今回は、2012年6月に発売されたHG 1/144 MBF-M1 M1アストレイのレビューをご紹介します!
HG M1アストレイは、『機動戦士ガンダムSEED』に登場するMS『MBF-M1 M1アストレイ』の1/144スケールモデルキットです。アストレイ系の特徴的な機体形状を新規造形で再現。ビーム・ライフルやシールドといった武装類、ハンドパーツといった多彩なオプションパーツが付属し、様々なポージングが可能なキットになっています。オリジナルの武装「対艦刀」も付属。価格は1,540円(税込み)です。
オーブが自国防衛を目的に開発した量産MSで、劇中では主にアサギ、ジュリ、マユラの3人娘が搭乗。オーブ解放作戦やクサナギの艦載機としてヤキン・ドゥーエ戦などで活躍した『MBF-M1 M1アストレイ』がHG SEEDでキット化。他キットからの流用はなく、全身各部とも新規造形での再現となっています。「M1」は「モデル1」の略称。
成型色はホワイト、レッド、ブラックを基調に、腹部やバックパックのスラスター口にライトグレーを配色。アストレイの特徴的なカラーリングが再現されています。
シールは頭部のセンサーや一部装甲、バックパックのスラスター口や対ビームシールドの一部を補いますが多くはありません。シールだけでは色が足りず、各部を適度に塗り分ける必要がありますが、素組みでも違和感がないくらいの色分けが再現されています。
ABSやKPSは不使用。殆どのパーツはPS素材で構成されています。
ポリキャップはPC-001Aを使用し、全身各部に組み込みます。肘、膝関節もポリキャップ構造で関節強度はまずまず高め。背部にフライトユニットのようなバックパックを装備していますが、後方への負荷は少なく、自立は安定しています。
対ビームシールド、71式ビームライフル、対艦刀✕2、対艦刀用ジョイントパーツ(左右)、70式ビームサーベル刃✕2、シールド用ジョイントパーツ、握り手(左:穴なし)、武器持ち手(右)が付属。
オーブのマークや形式番号が収録されたマーキングシールが付属します。
頭部。きれいなV字アンテナや丸みのある装甲など、アストレイ系の特徴的な形状が再現されています。への字スリットも細かく造形。額センサーはグリーンのシールで色分けしますが、こめかみのバルカンはグレーに塗り分けが必要です。
メット部は前後の組み合わせで頭頂部や側頭部に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合はフェイスの後ハメが必要。側面の装甲は黒いシールでの色分け。後頭部もモールドが細く造形されていますが、丸ダクトの内部は赤や黒に塗り分けが必要です。
胸部。エアインテークやコックピットハッチ、腹部装甲といった各部がパーツで細かく色分けされるなど、完成度高く造形されています。
首はポリキャップ構造ですが、胴体側は固定されていて可動せず。頭部は首側のボールジョイントで可動させるようになります。肩はポリキャップを交えた構造で少し前方に展開可能。
腰部。比較的軽装で、前後とも中央の装甲が縦に長く造形。モールドも少なくフラットな装甲になっています。サイドアーマーには武器マウント用のハードポイントが造形。フロントアーマーの可動ギミックはありません。
腰アーマー裏も作りが簡易的。モールドなども特にありません。裾の肉抜き穴はそんなに見えないですが、裏打ちパーツなど自作するとチラ見した時の感じも良くなりそうです。
腕部。赤いフレームが白いエッジの効いた装甲で保護されている感じ。モールドは多くはないですが簡素な感じもなく、デザイン良く造形されています。
上腕は筒型で合わせ目はなし。肘関節は左右の組み合わせで合わせ目ができますが、上腕は左右の組み合わせでも合わせ目は端で段差モールド化されています。前腕はポリキャップ接続で分離するので、肘関節の合わせ目を消すのはラクそう。
ショルダーアーマーはポリキャップを挟んでの簡単な2個パーツ構成ですが合わせ目はなし。後部ダクト内部はグレーに塗り分けが必要です。
脚部。人体らしい丸みのある装甲で、脹脛表面には適度なモールドが造形。各部ともパーツで細かく色分けされているため、塗装は殆ど必要なし。後部ダクト内部を塗り分けるくらいです。どことなく和の雰囲気を感じさせるところもありますね。
大腿部は前後の組み合わせですが、合わせ目は段差モールド化。裏から見ると境目の隙間がちょっと気になるかも。
膝から下は白い装甲が左右の組み合わせで前面にガッツリ合わせ目ができます。特に足首手前の合わせ目は隙間ができやすいので注意。脚の付け根は別パーツ化されていて適度にロールさせることができます。
ソール部。派手な感じではないですが、脚甲など部分的に起伏があってメカニカル。脚裏は中央こそモールドがデザインされていますが、ふち全体が肉抜き穴で埋めるのは少し手間そうですね。
背部にはレッドフレームのフライトユニットの原型であるスラスター付きバックパックを装備。
バックパックは一応取り外せますが、ポリキャップを挟んだ構造で特に脱着できるようにはなっておらず、パーツをバラすようになります。
バックパック基部には左右にマルイチのスラスター画像系。縁をグレーのシールで色分けします。中央はポリキャップ穴がカバーパーツで塞がれていますが、特に用途は記載されていません。HGアストレイレッドフレームのフライトユニットやHGストライクルージュのI.W.S.P.も干渉して装備できませんでした。付属の対艦刀もマウントできず。
上部スラスターは簡単な2個パーツ構成ですが、スラスター口はスリットモールドが細かく造形。赤い装甲の隙間部分は黒く塗り分けが必要です。
下部のスラスターも簡単なパーツ構成ですが、スラスター基部や下部の赤い装甲がメカニカルに造形。装甲の黒い部分は赤く塗り分ける必要があり、下部のダクト内部は黒く塗り分ける必要があります。
黒いスラスター基部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は下部の赤い装甲などの後ハメが必要。後部ダクトは縁をグレーのシールで色分けします。
下部スラスターはボールジョイント接続で、上下に可動する他、左右へも適度に展開させることができます。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。ガンダムSEEDの機体なので特別大きくはなく、陸ジムと同サイズ程度。背部スラスターを含めても大して大きくはありません。M1アストレイは全高17.53mという設定。
HG SEEDのガンダムアストレイレッドフレーム(2003年11月発売)と並べて。発売時期に差があることもあり、M1アストレイはプロポーションがスタイリッシュに造形されていて、より洗練された感じになっています。
M1アストレイの1年後に発売されたHG ガンダムアストレイレッド(フレームフライトユニット装備)とも並べて。パーツの流用はないですが、デザイン的に似ている箇所は多いです。発売時期が近いこともあってプロポーションもスタイリッシュ。
頭部は適度に上下します。左右へも干渉なくスムーズにスイング可能。
腕は水平以上に上げることが可能。肘は2重関節で深くまで曲げることができます。
肩はボールジョイントで適度に前後スイングが可能。肩の可動ギミックにより、前方へは少し広めに展開させることができます。
腹部ボールジョイントにより、上半身は少しだけ前後させることができます。
腰は少し干渉しますが、360度回転させることができます。アクションベースやスタンドへは、通常通り、股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
フロントアーマー、リアアーマー共に可動しませんが、比較的軽装なので前後開脚は広めに展開させることができます。
膝は2重関節である程度深くまで曲げることができます。膝の内側も中央に合わせ目はできるものの、隙間がなくしっかりとした作りになっています。
足首は前後左右とも特別広くはなく、それなりに可動します。
左右への開脚はハの字程度まで。股間部は1軸接続ですが、足の付根側があまり可動しないので制限されます。
内股も大腿部と股間部が干渉するためわずか。ガニ股もハの字程度までと制限されます。
立膝は少し干渉しますが、それなりに再現することはできました。
可動域の総括としては、特別広くはないですが狭くもないといった感じ。各関節ともある程度動くので、様になるポーズは十分に再現できそうです。劇中での開発中のぎこちない動きを思うと、オーブ最初の量産型MSとしてはこのくらいでも十分なのかなと。
対ビームシールド。対ビームコーティングが施された実体盾になります。シールド本体は簡単な2枚パーツ構成と簡易的で、表面のモールドは赤いシールでの色分けとなっています。裏面のグリップ可動ギミックなどもなし。
HGガンダムアストレイレッドフレーム(フライトユニット装備)、HGガンダムアストレイレッドフレームの対ビームシールドと並べて。デザインは殆ど同じですが、表面装甲が旧アストレイは色分けなし、M1アストレイはシール、新アストレイはパーツでの色分けと段階的に良くなっています。
71式ビームライフル。M1アストレイの手兵装になります。連合から得た技術によって開発されたMS用の携帯ビーム砲で、ビーム兵器配備の遅れていたザフトに対して大きなアドバンテージを得たとのこと。
本体部は簡単なモナカ割で上下に合わせ目ができます。特にフォアグリップの可動ギミックもなくシンプルな作り。
センサーはグリーンのシールで色分けします。
HGアストレイレッドフレーム(フライトユニット装備)、HGアストレイレッドフレームのビーム・ライフルと並べて。デザインはよく似ていますが、M1アストレイは71式なので部分的に形状が異なります。
付属のジョイントパーツと対ビームシールド、71式ビームライフルを組み合わせることで、背部スラスターの側面にマウントさせることができます。
対艦刀。全長9.1mにわたる大型の実体剣で、I.W.S.P.に採用されている近接戦兵器の一つになります。劇中では使用していませんが、ガンプラオリジナルの武装として追加されています。
簡単な1個パーツ構成ですが、グリップ周りには適度なモールドが造形。刃も切れ味の良さを感じさせるデザインになっています。一部を赤く塗り分ける必要があります。
HG SEEDのストライクルージュ+I.W.S.P.に付属している対艦刀と並べて。M1アストレイのほうが長く、モールドや刃の形状なども細かく造形されています。ちなみにM1アストレイの対艦刀もI.W.S.P.にマウントすることができました。
付属のジョイントパーツを使用することで、対艦刀をサイドアーマーにマウントさせることができます。固定強度はまずまず高め。ポーズを取らせても特にポロリしたりすることはありませんでした。
一通り武装して。
ビーム・ライフルはトリガーに指を添える自然な形での保持となっています。HG SEED系は武器がふらつきやすいところがありますが、このキットはグリップとハンドパーツとの間に隙間も少なく、安定した保持が可能です。
HG SEEDのポリキャップを交えた構造なので、ポロリなどがなくポーズが取らせやすいです。気になるのは少しハンドパーツが抜けやすいかなというくらい。
さすがのアストレイ系で、カラーリングや配色、造形が良いのでポーズを取らせるととにかく格好良いですね。ビーム・ライフルのフォアグリップが動かないため、ポーズが制限されてしまうのは勿体ないところ。
対ビームシールドは付属のジョイントパーツを前腕に組み付けて装備します。付属のジョイントパーツの位置を組み替えることで、後部に配置することも可能。
シールドは前腕にしっかりと固定できるため、ポロリなどもなく安定した装備が可能です。
背部のスラスターも可動の自由度が高く、適度に表情を付けることができますし、飛行時のポーズも格好良く演出してくれます。
ハンドパーツは穴なしのものが付属。少し見た目を良くすることができます。左用しかないので、ついでに右用も付属していると良かったかも・・・・。
ビーム・サーベル刃はクリアピンク成型色での再現。サーベル柄もグリップとハンドパーツとの間に隙間がないので、スルッと抜けたりすることなくしっかりと保持することができます。
対艦刀はハンドパーツにグリップを差し込むだけで保持が可能。こちらも隙間なく保持できますが、角度を変えると偶にスルッと移動する場合があるので注意です。
劇中では使用していない武装ですが、両手持ちなどさせるとより強さが増したような雰囲気に。ポーズを取らせると量産機とは思えないような、迫力あるダイナミックな攻撃シーンを再現することができます。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。発売されたHG SEEDの中でも、後発なこともあってかなりしっかりとした作りになっています。プロポーションも良いですし、細部もチープさのない完成度の高いキットに仕上がっていますね。可動も無駄がなく、柔軟でポーズが付けやすいですし、どんなポーズでもとにかく格好良く決まります。
気になる点は、各部の合わせ目が目立つため、塗装・製作したい場合は後ハメやマスキングによる塗り分けなど細かな処理が必要です。それと穴なしの握り手は、できれば右も付属していると良かったですね。
対艦刀が付属することで、量産機とは思えないような迫力あるポーズを取らせることができますし、武装類も適度に付属していて遊びの幅あって十分に楽しめます。おそらく今後のリメイクはほぼないと思われますし、末永く楽しめそうな、M1アストレイの決定版とも言えるキットに仕上がっているのが良いですね。
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