今回は、2010年8月に発売されたHG 1/144 GN-010 ガンダムサバーニャのレビューをご紹介します!
HG ガンダムサバーニャは、『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』に登場するMS『ガンダムサバーニャ』の1/144スケールモデルキットです。個性的な機体形状を新規造形で再現。GNホルスタービットやGNピストルビットといった武装に加え、頭部センサーの開閉ギミックや組み換えによるGNライフルビットⅡが再現可能なキットになっています。価格は1,980円(税込み)です。
ガンダムデュナメスとケルディムガンダムの機能を集約して開発された、ソレスタルビーイング所属の第5世代太陽炉搭載型MS『ガンダムサバーニャ』がHGでキット化。各部装甲に収納したGNミサイルやホルスタービットが造形されるなど、ライル専用に設計された重厚感ある機体形状が再現されています。
成型色はミリタリー調のダークグリーンをベースに、本体各部にホワイトを配色。その他、頭部アンテナや後部GNバーニアなどにイエロー、顎や腰部中央にレッドが加えられています。シールは頭部センサーや腕部装甲の一部、GNコンデンサー、武装類などを補うなどまずまずの量。装甲の一部をグレー、GNミサイルの砲口をイエローなどに塗装する必要がありますが、塗装箇所は少なめです。
パイロットはロックオン・ストラトス(ライル・ディランディ)。機体名の『サバーニャ』はイスラムの伝承『コーラン』に記される『地獄の管理人(ザバーニーヤ)』に由来しています。
ポリキャップはPC-001を各部に使用するHG00のフォーマット。肘や膝、肩などもすべてポリキャップ接続で、関節強度はまずまず高めです。リアアーマーから左右にかけてGNホルスタービットを装備していますが、左右にバランス良く配置することで自立は安定します。
キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん、薄刃ですが強度が高く、長持ちします。 ⇒ヌルっと切れる片刃ニッパー
GNピストルビット✕2、GNライフルビットII用ライフルパーツ✕2、ディスプレイ用のオプションパーツが付属。
GNホルスタービットを外した状態で全身から。背部にGNバーニア兼GNホルスタービット用のアームを装備していますが、自立にほぼ影響はありません。
頭部。デュナメスやケルディムの後継機らしい角型のシルエットが印象的。額と頭頂部に計4本のアンテナを装備。メット部は左右の組み合わせですが、後頭部の合わせ目は段落ちモールド化されています。
額のガンカメラが展開可能。アンテナ基部と上部の装甲を展開することでガンカメラが露出します。ガンカメラはシルバーのシールで、上部の装甲はクリアーパーツにダークブルーとグレーのシールを貼っての色分けです。装甲をクリアー系で塗り分ければ、閉じた状態でも内部のガンカメラが確認できそうですね。
胴体部。胸部、腰部にGNミサイルポッドを装備するなど、厚みのあるメカニカルな装甲状態が再現されています。胸部左右の白はシールでの色分け。
胸部の装甲を外すと内部のGNドライヴが露出。GNドライヴはダークグリーンのシールを貼り、その上からドーム状のクリアーパーツを被せての再現です。
後部。GNドライヴ裏は比較的簡易的な造りになっています。リアアーマーにはGNバーニア兼GNホルスタービット用アームを接続するポリキャップ穴が造形。腰アーマー裏にモールドはなく、簡易的な造りとなっています。
腕部。ホワイトの基部を中心に、肩部や前腕部にダークグリーンの装甲を装備。装甲の表面はグレーのシールでの色分けです。
二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後共に合わせ目ができます。肘から分離するので、合わせ目を消すのは比較的ラクかと。肘にはダークグリーンのシールとクリアーパーツによるGNコンデンサーが造形されています。
ショルダーアーマーは合わせ目が出来ないパーツ構成。上部の装甲は白いパーツにダークグリーン、側面の装甲はダークグリーンのパーツにグレーのシールを貼っての色分けです。
上部の装甲内部にはガンカメラのモールドが造形されています。説明書に上部の装甲の展開方法は記載されていませんが、展開することで少し違った形態が再現できそうですね。
前腕の手首側は上下にスイングが可能。ハンドパーツもポリキャップ接続で固定強度が高めです。
脚部。程よい厚みのある装甲と膝周りのGNミサイルポッドにより、メカニカルで重厚感あるフォルムに造形されています。裾の左右ダクトはグレーのシールでの色分けですが、膝左右の台形型モールドはグレーに塗り分けが必要です。
大腿部は筒型で合わせ目はなし。膝から下は左右挟み込みタイプで、後部は全体、前側もスネに合わせ目ができます。スネの合わせ目はアンクルアーマーである程度隠れます。
アンクルアーマーは少し展開が可能。
ソール部は2本爪が造形されるなど、獣感あるワイルドなデザインに造形されています。各部とも細かくパーツ分割され、足裏もモールドが造形されるなど完成度は高め。爪の裏は肉抜き穴があります。
背部リアアーマーにはGNバーニア兼GNホルスタービット用のアームを装備。
1軸接続ですが、周りの装甲で固定されるのでしっかりとマウントさせることができます。基部は左右の組み合わせ構造で中央に合わせ目ができます。
アームも各部が左右の組み合わせですが、合わせ目は全体的に段落ちモールドっぽく造形。GNホルスタービットのマウント面だけに合わせ目ができる仕様です。
GNホルスタービットのマウント基部はポリキャップにより、角度を変えたり回転させたりすることができます。ですが干渉もしやすいので、無理に動かして破損するのは避けたいところです。
左右のアームは基部にロック機構があり、角度に応じて位置を固定できるようになっています。
ロック機構を頼らない場合でも幅広く上下に可動することができます。
GNホルスタービット。GNシールドビットの発展型で、シールドとしての機能の他、「ホルスター」という名前の通り、内部にGNライフルビットIIを格納することができます。表面中央のモールドや裏面中央のアーム接続部はグレーに塗り分けが必要。
GNホルスタービットは単基と2基連結型✕2に分離が可能。
1基型のホルスタービット。モナカ割ですが、側面の合わせ目は端でモールド化されています。
上部にはGNライフルビットIIを格納するためのホルスターが造形されています。
2基連結型のGNホルスタービット。こちらもモナカ割で側面の合わせ目は端でモールド化。上部にGNライフルビットIIの格納部はなく、脱着ギミックのないダミーとなっています。GNライフルビットIIを収納しているように見せるため、上部など一部をグレーに塗り分けが必要です。
胸部と膝部のGNミサイルポッドは組み替えることで射出状態が再現可能。ですが、その他の肩部や腰部、ソール部などのGNミサイルポッド射出状態は再現できないようになっています。
その代わり各部のGNミサイルポッドはパージが可能で、ミサイルを撃ち尽くした後のパージした状態を再現することができます。
パージした素体を全身から。
パージした各部を簡単に。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムと大差はありません。ガンダムサバーニャの全高は18.0mです。左右にGNホルスタービットを装備している分、横幅が広め。
HG ケルディムガンダムGNHW/Rと並べて比較。頭部形状や各部のGNミサイルポッドやGNシールドビットに似た雰囲気がありますが、全体的な機体形状は異なります。成型色はほぼ同じ。
HG ガンダムデュナメスと並べて。こちらも頭部や腕部など似た形状の部分はありますが、デュナメスのほうが細身。成型色もデュナメスは明るめのグリーンになっています。
装備各種を外した軽装状態でも並べて比較してみました。
頭部は適度に上下可動します。左右へも干渉なくスイングが可能。
腕は水平まで上げることはできず。肘も1重関節で90度よりも少し深く曲がる程度です。
ですが、肩のGNミサイルポッドを外すと水平以上に展開が可能。
肩はポリキャップの引き出しギミックにより、前方に少し広めにスイングさせることができます。
腹部が可動するので、上半身を少し前後にスイングさせることができます。
腰は干渉なく360度回転が可能。リアアーマーのGNホルスタービット用アームが腕部と干渉しやすいでの注意が必要です。アクションベースへは、股間部のカバーパーツを外し、3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
前後開脚はフロントアーマーや膝の装甲が干渉するためそれなり。GNミサイルポッドをパージすることで軽装になりますが、可動域はあまり変わらないようでした。
膝は2重関節で深くまで曲げることができます。ですが後部が干渉しやすいので注意が必要。膝関節は左右の組み合わせですが、合わせ目は端でモールド化されています。
足首はアンクルアーマーが展開することもあり、前後左右とも広めに可動させることができます。
左右への開脚は水平程度にまで展開が可能。サイドアーマーは干渉するので後方に向けておきます。
内股、ガニ股は共に45度程度まで展開が可能。
立膝はまずまずな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、上半身の可動域にはやや不十分なところがありますが、下半身の可動域は比較的広め。ある程度柔軟なポージングが再現できそうです。武装各種と組み合わせてポーズを取らせることで、迫力のある攻撃シーンが演出できそう。
GNピストルビット。連射性に優れる軽武装になります。銃身下部には近接武器に対応するためのブレードを装備。ブレードはクリアーパーツに白いシールを貼っての色分けです。センサーはグリーンのシールでの色分け。
本体部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。消す場合はブレードの後ハメ加工が必要そう。
GNライフルビットII再現用のライフルパーツ。本体部分はモナカ割で上下に合わせ目ができます。
ライフルパーツの先端は脱着が可能。
GNピストルビットとライフルパーツを組み合わせることで、GNライフルビットIIを再現することができます。
GNピストルビットのセンサーとグリップを収納し、ライフルパーツの先端を外すことで、GNホルスタービット内に格納することができます。
上部にダボが造形されているので、引き抜きもラク。
ライフルパーツの先端を残し、センサー部やグリップを収納した状態だとGNライフルビットIIのビット形態になります。
GNライフルビットIIを装備して。GNライフルビットII(GNビームピストル)はグリップをハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。遊びもなく、抜け落ちることもなく保持させることができます。
造形がいいのでポーズは決まりやすいですね。左右のGNホルダービットも全く違和感がなく、むしろそれがあることでサバーニャ本体のポーズが引き立っています。
GNライフルビットIIは後部が長く、前腕と干渉しやすいため、グリップがハンドパーツから少し浮いた状態になりやすいので注意が必要です。逆にハンドパーツに押し込んで差し込むと、センサーが引っ込みやすいのも注意です。
頭部センサーを展開すれば、狙い撃つような射撃ポーズを再現することも可能です。
ライフルパーツを外してGNピストルビットに。こちらのほうが軽装なので、GNライフルビットIIよりも取り回しが少しラク。ポージングもしやすく感じます。
銃身下部のブレードで斬りかかるようなポーズを再現。武器一つでも、様々な組み合わせや構成によって多彩な演出が可能です。腕の可動域があまり広くないので、ちょっとした不自然さはあるようですね。
胸部と膝部のGNミサイルポッドを展開して射撃体勢を再現。
左右のGNホルスタービットを外すと身軽になります。
HG ケルディムガンダム(別売り)に付属している台座と組み合わせることで、GNホルスタービットをシールドとしてディスプレイさせることができます。ただし、底板が小さいので、重量で前に倒れてしまうようでした。
GNライフルビットIIのビット形態を浮かせてディスプレイさせる場合は、アームなどで挟む必要があります。GNホルスタービットやサバーニャ本体と組み合わせることで、劇中の各ユニット展開時をイメージしたシーンを再現することも可能です。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。サバーニャ本体の造形やプロポーションも申し分なく、GNホルスタービットなど特徴的な装備によって重厚感あるキットに仕上がっています。額のセンサー展開ギミックやGNライフルビットⅡの組み換え、GNホルスタービットへの格納など、各種ギミックも豊富。
気になる点は、GNホルスタービットは個別に分離、各部のGNミサイルポッドはすべて展開できると良かったかと。少し中途半端な気がしなくもないですね。その他肩のガンカメラも、展開の解説やきっちりとした形態の紹介などがあればなお良かったと思います。
デュナメス、ケルディムの発展機らしいミリタリー調のグリーンも渋さがありますし、ポージングダイナミックさはどれよりも派手。予約が開始された最終決戦仕様のベース機としても十分で、ファンの心理をくすぐるようなキットになっているのがいいですね。
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2 件のコメントがあります。
匿名
on 2021年7月27日 at 16:02 -
ガンカメラの展開は、隣の短い溝に装甲を引っ掛けるのではないでしょうか?
でも中に貼るシールもないし、説明書にも記載なしということは、商品仕様上は存在しない物扱いなんですかね。
プレバンの最終決戦仕様でシールと説明書の追加があったりしてw
nori
on 2021年8月13日 at 13:36 -
コメントありがとうございます!
もしかすると展開方法が違ってるかもですけど、説明書に記載がないので細かいところまでは分からないですね;
最終決戦仕様では何らかの対応があると嬉しくもあり、助かるんですけど;