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HGBD:R ガンダム G-エルス レビュー

今回は、HGBD:R 1/144 ガンダム G-エルスのレビューをご紹介します!

HGBD:R ガンダム G-エルスは、外伝『ガンダムビルドダイバーズブレイク』に登場する主人公機「YG-III ガンダム G-エルス」の1/144スケールモデルキットです。G-エルス特有の黒い機体色を成型色で再現。頭部の四つ目に加え、四肢の末端部に複合武装「グローアップユニット」を装着するなど、印象的な機体形状が再現されたキットになっています。価格は2,090円(税込み)です。

金髪の少年ダイバー「ゼン」がG-セルフをベースにビルドカスタムしたガンプラで、『ガンダムビルドダイバーズ』第25話で登場。レイドバトルにてガンダムシャイニングブレイクと共に加勢した機体「G-エルス」がHGBD:Rでキット化。

2014年9月に発売されたHG ガンダム G-セルフ(大気圏用パック装備型)(以下、G-セルフ)をベースに、頬や肩部、前腕部、ソール部、グローアップアームといった武装や各部が新規造形で再現されています。名前の由来はベース機がG-「SELF(自己)」なのに対し、G-「ELSE(その他)」と対になるようにとのこと。

成型色はブラックを基調に、各部にライトグレーやダークピンク、クリアーピンクを配色。その他、内部や関節、グローアップアームの一部、武装類はグレー成型色での再現となっています。

ちなみに相棒と分かれる前はとして白基調にした紫のアクセントカラー「BEFORE」でしたが、ゼンの心の変化によって「AFTER」となり、この黒を基調としたカラーリングに改められたとのこと。

ホイルシールが付属し、頭部や肩部、脚部のラインといった各部モールドをシールで補います。シールによる色分け箇所はまずまず多め。ソール部のクローやビームライフルなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。

内部や関節などに使用されているダークグレー成形色パーツはKPS素材です。ABSは使用されていないので、塗装やスミ入れは破損を気にせず安心して取り組めそうです。

ポリキャップはPC-002を使用し、全身各部に組み込みます。肘や膝関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。ソールがクローのような形状をしていますが、可動箇所が多いので調整がしやすく、うまく接地させることで自立を安定させることができます。

■付属品

ビーム・ライフル、ビーム・サーベル刃✕2、武器持ち手(右)が付属。

G-セルフ用の各部パーツが多数付属します。大気圏用パックやシールドなどは付属しませんが、本体のみであれば組み替えて黒いG-セルフにすることは可能。また、頭部を組み換えてソールを前後反転させれば、「BEFORE」に近いスタイルも再現できそうです。

■頭部

頭部。全体的にG-セルフのパーツで構成されていますが、口元から伸びるアンテナや四つ目部分、顎パーツが新造。印象的な頭部形状が再現されています。メット部は前後の組み合わせで頭頂部に合わせ目ができます。側面の合わせ目はモールド化。

額や左右モールドといった各部はシールによる色分けですが、額と顎は白成型色パーツでの色分けとなっています。

■胴体部

胴体部。肩の装甲が新造されていますが、それ以外はG-セルフから変わらず。胸部エアインテークや腰部フロントアーマーの一部装甲がダークピンク成型色で細かく色分けされています。腹部や腰部中央はクリアーピンクパーツでの再現。

首はボールジョイント型ポリキャップを交えた構造。腕との接続部はポリキャップによるボールジョイントの受け口で前方に展開することができます。

腰中央のクリアーパーツ内部はシールによる色分け。腰アーマー裏にモールドは造形されていません。

■腕部

腕部。トゲ感のある肩部装甲に加え、前腕にはグローアップアームを装備するなど、全体的に禍々しさのあるデザインで造形されています。肩や肘のモールドはピンクのシールでの色分け。

グローアップアームを装備した状態で。

グローアップアームを外した状態で。上腕以下はほぼG-セルフと同形状ですが、前腕の一部のみグローアップアームマウント用パーツに変更されています。上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右と後面パーツの組み合わせですが、合わせ目はモールド化されています。

グローアップアーム。本機用にビルドされた専用武装の一つで、シールドとして機能する他、ビームサーベルとビームライフル機能、そして推進装置としても機能するとのこと。

全体的に無彩色で構成されていますが、各部ともパーツで細かく色分けされています。ウイングは垂直に展開可能。このウイングはG-セルフの大気圏用パックのものがそのまま流用されています。基部のダクトは黒く塗り分けが必要。

左右には禍々しいクローを装備。クローの内側は肉抜き穴となっています。先端にはビーム・ライフルの砲口(赤◯)が造形。この部分はビーム発振器としても機能します。

グリップやクローは適度に展開可能。

ショルダーアーマー。簡単な前後の組み合わせですが、上部や側面の合わせ目は段落ちなどでモールド化されていて完成度が高いです。

■脚部

脚部。G-セルフベースですが、膝側面のフォトン装甲がG-エルス用に新造されています。各部のラインモールドなどはピンクのシールでの色分け。

大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。膝から分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメ加工などが必要そう。

側面のフォトン装甲はクリアーピンクパーツを挟んで組み合わせる構造で側面に合わせ目ができます。先端の爪のような部分は内側にはスリット入りの裏打ちパーツが造形。完成度が高いですが、白く塗り分けが必要です。

膝のクリアーピンクパーツ内部もシールで色分けするようになっています。

ソール部にはグローアップレッグを装備。グローアップレッグもG-エルス専用の装備の一つで、猛禽の鉤爪をイメージした禍々しいデザインで造形されています。

前面2本と踵のクローはそれぞれ個別に可動。展開することで表情を変化させることができます。先端の爪(赤◯)は白く塗り分けが必要です。

グローアップレッグは脱着が可能。単体武装としても使用することができます。

■背部

背部はG-セルフと同形状。なので大気圏用パックなどのユニット類がマウント可能です。

■他キットとの比較

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。ルプスレクスと同等くらいの大きさで、HGとしては少し大きめ。G-エルスの全高は18.5m・・・・。ちなみにルプスレクスの全高は19.0mです。

HG ガンダム G-セルフ(大気圏用パック装備型)と並べて。禍々しさはありますが、グローアップレッグを装備したことで脚長になっているので、全体的にスタイリッシュに見えます。

後発のHGBD:R ガンダム G-エルス(BEFORE)と並べて。カラーリングが真逆で、フェイスマスクもガンタムタイプと禍々しいものとで違っています。その他、フォトン装甲やソール部のグローアップレッグの向きが逆になるなど、簡単な仕様の変化で善悪の関係がうまく表現されているのが良いですね。

■各部可動域

頭部は適度に見上げることができます。左右へは、顎と肩の装甲が干渉しやすいですが、干渉を避けることで広く可動します。

腕は水平程度まで上げることができます。肘は90度程度まで。

肩は付け根ボールジョイントである程度スイングが可能。前方へはポリキャップが引き出せるので、さらに広くスイングさせることができます。

腹部や腰部のボールジョイント接続により、上半身は適度に前後スイングが可能です。

腰は干渉するので45度程度の回転となりますが、少し浮かせることで360度回転が可能。比較的抜けやすいので注意です。アクションベースやスタンドへは、通常通り3.0mm軸を股間部に差し込んでのディスプレイとなります。

前後開脚は水平程度にまで展開が可能。

膝はくの字程度(90度程度)の可動となります。

足首の前後への可動は、前方へは広めに展開しますが、後方へはほとんど可動しません。左右へは適度に可動します。

左右への開脚はハの字程度まで。

大腿部が股間部と干渉するため、内股、がに股はほとんどできませんでした。

立膝はG-セルフに比べ、グローアップレッグが追加されたぶん、より難しくなっているようです。

可動域の総括としては、可動はG-セルフと大きく変わらず。新造されたグローアップレッグによって少し特殊な動きを見せますが、全体的に可動が柔軟というわけではないですね。腕部も前腕にグローアップアームを装備していることで干渉しやすくなっているので注意が必要です。

■武装類

ビーム・ライフルはG-セルフに付属しているものと同じものが付属。本体部分は簡単なモナカ割で上下に合わせ目ができます。シールで補われている箇所はなく、各部とも細かく塗り分ける必要があります。

■ポージング

ビーム・ライフルを装備して。

ビームライフルは付属の武器持ち手(ハンドパーツ)で保持します。指はトリガーに添えるようになっていて見た目が良いですし、ハンドパーツもしっかりと組み合わさってバラけることはないので取り扱いやすいです。

可動域があまり広くないため、派手なポーズは取りにくいですが、特殊な機体形状をしているので簡単なポーズを取らせるだけでも十分に存在感が出ます。

前腕のグローアップアームやソールのグローアップレッグを使えば、ワイルドな攻撃パターンも格好良く演出することができます。

肩装甲や前腕のグローアップアームなど、新造箇所は刺々しい部分が多く干渉しやすいため、取り扱い時に手が当たってパーツがポロリすることがあるので注意です。

グローアップアームを使ってポージング。中央のグリップをハンドパーツで握らせるようにして攻撃態勢(ビーム・サーベルの展開など)を取りますが、特に握らせなくても攻撃的な演出は可能です。

グローアップアームにビームサーベル刃を組み付けて。ビームサーベル刃は蛍光クリアピンク成形色での再現。ブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。

グローアップアームやグローアップレッグを取り外し、単体でディスプレイさせることで、ファンネルっぽい演出をすることもできます。

ただしグローアップアームは3.0mm穴などの接続部がないので、アクションベースやスタンドに付属しているアームを使ってディスプレイさせます。一方のグローアップレッグは後部に3.0mm軸を差し込むことで、単体でディスプレイが可能です。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。やや柔軟性に乏しいG-セルフの可動域や前腕のグローアップアームによる干渉など、多少可動における不自由さはありますが、独特の形状やカラーリングには存在感がありますし、グローアップレッグを装備したことでよりスタイリッシュなフォルムになっていてかっこいいですね。ファンネルっぽい演出もできるなど、遊び心をくすぐるところがあります。

気になる点は、前腕のグローアップアームや肩の装甲など、新造箇所の固定強度が弱いところがあり、干渉などでポロリすることもあります。なのであらかじめ補強した状態でポーズを取らせたほうがストレスなく楽しめるかと。

また、画像ではゴチャっとした感じがあるかもしれませんが、実物は割とメリハリがあってポージングは映えやすいです。G-セルフのヒロイックなデザインとは対称的な四つ目などのヒール感や禍々しさが、このG-エルス「AFTER」特有の魅力的として楽しめそうですね。

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