今回は、2016年1月に発売されたHG 1/144 ガンダムグシオンリベイクのレビューをご紹介します!
HG ガンダムグシオンリベイクは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『ガンダムグシオンリベイク』の1/144スケールモデルキットです。機体各部に露出したガンダム・フレームのディテールを高密度に再現。特徴的な隠し腕に加え、シールドとして装備可能な背部装甲を持つキットになっています。差し替えによって照準モードが再現可能な頭部も付属。価格は1,320円(税込み)です。
ブルワーズから鹵獲したグシオンをタービンズが昭弘用に改修した機体『ガンダムグシオンリベイク』がHGでキット化。部分的にグシオンの名残がありますが、HGガンダムグシオンからの流用はなし。ガンダムフレーム採用機らしいスタイリッシュでメカニカルなフォルムで新造されています。
成型色は印象的なサンドブラウンをベースに、各部の深みのあるオレンジやホワイトを配色。シールは頭部や肩部装甲、各部モールドなどを補いますが、細かいものが多いです。シールだけでは色が足りないので、ショルダーアーマーや背部装甲、バックパックなど各部を塗装で補う必要があります。
内部フレームはダークグレー成型色のKPSで、タグに『ガンダム・フレーム3』と印字されたものが使用されています。
背部に隠し腕を格納した装甲やバックパックを装備していますが、多少後方に比重がかかるくらいで自立にほとんど影響はありません。関節強度はまずまずありますが、肩のボールジョイントはやや緩め。
120mmロングレンジライフル、照準モード用の頭部が付属。
一部の外装を外した状態でフレームを確認。ガンダム・フレームが完全には再現されておらず、肩部や腰部、足首などは外装パーツを組み合わせないと接続できないようになっています。
内部フレームを簡単に。まず上半身。胸部左右には2基のエイハブ・リアクターが造形。腹部には簡単なシリンダーシャフトも造形されています。前腕部はバルバトスと異なり、合わせ目が出来ない構造になっています。
脚部フレーム。こちらはバルバトスと同型。足首は外装パーツを被せないと固定できません。
通常モードの頭部。グレイズ改に似たバイザーを持つ個性的なデザインになっています。パーツで簡単に色分けされていますが、それだけでは色が足りず、上部のフィンや額のセンサー周り、頬のモールド、フェイス全体などはシールでの色分けとなっています。合わせ目はありません。
頭部をまるごと組み換えて照準モードに。頭部の可動ギミックはありませんが、上部の装甲を被せ、ツインアイなどを格納した形になっています。こちらも上部のフィンやセンサー周り、口元はシールでの色分け。
胴体部はガンダム・フレーム採用機と同型で、フレームや腹部シリンダーシャフトが露出した形になっています。胸部エアインテークや腰部ダクトなどはパーツによる色分けを再現。胸元左右のモールドやサイドアーマーの一部はダークグレー、腰部中央のモールドは白いシールでの色分けです。
背部にはグシオンの背部と同じ形状をした装甲を装備。グシオンからの改修機であることがわかるようなデザインになっています。
装甲は脱着が可能。2枚パーツの簡易的な造りで、表裏共に一部をダークグレーやホワイトに塗り分けが必要です。
装甲のジョイントパーツは組み換えが可能。組み換えることで腕部に装備し、シールドとして使用することができます。組み換えによって配置変更も可能。
リアアーマーは簡易的な造り。腰アーマー裏各部も裏打ちパーツなどは造形されていません。
腕部。細身で身動きの取りやすいフォルムに造形。部分的にフレームが露出しています。
二の腕はフレームに片側から組み付ける仕様。前腕は左右挟み込みタイプで、手首側の前後に合わせ目ができます。消す場合は後ハメ加工などが必要。
ショルダーアーマーも挟み込みタイプで中央に合わせ目ができます。内部パーツを挟んでそのまま合わせ目を消しても問題はなさそう。側面のラインは白いシールでの色分けですが、上部の凸部分は黒く塗り分けが必要です。
脚部は大腿部やふくらはぎが広く、裾細なデザイン。脛のダクトはオレンジパーツでの色分けで、膝のモールドは白いシールでの色分けです。
前側に装甲を被せる仕様で、後部は大部分でフレームがそのまま露出。合わせ目は出来ない構造になっています。
ソール部。大部分の色分けは再現されていますが、かかとの一部を黒く塗り分ける必要があります。足裏はモールド入りの脚底パーツになっていますが、つま先側に少しだけ肉抜き穴があります。ちょっともったいないですね。
脚甲の装甲は少し可動します。つま先も伸ばすことが可能。
バックパックユニット。中央部はシンプルなデザインですが、左右にはグシオンの脹脛装甲を転用したサブアームユニットを装備しています。
バックパック中央部。2個パーツ構成で、グシオンリベイク本体へはHG鉄血のオルフェンズ共通の2ダボ接続です。なので他キットへの流用も可能。一部モールドを黒く塗り分けが必要があります。
サブアームユニット。左右挟み込みタイプで中央に合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどが必要。一部の丸モールド内部を黒いシールで色分けしますが、ダクトラインをオレンジに、丸型のスラスターを黒く塗り分けが必要です。
サブアームの展開は、外側の黒い装甲を少し開き、基部をスライドさせて内部のサブアームを露出。サブアームは肘が曲がった状態なので、基部をロールさせて肘を伸ばします。
サブアーム。グレイズの腕部を転用した形になっています。二の腕は被せるタイプで合わせ目はありませんが、前腕は左右挟み込みタイプで合わせ目ができます。消す場合は後ハメやマスキング塗装などが必要そう。ハンドパーツもグレイズ用のものになっています。
サブアームユニットは基部が上下やロール可動します。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。ルプスレクスとは同シリーズですが、ハイヒール型になっている分、ルプスレクスのほうが少し大きめ。ガンダムグシオンリベイクの全高は18.0mですが、同じ全高の陸ジムに比べて少しオーバースケールぎみなようです。
鹵獲・改修前の姿であるHGガンダムグシオンと並べて。グシオンも全高は18.0mですが、キットにするとかなり大きさに差があります。
グシオンリベイクはグシオンの改修機ということで、部分的に名残が感じられますね。
手持ちなところで、HGガンダムバルバトス、HGガンダムキマリスと並べて。ガンダム・フレームの形状はほとんど同じですが、ランナーは別のものが使用されています。(バルバトス:ガンダムフレーム1、キマリス:ガンダムフレーム2、グシオンリベイク:ガンダムフレーム3))
別画像になりますが、HGガンダムグシオンリベイクフルシティとも並べて比較。
頭部は適度に上下可動しますが、後部襟が干渉するので、あまり高くまで見上げることはできないようです。左右へは干渉なくスムーズにスイングが可能。
腕は肩のポリキャップが引き出せることもあり、Y字程度まで上げることができます。肘は外装が干渉するのでV字程度まで。
肩はボールジョイントなりの前後スイングとなります。
腹部構造がむき出しで細身ということもあり、上半身は広く前後スイングさせることができます。バックパックと背部装甲を装備していると可動が制限されるので注意が必要。
腰は360度回転が可能。こちらはバックパック、背部装甲を装備していても可動域は同じです。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
腰アーマーを避けるようにすれば、幅広く前後開脚させることができます。背部装甲を装備している場合は後方への開脚が制限されるので注意です。
膝はコの字のように深くまで曲げることができます。膝関節も合わせ目は段差モールド化。膝裏の装甲は簡易的です。
足首の前後スイングはわずか。ですが左右へは完全にスイングさせることができます。
左右への開脚は水平程度まで幅広く展開が可能です。
内股は大腿部装甲と股間部が干渉するので45度程度まで。がに股は水平以上に展開が可能です。
関節位置の関係から、立膝をきれいな姿勢でこなすのは難しいようでした。
可動域の総括としては、HG鉄血のオルフェンズシリーズのガンダムフレームを用いた構造なので、各部の可動域は十分。ただ、初期のキットということもあって関節強度が弱い箇所も見られるので、そのあたりは少し気にする必要がありそうです。
120mmロングレンジライフル。基部はHG グレイズ(一般機/指揮官機)に付属の120mmライフルと同型ですが、ロングレンジ用のバレルが造形されています。
こちらは本体部分がモナカ割りの簡単な造りで上下に合わせ目ができます。
グリップ下部の装甲を取り外してグリップを握らせますが、左右にある装甲の脱着はありません。フォアグリップも可動せず固定式。
グレイズの120mmライフル(画像上)と並べて。成型色も違っています。
120mmロングレンジライフルを装備して。
グリップの保持には遊びがあってふらつきやすいですが、下部の装甲がストッパーになるので抜け落ちることはありません。なのでポージングの不自由さはないですね。肩関節が緩めなので、多少垂れやすかったり抜けやすかったりするので注意が必要です。
ロングレンジライフルのフォアグリップが可動しませんが、握らせることはできますし両手持ちも問題なく可能でした。
シールド(背部装甲)を腕部に装備して。シールドが大きく、グシオンリベイク本体の大部分を隠すことができます。ただ、重量でどうしても肩が垂れてしまったので、肩を補強してからポージングを続けました。
劇中では頭部を照準モードにしていることのほうが多かったですが、フェイス全体が表現されている分、通常モードのほうが表情が出て見栄えがするようです。
背部サブアームユニットからサブアームを展開。4本腕となり、阿修羅のような攻撃性の高いスタイルに変化します。
サブアームは柔軟に動くので、サブアームを使っての射撃ポーズも再現可能です。
HGガンダムバルバトスからメイスを拝借して。打撃系の武装を装備するとより攻撃的になって迫力が増します。大斧(ハルバード)がHG 1/144 MSオプションセット3&ギャラルホルンモビルワーカーに付属しているのでそちらも合わせて入手して楽しむといいですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。個性的なデザインで初出のときはとっつきにくいところもありましたが、作品を通して見ると存在感や味が出てかっこよさが分かるようになってきました。HG鉄血のオルフェンズシリーズのフォーマットなので可動域が広いですし、造形的にポージングが決まりやすいのもポイントが高いですね。
気になる点としては、個体差かもですが、肩ボールジョイントの強度が弱いので、シールドを保持させると重量で垂れてしまいます。そのままだとポージングが難しくなるので、弱い場合は予め補強しておいたほうが良さそうですね。あと、頭部のシールが細かいので、きれいに貼り付けないとゴチャっとなってしまう場合があるので注意です。
照準モードの頭部で表現の幅が広がりますし、劇中でサプライズ演出されたサブアームの展開など、ただグシオンからの改修機なだけでない、個性の詰まったキットになっているのがいいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。) ⇒ヌルっと切れる片刃ニッパー