今回は、2015年3月に発売されたHG 1/144 マックナイフ（マスク専用機）のレビューをご紹介します！
HG マックナイフ（マスク専用機）は、『ガンダム Gのレコンギスタ』に登場するキャピタル・アーミィ所属MS「CAMS-05 マックナイフ（マスク専用機）」の1/144スケールモデルキットです。マスク専用機の特徴的な機体形状を新規造形で再現。各関節の広い可動範囲により、アクロバティックなポーズが可能なキットになっています。着脱可能な長距離用ブースターも付属。価格は1,540円（税込み）です。
キャピタル・アーミィが開発した宇宙戦特化型MSで、劇中ではマスク隊長（ルイン・リー）が搭乗。Gセルフパーフェクトパックなどと戦闘を繰り広げた機体『マックナイフ』がキット化。「お人形」とも揶揄される愛嬌のある機体シルエットに加え、扁平な四肢や細身のボディといった前身機「エルフ・ブルック」の思想を受け継ぐ機体形状が再現されています。
成型色は上半身が淡めのレッド（ピンク）、下半身がホワイトと薄いブラウンを基調としたカジュアルなカラーリング。その他、股間部がレッド、内部や関節、バックパックなどがブルーグレー、長距離移動用ブースターや組み換え式の支柱パーツがダークグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールが付属し、頭部センサーや胸部・腕部モールドなどを補いますが多くはありません。ハンドパーツや一部ダクトなど細部を塗り分ける必要がありますが、素組みでも設定に近いくらいの色分けが再現されています。ただ、ブルーグレーの内部・関節パーツは塗装見本だとダークグレーに近いカラーリングになっていますね。
ブルーグレー成型色の内部・関節、バックパックなどのパーツにはKPSが使用されています。ABSは使用されていないので塗装する場合も安心。
ポリキャップはPC-002を使用しますが、使用箇所は胴体部のみ。四肢はKPSとPSパーツによる組み合わせで関節強度はまずまず高め。脚が薄型で接地面が小さいですが、かかとを展開して支えにすることである程度自立させることができます。
■付属品
長距離移動用ブースター、飛行形態用の支柱パーツ、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。
変形機構を持つHGキットなどでよく見られる組み換え式の台座が付属します。こちらはブラック成形色での再現。
■各部形状
■頭部
頭部。メット部には丸みがありますし、ツインアイも近未来ロボのような丸目。全体的にどこか愛嬌を感じるデザインになっています。ツインアイ部分全体と左右のグリーンセンサーはシールでの色分け。
後頭部センサーは赤いシールでの色分けです。ブルーグレーのメット部分は前後の組み合わせで、頭頂部から側頭部にかけて合わせ目ができます。特にパーツを挟む構造ではないので、合わせ目消しはラクそうです。パーツが細かいので破損や紛失に注意。
ツインアイは丸目がないシールが付属。分解して貼り変えることで表情を変化させることができます。
■胴体部
胴体部。細身ながらも近未来的なデザインで、襟や腰周りなどがパーツで細かく色分けされています。特に腹部は個性的な球状装甲で、表面には特殊なモールドが造形。胸部左右の角型モールドはシールでの色分けとなっています。
股間部は白い装甲が前後に展開可能。内蔵されているフォトン・ボム※2基が露出します。装甲は開くとカチッと固定されますが、さほど強度が高くないので破損に注意。
フォトン・ボムは脱着が可能。表面には細かなモールドがデザインされています。※フォトン・ボム・・・フォトン・アイと呼ばれる特殊光学観測装置により、ミノフスキー粒子散布化でも遠距離攻撃を可能にするミサイル。
■腕部
腕部はエルフ・ブルックに似たデザインで、平らで薄型。モールドは多くはないですが、物足りなくない程度の密度感があります。ハンドパーツは握り手などは付属せず可動ギミックもなし。平手のみで固定されています。
上腕、前腕とも左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘からの分離はできませんが、全体的に色が統一されているので後ハメ加工などの必要もなし。合わせ目消しや塗装はラクそうです。前腕の一部モールドはグレーに塗り分けが必要。
手首は前後にスイング可能。指の表面は白、指先のプラズマ・クロウ※は赤に塗り分ける必要があります。※プラズマ・クロウ・・・両手に内蔵された近距離用兵器。
肩は球状のパーツのみとシンプルですが、表面にはメカニカルなモールドがデザインされています。
■脚部
脚部も腕部と同様、平らで個性的なデザイン。前面がホワイト、後面が淡いブラウン成型色の特徴的なカラーリングになっています。膝左右のダクトはグレーに、スネの内側にあるグレネード・ランチャー発射口は弾頭を赤に塗り分けが必要です。
大腿部や膝から下は各部が左右の組み合わせで、前後各部に合わせ目ができます。ただし脚部は肘から分離可能ですし、各部外装が分解できるので合わせ目消しはラクそう。後部のスラスターはパーツできっちりと色分けされています。
ソール部はエルフ・ブルックと同じ、かかとが展開するタイプ。こちらも左右の組み合わせで一部に合わせ目ができます。内側にはスリットモールドが造形されるなどメカニカル。
かかとは飛行形態時はコンパクトに収納し、人型形態時は適度に展開して自立を安定させます。幅広く展開させることも可能。
■バックパック
バックパックは角型スラスターや円形バーニア、マガジンのような装備がメカニカルに造形されています。バーニアは可動ギミックこそありませんが、別パーツ化されているので塗り分けると雰囲気が変わってきそうです。
下部にはマガジンのような角型のユニットを装備。内部の弾頭のような円形モールドは赤く塗り分けが必要です。
2ダボ接続なので、同シリーズのHGグリモア用バックパックなどを装備させることもできました。ただ、重量のあるバックパックを装備させると自立が難しくなるので、その場合はスタンドなどを使って浮かせたほうが良さそうです。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。どれよりも小型でコンパクトなため手に取りやすく取り扱いがラクです。マックナイフの全高は16m。
HGエルフ・ブルック（マスク専用機）と並べて。ベース機ということもあって扁平なフォルムはよく似ていますが、サイズ感がかなり違っています。
■可動域
頭部はかなり広く上下します。首周りに余裕があるので可動が柔軟。左右へも干渉なくスムーズに可動。
腕は水平より少し上まで上げることが可能。肘は1重関節で装甲が干渉するため、30度程度までしか可動しません。細身で軽装な割に、そこまで広い可動域ではないですね。
胸の付け根や腰がボールジョイントで可動するため、上半身を適度に前後させることができます。
腰は干渉なく360度回転可能。胸の付け根と腰部、どちらも360度回転するようになっています。アクションベースやスタンドでディスプレイさせる場合は、付属のジョイントパーツを股間部全体に組み付けます。ほぼ乗せるだけで固定されませんが、キットが軽量なので落下したりすることはなさそうです。
前後開脚はかなり柔軟で、腕が干渉するくらいまで高く上げることができます。
膝は1重関節で装甲が干渉するため、くの字程度までの可動となります。
左右への開脚は腕と干渉するくらいに高くまで上げることができます。
股間部が干渉するため、内股、がに股は45度程度までの可動となります。
股間部の可動が柔軟なため、立膝っぽい姿勢を再現することはできました。
可動域の総括としては、可動の広い箇所とそうでない箇所のメリハリがしっかりとしていて、他のガンプラにはない特殊な可動を見せるので面白さがありますね。一般的な動きに囚われない、特殊なポージングができるキットとして楽しめそうです。
説明書には画像のみ掲載されていますが、脚部を折りたたんで格納形態を再現することも可能です。
飛行形態用の支柱パーツはアクションベースなどの3.0mm軸に差し込むだけで接続可能。接続部が六角形のダボになっているため、組み替えることで2箇所の角度変更が可能です。
長距離移動用ブースター。マックナイフを長距離航行させることができるユニットになります。複数パーツの組み合わせで、接続部や後部タンクなどがメカニカルに造形されています。
タンク部分は上下の組み合わせで側面に合わせ目ができます。ブースター自体がダークグレーで統一されているため、塗り分けの必要がなく、そのまま合わせ目を消すだけで良さそうです。
後部のバーニア内部は赤いパーツできっちりと色分けされていました。
長距離移動用ブースターの装備は、まずバックパック中央のカバーを外してハードポイント（コネクタ）3.0mm穴を露出させます。そしてバックパックに被せるように取り付けます。
ブースターを装備させると後方に負荷がかかるため、自立がかなり難しくなります。なので長距離移動用ブースターを装着する際はアクションベースなどを使ってディスプレイさせたほうが良さそうですね。
長距離移動用ブースターのタンクは水平程度まで幅広く展開させることができます。
バックパックのハードポイント（コネクタ）には「規格を同じくするカットシーのシールドも装備可能」という設定があります。なのでHGカットシー用シールドを取り付けることができますが、一部アームを外す必要があり、シールドとして前面に展開することはできないようでした。
軽量なキットなので、浮かせてディスプレイさせても重苦しい感じが無くてよいですね。
黒い支柱のアクションベースを使ったほうが、白い脚部の動きが目立つのでキットが映えますね。
脚部が左右に幅広く展開するため、グレネード・ランチャーの発射体制もラクに再現することができます。
脚部と腕部を展開させて飛行形態に。飛行形態時はバックパックのハードポイント（コネクタ）に支柱パーツを組み付けてのディスプレイとなります。
特にキットが落下することはないですし、支柱とアクションベースの接続部（3.0mm軸）を回転させることができるので、角度を変えてのディスプレイが容易です。
長距離移動用ブースターを取り付けて。
長距離移動用ブースターを取り付けるとバックパックのハードポイントが塞がるので、股間部にアクションベースジョイントパーツを取り付けてディスプレイさせるようになります。固定強度は高くないですが、特に落下することはなさそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。個性的な機体形状が面白く、ポージングさせても愛嬌などが感じられていいですね。ビーム・ライフルを構えるなど一般的な攻撃的ポーズをするタイプではないですが、独特のポージングが楽しめますし小型で取り扱いやすさもあります。
比較的近年のキットで出来もよく、欠点的なものもそれほどないですが、四肢の合わせ目や肘、膝関節の可動がもっと広いと良かったですね。それとハンドパーツがもう少し表現力の高いものが付属していても良かったかも。
飛行形態や格納形態、長距離ブースター装備型など、印象的なポーズは再現できますし、そのフォルムからマスコット的な観点からも楽しめるという、通常のガンプラとは違った立ち位置での楽しみも味わえるキットなのがいいですね。
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