今回は、2015年10月に発売されたHG 1/144 グレイズ(一般機/指揮官機)のレビューをご紹介します!
HG グレイズ(一般機/指揮官機)は、『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『グレイズ』の1/144スケールモデルキットです。角ありの隊長機と角なしの一般機、2形態をパーツ差し替えで再現。頭部には球状のセンサーが露出する展開ギミックを搭載するなど、量産機ながらも印象的なキットになっています。ライフルやバトルアックスといった各種武装も付属。価格は1,100円(税込み)です。
ギャラルホルンが開発した主力量産型MS『グレイズ』がHGでキット化。機体名称は北欧神話に登場する「ラーズグリーズ※」に由来するとのことです。※戦場で生者と死者を定める女性、およびその軍団であるワルキューレ(ヴァルキリー)のひとりで、「計画を壊す者」という意。
成型色は外装がグリーンとダークグリーンの2色がベース。内部フレームを含めた関節各部はグレーに配色されるなど、全体的にミリタリー調のカラーリングになっています。頭部センサーや胸部リアクター周りを黄色いシールで色分けし、素組みで十分な完成度になっています。塗装はほぼ必要ありません。
ポリキャップは定番のPC-002を使用。肘や膝関節はポリキャップを使用しないKPSパーツ構成で、全体的なポリキャップ使用箇所も少なめです。脚底がヒール型になっていて接地面は狭いですが、特に大きな背負いものもなく自立は安定しています。
120mmライフル、9.8mバトルアックス、宇宙用ブースターユニット(左右)、指揮官機用頭部パーツが付属。
グレイズ内部フレーム。グレイズ・フレームが完全な形で再現されているわけではないですが、ガンダム・フレームとは異なる特徴的なインナーフレームになっています。ちなみにグレイズ・フレームは、グリムゲルデのヴァルキュリア・フレームの基本構造を踏襲しつつ再設計し「ゲイレール・フレーム」を挟んで開発されたとのこと。
内部フレームの上半身。頭部には球状のセンサーが、胸部には1基のリアクターや平型の動力パイプが造形されています。前側の一部や後部のリアクター部は黄色いシールでの色分け。腕部はスクエアなタイプになっています。
内部フレーム脚部。大腿部や膝から下の部分は外装で隠れるため、駆動部のみグレイズ・フレームが再現された形になります。
続いて外装を取り付けた状態で各部を見ていきます。
頭部。フラットな装甲に角型センサーのみが造形。淡白ながらも個性的な形状になっています。2色グリーン成型色パーツの組み合わせで合わせ目はありません。角型センサーは黄色いシールでの色分けです。
上部の装甲は組み換えることで展開が可能。内部の球状センサーが露出し、索敵状態が再現可能です。
胴体部。リアクターや動力パイプがむき出しの軽装状態。外装はダークグリーンとグリーンに配色されています。
ちょっとわかりにくいかもですが、肩部装甲は前方にスイング可能です。
腰アーマー裏にモールドは造形されていません。
腕部。細身ながらも角型で重機感のある作りになっています。
内部フレームにいくつかの外装を被せる構造で、合わせ目はできないようになっています。
手首の装甲はロール可動します。
ショルダーアーマーは挟み込みタイプですが、合わせ目は端でモールド化。
脚部は腕部と同じく、内部フレーム各部に外装を被せていく仕様になっています。
大腿部裏は内部フレームがむき出しの状態。脚の付け根と膝から下の装甲は側面に合わせ目ができます。膝から下の装甲は合わせ目を消すには後ハメ加工などが必要です。
ソール部。ポリキャップを含む3個パーツ構成ですが、ハイヒール型の印象的な形状が再現されています。足裏はかかと側に肉抜き穴が造形。
背部には2ダボ穴が造形。HG鉄血のオルフェンズシリーズキットとダボの間隔は同じですが、中央のリアクターが干渉してしまって他キットのバックパックを装備するのは難しいようでした。リアアーマーには地上用のブースターユニットを装備。
地上用ブースターユニットは簡易的な作りですが、裏面にはモールドが造形され、アームやバーニアも別パーツで色分けされています。
ユニットは接続基部が上下に可動します。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。HGキットとしては小柄なほうかと。グレイズの全高は17.8mです。
同シリーズキットのHGガンダムバルバトス(第1形態)、HGグリムゲルデと並べて。カラーリングや外装などが異なり、それぞれ個性的なスタイルになっています。内部フレームもガンダム・フレーム、グレイズ・フレーム、ヴァルキュリア・フレームとそれぞれ違っています。
HGグレイズのバリエーション機(HGグレイズシルト、HGグレイズ地上戦仕様)と並べて。同じグレイズがベースでも、カラーリングや一部の形状が違っていてそれぞれに良さがありますね。
頭部はポリキャップ接続で上下可動はそれなり。あまり広くはないようです。左右へは水平程度まで可動します。
腕は水平よりも少し上まで上げることができ、肘は90度より少し深く曲がります。ですがどちらも細身な割に、特別広くはないようです。
肩は後方へは付け根ボールジョイントなりのスイングですが、前方へは肩のスイングと合わせて幅広く展開させることができます。
内部フレームが2箇所と腰のボールジョイントポリキャップの可動により、上半身を広く前後スイングさせることができます。
腰は装甲が干渉するため、わずかにスイングする程度。アクションベースやスタンドへは、通常通り3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
前後開脚は前後ともに水平程度まで展開が可能。大腿部や腰部の装甲で干渉しやすいですが、意外にも広めに展開させることができるようでした。ただ、フロントアーマーと大腿部は干渉しやすいので、少し外側に開くようになります。
膝は二重関節でコの字型に深く曲げることができます。
足首の前後可動はあまり広くはないようです。左右へは少しずれたような感じになりますが、幅広く展開が可能。
左右への開脚は、水平まではいきませんが、ハの字以上に広く展開が可能です。
内股は大腿部と股間部が干渉するためわずかです。がに股は水平以上に幅広く展開が可能。
立膝はきれいな姿勢でこなすことができました。
可動域の総括としては、特別良く動くわけではないですが、各部ともある程度広めの可動域を持っているようです。腰があまり回転しない以外は全体的に動かしやすいで、ある程度のポーズは表現できそうです。
120mmライフル。レトロ感あるデザインが印象的。
銃身部分はモナカ割で上下に合わせ目ができます。
フォアグリップは左右に可動。
左右や下部の装甲は脱着が可能で、保持するときに一旦外してから装備します。
バトルアックスは簡単な1個パーツ構成。刃の部分が大きく、破壊力を感じる作りになっています。
バトルアックスは両サイドアーマーにマウントが可能です。
簡単に武装して。
120mmライフルは前腕にダボ固定できるので、保持強度は高いです。
120mmライフルの両手持ちはグリップが横にしか動かないのと、腕部の可動が不十分なためかなり難しくなっています。それなりに保持は可能ですが、狙い撃つようなポーズを取るのは難しそうです。
バトルアックスは柄が太めなのでハンドパーツから抜け落ちることはないですが、クルッと向きが変わることもあるので注意が必要です。
頭部の装甲を開いて内部のセンサーを露出。索敵状態が演出可能です。センサーはモールドが造形されているので、塗り分けもしやすくなっています。
頭部をブレードアンテナを装備したものに組み換えると指揮官機が再現可能。背部に宇宙用ブースターユニットを装備すれば、宇宙仕様のグレイズも再現可能です。指揮官機用の頭部と宇宙用ブースターユニットに組み換えて。
宇宙用ブースターユニットも地上用とほとんど同じ形状ですが、アームには肉抜き穴があります。
浮かせた状態でのディスプレイも様になります。
武器を構えても背部ブースターユニットとの干渉はありませんでした。
グレイズのショルダーアーマーはHGガンダムバルバトス(別売り)の肩にも装備可能です。カラーリングは異なりますが、装備することで第2形態っぽくすることができます。
ひと味違ったバルバトスを楽しむことができます。グレイズのショルダーアーマーはカチッとはまり込むので、ポーズを付けても簡単に外れることはないようでした。特に干渉もなくポーズを付けることができます。
グレイズを適当に何枚かどうぞ。
バルバトスとのバトルシーンを演出。劇中の迫力あるシーンが蘇ります。
以上です。可動域が特別広いわけではないですが、ポーズの再現性は高く、どんなポーズでもかっこよく決まります。組み立てやすい構造ながら合わせ目箇所も少なく、全体的な完成度が高いのも魅力的ですね。雑魚と言うにはもったいないくらいに優秀なキットだと思います。
欠点的なものもほとんどないですが、あえて言うなら平手が付属していると表現力が更に増したかと。
1stのザクのようなミリタリー調のカラーリングも形状とよく合っていますし、武装類もデザイン性が高いです。ショルダーアーマーをバルバトスと組み合わせると第2形態っぽく再現できるなど、遊びの幅も広がります。劇中の印象的なシーンをリアルに再現するにも申し分ないキットですね。
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