今回は、2001年2月に発売されたMG 1/100 MS-07B3 グフカスタムのレビューをご紹介します!
MG グフカスタムは、『機動戦士ガンダム第08MS小隊』に登場するMS『MS-07B3 グフカスタム』の1/100スケールモデルキットです。グフを再設計した特徴的な機体形状を再現。精巧に再現されたガトリングシールドに加え、リード線によるヒートロッド展開、ヒートサーベルによって攻撃的なポージングが再現可能なキットになっています。ノリス・パッカードの1/20スケールフィギュアも付属。価格は3,300円(税込み)です。
射撃武装を着脱式にして中近距離射撃能力を向上させたグフの再設計機で、劇中では単騎で出撃し、第08MS小隊を圧倒。ケルゲレンの脱出を援護するなどの活躍を見せたノリス・パッカード搭乗機『MS-07B3 グフカスタム』がMGでキット化。
2000年10月に発売されたMG MS-07B グフをベースに、グフカスタム特有の各部外装や3連装35mmガトリング砲、ガトリング・シールド、ヒート・サーベルといった武装が新規造形で再現されています。
成型色は四肢や頭部のライトブルーと胴体部ブルーグリーンをベースに、胸部や膝部、ソール部、バックパックなどにダークグレーを配色。その他、腹部コックピットハッチや武器センサーはクリアオレンジ、内部・関節、武装類はグレー成型色での再現となっています。
肩や肘膝関節など、強度が必要な箇所にはABSが使用されています。KPSは不使用。腹部、肩、肘膝関節パーツの組み合わせにはビスが使用され、ビスの止め具合によって関節の強度を調整することができます。組み立てには小型のドライバーが必要。
動力パイプは細かく細分化されているので、組み立てるとディテールが緻密になります。ですがそのぶん、小さいパーツが多いので紛失に注意するのと、角度が付いたものがあるので組み間違いにも注意します。(予備あり。)
ポリキャップはPC-122を股間部や肘膝、足首など全身各部に使用します。特別負荷のかかるような装備はなく、足底も広めでしっかりと接地できるため、自立は安定しています。
ガトリング・シールド、3連装35mmガトリング砲、3連装35mmガトリング砲用ジョイントパーツ、ヒート・ロッド、指パーツ(武器持ち手用:左右、平手用:左右)、ノリス・パッカードのパイロットフィギュアと1/20スケールフィギュアが付属。
MGグフの余剰パーツ、動力パイプパーツ、ビスが余剰で付属。
専用のガンダムデカール(擦って転写するタイプ)、マーキングシールが付属します。
頭部以外の各部に内部フレームが造形。シルエットからはグフカスタムとはわかりにくいですが、前腕やふくらはぎなどはメカニカルな見栄えのするようなデザインになっています。
頭部。ノーマルグフに比べてクセは弱め。ですがモノアイスリットの中央がV字に造形されるなど、睨みつけるような表情で印象的にデザインされています。V字部分が別パーツ化されて合わせ目っぽくなっているのはちょっと気になるかも。左右の動力パイプは小さいパイプパーツの組み合わせで緻密。
全体的にパーツの組み合わせ強度が高くないので少し取り扱いに注意です。弄りすぎると口のパーツが外れて動力パイプが分解してしまう可能性も。
モノアイはクリアパーツに赤いシールを貼っての色分け。クリアカラーで塗装すると映えそうですね。
モノアイは左右に可動し、表情を変化させることができます。クリアのバイザーパーツを外す必要があるのでちょっと面倒ですが、真横にまで幅広く可動するのはいいですね。
胸部・腹部。ゴツゴツとした装甲や2窓のコックピットハッチなど、グフカスタム特有の形状が再現されています。腹部コックピットハッチはクリアオレンジパーツでの色分け。
胴体内部フレーム。腰部は軽装でモールドなどもほぼないですが、胸部・腹部は脇にシリンダーシャフトがモールド化されるなどディテールが細かいです。
首、肩共に可動ギミックはありません。シンプルなボールジョイント接続。
コックピットハッチは開閉可能。下部を少し浮かせて引き出し、上部に展開します。内部は比較的簡易的な作りですが、ノリス・パッカードのパイロットフィギュアが収納されています。
腰部。ジオン系特有のスカートアーマーですが、適度に厚みのある装甲がバランスよく造形されています。
動力パイプは頭部と同様、節ごとに分割されていて緻密。太めで存在感もあります。
腰アーマー裏は各部とも裏打ちパーツではなく、パーツ裏に適度なモールドが造形されています。股間部はシンプルなボールジョイント接続。
腕部。ジオン系のデザインながら、前腕は適度にエッジが効いています。右前腕に装備するヒートロッドも印象的に造形。ショルダーアーマーもグフ特有の曲状に反ったスパイクアーマーが目を引きます。
腕部内部フレーム。肩と肘はビス止め構造で関節の強度を調整することができます。
上腕は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はモールド化。前腕は前後の組み合わせですが、こちらも側面の合わせ目はモールドっぽく造形されています。ハンドパーツは可動ギミックはありませんが、4指を組み替えるタイプになります。
前腕のヒートロッドはリード線によるワイヤーパーツと組み替え可能。先端は3つ又の展開状態になっています。左前腕にヒートロッドはなく軽装。ただし左前腕の手首には3連装35mmガトリング砲を装備するための溝があるので、外装パーツを組み間違えないように注意します。
両肩のスパイクアーマーはポリキャップを挟んでの2枚パーツ構成で上部、側面ともに合わせ目ができます。スパイクも特に別パーツ化されていません。
ショルダーアーマーはボールジョイント基部が左右にスイングしますし、ポリキャップ接続で柔軟に可動します。
脚部。グフ系のデザインですが、ノーマルグフに比べてき造形がめ細かく、膝装甲が色分けされるなど洗練された感じがあります。
脚部内部フレーム。大腿部やふくらはぎ、足首などにはメカニカルな内部フレームが造形。膝はビス止め仕様で関節強度を調整することができます。
大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下は膝周りのフレームが前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。脹脛などの装甲は左右から組み合わせる仕様ですが、後部の合わせ目は段落ちモールド化。
脹脛の外装はポリキャップ接続で脱着が可能。外装を外した状態でディスプレイしておくことで、メカニカルな内部フレームを楽しむことができます。
足の付根も外装が欠けた状態で、部分的に内部フレームが露出するようになっています。ただし腰部装甲で隠れるので殆ど見えません。
ソール部は軽装。ザク系、グフ系と同じ楕円状の装甲が造形されています。
足首はメカニカルに造形。かなり高くまで上げることができます。ソール部は内部まで細かなモールドが入っています。
足裏も全体に細かなモールドが造形されています。中央のスラスター口は別パーツ化されているので塗り分けがラクそうです。
バックパックはコンパクトなボックスタイプ。下部のバーニアは上下に少し可動します。バーニア内部は赤く塗り分けが必要。
バックパックも内部フレームがメカニカルに造形。
MGジム・コマンド(コロニー戦仕様)、MG強化型ダブルゼータガンダムVer.Kaと並べて大きさを比較。ジム・コマンドよりも少し大きいくらいですが、両肩にスパイクアーマーがあるので少しボリューム感があります。グフカスタムの全高は18.7m。
同作品登場機であるMGガンダムEz8(イージーエイト)と並べて。発売時期が同じでどちらもアレンジのないベーシックなスタイルなので、組み合わせても問題なく合いそうですね。
HGUCグフカスタムとサイズを合わせてプロポーションを比較。プロポーションにそれほど大きな違いはなさそうです。
頭部はわずかに上下する程度。左右へは干渉なくスムーズにスイングさせることができます。
腕は水平よりも少し下がり気味。肘は1重関節で90度程度曲げることができます。
肩はボールジョイント接続で適度に前後スイングが可能。
上半身は少し前後させることができます。
腰はわずかにひねる程度。説明書に浮かせてディスプレイさせる方法は記載されていませんが、アクションベースやスタンドを使用する場合は股間部にコの字パーツを挟むと良さそうです。
フロントアーマー、リアアーマーともにあまり展開できないので、前後開脚は少し制限されます。
膝は2重関節ですが、外装の干渉で曲げる角度はくの字程度までとなります。膝装甲裏は裏打ちパーツがきっちりと造形。
足首の可動は、つま先は殆ど伸ばせませんが、反らす動きは深くまで可動します。左右への可動はあまり広くはありません。
股間部がボールジョイントなので、左右への開脚もハの字程度までと制限されます。
内股、ガニ股は共に45度程度までと制限されます。
前後開脚が制限されるので、立膝もきれいな姿勢で再現するのは難しいようでした。
可動域の総括としては、お世辞にも広いとは言えず、だいぶ可動は制限されそうです。ですが肘膝は適度に曲がりますし、頭部や肩部、足首なども適度に可動するので、それらを活かしてうまくポーズを取らせたいところです。
ガトリングシールド。シールドと6銃身75mmガトリング砲を組み合わせた武装になります。6銃身75mmガトリング砲は中距離用のガトリング砲で、中距離戦闘能力を向上させるための武装になります。取り回しはあまり良くはないが、射撃武器としては高い威力を発揮するとのこと。
シールド部分はガトリング砲のフレームにガッチリと固定されています。シールドはグフ用特有の1口のぞき窓が造形されていますが造りは簡易的。
ガトリング砲は気筒各部がすべて別パーツ化されていて造りが細かいです。砲口も開口。
糾弾ベルトや弾倉、グリップなどもそれぞれ別パーツで細かく造形。弾倉は筒型パーツの組み合わせで合わせ目はモールド化されています。グリップ基部の裏面肉抜き穴がちょっと気になるところ。
説明書に記載はありませんが、シールドは一応分離可能です。ただし組付け用のダボなどは露出した状態になります。
ヒート・サーベル。小型化された実体剣になります。高熱発光で使用することもできますが、劇中では発熱までのタイムラグやエネルギー消費を避けるため、そのまま攻撃に使用していました。
鍔の部分のみモナカ割で合わせ目ができます。他は1個パーツ構成で合わせ目はなし。
ヒート・サーベルはシールドの内側に収納することができます。あまり固定強度は高くないですが、シールドをひっくり返さない限り抜けることはないかと。
3連装35mmガトリング砲。左手のフィンガーバルカンに代わって装備された射撃武装になります。近距離の的に対して部類の強さを発揮するとのこと。3口の砲口が特徴的に造形されています。
砲口は適度に開口。側面のセンサーはクリアオレンジパーツでの色分けで適度に上下します。HGUCのような右側面装甲の可動ギミックはなし。
基部は左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。
3連装35mmガトリング砲は手首にジョイントパーツを組付けてから3連装35mmガトリング砲を組み付けます。ジョイントパーツは手首の上下にある溝に組み付けて固定。
1/20スケールのノリス・パッカードフィギュア。ジオンの軍服で渋い表情で造形されています。ベージュ成型色のみなので各部を塗装する必要があります。
1/100サイズのパイロットフィギュア。こちらもノリス・パッカードになります。こちらはパイロットスーツ姿。ノリス・・・・?
ガトリングシールドを装備して。
ガトリングシールドは前腕に組み付けた3連装35mmガトリング砲にダボ接続し、グリップを握らせます。ダボ接続のみである程度しっかりと固定されますが、グリップのダボを手のひらに差し込めるようになっています。手のひらダボの固定強度は弱め。
ガトリングシールドには重量があるので、肩の強度が弱いとすぐに垂れてしまいます。腕を上げるなどでポーズを取らせたい場合は、肩のビスを回して強度を上げておく必要がありそうです。
肩や上腕の固定強度を上げてそれなりに射撃ポーズを再現。垂れやすいので苦しいですが、なんとか射撃するポーズを再現してみました。
大型の武装で存在感があるので、シンプルにディフェンスするようなポーズでも十分迫力が出ますし様になりますね。
ヒートサーベルは握り手用の指パーツを組み付けて保持します。グリップのダボを手のひらに差し込んで適度に固定しますが、溝とダボの大きさがあっていないので少しふらつきがあります。ですが指パーツで支えられるのではずれ落ちることはありません。
可動域があまり広くないため、ポージングは制限されますが、切り裂くようなポーズもある程度は再現可能。劇中でタンクを貫いたシーンのような、ヒート・サーベル逆向きでの保持は難しいようでした。グリップのダボが片側にしかないため、手のひらに固定できず垂れてしまいます。
ツインアイが可動するので、簡単なポーズでもある程度表情が付けられます。
ガトリング・シールドを外し、3連装35mmガトリング砲での攻撃シーンを再現。ガトリング・シールドを外すと軽装になるため、取り扱いがラクになってポーズが取らせやすくなります。
シールドのみ組み付けた状態も再現可能でした。ただし劇中のようにシールド単体で装備することはできないので、一部にガトリング・シールドのフレームを使用して組み付けています。
ヒートロッドを展開して。ヒートロッド先端部が軽量でリード線にも適度に強度があるので、垂れること無く安定した射出シーンが再現が可能です。ジョイントパーツとリード線との接続もしっかりとしています。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。構造的はさすがに古さを感じますが、外装パーツのディテールや造形、全体的なプロポーションは良く、グフカスタム特有の機体形状がうまく再現されていると思います。ガトリング・シールドなどの武装類も重厚感がありますし、内部フレームもメカニカルに造形されているため、外装を外した状態でディスプレイさせておくなど見せ方が工夫できるのもいいですね。
気になる点は、近年のキットのようなかっちりとした作りではないので、一部の外装パーツが簡単に外れたりそれに付随して動力パイプがふらついたりと少し取り扱いに気を使うところがあります。肩関節やビス止め仕様の関節もガトリング・シールドを構えるにはやや心もとないので、自由にポーズを取らせたい場合はある程度の補強が必要かと。
ただそれでも、うまくすれば劇中シーンの再現も可能ですし、サイズ感のあるMGなのでキットの存在感、ポージングの重厚感は十分に感じられます。EZ-8と組み合わせてのディスプレイではかなりの迫力、躍動感が得られますし、可動を不自由さを忘れるくらいに見栄えのするキットになっているのがいいですね。
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