今回は、2014年7月に発売されたHGUC 1/144 ゼータプラス(ユニコーンVer.)のレビューをご紹介します!
HGUC ゼータプラス(ユニコーンVer.)は、『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS「MSZ-006A1 ゼータプラス」の1/144スケールモデルキットです。ゼータプラスを現代的なプロポーションで再現。HGUCデルタプラスで培われたパーツ差し替えによる変形方式を踏襲し、MS形態のプロポーションを重視しつつ、ウェイブライダーへの変形が可能となっています。価格は2,640円(税込み)です。
カラバによる主導のもと、AE社の工場で開発された大気圏内用のTMSで、『機動戦士ガンダムUC』の episode 7に登場。グスタフ・カールとともにシャイアン基地の警備を務めたゼータプラス(A1型)がHGUCでキット化。カメラアイをユニコーンVer.用のレッドに変更された他、リゼル用のビーム・ライフルを持つ特徴的な仕様のゼータプラスが再現されています。
成型色はゼータプラス特有の全身グレーに、ダクト類にホワイト、ソールにブルーといった配色。シールは頭部センサー類や武装類の一部を補うのみです。ダクト内を塗り分ける必要がありますが、全体的に素組みで十分な仕上がり。派手さはないですが、実機感、兵器感を感じるカラーリングになっています。
ABSは不使用。ほぼPS素材で構成されているため、破損を気にすることなく塗装ができそうです。
ポリキャップはPC-132ACを使用。全身各部に組込み、関節強度はまずまず高め。細身ですが接地性は高いですし、一方に負荷がかかることもなく自立は安定しています。背部にウイングバインダーを装備していますが自立に影響はありません。
■付属品
シールド、ビーム・ライフル、ビーム・サーベル(サーベル刃、サーベル柄)✕2、武器持ち手(右)が付属。
ウェイブライダー形態変形用の基部パーツ、ショルダーアーマーパーツが付属。
連邦やゼータプラスのマークが入ったマーキングシールが付属します。
■各部形状
■頭部
頭部。への字スリットのないシャープな造形(Z顔)が再現されています。メット部は前後挟み込みタイプで側面に合わせ目ができます。一部成形不良があったようですが、自分のものはキレイに加工されているようでした。(再販品だから?)
ツインアイやとさか前後のセンサー類は、シャイアン基地警備にあたったグスタフ・カールと同じレッドをシールで色分け。左右のダクトふちもブルーのシールでの色分けとなっています。
■胴体部
胴体部。ゼータガンダムに似た胸部装甲に加え、ゼータプラス特有のフロントアーマーのないスリムな腰部が再現されています。エアインテーク内部はグレーに塗り分けが必要。サイドアーマーには特徴的なビームカノンを装備しています。
大腿部ビームカノン。ビーム口とともに、大腿部をガードする装甲も造形されています。腰部とはポリキャップ接続で前方に展開可能。複数パーツの組み合わせで、合わせ目は内側にくるため殆ど見えません。装甲の一部はダークグレーに塗り分けが必要です。
左右へも適度に可動します。
■腕部
腕部。兵器感のある角型装甲が造形されています。特別派手ではないですが、メカニカルで魅力を感じる部分ではありますね。
上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右の組み合わせで前後に合わせ目ができます。肘から分離するので合わせ目消しはラクそうですが、内側は形状に合わせてモールド化されていると良かったですね。
ショルダーアーマーはコンパクトなタイプ。前後挟み込みタイプですが、合わせ目は端でモールド化されています。
側面の装甲は2箇所が可動。広く展開させることができます。
■脚部
脚部。細身ですが、ゼータ系のまとまりのあるデザインで造形されています。膝裏の動力パイプや裾の白いダクトなども印象的に造形。
大腿部、膝から下ともに前後の組み合わせで、大腿部側面に合わせ目ができます。ですが合わせ目はそのままモールドとしておいても良さそうなデザインですね。
膝から下の合わせ目は段落ちモールド化されていました。前後のアンクルアーマーは展開が可能。側面の白いダクト内部はグレーに塗り分けが必要です。
ソール部。こちらも派手さのないシャープでシンプルなデザイン。ソールはブルー成型色パーツでの色分けとなっています。足裏は細かなモールドで見栄え良く造形。肉抜き穴などもなく完成度が高いです。
■背部(バックパック)
背部。こちらもゼータ系特有のスタイルで、左右には幅のあるウイングバインダー、中央にはスタビライザーを装備しています。
背部のウイングバインダーとスタビライザーを外した状態。背部、リアアーマーともにシンプルなゼータ系の装甲になっています。リアアーマー内側には1本のラインモールドのみ造形。適度に展開が可能です。
ウイングバインダーはシンプルなシルエットですが、表面には航空機らしいモールドがデザインされています。下部ウイングは45度ほど展開が可能。
上部の装甲は左右挟み込みタイプで合わせ目ができます。合わせ目を消す場合、下部ウイングの後ハメ加工が必要そう。
中央のスタビライザーは上下の組み合わせで側面に合わせ目ができますが、合わせ目は段落ちモールドっぽい作り。黄色いラインはシールでの色分けとなっています。
スタビライザーは2箇所の可動部で幅広く展開させることができます。
■他キットとの比較
HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。HGとしては少し大きいくらい。ゼータプラスの全高は19.86mです。
HGUC ゼータプラスC1型(画像左)と並べて。C1型は背部にスラスターやプロペラントタンクを装備している分、少し重厚感があります。このA1型のほうが軽装でシンプル。フロントアーマーの形状が違っているため、雰囲気も少し違っています。
HGUCゼータガンダム(REVIVE版)と並べて。REVIVE版ゼータのほうが後出で構造的にも全く別物ですが、どちらもプロポーションバランスは良いですね。
HGUCグスタフ・カール(ユニコーンVer.)と並べて。共にシャイアン基地警備の機体ですが、劇中ではほぼやられ役だったのがちょっと残念。せめてキットで躍動感あるポーズを再現したいところです。
■各部可動域
頭部の可動は、顎引きはほとんどできませんが、見上げる動きは適度に可能です。首が短く襟も干渉するため、左右への可動もあまり広くはありません。
腕は水平程度まで上げることが可能。ショルダーアーマーが広く展開可能ですが、腕の可動に影響はないようです。肘は1重関節で90度よりも少し深く曲げることができます。
肩は適度に前後させることができます。
腹部がボールジョイント接続ですが、上半身はわずかに前後する程度。
腰は干渉するためほとんど回転させることができませんでした。アクションベースやスタンドを使って浮かせる場合は、一般的なキットと同様、股間部に3.0mm軸を差し込むようになります。
フロントアーマーがなく、リアアーマーも可動するため、前後開脚は幅広く展開させることができます。
膝は2重関節で深くまで曲げることがで可能。伸ばした状態だと外装で関節パーツが隠れますが、膝を曲げると合わせ目が露出します。
足首は前後左右とも適度に可動します。
つま先は変形用に角度変更が可能。
股間部がボールジョイント接続なのと、側面のビーム・カノンも干渉するため、左右への開脚はハの字程度と制限されます。
内股、ガニ股も45度程度までと可動が制限されます。
立膝は割ときれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、よく動く部分もありますが、近年のキットに比べると少し物足りない印象ではありますね。ただそれでも、ある程度のポージングは再現できそうですし、MS形態のポージングには少し目を瞑りつつ、ウェイブライダー形態への変形などを楽しむのが良いのかなと思います。
■武装類
ビーム・ライフル。RGZ-95リゼルと同じ形状のものが採用されているとのことですが、HGUCリゼルからの流用ではなく新規造形での再現となっています。
こちらはHGUCリゼルのビーム・ライフル。一見すると殆ど同じですが、よく見ると微妙に形状が違っていることが分かります。
本体部分は左右挟み込みタイプで上下に合わせ目ができます。さほど凸凹感はなくエッジが効いているため、合わせ目を消すのは比較的ラクそうですね。
グリップは収納可能。後部の接続ダボも展開収納することができます。
シールド。複数パーツによる細かな組み合わせで、内側もモールド入りの裏打ちパーツがきっちりと造形されています。説明書にはシールドと記載されていますが、「変形用サブユニット」と呼称するようです。裏面の一部はダークグレーに塗り分けが必要。
側面や上部のセンサー類は赤いシールでの色分けです。
■ポージング
ビーム・ライフルとシールドを装備して。シールドは太めのダボを前腕に差し込んで固定。特に外れることもなくしっかりと装備させることができます。
ビーム・ライフルは付属の武器持ち手でグリップを挟んで保持します。グリップと持ち手がダボ接続で保持強度は高め。長めのライフル後部と前腕が干渉することもありません。
腕は割と自由に動かせるので、ライフルでの射撃ポーズやシールドによるディフェンスポーズは再現しやすいですね。
ただし股が開きにくいのと、首や腰が回りにくいので、派手なポーズを再現するのは少し難しいかも。幸い膝はしっかりと曲げられるので、そのあたりでうまく躍動感を表現したいところです。
腰のビームカノンが前方に展開できるので、そのあたりで攻撃バリエーションを増やしつつ・・・。
ビーム・サーベルを装備して。ビーム刃はクリアーブルー成型色。ハンドパーツの穴に柄を差し込んで保持させるようになります。ダボ固定されるわけではなく、スルッと抜け落ちることもあるので注意です。ビーム刃はブラックライトで照らしても発光はしませんでした。
■ウェイブライダー形態への変形
まずはウェイブライダー形態用の基部パーツを簡単に見ておきます。複数パーツによるかっちりとした組み合わせ。胸部装甲は予め組み込んであり、エアインテーク部分もパーツできっちりと色分けされています。
裏面にはいくつかの3.0mm軸があり、四肢などを組み換えることでウェイブライダー形態が再現できるようになっています。
ショルダーアーマーパーツは片側のみで、側面の装甲も展開したまま固定になっています。
それではウェイブライダー形態に変形させていきます。ウェイブライダー形態への変形は、四肢やウイングバインダー、スタビライザー、大腿部のビーム・カノンなどを胴体部から取り外します。
そして基部パーツにリアアーマーとスタビライザーを取り付け、スタビライザーをまっすぐに伸ばします。
腕部はショルダーアーマーを外して裏面に組み付け。ウェイブライダー形態用のショルダーアーマーとフロントアーマーも取り付けます。
更に裏面中央にシールド、左右にウイングバインダーを取り付けます。
膝をS字に曲げてつま先を伸ばした状態の脚部を左右から組み付け、大腿部にはビームカノンを組み付けます。
そしてグリップを収納したビーム・ライフルをウイングバインダーに取り付けたら、ウェイブライダー形態への変形完了です。
ウェイブライダー形態を色んな角度から。さすがのゼータ系で、全体的にシャープでバランスがよく、戦闘機らしいシルエットで格好良いですね。
MA形態を浮かせてディスプレイさせる場合も、MS形態と同じく股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。
さほど重量はないので、ディスプレイしても不安定さはありません。組み合わせもかっちりとしているので、形状が変わることもほとんどなく取り扱いやすいです。
説明書に記載はありませんが、ビーム・ライフルの後部接続ダボを使って中央のスタビライザーに取り付けることも可能でした。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。組み換えになりますがウェイブライダー形態への変形もありますし、MS形態も地味なカラーリングながらも渋い印象のキットになってると思います。相変わらずゼータ系は造形だけで十分なかっこよさがありますね。
欠点的には、可動域がどうしても不十分で、そんなに派手なポーズを付けられないのが玉に瑕。武装類もビーム・ライフルとシールド、ビーム・サーベルくらいと単調ではあります。ですがグスタフ・カールと合わせて劇中シーンを演出するなど、見どころはあるキットだと思います。
多くの合わせ目はモールド化されていますし、組み立ても組み換え変形もしやすいです。昔から人気のあるゼータプラス。MS形態もウェイブライダー形態も安定したディスプレイ力を持つキットとして楽しめるのではないでしょうか。
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3 件のコメントがあります。
匿名
on 2019年12月30日 at 09:35 -
レビュートップでのパッケージイラストが不具合修正前のものなにに,組み立て済みのモデルは修正後なんですが,仕様ですか?
774
on 2019年12月30日 at 12:46 -
ホビーサイト公式でもパッケージをエラー判別方法の1つとして挙げているので
パッケージエラー品で中身エラーなしと言う組み合わせがあったとはやや考えづらいですね
名無し
on 2019年12月30日 at 11:03 -
ゼータプラスの中では人気のあるC1がプレバンで割高販売されたのは閉口しましたね。