今回は、HG 1/144 EMS-TC02 ファントムガンダムのレビューをご紹介します!
HG ファントムガンダムは、『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』に登場するMS『ファントムガンダム』の1/144スケールモデルキットです。劇中に登場する特徴的な機体形状、カラーリングを忠実に再現。「ファントムライト」発動状態用のエフェクトパーツが付属する他、専用武装や巡航形態への変形機構が再現されたキットになっています。価格は2,750円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。
レコードブレイカーとアマクサのデータを掛け合わせて造られた「惑星間高速移動試験機」であり、フォント・ボー搭乗のミノフスキードライブ搭載型MS『ファントムガンダム』がHGUCでキット化。
2014年11月に発売されたHGUCクロスボーンガンダムX1の関節、内部パーツを流用しつつ、一部の内部パーツと特徴的な外装が新規造形で再現されています。ファントムライト発動状態や蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)への変形も可能。
成型色はグリーンを基調に、全身各部にホワイトとレッドを配色。その他、内部・関節、ソール部などはダークグレー、ファントムライトなどのエフェクトパーツはクリアピンク成型色での再現。
シールは頭部とリアアーマーを補うくらいで多くはありません。一部に塗装が必要ですが、素組みでも十分な色分けが再現されています。
HGUCクロスボーンガンダム系と同じフォーマット。ホワイトやレッドの外装パーツ、関節や内部のダークグレーパーツにはKPSが使用されています。ABSは不使用。一部の外装パーツはアンダーゲート仕様です。
ポリキャップはPC-002を各部に使用します。関節強度はまずまず高め。背部左右にウイングを装備していますが、特に負荷はかからず自立は安定しています。
バタフライバスターB、バタフライバスターB用ビーム刃、ヒートナイフ✕2、少し強調された平手(左右)、蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)用の基部パーツが付属。
ファントムライトの『強制放熱モード』用頭部パーツ、ファントムライト用の全身各部エフェクトパーツ、フレイムソード再現用のエフェクトパーツ2種(直線型✕2、曲型✕2)が付属します。
HGUCクロスボーンガンダムX1用の余剰パーツがいくつか付属します。ヒートダガーが付属するのは何気に嬉しいかも。
頭部。アンテナはないながらもベーシックなガンダムタイプフェイスで造形されています。ひさしはホワイト成型色パーツでの色分けですが、左右の装甲は白いシールでの色分け。頭部自体が小さいので、パーツでの色分けには限界があるかと。
メット部は左右と上部の組み合わせで、後頭部の合わせ目は段落ちモールド化。後頭部センサーはオレンジのシールでの色分けです。
胸部、腹部。Xを模したようなスリットと中央のドクロが印象的に造形されています。腹部も赤いパーツによる色分けを再現。ドクロレリーフはモールドを黒く塗り分ける必要があります。
腰部。フロントアーマーはパーツによって色分けされていますが、リアアーマーはふちやダクトがシールでの色分けです。
腰部側面には大型のサイドスカートを装備。フチを白いパーツで囲うという特徴的なデザインで、各部ともパーツで細かく色分けされています。合わせ目はモールド化。
グレーの接続基部は左右に少しスイングが可能。
サイドスカートの白い装甲を外して付属のヒートナイフに組み付けることで、ヒートナイフ抜刀状態を再現することができます。
腰アーマー裏は簡易的な作り。
腕部はエッジの効いた強度を感じるデザイン。ダクトや白い装甲など、各部ともパーツによる色分けが再現されています。
腕部内部フレーム。二の腕と肘関節はX1からの流用です。前腕側は新規パーツ。
二の腕、前腕ともに筒型で合わせ目はありません。前腕の装甲もパーツで細かく色分けされています。
前腕の装甲は巡航形態用に前方にスライド可能。
ショルダーアーマー。グリーンの装甲は前後の組み合わせですが、上部の合わせ目は段落ちモールド化。赤いスリットダクトもパーツできっちりと色分けされています。
脚部。クロスボーン系のベーシックなデザインで造形。膝周り白いラインモールドや赤いダクトもパーツによる色分けが再現されています。
大腿部は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はモールド化。膝から下は左右と前面の組み合わせですが、後部や側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。後部角型ダクト内部はスリットモールドが造形。
ソール部はシンプルなデザインでポリキャップは不使用。足裏はつま先型に肉抜き穴があります。
つま先は適度に伸ばすことができます。脹脛後部のダクトは内部にスリットモールドが造形。小さいキットながらも細部の精度が高く、リアルな造りになっています。
背部。中央には小型のバックパック、左右には特徴的なウイングを装備。
バックパック。数枚パーツを重ねる構造で合わせ目はなし。下部のスラスター内部にはスリットモールドが造形されています。
バックパックは2ダボ接続。陸ジムなどと同規格で、クロスボーン系のスラスターユニットや陸ジムのバックパックなども装備可能でした。
バックパックのカバーパーツを外すことで3.0mm穴が露出。巡航形態時のディスプレイ用に使用します。
ウイング上部は別色パーツの3枚重ねで細かく色分けされています。合わせ目もなし。下部の白いパーツ内側が肉抜きっぽく、造りが簡易的なのが少し気になりますね。
下部の白い装甲は前後に少し可動します。
ウイング基部も前後や上下などにスイング可能。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。MSの小型化が進んでいる時期の機体なのでキットも小柄。背部ウイングを踏まえてもルプスレクスと同等程度の大きさです。ファントムの全高は不明。
同シリーズ登場機であるクロスボーンガンダム ゴースト(HGクロスボーンガンダム X-0)と並べて。劇中で共闘するシーンが再現できるようになったのは嬉しいですね。
ファントム改修後の機体であるHGUCゴーストガンダムと並べて。カラーリングが異なる以外は違いが分かりにくいですが、頭部(フェイス)や上腕、サイドスカート、大腿部、ヒザ下後部、バックパックなどが細かく違っています。
頭部の可動は、顎引きはわずかですが、見上げる動きは幅広く可動させることができます。左右へは干渉なくスムーズにスイングが可能。
腕は水平以上に上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。
肩は少し前後スイングが可能。前方へはポリキャップが展開するので、広めにスイングさせることができます。
腹部、腰部の2箇所がボールジョイント接続ですが、上半身の前後スイングはあまりできないようです。
腰は360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、フロントアーマーが広く可動するので、前方へは広く展開させることができます。後方はリアアーマーが干渉するのでそれなり。
膝は2重関節で、ある程度深くまで曲げることができます。膝関節は左右の組み合わせで端に合わせ目ができます。膝装甲裏は一部に肉抜き穴あり。
足首は前後、左右ともそれなりです。
内股、がに股はともに幅広く可動させることができます。
立膝もきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、全体的によく動くので特にポージングでの不自由さはなさそうです。多少膝や足首が抜けやすいので、その点だけ注意すれば問題ないかと。
バタフライバスターB。HGUCクロスボーンガンダムX-0フルクロスからの流用です。
筒型パーツの組み合わせで合わせ目はありません。こちらはガンモード。
グリップは可動式。
分解して組み換え、ビーム刃を組み付けることでサーベルモードとして使用可能です。
バタフライバスターBを装備して。
グリップがハンドパーツと合っているのでしっかりと保持させることができます。軽装なので取り扱いやすいですね。
ポロリもほぼないのでポージングがラク。ごくたまに膝が抜けるかなというくらいです。
サーベルモードで装備しても同じく保持しやすいです。重量で腕が垂れることもなく、しっかりと保持でき、安定してポーズを取らせることができます。
ヒートナイフもハンドパーツに隙間なく収まるので、ポージング時にふらついたりすることなく構えることができます。足首が広く可動するわけではないですが、意外と接地性は高めです。
色分け再現度が高いですし、背部ウイングや腰部サイドスカートなどの形状からもポージングも格好良く演出することができます。
各部にエフェクトパーツを組み付けてファントムライト発動状態に。
ファントムライトは『完成度の低いミノフスキー・ドライブ』のこと。つまり、「光の翼」として放出されるエネルギーがIフィールドによって抑え込まれているため、揺らめく炎のような形になっています。ビーム兵器を無効化し、ヴェスバーすらも受け流すとのこと。
かなり迫力のある容姿に変化します。ウイングのエフェクトパーツに重量があり、後方に倒れやすいですが、サイドスカートのエフェクトパーツを支えにすることで自立は可能です。後方に負荷がかかりやすい場合はウイングを左右に広げて負荷をかけないようにしてもいいかと。
ファントムライトの各部を簡単に見ていきます。
『強制放熱モード』用の頭部。通常の頭部と丸々交換するようになっています。マスクが展開し、排熱口が露出した状態。左右の装甲はゴールドライン入りのシールを貼って色分けです。額にはエフェクトが造形。
排熱口はスリットモールドが造形されていますが、その上からゴールドのシールを貼ると隠れます。
胸部は白いX型スリットパーツ(ドクロレリーフ入り)をエフェクト付きのものに、フロントアーマーも、白い装甲パーツを裾からエフェクトが展開しているものに組み換えます。
サイドスカートはエフェクトパーツを組み付けるだけです。ダボ接続で固定強度は高め。
ショルダーアーマーは白い装甲パーツをエフェクト付きのものと交換します。前腕は白い装甲パーツをエフェクトパーツに組み換えます。エフェクトパーツの裾は白いシールでの色分けです。
脚部も膝の白い装甲をエフェクトパーツに組み換え、ふくらはぎ後部のダクトにはエフェクトパーツを組み付けます。
背部はウイングに大柄なエフェクトパーツを組み付けます。赤いパーツの2箇所にダボ固定します。
そのままディスプレイするだけでもものすごい迫力です。
四肢を動かすと各部のエフェクトパーツが干渉しやすいですが、そんなことはどうでも良くなるくらい、容姿に凄みがありますね。
ヒートナイフ先端にエフェクトパーツを組み込むことでフレイムソードが再現可能。エフェクトパーツはパチっとハマって固定されます。
フレイムソードのエフェクトパーツは2個パーツ構成で一部に合わせ目ができます。
直線状のものも同じ。2個パーツ構成で一部に合わせ目ができます。こちらのほうは炎がやや控えめ。
全身各部のエフェクトパーツは、干渉したり、キットを弄る際に手が当たったりすると、たまに外れることがあるので注意です。ただ、うまく交わすように各部を動かすことで、ポーズを取らせることは可能です。
エフェクトパーツはブラックライトで照らしても発光はしませんでした。
フレイムソードを装備すると、派手なファントムライト発動状態が更に迫力あるものになります。簡単な斬りつけポーズでも、破壊力を感じるようなポーズを演出できるのがいいですね。
蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)用の基部パーツ。胴体部を補完するようになっています。リアアーマーのふちやスリットダクトはシールでの色分け。裏面には肉抜き穴があります。
蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)への変形は、まずフロントアーマーを含め、四肢各部やバックパックなどを分解しておきます。分解時に破損させないように注意。
そして基部パーツに頭部や胸部スリットパーツ、フロントアーマー、脚部などを組み付けます。脚部はつま先を伸ばしておきます。
更にサイドスカート、腕部、バックパックを組み合わせます。腕部は前腕装甲をスライドさせ、ショルダーアーマーを下げておきます。これで蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)への変形完了です。簡単。
惑星間巡航形態『蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)』。ファントムに秘められし惑星間移動用としての巡航形態になります。
色んな角度から。各部にロック機構はないですが、固定強度があるのと特に弄る箇所もないので、形状がずれることはなく維持することが可能です。
バックパックのカバーパーツを外し、3.0mm軸を差し込んでディスプレイさせます。
下部のウイングが可動するので、ミラージュ・ワゾーでも多少表情をつけることは可能です。
各部にエフェクトパーツを組み付けることで、ミラージュ・ワゾー形態でもファントムライト発動状態を再現することができます。
エフェクトパーツはすべては組み付けず、胸部、サイドスカート、ふくらはぎ、ウイングのみとなります。
エフェクトパーツを組み付けたことで迫力あるミラージュ・ワゾーに変化。角度によっては鳳凰のように見えるのが印象的。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。全身のパーツによる色分けがかなり細かく再現されていますし、クロスボーン系ベースで造形もプロポーションバランスも絶妙。完成度の高いキットになっていますね。特にファントムライト時の容姿は圧巻で、全身の炎が凄まじく、迫力ある演出を楽しむことができます。
気になる点はあまりないですが、取り扱っているとやや関節が弱くなってくる部分があります。腕部は問題なかったですが、脚部ポリキャップ部分などが抜けやすくなってくるかなと。(個体差かもです。)あと、ファントムライトのエフェクトパーツが干渉したり手があたったりするとハズれることがあるので注意です。
武装類の量は多くはないですが、バタフライバスターBやヒートナイフ、フレイムソードなどで劇中演出も再現できますし、ミラージュ・ワゾーへの変形も簡単でディスプレイもしやすいです。小型ながらも凄みを感じるキットになっているので、ぜひ入手しておきたいキットの一つですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。(一度切りです。)切れ味はもちろん優秀。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら