四肢といった基礎的な部分は全く同じですが、頭部や肩部、成型色などが違っているのでだいぶ雰囲気が違いますね。ロードアストレイダブルリベイクは股間部などが弱まっていて、開脚しやすくなっていました。
HGガンダムアストレイレッドフレーム(フライトユニット装備)とも並べて。フォーマットが異なるため、ロードアストレイΩはシャープでスタイリッシュ。色分けも緻密で、メタリックレッドなどが使用されているので上品な雰囲気があります。
頭部の可動は、上下の可動はまずまず。左右へは干渉なくスムーズにスイングします。
腕は水平まで上げることが可能。肘はV字程度まで曲がります。
肩の前後スイングは、まずまず広めにスイングが可能。前方へは肩のポリキャップが引き出せます。
上半身の前後スイングはそれなり。左右へも少しスイングします。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。パーツの組み合わせが広がりやすく、3.0mm軸の固定も徐々に甘くなってくる場合があるので注意が必要です。
股間部に可動ギミックがあるので、前後への開脚は広く展開させることができます。
膝は2重関節ですが、外装が干渉するのでくの字程度まで。膝関節に合わせ目はなし。
足首の可動は、前後はあまり広くないですが、左右へは適度にスイングが可能です。
左右への開脚は水平程度まで展開可能。股間部の強度が弱めなので、ヘタれると垂れる可能性も。
大腿部と股間部が干渉するため、内股は殆どできず。がに股は広く展開させることができます。
立膝はやや難しく、不自然な姿勢になってしまいます。
可動域の総括としては、全体的にそこそこ動くといった感じ。HG鉄血のオルフェンズシリーズのような幅広さはないですが、ポージングに関して不自由さを感じない程度には動きそうです。関節強度が弱いのでヘナっとなりやすいですが、腰や股間部は幅広く可動するので、躍動感あるポーズもまずまず取れそうですね。
関節強度があまり高くないため、片手保持だと腕が垂れてしまいます。なので、両手持ちさせたほうが安定はしますね。
大剣で自由にポーズを取りたい場合は、関節をある程度強化しておいたほうが良いかもです。
大剣状態だと普通に構えるだけでも十分に迫力が出ますね。(ハンドパーツが逆向き・・・・?)
保持角度を変える場合は、手首パーツを組み替えることで、干渉なく保持させることができます。
手甲パーツのポロリ頻度は少なめ。グリップとハンドパーツとは隙間があるので少しふらつきやすいです。ですが重量があるので、干渉して引っかかりやすく、スルッと移動することは少ないようでした。
双剣状態(片刃)は大剣状態に比べ、重量が半分になったぶん保持がだいぶラクです。グリップに隙間があるので遊びはありますが、肩への負担が減るのでポージングはし易いですね。
双剣状態(両刃)は展開したグリップを握らせるため、ハンドパーツとは隙間なくしっかりと保持させることができます。ふらつきもないですし、折り畳んだ分重量バランスがとれているので片刃よりもラクに取り扱うことができます。
蛇腹剣状態は軽装なのでかなり保持がし易いです。腕も垂れないので、思った位置に配置できるのがいいですね。刀身がくねくねとさせることができるので、鞭をイメージしたような攻撃シーンを演出してみるのも良さそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。成型色もいいですし、四肢の重なるような色分けも上品さがあっていいですね。素組みでも高い完成度を誇るキットとして楽しめそうです。ロードロングソードは重量があるためポージングの難易度が高いですが、普通に構えるだけでも十分な迫力がありますし、打撃系武装の重量感が伝わってきます。
気になる点は、ロードアストレイダブルリベイクからそうでしたが、股間部の強度が弱く、開脚しやすかったり脚の付け根パーツが分解しやすかったりします。手甲など一部パーツがポロリすることもあるので、グリグリ動かしたいならある程度補強を見据えておいたほうが良いかと。
シャープなデザインでかっこよさがにじみ出ていますし、ロードロングソードも様々な形態が可能でポージングの幅が広がります。蛇腹状態もくねくねとした演出が出来て個性的。演出力も高く、いろんな部分でロマンを感じさせてくれるキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら
2 件のコメントがあります。
Mok
on 2022年5月3日 at 10:29 -
二つ折り双剣は刀身肉抜きの引き換えに、末広がりに幅増してなるべく貧相なシルエットに見せないようにしてるんですね
デザイナーさんのギミックセンスが芸細ですね~
nori
on 2022年5月4日 at 23:21 -
コメントありがとうございます!
最近はガンプラの完成度を踏まえたデザインが考えられていると思うので、
ユーザーがこれまで以上のクォリティで楽しめるのは嬉しい限りですね!