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HGUC リック・ドムII レビュー

今回は、 2004年1月に発売されたHGUC 1/144 MS-09R-2 リック・ドムIIのレビューをご紹介します!

HGUC リック・ドムIIは、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するMS「MS-09R-2 リック・ドムII」の1/144スケールモデルキットです。重量感のあるプロポーションと広い可動範囲を再現。バズーカとヒートサーベル兼用のハンドパーツが付属する他、ジャイアント・バズや90mmマシンガンといった多彩な武装が付属するキットになっています。価格は1,650円(税込み)です。

一年戦争後期にジオン軍で実施された統合整備計画に準じ、リック・ドムを再設計した機体で、0080の劇中ではガンダムNT-1のシミュレーターに登場。0083ではカリウス他が搭乗し、ガトーのGP02とコンペイトウを襲撃するなど活躍を見せた「MS-09R-2 リック・ドムII(ツヴァイ)」がHGUCでキット化。

ドム系機特有の十字モノアイや背部プロペラントタンク、重厚な各部形状に加え、ジャイアント・バズ、90mmマシンガン、シュツルム・ファウスト、ヒート・サーベルといった武装類が新規造形で再現されています。

成形色はブルーグレーやダークブルーを基調に、頭部や胸部、肩部、シュツルム・ファウストにレッドを配色。その他、胸部や背部バックパック、プロペラントタンク、内部・関節パーツはグレー、武装類はダークグレー成型色での再現となっています。

ホイルシールが付属し、頭部モノアイ部分やリアアーマーの一部装甲を補います。肩部にはお好みで機体番号(56)や黄色いマークを貼るようになっています。(アの黄色いマークは何か分かりませんでした;)

ABSやKPSは不使用。ほとんどのパーツはPS素材です。なので塗装する場合も特に破損やひび割れを気にする必要はなさそうです。

ポリキャップはPC-123プラスを使用し、首、肘、膝、手首、バーニアの可動部など各部に組み込みます。肘や膝はPSとポリキャップ構造で関節強度はまずまず。特に負荷のかかるような装備はなく、足底も広いため自立は安定しています。

■付属品

ジャイアント・バズ、90mmマシンガン、シュツルム・ファウスト✕2、ヒート・サーベルが付属。

■各部形状

HGUCリックドムⅡの各部を見ていきます。

■頭部

頭部。ドム特有の山型シルエットや十字型モノアイレール、赤い表面装甲などが特徴的に造形。シンプルながらも存在感あるデザインになっています。無駄のないパーツ構成で特に合わせ目などもありません。

側面のモールドは少し浅い感じがあるので、技術があれば工具類で掘り起こしても良いかも。

十字型のモノアイレールはモノアイが一体のシールを貼るという簡単な造りになっているため、特に可動ギミックなどはありません。ですがバイザーはクリアパーツで再現されているので見栄えは良いです。

■胴体部

胴体部。厚みのある胸部や腰部装甲が重厚な雰囲気を醸し出しています。左胸の拡散ビーム砲も赤いパーツできっちりと色分けされていますし、その他の各部装甲の色分け再現度も高いです。腰部中央の角型ダクトは内側のふちを赤く塗り分けが必要。

リアアーマーもスカート状の厚みある装甲が造形。アーマー中央のモールドはブルーグレーのシールで色分けしますが、腰の左右装甲はパーツでの色分けです。

首はポリキャップですが可動ギミックはありません。肩も胴体部からの1軸固定で前後へのスイングギミックなどはありません。

フロント、サイドアーマー裏に裏打ちパーツなどはなく、モールドもなし。フラットな装甲なので裏打ちパーツの自作はしやすそうです。フロントアーマーは適度に展開しますが、ヒンジ部分に隙間があって少しプラプラするところがあるので注意です。気になるなら詰め物をするなど補強しても良いかと。

リアアーマーの内側には5基のスラスターが造形。特に可動ギミックはありません。バーニア内部は赤に塗り分けが必要です。すべて別パーツ化されているのでメタリック調に塗り分けるたりすると雰囲気が出て良さそうですね。

■腕部

腕部。全体的に丸みのある装甲が造形。適度にボリュームがあり、どことなく力強さも感じさせるデザインになっています。前腕のモールドも特徴的。

上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので、合わせ目を消すのは楽そう。中央のバルカンは別パーツ化されているため、造りが良いですし塗り分けもしやすいかと。

ハンドパーツは人差し指のみ可動し、武器保持時にトリガーに指が添えられるようになっています。

ショルダーアーマーは前後の簡単な組み合わせで上部に合わせ目ができます。側面のダクトは内側のふちを赤、内部を黒に塗り分けが必要。前面のモールド部分が赤いパーツで色分けされているのは嬉しいところ。

■脚部

脚部はドム特有のボリューム感ある装甲が造形。モールドは少なめですが、重厚なスカートアーマーが独特の存在感を放っています。裾の2ラインモールドも味があって良いですね。

大腿部は左右の簡単な組み合わせで前後、膝から下は前面と左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。膝が分離するのでどちらの合わせ目消しもラクそう。

脚部内部構造。造りはかなり簡易的。

ソール部。ドム特有の重厚感はありますが、より近未来的で丸みのあるデザインで造形されています。つま先も2段構造で特徴的。

足裏はつま先には肉抜き穴がありますが、全体的に質の高いモールドがデザインされています。中央の円形スラスターのふちは赤く塗り分けが必要。

スカートアーマー内部のバーニアはポリキャップ接続で適度に可動。バーニア内部は赤く塗り分けが必要です。こちらも3基バーニア口は別パーツ化されているので塗り分けがラク。アンクルアーマーも前後に可動します。

■バックパック

背部にはドムから続くコンパクトなバックパックに加え、左右下部には2基のプロペラントタンクを装備。リック・ドムⅡはこのプロペラントタンクによって通常のリック・ドムよりも作戦行動時間が200%ほど延長されているとのこと。

バックパック。派手さはないですが、側面のアポジや下部のバーニアは別パーツ化されていてモールドに深みがあります。中央下部にはハードポイントのような丸型装甲も別パーツ化。

下部のバーニアは上下に可動。表情を変化させることができます。左右一体型になっているので、個別に向きを変えたい場合は改修が必要。

バックパックは縦長の2ダボ接続。なので無改造では他キットのものと交換・カスタマイズはできないようです。

プロペラントタンクは簡単なモナカ割で軽量。接続部も簡単な1軸固定で造りが簡易的です。

プロペラントタンクは左右にスイングが可能。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。HGとしては頭ひとつ分ほど大きいですが、肉厚なだけでそれほど大きいキットではないようです。ちなみにリック・ドムⅡの全高は18.6m。

HGUCドム/リックドムと並べて。ドム/リックドムも良いですが、リック・ドムⅡは頭部が一回りほど小さく、脚も少し長く感じるデザインで造形されているため、プロポーションが良く見えます。全体的に洗練された感じがありますね。

同作品(0083)でデラーズ・フリートに所属し、共に戦場を駆け抜けたHGUCガンダム試作2号機GP02サイサリスとも並べて。カリウスを引き連れてコンペイトウを襲撃したシーンは印象的でした。

■各部可動域

頭部はわずかに上下する程度。左右へも肩が干渉するため、45度程度までとなります。

腕は水平程度まで上げることが可能。肘は1重関節で90度ほど曲がります。肩に可動ギミックはないので、前後へのスイングはできません

腰部は少し引き抜くことで干渉が避けられ、適度に前後します。

腰は干渉なく360度回転可能。股間部に3.0mm穴は無いので、説明書に浮かせてディスプレイさせる旨は記載されていませんが、浮かせてディスプレイさせる場合は股間部にコの字パーツを組み付けるようになるかと。

前後開脚は、前方へは水平程度まで上げることが可能。後方はリアスカートが干渉して制限されます。

膝は2重関節ですが、装甲が干渉するのでくの字程度までしか曲がらず。グレーの膝関節パーツは1個パーツ構成なので合わせ目はありません。膝装甲裏は抜けた状態で簡易的。

足首は少し前後する程度。左右へはやや広めに可動します。

股間部がボールジョイント接続なため、左右への開脚はハの字程度までと制限されます。

内股、ガニ股ともに45度程度まで可動。

立膝と言えるほどの姿勢にすることはできないようでした。

可動域の総括としては。全体的に肉厚でフォーマットも簡易的なため、全体的に可動域は狭め。なので柔軟な動きを表現するのは難しそうですが、重厚なシルエットで存在感がありますし、武装類も豊富に付属するのでのポージングは適度に楽しめそうです。

■武装類

ジャイアント・バズ(ジャイアント・バズII)。一年戦争時に使用されたMSの携行用としては最大級の実体弾武装になります。大戦末期にはドム以外の機体にも多用されたとのこと。側面にはボックスタイプのスコープを装備するなど特徴的なデザインで造形されています。

砲身部と後部マガジンは一体で、グリップを挟んでの簡単な左右2枚パーツ構成。なので上下に合わせ目ができます。

砲口は開口されておらず浅めに造形。別パーツ化されているので、くり抜きたい場合は接着後の処理が必要そうです。別パーツ化されているぶん、塗装で塗り分けしやすいのはメリットかも。

側面のスコープも2枚パーツのモナカ割で造りは簡易的。前面のセンサー内部はグリーンに塗り分けが必要です。

グリップは前後にスイング可能。なので担ぐポーズも保持がラクです。

90mmマシンガン。ジオン軍の一般MS用火器になります。グレネードランチャーが装着可能な後期型も存在し、デラーズフリード紛争で使用されたとのこと。各部にミリタリー調のモールドが造形されているため、物足りない感じはありません。

本体部分は簡単なモナカ割で上下に合わせ目ができます。後部ストックの展開やマガジンの脱着ギミックなども特にありません。

シュツルム・ファウスト。一年戦争後期に多様された使い捨てのロケットランチャーです。自動追尾装置などはなく、移動する標的に命中させるのは難しいものの、携帯用武装としては強力とのこと。合わせ目はできないパーツ構成。赤い弾頭部分は先端を黄色く塗り分ける必要があります。

ヒート・サーベルはバックパック側面にマウント可能。筒型パーツに差し込んで固定します。

■ポージング

90mmマシンガンを装備して。

90mmマシンガンはグリップをハンドパーツ穴に差し込み、トリガーに指を差し込んで保持します。グリップが太めでハンドパーツにうまく収まるため、特にふらつきもなく安定した保持が可能。

股間部にコの字パーツを挟むのも少し不安定なので、グッスマのTHE シンプルスタンドに付属のアームを使って引っ掛けてみました。こちらのほうがコの字パーツよりは安定するのかなと思います。何が最適解かは微妙・・・。

できればモノアイに可動ギミックが欲しかったところですが、頭部を左右に振れるのである程度の表情は付きます。ショルダーアーマーは肩関節に被せるだけの仕様でたまに外れることがあるので注意。

ジャイアント・バズはグリップをハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。グリップが前後に可動するので、適度に肘が曲げられますし、後部マガジンが肩と干渉することもなくゆったりと保持することができます。

脇に抱えつつ保持することも可能。こちらも特に突っ張ったり干渉したりすることなく保持できました。

バズーカ砲口が塞がっているのは何気に気になるかも・・・・;ガンダムマーカーなどで黒く塗り分けても良いかもですね。

シュツルム・ファウストはハンドパーツに差し込むだけで保持が可能。ややグリップ部分が細いですが、長さがあるので抜けることなく保持できます。

アオリ視点からだと重厚感が凄いです。このあたりも重MSであるドムならではの魅力ですね。

ヒートサーベルはグレーの1個パーツ構成。なので使用時の状態を再現したい場合はビーム刃をライトブルーのグラデーションで塗り分ける必要があります。

ヒート・サーベルは柄部分がハンドパーツ穴とサイズは合っていますが、角度によってはスルッと抜けてしまうことがあるので注意です。劇中で使われた記憶があまりないですが、ドムといえばジャイアント・バズとヒート・サーベルなので付属しているのはありがたいですね。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。1stのドム/リック・ドムよりもプロポーションが良く、スタイリッシュで格好良く見えるのが良いですね。アマゾンなどでもたまに素立ち画像を見かけますが、それだけでもソソられるくらいの魅力的な容姿になっています。造り的にも前腕のバルカンやバックパックの小型アポジなど細かい部分が別パーツ化されていて見栄えが良いですし、塗り分けがしやすく配慮されているのもグッド。

気になる点は、だいぶ前に発売されたキットなので、浮かせてディスプレイできるようになっておらずふらつきやすいです。コの字パーツなどだと不安定なため、ポーズを取らせるのが難しいので、接地状態で楽しむか股間部にポリキャップを埋め込むなどしたほうが手っ取り早そうです。

武装類が多くポージングバリエーションが豊富に演出できますし、GP02との組み合わせも申し分なし。合わせ目は多いものの、まだまだ色褪せない良さがあって楽しめる要素は十分です。何気に1stのドム/リック・ドムよりも先に発売されたキットですが、それでもリック・ドムⅡの洗練されたデザインが楽しめるのは嬉しいですね。

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