今回は、2015年11月に発売されたHG 1/144 STH-05 百錬のレビューをご紹介します!
HG 百錬は、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するMS『STH-05 百錬』の1/144スケールモデルキットです。テイワズ主力MSの特徴的な機体形状を新規造形で再現。ライフルカノンや片刃式ブレードといった武装が付属し、様々なアクションポーズが再現可能なキットになっています。サイドアーマーを外せばナックルガードとしても使用可能。価格は1,100円(税込み)です。
テイワズが開発したMSで、鉄華団との戦闘ではアミダ機と共に昭弘・アルトランドのグレイズ改と戦闘。ブルワーズとの戦闘でもラフタの百里と共に戦場を駆け抜けた『STH-05 百錬』がHGでキット化。接近戦を得意とし、重装甲でありながら高い汎用性を持つ特徴的な機体形状が再現されています。
ちなみにデブリ帯やアステロイドベルトでの運用が必須である事から、装甲は重装甲が基本となっているとのこと。
成型色は淡めのブルーをベースに、各部にダークブルーやホワイトを配色。その他、関節・内部パーツはグレー、一部装甲や武装類はダークグレー成型色での再現となっています。
シールは頭部カメラアイや肩部と胸部の三角モールドを補うくらいでわずか。肘部や脚部ダクトなど一部を塗装で塗り分ける必要がありますが、大部分がパーツで色分けされているので素組みでも十分な仕上がりになります。
ダークグレーやグレーの関節・内部パーツ、武装類にはKPSが使用されています。ABSは不使用。設定では『テイワズフレーム』が採用されていますが、このキットに他のHG鉄血のオルフェンズシリーズのような内部フレームは再現されていません。あっても上腕や大腿部のみ。
ポリキャップはPC-002を首部や肩部、腹部、股間部、脚部などに使用します。肘・膝関節はKPS構造。ソールが小柄で接地面が小さいですが、関節強度がまずまず高めなので自立は可能です。
100mmライフルカノン、片刃式ブレードが付属。
頭部。ツリ目のカメラアイやオカッパ頭のようなメット部など、どことなくアジア系の女性をイメージしたような形状が再現されています。カメラアイはシールでの色分けで、黄点のモールドは造形されていません。
メット部は左右の組み合わせで上部に合わせ目ができます。白い顎パーツを挟むので後ハメが必要。
胸部は複数パーツの組み合わせで細かく色分けされています。腹部には細身のシャフトが造形されるなどメカニカル。胸部中央の三角モールドは黄色いシールでの色分けです。
背部は中央に1基のエイハブ・リアクター、左右には小型のスラスターが造形されています。スラスターのバーニア穴は浅め。あっさりとした作りなので、彫り込んだりメタルパーツに組み替えたりするとグッと引き立ちそうですね。
首と肩はポリキャップ接続。肩のポリキャップは引き出しが可能です。首後部にはリアクターパーツの隙間がありますが、頭部を組み付けると隠れます。
フロントアーマーは軽装ですが、サイドアーマーには曲状で存在感のある装甲が造形されています。表面には適度なモールドも造形。
リアアーマーはまずまずの存在感。中央の装甲は45度ほど展開可能です。下部のスラスター内部にはスリットモールドも造形。
腰アーマー裏にモールドなくシンプル。凹凸もないので裏打ちパーツは作りやすそうです。中央の装甲裏はガッツリ肉抜きなので、プラ板で塞ぐなどして処理したいですね。
サイドアーマー裏も表面の形状をそのまま反映させたかたちでモールドはなし。先端のナックルガードは取り外して武器として使用することができます。
ナックルガードは一旦グリップを外して握らせ、その後に白いナックルガードパーツを組み付けます。固定強度はあまり高くなく、弄っていると外れることもあるので注意です。ちなみにナックルガードには放電機構があり、インパクトの瞬間に電気ショックを攻撃対象に見舞うことが可能な近接武装です。
腕部。ショルダーアーマーには厚みがありますが、上腕以下は比較的細身。ですが各部ともゴツゴツと雰囲気は表現されています。
上腕、前腕ともに上下の組み合わせですが、側面の合わせ目は色分けパーツの境目になっているので処理の必要はありません。肘関節は分離しないので、合わせ目を消す場合は後ハメなど細かな処理が必要です。上腕と前腕後部の突き出た装甲部分、肘関節は白く塗り分けが必要。
ショルダーアーマーは前後の組み合わせで上部に合わせ目ができますが、分解できるので合わせ目消しはラクそうです。前後の三角モールドは黄色いシールでの色分け。
ショルダーアーマーの上部装甲は幅広く展開し、肩部の干渉を避けることができます。肩のボールジョイント部分も上下に可動。多少脇からポリキャップが覗いたりするので、プラ板で塞ぐなどしても良いかと。
脚部は厚みのある大腿部から裾にかけて細身に。脛やふくらはぎ後部には細かなダクトやスラスターも造形されています。後部スラスター内部にはスリットモールドも造形。脛のダクト内部や後部スラスターはグレーに塗り分けが必要です。
大腿部は前後の組み合わせで側面に合わせ目ができます。筒型パーツを被せるだけなので合わせ目消しはラク。膝から下は左右の組み合わせで脛や後部に合わせ目ができますが、膝から分離するので合わせ目消しはラク。
大腿部には簡単な内部フレームが造形されています。
ソールは小型。足首が前後に可動しますが構造自体は簡易的です。足裏はガッツリ肉抜き穴なので、埋める際にデザインする場合はなかなかセンスが求められそうです。
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。特別大きいわけではないですが、肩の装甲などに厚みがあるのでやや大柄に見えます。百錬の全高は18.2m。
HG 百錬(アミダ機) と並べて。百錬本体は成型色が違っているだけですが、アミダ機には130mmアサルトライフルが新規で付属しています。
劇中で戦闘を繰り広げたHGグレイズ改、HG百里と並べて。鉄血のオルフェンズ登場機はどれも個性的ですが、タービンズ保有機はその中でもクセの強い機体形状になっています。
頭部は少し上下する程度。左右へは顎と左右の装甲が干渉しますが、まずまず広めにスイングさせることができます。
腕はショルダーアーマーの装甲を展開することで干渉が避けられ、水平まで上げることができます。
肘は2重関節で深くまで曲げることが可能。上腕はロールするとショルダーアーマーと干渉するため、あまり広く回すことはできないようです。
肩の前後スイングは、こちらもショルダーアーマー上部の装甲を展開することで幅広く前後させることができます。
上半身の前後スイングは、前屈は制限されますが、反らす動きはやや広めに可動します。
腰は干渉なく360度回転可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイです。
前後開脚は、大腿部に厚みがあるので干渉し易いですが、一応広めに展開させることができます。あまり弄っているとサイドアーマーが外れるので注意。
膝は2重関節でくの字程度まで曲げることができます。
足首は前後左右とも適度にスイングが可能。前後への可動が少し緩いので、それが自立を不安定にさせる要因にもなっています。
左右への開脚は水平程度まで展開させることができます。ただしこちらもサイドアーマーが外れやすいので注意。
内股、がに股は水平まではいきませんが、ともに幅広く可動させることができます。
大腿部にぎこちなさはあるものの、立膝はまあまあの姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、多少肩部や大腿部にぎこちなさはありますが、腰が360度回転したり上半身も適度に反らせたりできるので、ポージングでもある程度表情を付けることはできそうです。
JEE-201 100mmライフルカノン。エウロ・エレクトロニクス製の軽量ライフルになります。シンプルな構造で表面のモールドも少なめ。
単純なモナカ割で上下に合わせ目ができます。マガジンの脱着ギミックなどもありません。
銃口はモールドのみで開口されていないので、ピンバイスでくり抜いたりメタルパーツを埋め込んだりするとディテールが映えそうですね。
JEE-202片刃式ブレード。接近戦用の実体剣になります。片刃のブレード部分と鞘で構成され、鞘はブレード部分から脱着が可能。
ブレードはグリップ周りがモナカ割で側面に合わせ目ができます。鞘が1個パーツ構成で合わせ目はなし。
片刃式ブレードはリアアーマーにマウント可能。しっかりと固定されるので簡単には外れません。グリップ側が固定されるので、グリップを残したままブレードを脱着することができます。
一通り武装して。
100mmライフルカノンは手甲をバラしてグリップを握らせます。グリップとハンドパーツとの間に隙間がないので、自然と向きが変わることもなく安定した保持が可能です。
ショルダーアーマーが干渉して肩が少し外れやすいのと、大腿部を上げるとサイドアーマーが干渉して外れやすいので注意。外れる頻度は高いですが、その部分さえ注意すれば他は問題ないかと。
片刃式ブレードは先端がシャープに造形されているので、ポージングでの斬撃の鋭さが感じられていいですね。劇中でもグレイズ改のバトルアックスを切り欠くシーンが印象的でした。(切り欠いたのはアミダ機。)
片刃式ブレードは手甲パーツをバラしてハンドパーツで握らせますが、ハンドパーツとグリップとの間に少し隙間があります。ある程度は角度を維持してくれますが、少し弄るとクルッと角度が変わりやすいので注意です。
ナックルガードを装備して。ハンドパーツに握らせるだけなので、干渉などもなく軽快なポーズを取らせることができます。
劇中でナックルガードを使用していた記憶はありませんが、ライフルやブレードとは違った接近戦・格闘戦闘をイメージしたポージングが楽しめるのがいいですね。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。タービンズ保有機らしいクセのある機体形状が印象的。ヒロイックさとは縁遠いデザインではありますが、ガンダムタイプなどとは違った雰囲気があっていいですね。脚部にこそ合わせ目ができますが、全体的に細かくパーツ分割されていて造りがいいですし、重量感ある機体形状でポーズにも迫力が出ます。このクォリティで1,100円はありえないくらいにスゴイですね。
気になる点は、ショルダーアーマーや大腿部が大柄なため、可動時に干渉して腕や腰部サイドアーマーが外れやすいです。ポーズを取らせると頻繁に外れるので、補強などしてハズれないようにしておいたほうが取り扱いがラクになると思います。
武装類もシンプルなライフルから片刃式ブレード、格闘に特化したナックルガードと様々。ポージングの幅が広がりますし表情も付けやすいです。他にはない個性的な機体形状でディスプレイにも変化が生まれるので、グレイズ改やブルワーズ系の機体と合わせるなどしてインパクトある演出を楽しみたいですね。
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キットの組み立てには『ヌルっと切れる片刃ニッパー』を使用しています。薄刃ですが強度が高く長持ちするのでおすすめです。⇒ヌルっと切れる片刃ニッパーのレビューはこちら