今回は、HG ATM-09-DD バーグラリードッグのレビューをご紹介します!
HG バーグラリードッグは、OVA作品『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』に登場するAT「ATM-09-DD バーグラリードッグ」のHGキットです。バーグラリードッグの特徴的な機体形状を再現。スライド式のターレットレンズや前腕の伸縮ギミックによる「アームパンチ」の他、トランプルリガーやドロッパーズフォールディングガンといった武装が再現されたキットになっています。価格は3,850円(税込み)です。
OVA作品にてキリコが使用したスコープドッグのバリエーション機で、劇中ではフィアナを奪回するため、聖地アレギウム突入の際に搭乗。激しい戦闘を繰り広げたAT「ATM-09-DD バーグラリードッグ」がHGでキット化。
2023年9月に発売されたHGスコープドッグをベースに、脇に3連ミサイルポッドやガトリングガン、脚部にトランプル・リガー、背部に7連ミサイルポッドや折り畳み式の長距離砲ドロッパーズ・フォールディングガンを持つ重火器仕様の機体形状が新規パーツを用いて再現されています。「バーグラリー」とは英語で「夜盗」という意味。
成形色はミリタリー調のグリーンやライトグリーンを基調に、腹部や脚部、背部武装類にブルーグリーンを配色。その他、ヘヴィマシンガンがダークブルー、やライトグレー、7連や3連ミサイルポッドの弾頭がレッド成形色での再現となっています。
HGスコープドッグと同じプラスチックシールが付属し、頭部ターレットレンズのセンサーを補います。厚みがあるのでピンセットで掴んでも折り目がつかず、見栄えの良い仕上がりに。3枚ずつ予備があります。
素材は各色ともマットな質感のKPSが使用されています。ABSは不使用。一部ドロッパーズ・フォールディングガンの給弾ベルトのみゴム質素材のTPEが使用されています。
素材が柔らかプラであるKPSなため、ランナーから切り離しやすいですが、一部が肉厚整形パーツでゲートが太い箇所があります。そういった部分は2度切りしたほうがゲート跡がキレイになると思います。
ポリキャップは不使用。肘・膝共にKPSパーツ構成です。ヒンジ接続ですが、片側からカバーパーツを被せる仕様なので関節強度はまずまずあります。背部にバックパックやドロッパーズ・フォールディングガンを装備していますが、さほど負荷はかからず、安定した自立が可能となっています。
■付属品
ヘヴィマシンガン、平手(左)、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。
HGスコープドッグをカスタマイズできる外装パーツが付属。前腕やリアアーマー脚部など、各部を組み替えることで3.0mm穴を配置することができます。
HGスコープドッグ用の余剰パーツがいくつか付属。胸部や脚部パーツが付属していないため、スコープドッグと全く同じ形状で組むことはできません。
■各部形状
形状の異なる部分のみ、HGスコープドッグと比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部形状はスコープドッグと同じ。ドーム状のメット部に、3基のターレットレンズ付きのバイザーを装備したタイプになります。側面のアンテナは安全フラッグなどはなく先端までシャープに造形。
ドーム部分は上下2個パーツ構成なため、合わせ目ができます。特に後ハメなどは必要なく、簡単に合わせ目処理が可能です。
ターレットレンズは左右にスライド可能。
回転させることも可能。表情を細かく変化させることができます。ターレットレンズのセンサーはグリーンとレッドのプラスチックシールでの色分け。パーツを組み付けたようにきれいな仕上がりになります。
首がボールジョイント接続なので、頭部全体を左右に振ることもできます。
■胴体部
胸部・腹部をスコープドッグと並べて。本体部分の形状はほぼ同じ。ただしスコープドッグは胸部側面のダクトが一体成型でしたが、このバーグラリードッグでは胸部パーツが新造されて別パーツ化されています。
肩はスコープドッグと同じ構造、前面に幅広く展開でき、上下にも広めにスイングさせることができます。
右脇には3連ミサイルポッドを装備。筒状パーツの組み合わせで合わせ目はモールド化されています。弾頭もパーツで色分けされるなど抜かりのない作り。
左脇ににはガトリングガンを装備。ダクトも後部が長いものが新造されています。
ダクトやガトリングガンを外した状態で(画像左)。余剰で通常のダクトが付属していますし、ガトリング砲を組み付ける3.0mm穴も余剰でカバーパーツが付属しているので塞ぐことができます。(画像右)
ガトリングガン。簡単なモナカ割ですが、凹凸が適度にデザインされているのでチープな感じはないですね。砲口が開口されていないので、見栄えを良くしたい場合はくり抜くなどして処理した方が良いかも。表面を黒く塗るだけにするのもありと思います。
ガトリングガンとバックパックがダボ固定されているため、スコープドッグのように上半身を反らすことはできません。
腰はスコープドッグと同様に展開可能。
腰部をスコープドッグと並べて比較。フロントアーマーはバーグラリードッグ用に、表面にモールドのない角型のアーマーが新造されています。何気ないですが、この変化によって全体的なプロポーションが締まったように見えます。
サイドアーマーとリアアーマーはスコープドッグと同じ。ただしサイドアーマーにはアームパンチのカートリッジではなく、ヘヴィマシンガンの予備マガジンを装備しています。予備マガジンはモナカ割で合わせ目あり。
腰アーマー裏は各部ともメカニカルなモールドが造形。かなりきめ細かいので、塗り分けたりするとメカニカルな雰囲気が出そうですね。
股間部はバーグラリードッグ用に新造。スコープドッグでは中央の軸を中心に、左右のボールジョイントが上下にするタイプでしたが、バーグラリードッグでは左右まとめて下方にスライド。これによって下半身の干渉が避けられ、より柔軟に可動するようになっています。
■腕部
右腕部はスコープドッグと同じ。厚みのあるミリタリー調の各部装甲がリアルに再現されています。
肘はヒンジ接続ですが、上腕にコの字型のカバーパーツを被せる構造で合わせ目は目立ちません。前腕は複数パーツの組み合わせで合わせ目はなし。手甲を覆う装甲は可動式。
前腕はスライド展開可能。アームパンチを演出することができます。内部にはシリンダーシャフトのようなモールドも造形。造りはあっさりしていますが、塗り分けるなどすると雰囲気が出そうですね。
左のショルダーアーマーをスコープドッグと比較して。スコープドッグがシンプルなフックのみなのに対し、バーグラリードッグはスモークディスチャージャーを装備。
スモークディスチャージャーは3個パーツ構成で造りがしっかりとしています。なので塗装する場合は砲身などを細かく塗り分けることができます。
ショルダーアーマーは簡単なボールジョイント接続。肩内部も肉抜き穴ありの1個パーツ構成で造りがあっさりしています。
■脚部
脚部をスコープドッグと並べて。スコープドッグが軽装なのに対し、バーグラリードッグはソリ状の「トランプルリガー」を装備。重厚な容姿に変化しています。
トランブルリガーの後部ローラーユニットはアームを引き出して倒すことで接地させることができます。ユニットは左右の組み合わせで、上面にはスリットダクト、側面にはボルト固定されたような装甲がメカニカルに造形されています。合わせ目はありません。
ローラーユニットはアームによって上部に展開可能。1軸接続でロールさせることもできます。これらの動きによって機体を斜めに傾けた状態でもしっかりと接地できるようになっています。
前面の装甲も展開することでしっかりと接地させることができます。ソール自体はスコープドッグに比べるとやや小ぶり。側面にターンピックはありませんでした。足首は簡単なパーツ構成ですが、ボールジョイントで柔軟に可動します。
ローラーユニットのローラーは固定式で回転ギミックなどはありませんが、パーツできっちりと色分けされているのは良いですね。アームは1個パーツ構成で底面の肉抜き穴が少し気になるところ。ソール裏はグライディングホイールなどのモールドが適度にデザインされています。
膝やスネの装甲は降着状態用に広く展開が可能。スコープドッグとは少し構造が異なり、可動箇所が1軸追加されています。これによってより柔軟に展開できるようになっています。
脚の付け根の構造もバーグラリードッグ用に新造。スコープドッグでは付け根全体がロールするようになっていましたが、バーグラリードッグでは内部の◯ジョイントのみがロールするようになっているため、ロール時の不自然さがなくなっています。
■バックパック
背部をスコープドッグと並べて。スコープドッグが無装備なのに対し、バーグラリードッグは7連ミサイルポッドや折り畳み式の長距離砲「ドロッパーズフォールディングガン」を持つバックパックを装備。背部にも重量感があります。
バックパックはやや大柄なボックスタイプ。適度に起伏があり、中央には角型のダクト口も簡単ですが造形されています。合わせ目はありません。
バックパックは簡単なパーツ構成で内側は抜けた状態。背部のフックに引っ掛けるようにして装備しますが、側面から円形パーツを組み付けることでロックがかかるような感じでした。
右側面に装備する7連ミサイルポッド。腰部の3連ミサイルポッドと同様、筒型パーツの組み合わせで合わせ目はモールド化されています。弾頭も赤いパーツできっちりと色分けされています。弾頭の抜き差しギミックはありません。
7連ミサイルポッドの接続アームは1軸接続で上下にロール可能。砲口を自由な角度に調整することができます。左右へのスイングギミックはありません。
左側面には折り畳み式の長距離砲「ドロッパーズフォールディングガン」を装備。砲身部分を2分割に折りたたんだ状態で収納されています。
砲身を伸ばすことでバーグラリードッグの全高程度の長さになります。細身ですが破壊力は高め。側面にはゴム質素材の給弾ベルトを装備。
基部は左右の簡単な組み合わせで上下などに合わせ目ができます。
砲身部分は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はなし。砲口部分は別パーツ化されています。
バックパックへは1軸接続で、後方から前方に展開することで射撃体勢を取ることができます。
■他キットとの比較
HGスコープドッグと並べて。ベースの形状はほぼ同じですが、バーグラリードッグは各部に多数の武装を装備しているため、ボリューム感があります。成形色は同じ。
waveのバーグラリードッグが手元にないので、手元にあるwave スコープドッグ・ターボカスタム[PS版]と並べて。一部装備は異なりますが、どちらも重武装仕様。他社製なので細かな部分に違いがあるのが面白いですね。
胴体部が固定されていて反らすことができないのと、脚の付け根の構造が変わっているため、内股・がに股が制限されますが、それ以外の可動域はHGスコープドッグとほぼ同じ。なので可動域の詳細は以下のリンクからHGスコープドッグのレビューをご参考くださいm(_ _)m
■武装類
ヘヴィマシンガン。ATの標準火器になります。HGスコープドッグに付属しているものと全く同じ。マガジンが別パーツ化され、砲身部分がパーツで色分けされるなど造りはしっかりとしています。モールドも隙間を埋めるように造形。
マガジンは脱着が可能。1個パーツ構成ですが分厚くモールドも深め。手前のフォアグリップは左右にスイングさせることができます。
■ポージング
ヘヴィマシンガンを装備して。
ヘヴィマシンガンはグリップをハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。隙間なくしっかりと収まるため、ふらついたり向きが変わったりすることはありません。前腕と後部ストックが干渉しやすいので、うまく脇に抱えるようにして構えさせます。
両手持ちは少しぎこちないですが、できなくはないですね。平手をフォアグリップに添えるようにして保持します。
浮かせてディスプレイさせる場合は、付属のジョイントパーツを股間部に組み付けます。スライド式でしっかりと固定されるため、キットが落下したりすることはありません。KPSで構成で軽量なので支柱がふらついたりすることもありません。ディスプレイがラクです。
HGスコープドッグ用拡張パーツセット1(別売り)に付属しているイメージエフェクトを使用すれば、バーグラリードッグが地面を滑走するようなシーンを演出することができます。
脚部のトランブルリガーを展開すれば、スキー板やソリで滑走するような印象深いポーズを再現することができます。劇中では階段を滑り上がっていたような・・・・;
その他ドロッパーズ・フォールディングガンやアームパンチを展開したりとギミックが豊富。ポージングバリエーションが多彩に演出可能です。
■降着状態
脚部を展開して降着状態に。バーグラリードッグでは脚部の可動が拡張されているため、しっかりと接地できてバランスも良いです。
HGスコープドッグの降着状態と並べて。脚部の展開した部分を見ると形状やパーツの配置が違っているのがわかります。可動箇所が追加されているため、前後に長くなっていて余裕がありますね。
脚部にトランブルリガーを装備しているので、降着状態も背面から見るとボリューム感があります。
残念ながら無改造でHGスコープドッグ用拡張パーツセット1(別売り)のコックピット再現ボディを組み付けることはできず。技術があれば、改造してバーグラリードッグのコックピットハッチ展開状態を再現してみるのもありかと。
HGスコープドッグ拡張パーツセット2(別売り)の武装を装備して超武装仕様に。肩周りに装備が集中するため、保持が難しいですが、使い捨て武装として乱れ撃つシーンをイメージしても良いですね。
■カスタマイズ用パーツ
HGスコープドッグ(別売り)にカスタマイズ用パーツを組み付けることで、一部形状を変化させたり、前腕、リアアーマー、脚部にカスタマイズ用の3.0mm穴を配置することができます。
ショルダアーマーのフックは基部が筒型のものに変化。
左前腕には3.0mmジョイント穴が追加されています。
リアアーマーは左右に3.0mm穴が追加。
脚部はふくらはぎに3.0mm穴が追加され、アキレスの装甲板がオミットされています。
3.0mm軸のある武装であれば、ある程度のものは組み付けることができます。HGBCなど色んな武装を組み付けて、自分好みのスコープドッグにカスタマイズしてみても良いですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。各部に武装類を組み付けただけでなく、腰部アーマーの形状変更や各部のアップデートなど、スコープドッグからより洗練されたキットになっています。各部武装もやっつけではなくしっかりと造形されているのも良いですね。重武装したことでプロポーションも更に良くなり、誰もが好む、重厚感ある容姿の魅力的なキットになっています。
気になる点は殆どないですね。多少関節のふらつきや部分的に関節が抜けやすかったりしますが、コスト面を考慮すると十分かなと思います。
脚部のトランブルリガーや背部のドロッパーズフォールディングガンなど、バーグラリードッグならではのポージングが再現できますし、それがまたかなり様になります。スコープドッグ用のカスタマイズパーツが付属しているのも、ちょっとしたディテールの変化や3.0mm穴によるカスタマイズ性が高まって良いですね。
⇒アマゾンでHG バーグラリードッグを探す
⇒あみあみでHG バーグラリードッグを探す
⇒DMM.comでHG バーグラリードッグを探す
⇒駿河屋でHG バーグラリードッグを探す
⇒楽天でHG バーグラリードッグを探す
⇒ヤフーショッピングでHG バーグラリードッグを探す
2 件のコメントがあります。
quarl
on 2024年5月31日 at 06:18 -
アップデートパーツの肩用フック、良いですよね。
ゲーム用設定の30thの肩がコレですが、じっくり見ないと気が付かないのに、ホームセンターでも買えるシャックル(所謂吊り貫)で現実に寄せてくるのがたまりませんw
因みに稲城長沼の1/1の肩がコレで、リアル再現用のボーナスパーツですよね。
nori
on 2024年6月4日 at 00:09 -
コメントありがとうございます!
なかなか玄人な情報ですね!
稲城長沼のスコープドッグも確かにこのフックになっています。
幅広い知識をお持ちで勉強になります!
ありがとうございます!