今回は、HG 1/144 YMS-11 アクト・ザク(キシリア部隊機)のレビューをご紹介します!
HG 1/144 アクト・ザク(キシリア部隊機)は、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD』より、MS『YMS-11 アクト・ザク(キシリア部隊機)』の1/144スケールモデルキットです。ザクIIをベースに開発された高性能MSの特徴的な機体形状を再現。マッシブなプロポーションや幅広い関節可動により、躍動感あるポーズが再現可能なキットになっています。価格は2,200円(税込み)です。
一年戦争末期のペズン計画によって格闘戦を主眼に設計・開発され、テストタイプとして実戦投入されたとされる機体『YMS-11 アクト・ザク(キシリア部隊機)』がHG THE ORIGINでキット化。
HGオリジン版ザクの内部パーツやバックパック、武装類を流用しつつ、親衛隊所属機用の頭部クレスト(鶏冠)や特徴的な機体形状、4連装マシンガンや専用大型ヒート・ホークといった武装類が新規造形で再現されています。
成型色は若干青みのあるダークグレーを基調に、上腕や前腕、大腿部、バックパックなどにライトグレーを配色。その他、動力パイプがグレー、内部・関節が茶色味のあるダークグレー成型色での再現となっています。
ホイルシールは付属せず。バックパックのスラスターや大型ヒート・ホーク刃、その他武装類などを塗装する必要がありますが、アクト・ザク本体は素組みするだけで十分な仕上がりになります。
内部・関節などのダークグレー成型色パーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。
ポリキャップはPC-001を全身各部に組み込みます。肘・膝関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。ザクⅠやザクⅡに比べるとややマッシブ感がありますが、特に負荷のかかるような装備はなく、足底も接地性が高いため自立は安定しています。
大型ヒート・ホーク✕2、大型ヒート・ホーク用ジョイントパーツ✕2、4連装マシンガン、ヒート・ホーク(展開型・収納型)、武器持ち手(右)、平手(左)が付属。
HGオリジン版ザク用のパーツがいくつか余剰で付属します。
ナンバーが中心のマーキングシールが付属。シールドに貼り付ける月型のジオンマークなど、特徴的なマーキングも収録されています。ネットで調べましたが、このマークの意味はわかりませんでした。キシリア部隊のマーク・・・?
頭部。波形の動力パイプや幅のある口部が特徴的に造形。口内はスリットモールド入りのダクトで、内部が別パーツで細かく色分けされています。頭頂部にはキシリア部隊機ならではのクレスト(鶏冠)が造形。モノアイは内部のモノアイレールパーツにシールを貼っての再現で、特にモールドは造形されていません。
頭部を左右に可動させると、それに合わせてモノアイも左右に可動します。これまでのHGオリジン版ザクにはなかった構造で新鮮ですし、メット部を外したり、レバーをイジったりする必要がないのは良いですね。
後頭部もザクとは異なる特殊な形状になっています。とさか後部のモールドは色分けされていないので、赤で塗り分ける必要があります。
胸部は表面モールドやスリット状のダクトが別パーツで色分けされるなどリアルに造形。ゴテゴテした装甲で、ザクⅠやザクⅡとは全く異なるデザインになっています。
腰部は前面に動力パイプがないのが新鮮。動力パイプは側面からバックパックに連結されています。フロントアーマーはモールドは少なめですが、フラットな装甲で強固な雰囲気があります。
サイドアーマーの動力パイプ部分にはスライドギミックがあり、腰の可動に合わせてスライドします。内側にはストッパーが付いているので、動力パイプが抜けてしまうことはありません。
腰部アーマー裏は各部ともフラットな状態でモールドはありません。凹凸がないので裏打ちパーツ自作がしやすそうですね。
右腕部にはザク定番のL字シールドを装備。その他の部分もザクⅡに似たデザインですが、前腕後部の装甲に少し厚みがあります。上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせですが、前面の合わせ目は段落ちモールド化されています。
L字型シールドはオリジン版ザクが装備しているものと同じ。内側のモールドもリアルに造形されています。
左腕部。肩から下は左腕部と同じですが、肩にはスパイクアーマーを装備。
スパイクアーマーもオリジン版ザクが装備しているものと同形状。前後の組み合わせで上部や側面に合わせ目が出来ます。合わせ目を消す場合は後ハメ加工などが必要。
両肩のアーマーはポリキャップやパーツによる組み合わせで幅広く展開させることができます。
脚部もオリジン版ザクに比べると少しマッシブな雰囲気で、大腿部、膝から下共に適度なボリューム感があります。大腿部は前後はさみ込みタイプですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。
膝から下も内部パーツを露出させつつ色分けされていたり、裾やスネが別パーツ化されていたりとかなり凝った作りになっています。後部の合わせ目も段落ちモールド化されているので、特に改修で手をくわえる箇所はありません。
ソール部。こちらも厚みのある特徴的なデザインになっています。アンクルアーマーの可動ギミックはなし。足裏もモールド入りの裏打ちパーツで塞がれているので肉抜き穴などはありません。
ソール部をC型/C-5型と並べて。足首のパーツはザクⅠやザクⅡとは形状が全く異なり、ザクⅠやザクⅡがボールジョイントを挿し込む凹型なのに対し、アクト・ザクは凸型になっています。
バックパック本体はHGシャア専用ザクⅠやHGザクⅡC型/C-5型と同形状。上部に小型のスラスターモールドが造形されたボックスタイプになります。合わせ目は側面でモールド化。
下部のバーニアはボールジョイント接続で適度に可動します。バックパック下部にはザクⅠなどで使用されていたベルト給弾式MS用マシンガン用のダボ穴がそのまま残されています。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと比較して。アクト・ザクの大きさはHG陸戦型ジムとさほど変わらず。外装こそ厚みがありますが、ルプスレクスと比べても特別大きい感じはありません。
オリジン版のHGシャア専用ザクⅠ、HGザクⅡC型/C-5型と比較して。肩のL字型シールドとスパイクアーマーは全く同じですが、それ以外は別物といえるくらいに形状が異なります。バーニアなど、それぞれ形状が異なる箇所もいくつかありますね。
頭部は首が短く、顎や後頭部が干渉しやすいため、少し上下する程度。
頭部の左右への可動は、多少顎が干渉するくらいで幅広くスイングさせることができます。ただ、モノアイの位置がずれて戻らなくなったりすることもあるので、あまり派手に動かさないほうが良いかも。
腕は左右とも水平程度まで上げることができます。
肘は2重関節で深くまで曲げることが可能。
肩はボールジョイント接続で適度に前後しますし、前方へはポリキャップが引き出せるので、広めにスイングさせることができます。
腹部のボールジョイントとポリキャップ構造により、上半身を少し前後させることができます。
アクションベースやスタンドへは、付属のジョイントパーツを股間部に組み付けてのディスプレイです。ジョイントパーツがしっかりと組み付けられるので、多少ポージングに気を取られてもそれほど外れることはありません。
股間部にはスライドギミックがあり、前方にスライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。
前後開脚も柔軟。フロントアーマーが広く可動するので前方へは水平まで幅広く展開させることができます。後方へもリアアーマーを交わすことで広く展開させることが可能。
膝は2重関節ですが、外装パーツが干渉するためやや制限されます。
足首は前後左右とも適度に可動。
左右への開脚はまずまず広めに展開させることができます。水平にまで展開させることもできますが、サイドアーマーが外れてしまうので注意です。
内股は大腿部と股関節が干渉するので可動が制限されます。一方、がに股は水平以上に幅広く展開させることができます。
立膝はきれいな姿勢で再現することができました。
大型ヒート・ホーク。アクト・ザク専用のヒート兵器になります。刀身を更に高熱化させるためにジェネレーターを載せたことで大型化したとのこと。その名の通り刃や柄が大型で、柄はモールドが細かく、メカニカルに造形されています。一部がモナカですが、合わせ目は少しできる程度です。刃の部分はオレンジに塗り分けが必要。
大型ヒート・ホークを装備して。
グリップとハンドパーツがダボ固定ではなく、グリップとの間に少し隙間があるためふらつきやすいです。ですがグリップの裾が太めなので抜け落ちることはなく保持ができます。
大型なので両手で構えるだけでも十分な迫力がありますし、ぶった斬るような、破壊力のある攻撃が繰り出せそうな雰囲気がありますね。
大型ヒート・ホークは付属のジョイントパーツを使用することで、サイドアーマーにマウントさせることができます。左右どちらのサイドアーマーにもマウント可能で、固定強度が高く、ポロリもなし。通常のヒート・ホークはジョイントパーツを介さず直接サイドアーマーにマウントすることができます。
説明書に記載はありませんが、大型ヒート・ホークはリアアーマーにもマウント可能でした。リアアーマーは上下にダボ穴がありますが、どちらにも組み付けることができました。通常のヒート・ホークも同じくリアアーマーにマウント可能。
4連装マシンガン。新規造形での再現で、アクト・ザク専用に開発された多銃身のマシンガンになります。筒型の特徴的なデザインで、表面にはメカニカルなモールドが造形。
基部は左右の簡単な組み合わせでですが、上下の合わせ目は段落ちなどでモールド化されています。完成度は高め。銃口は別パーツ化されています。
ガトリング砲っぽく4基の銃口が造形。フォアグリップは前後に可動します。フォアグリップはヒンジ接続ですが、適度な固定強度があるため、可動させると付け根が白化してしまいました;組み立て時や可動させるときには破損しないように注意が必要そうですね。
4連装マシンガンを装備して。こちらはグリップにダボが付いているので、手のひらのダボ穴に差し込むことでしっかりと固定させることができます。なのでポロリやふらつきがなく、安定した保持が可能です。
平手が付属するので、銃身部分に手を添えるだけでも自然な表情がついて様になりますね。今回は再現していませんが、通常の握り手を使って両手持ちさせることも可能でラクに再現することができます。ですが平手を添えるだけでも十分に両手持ちの表現はできそうですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。内部や関節などの構造はオリジン版ザクと同じですが、外装は合わせ目が出来ないパーツ構成で完成度が高いです。黒が基調なのであまり目立ちませんが、モールドもパーツによって細かく色分けされていますし、より完成度を高めるため、オリジン版ザクの欠点を修正しつつ、より完成度の高いキットに仕上げられているのがいいですね。バンダイの本気度が伝わるキットになっていると思います。
気になる点は殆どないですが、4連装マシンガンのフォアグリップが細身で、ものによっては破損もあり得るので、その辺りは少し取り扱いに注意が必要です。
サイドアーマーの動力パイプもスライドできたりと、各部が考えられた構成になっていると思います。なので特に合わせ目処理などの手を加えなくても、素組みのままで十分。(武器は塗装が必要です。)
ポロリもないですし可動域も広いので、ブンドドなどをして遊ぶにも最適なキットになっていると思います。デザイン的には好みが分かれるかもしれませんが、とても渋い、玄人好みのデザインをしていますし、可動も十分。安心して楽しめるくらいケチのつけようがないキットなのでオススメですね。
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