今回は、MG 1/100 F80 ガンレイドのレビューをご紹介します!
MG F80 ガンレイドは、『mobile suit GUNDAM F90』より、MS「F80 ガンレイド」の1/144スケールモデルキットです。F80の特徴的な機体形状を新規パーツを交えて再現。3連マシンキャノンやショートビームライフル、ビームバズーカといった武装が付属し、多彩なポージングが可能となっています。各所ハードポイントへのミッションパック装備も可能。価格は5,280円(税込み)です。
ヘビーガンの後継を目的としてフォーミュラ計画で開発された汎用量産型モビルスーツで、登場作品内では第一次オールズモビル戦役などで運用。ミッションパックが装着可能な他、キャノンガンダムと同等のバックパックを搭載するなど火器オプションも併せ持つ機体「F80 ガンレイド」がMGでキット化。
MGガンダムF90用の内部パーツやMGガンダムF90 Aタイプ用の武装パーツを流用しつつ、F80ガンレイドの特徴的なカラーリング、機体形状が新規造形で再現されています。
成形色は少しグレー気味のホワイトとレッドを基調に、頭部センサー類にクリアグリーン、胴体の一部にイエローを配色。その他、内部や関節、武装類はパープルグレー成形色での再現となっています。
ホイルシールが付属しますが、頭部や武器センサーを補うくらいでわずか。MGなのでパーツ分割が細かく、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。
武装類のパープルグレー成形色パーツはKPSで塗装に対応。内部・関節パーツはABSが使用されているため、塗装やスミ入れなどをする場合は破損に注意が必要です。
ポリキャップは不使用。肘や膝はABSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。バックパックも軽量で負荷はかからず、自立は安定しています。
■付属品
3連マシン・キャノン付きバックパック、シールド、ビーム・バズーカ、エネルギーパック✕2、ショート・ビーム・ライフル、ビームサーベル(ビーム刃✕2、柄✕1)、ミッションパック用ジョイントパーツ✕2、指パーツ各種(武器保持用:左右、握り手用:左右)、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。
MGガンダムF90用の余剰パーツが多数付属します。
専用の水転写デカールが付属。
■内部フレーム
頭部以外の全身各部にはMGガンダムF90の内部パーツを流用した内部フレームが造形。
胴体内部フレーム。胸部前面のフレームと左右脇のパーツがガンレイド用に新造されています。他はF90と同じ。
腕部内部フレーム。こちらもほとんどの箇所はF90と同じですが、前腕手首側の太いパーツがガンレイド用に新造されています。
脚部内部フレーム。こちらは膝から上がF90と同じ。膝から下の部分はガンレイド用に新造されています。ソール部は一部にF90用のパーツが流用されています。
■各部形状
MGガンダムF90(以下、F90)と比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部をF90と比較して。F90はヒロックなガンダムタイプですが、ガンレイドはヘビーガンを思わせる左右のアンテナが特徴的。完成度が高く、こめかみのバルカンや左右ダクトなどもパーツできっちりと色分けされています。
メット部は左右の組み合わせですが、後頭部の合わせ目は段落ちモールド化。後頭部センサーは白いパーツにグリーのシールを貼っての色分けです。左右アンテナの組付けが少し難しいかも。破損させないように注意です。
ツインアイ内部や額センサーの内側にもモールドがきっちりと造形。それぞれグリーンのシールを貼り、クリアパーツを被せるようになっています。クリアグリーンパーツはブラックライト(UVライト)に反応して光ります。
■胴体部
胴体部をF90と比較して。シルエットは似ていますが、ガンレイドはF90に比べてヒロイックさが弱く、全体的に形状がシンプルです。腰部幅が大きいですが、エアインテークの形状は少しあっさりめ。
首は前後にスイング可能。肩は前方や上下に可動します。
腹部コックピットハッチは展開可能。内部コックピットが露出します。
腹部コックピット内部には細かなモールドが造形。パイロットフィギュアも内蔵されています。コックピットは蛍光クリアグリーン成形色パーツでの再現でブラックライト(UVライト)で発光します。
腹部や腰部には可動ギミックがあり、上半身を反らす、左右に振るなどの動きが可能です。
フロントアーマー、サイドアーマー表面の装甲を外すとF90と同じハードポイントが露出。ミッションパックなどを装備させることができます。リアアーマーのアームも展開可能。武装類やミッションパックをマウントさせることができます。
腰アーマー裏は各部ともメカニカルな裏打ちパーツが造形。このあたりはMGならではで、あまり見えない箇所も丁寧に造られています。フロントアーマーは適度に展開可能。干渉が避けられます。
股間部にはスライドギミックがあり、スライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。ディスプレイ用ジョイントパーツを組み付けるときにも展開。
■腕部
腕部をF90と比較して。F90は比較的細身ですが、ガンレイドは全体的にエッジの効いて前腕には厚みのある装甲が造形。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕も筒型パーツ構成で合わせ目はありません。前腕は一部がロールが可能。ハンドパーツはF90と同じ。親指のみ可動し、残りの4指を組み替えるタイプです。
ショルダーアーマー。シンプルなデザインですが、三角モールドなどがパーツで丁寧に色分けされています。内側にはモールド入りの裏打ちパーツが造形。
前腕は付属のジョイントパーツに組み替えることで、ミッションパックを装着することができます。ショルダーアーマー上部の赤い装甲を外すとF90と同様のハードポイントが露出。こちらもミッションパック装着可能です。
■脚部
脚部をF90と比較して。こちらも腕部と同様、ガンレイドのほうが肉厚。F90のようなカラフルさはないものの、エッジが効いた装甲でマッシブ感ある容姿が再現されています。
大腿部、膝から下共に内部フレームに外装パーツを組み合わせる構造ですが、各部とも合わせ目は段落ちなどでモールド化。アキレス裏にはF90と同様、リード線とメッシュパイプを交えた動力パイプが造形。脹脛側面にはミッションパックマウント用のハードポイントが造形されています。
ソール部もエッジの効いた装甲が造形。脚甲はF90と同様、3基アポジが内部パーツを交えて色分けされています。
アンクルアーマーは足首の可動に合わせて上下左右に可動。脚甲基部にもメッシュパイプによる動力パイプが造形されています。足裏も内部パーツを交えて細かく色分けされていて緻密。
■バックパック
背部にはF90に似た小型のバックパックを装備。ただしサーベルホルダーは1基分のみで、一部ダクトやモールドのパーツやシールによる色分けはありません。
バックパックは他のF90シリーズと同様、コの字と2箇所の小ダボ固定で脱着が可能。
中央のカバーパーツを取り外すことで、ミッションパックや3連マシン・キャノン付きバックパックが装着可能。左のサーベルホルダー基部はパーツで蓋がされています。下部の2基バーニアはボールジョイント接続で柔軟に可動。
3連マシン・キャノン付きバックパック。右側に3連マシン・キャノン、右側にサーベルホルダーを持つバックパックになります。もともと装備している小型バックパックのサーベルホルダーを外し、その上に被せての装備。
表面にはメカニカルなモールドが造形。中央にはF91のバックパックダクトに似た装備も見られます。
3連マシン・キャノンは砲身部分が左右の組み合わせですが、上下の合わせ目は段落ちモールド化。
キャノン口は3口で造形。砲口上部センサーはグリーンのシールで色分けします。
サーベルホルダー、3連マシン・キャノンは前後(上下)に可動。画像は用意していませんが、3連マシン・キャノンは左右にもスイングさせることができます。
■他キットとの比較
MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べてサイズを比較。F90、F91などと同時期くらいの機体でフォーマットも同じなため、MGとしてはかなりの小柄サイズ。もはやHGと比較したほうが良いくらいですね;ガンレイドの頭頂高は14.8mです。
ベースのMGガンダムF90と並べて比較。内部フレームの大部分が同じなため、大きさやプロポーションは近いものがありますが、外装は全体が新造されているため別物感があります。
MGガンダムF91Ver.2.0、MGガンダムF90 Nパックと並べて比較。
■各部可動域
各部可動域をMGガンダムF90と比較して。
頭部は少し上下に可動。上半身も適度に前後させることができます。腕は水平よりも少し上まで可動。肘は2重関節ですが、装甲が干渉するのでV字程度までとなります。
腰のひねりはリアアーマーが干渉するため、45度程度までと制限されます。膝は装甲が肉厚なため、F90に比べて少し可動が制限されますが、それでも十分深くまで曲げることができます。
左右への開脚も幅広く展開可能。多少サイドアーマーの干渉で制限されますが、これだけ開けば十分かと。
可動域の総括としては、全体的にF90とほとんど変わらない印象。肉厚な装甲の影響で腰や膝の可動が少しだけ制限されますが、それでも全体的に可動域は広く、十分なポージングが楽しめそうですね。
■武装類
ビーム・バズーカ。ガンダムF90-Aタイプで採用された大型ビーム砲になります。後にF91のビーム・ランチャーに発展。シンプルにパープルグレー成形色での再現です。エネルギーパック(Eパック)仕様。
砲身部分は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。グリップは前後にスイング可能。
砲口部分は細かく別パーツ化されているため、塗り分けたりすると味が出そう。
後部Eパックは脱着可能。予備と交換できます。Eパックはモナカ割ですが、合わせ目は段落ちモールド化。
砲身側面のジョイントを展開することで、ビーム・バズーカをリアアーマーにマウント可能。予備のEパックもサイドアーマーなどにマウントすることができます。
ショート・ビーム・ライフル。取り回しに優れた短銃身型ビーム・ライフルです。基部はF90のビームライフルと同形状。表面にはメカニカルなモールドが造形されています。
各部とも左右の組み合わせですが、上下合わせ目の大部分は段落ちモールド化。上部センサーはクリアグリーンパーツでの色分けで、ブラックライトで照らすと発光します。
前後を余剰パーツと組み替えることでF90のビームライフルも再現可能。ちょっとしたお得感が味わえます。
シールド。腕部にマウント可能な専用シールドになります。上下幅はないですが、厚みがあってボリューミー。
裏面には細かなモールドが造形されていてリアルです。3.0mmくらいの穴がありますが、予備Eパックなどのマウントはできないようでした。
グリップは上下に可動。シールド底面には4連装ミサイルランチャーが造形されています。簡単な1個パーツ構成で弾頭の色分けはなし。弾頭の脱着ギミックもありません。
■ポージング
一通り武装して。
ショート・ビーム・ライフルは付属の武器保持用指パーツに組み替えてグリップを保持します。指パーツはグリップにしっかりと固定でき、安定した保持が可能。
F90に比べて前腕が太くなっていますが、ショートビームライフルは後部が小型なため干渉せずラクに保持することができます。小型なので取り扱いもラク。
シールドは指パーツを組み替えてグリップを握らせ、前腕にダボ固定します。2箇所で固定するため、ある程度しっかりとした保持が可能。
前腕がロールするので、シールドを前面に向けて防御するポーズもラクに再現することができます。
ビーム・バズーカもショートビームライフルと同様、武器保持用の指パーツをグリップに組み付けて保持します。グリップが前後に可動するので、肩なととの干渉なくラクに保持することが可能。
砲身の長い武装ですが、干渉もないですし、射撃ポーズも取らせやすいです。ビームキャノン後部のEパックと背部サーベルホルダーとの干渉もほぼありません。
ビームサーベル刃はバックパックの柄を外し、付属のビームサーベル刃を組み付けて使用します。ビーム刃はクリアブルー成形色での再現。
握り手用指パーツに組み替えてグリップを握らせますが、ダボ固定ではないため、保持力は低いです。可動する親指で支得てやるとある程度保持はできますが、それてもたまに落とすことがあるので少し注意が必要。
3連マシン・キャノン付きバックパックを装着して。
肩にキャノン砲を装備するだけでも雰囲気が変わってきます。軽装の量産機から少し重厚感ある機体に変化するのが良いですね。
腰にEパックを装備すると更に重厚感が増します。
立膝をついて射撃するポーズも様になります。平手用の指パーツが付属していないため、キャノンの砲身に手を添える表情がつけられないのはちょっと残念かも。
ビーム・バズーカは脇に構えることもできます。
■ミッションパック装着
機動戦士ガンダムF90クラスターにて、Oタイプ、Gタイプ、Qタイプのミッションパックを装着していたとのことで、それぞれのミッションパックを装着。
まずはO(オフィサー)タイプを装備して。
指揮官仕様のユニットで、右手に強化ライフル、背部(両肩にブレードアンテナ、バックパック、左腰部にサーベルラックを装備しています。強化ライフルはF91のヴェスバーのようなデザイン。
その名の通り、伝達能力の向上や機動性の高さを感じさせるガンレイドに変化します。
G(ガード)タイプを装備して。
警備・護衛仕様のユニットで、左肩に大型シールド、右肩に大型マルチプル・ビーム・ウェポンとマウントラッチを装備しています。
騎士味を感じさせるデザイン。攻撃力、守備力共に向上させたような、ファイター型のガンレイドに変化します。
Q(クイック)タイプを装備して。
機動力向上仕様のユニットで、背部にバインダーユニット、両肩に肩部アーマー、腰部に腰部(フロント、サイド)アーマー、脚部に脚部スラスターユニットを装備しています。
説明書に脚部スラスターユニットを組み付ける指示はありませんが、一応装備させてみました。白を基調としたカラーリングが良いですね。
基本的に外装が異なるため、その他のミッションパックを装備するのは難しいようでした。物によっては装備できるものもありますが、あくまで部分的に装備するという形になりそうです。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。量産機であるため、どうしてもガンダムタイプのような華やかさは薄いですが、それでも十分な魅力を持ったキットになっています。MGガンダムF90ベースでキットの完成度が高く、どことなくヘビーガンを思わせる容姿にも素朴さとヒロイックさがありますし、格好良く味のあるキットになっています。
気になる点は、組み立て直後だと関節強度も高く、武器保持用指パーツの固定強度も高いですが、F90と同様、経年で徐々に関節強度が弱くなり、固定強度も弱まってくると思います。それによって武器保持やポージング、パーツのポロリなどの頻度が高まってくるため、ある程度長期で楽しむなら補強も考慮する必要がありそうです。
いくつかのミッションパックが装着できるという汎用性の高さがありますし、武装類も多く、幅のあるポージングが再現可能。このシリーズならではの組み替える楽しみも味わえます。その他、軽装備から重厚なマシンキャノン装備など、幅広く楽しめるキットになっているのが良いですね。
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