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HGUC ドム/リックドム レビュー

今回は、2006年1月に発売されたHGUC 1/144 MS-09 ドム/MS-09R リックドムのレビューをご紹介します!

HGUC ドム/リックドムは、『機動戦士ガンダム』等に登場するMS『MS-09 ドム/MS-09R リックドム』の1/144スケールモデルキットです。ドム、リックドムの特有の重厚な機体形状を新規造形で再現。モノアイ可動ギミックによって豊かな表情付けが可能なキットになっています。ジャイアントバズやビーム・バズーカといった武装も付属。価格は1,870円(税込み)です。

重量感のある機体形状が印象的なジオン公国軍主要MS『ドム』がHGUCでキット化。背部、リアアーマ―、足裏部の組み換えによって地上仕様の『MS-09ドム』、又は宇宙仕様の『MS-09Rリックドム』が選択可能なコンパーチブルキットになっています。

まずは地上用の『MS-09ドム』で組んでいます。劇中では黒い三連星が搭乗し、ジェット・ストリーム・アタックなどを披露しつつ活躍した機体。

成型色はパープルにブラックをベースに、胸部にブルーグレーを配色。その他、内部・関節パーツにはグレー成型色での再現となっています。シールで補うのはセンサーやモノアイのみ。ほぼパーツによる色分けで、素組みでも十分な仕上がりになっています。

ポリキャップ(PC-116)を使用し、各部に組み込みます。関節強度はまずまず高め。特別負荷のかかる装備はなく、ソールが大柄で接地面が広いため、自立は安定しています。

ジャイアント・バズ、ビーム・バズーカ、ヒート・サーベル、平手(左)、武器持ち手(右)、ヒート・サーベル用ジョイントパーツが付属。

リックドム用の組み換えパーツが付属します。

各部を組み替えて宇宙仕様の『MS-09Rリックドム』に。

まずはMS-09ドムからレビューしていきます。先にMS-09R リックドム(ドムと形状が異なる部分のみ)のレビューがご覧になりたい場合は以下のリンクからどうぞ。

⇒HGUC MS-09Rリックドム レビュー

■MS-09ドム

頭部はドム特有の十字型フェイス。表面はクリアーパーツでの再現で、内部のモノアイが見えるようになっています。モノアイの表面はピンクのシールでの色分け。

頭部は簡単な内部フレームが造形。モノアイは可動式で表情を変化させることができます。表面の赤いパーツを外すだけでモノアイの位置を変えられるのでラク。

モノアイは付け根がボールジョイントで、上下や左右などフレキシブルに可動します。

胸部。肉厚でタフな印象の強いドム特有の機体形状が再現されています。右胸の拡散ビーム砲はモールドに黄色いシールを貼っての色分け。特にクリアーパーツなどは使われていません。

腰の簡単な1軸ダボ接続。腰アーマー裏にモールドや裏打ちパーツは造形されていません。股間部もシンプルなボールジョイント軸です。

リアアーマー内部には3基のバーニアが造形、ポリキャップで適度に可動します。バーニアは簡単な1個パーツ構成なので、塗り分ける場合はマスキング等が必要。

腕部。軽装でモールドも少なめですが、細マッチョなドム特有の形状がデザインされています。

二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後挟み込みタイプで、合わせ目は肘のマルイチモールド周りにできる程度です。

ショルダーアーマーは外装の黒と内部の赤の2個パーツ構成で合わせ目はありません。肩内部パーツに合わせ目ができますが、分解できるので合わせ目消しはラクかと。

脚部はドム定番のスカート型。膝の装甲はパーツで色分けされています。

大腿部は筒型で合わせ目はなし。膝から下はスカートが左右挟み込みタイプで後部に合わせ目ができます。膝から分離できないので合わせ目消しは少し難しそうですが、そのままでモールドとしておいても良いのかも。

足裏は内部まで抜けた状態。内部には3基のスラスターが造形され、手前にグッと引き出せるようになっています。足首の可動部と連動しているので、その分足首も広く可動します。

ソール部は肉厚ですが、形状や構造自体はシンプル。足裏にはドムのホバー用のファンが造形されています。

背部には丸みのある特徴的なスラスターが造形。少し上下に可動し、表情を変化させることができます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べて。陸ジムと同サイズ程度。肉厚なので大柄に感じますが、実際はそこまで大きくはありません。ドムの頭頂高は18.6m程度です。

MGドム(画像右)とサイズを合わせて比較。造形的にはあまり変わりませんが、MGドムのほうが若干スマートでスタイリッシュ。

頭部は少し見上げることができます。肩装甲があり、頭部が少し埋まった状態なので、左右への可動はごくわずか。

腕は水平以上に上げることができます。肘は90度程度まで。

肩は前方に少しスイングさせることができます。

腹部が可動するので、上半身を少し反らせることが可能。腰は干渉してわずかに動く程度なので、画像は用意しませんでした。

股間部のカバーを外すことでポリキャップ穴が露出。この穴を使って、アクションベースへのディスプレイが可能です。

フロントアーマーの可動はわずかで、脚部も肉厚で干渉するため、前後開脚はそれほど柔軟な展開はできません。

膝は「くの字」程度まで可動。膝内部パーツは合わせ目が段落ちモールド化されています。

足首は、この形状にしてはまずまず広めに前後可動します。左右への可動もそれなり。

股間部がボールジョイント接続なため、左右への開脚はハの字程度となります。

内股は殆どできませんが、がに股は45度程度まで可動します。

立膝もきれいな姿勢での再現は難しいようでした。

可動域の総括としては、全体的に可動域が広くないので躍動感のあるポーズは取りにくいですが、外装が肉厚なので重厚感は十分。劇中でもそんなに派手なポーズはしていないですし、簡単なポーズでも十分様になりそうです。

ジャイアント・バズ。一年戦争時に使用されていたMSの携帯用火器としては最大級の360mm口径実体弾砲になります。ドムやリックドムの代名詞ともなった武装だが、大戦末期にはドム以外の機体にも多用されたとのこと。

本体部分は左右の組み合わせで上下などに合わせ目ができます。砲口下部のフックは可動式。

センサーはクリアーパーツにピンクのシールを貼っての色分けです。クリアパーツは一旦はめ込むと抜きにくいので、仮組みする場合は注意が必要です。フォアグリップは上下に可動。グリップは適度に前後可動します。腕に負担をかけることなく、肩に担ぎやすくなっているのがいいですね。

ヒート・サーベルは刃とグリップ部分が別パーツで色分けされています。

ジョイントパーツを使うことで背面に懸架可能。

一通り武装して。

ジャイアント・バズは付属の武器持ち手で保持します。ダボ固定ではなく、ハンドパーツとグリップの間に隙間があるためふらつきやすいですが、グリップが可動するので肩との干渉もなくラクに保持することができます。

武器持ち手がバラけやすいのは難点かも。多少補強したほうが、ストレスなくポージングできて良さそうです。

足底の接地がしっかりとしているので、片足での自立も可能。頭部は干渉で左右には殆ど動かせませんが、モノアイが可動するので適度に表情を付けることができます。

ジャイアント・バズの両手持ちは多少ぎこちないですが、ある程度は可能です。こちらもフォアグリップを握らせたときハンドパーツがバラけやすいので注意。

脇に抱えた状態だとラクに保持することができます。

グワッと開いた平手なので、組み替えるだけでも圧力をかけるような迫力のある表情が付きますし、バズーカに手を添えるようなポーズも演出することができます。

ヒート・サーベルはグリップが細いのでスルッと移動しやすいですが、根元が太いので持ち手から抜けることはありません。サーベル刃はイエロー成型色での再現。

■MS-09Rリックドム

続いて『MS-09Rリックドム』のレビューです。パーツがしっかりと組み付いているので、組み換える際は破損に注意します。気になる場合は、組む前に予めダボ穴を広げるなどしておくと分解がし易いかと。

見た目は通常のMS-09ドムとあまり変わりませんが、背面やリアスカート、足裏が宇宙仕様になっています。

リックドムは劇中ではキャメル艦隊やコンスコン隊の主力MSとして登場。コンスコン隊としては12機が登場し、『12機のリック・ドムが3分も経たずに全滅』というガンダムの圧倒的な強さを印象づけてしまうという面も。

大部分は『MS-09ドム』と同じなので、異なる部分だけをMS-09ドムと比較しながら簡単に見ていきます。

通常のドム(画像右)の背面バーニアは小型なのに対し、リックドム(画像左)のものは宇宙仕様としてバーニア裾が広がった大型なものになっています。

リックドムのバーニアも上下に可動します。

ドム(画像右)は短めのスカートアーマーなのに対し、リックドム(画像左)はスカートアーマーの裾が尖った感じに広がり、上部にも小型アポジのモールドが造形されています。

足裏もリックドム用に変更。ドム(画像右)が地上移動用にホバーやファン状モールドが造形されているのに対し、リックドム(画像左)は各部にバーニアモールドが造形されています。

ビーム・バズーカ。大出力のビーム兵装になります。幻の兵器と呼ばれるものの一つで、いくつかの部隊において試験的に運用されていたとのこと。

本体部分は左右の組み合わせでで上下などに合わせ目ができます。

こちらもセンサーはクリアーパーツにピンクのシールを貼っての色分け。クリアパーツは一旦はめ込むと抜きにくいので、仮組みでは注意が必要です。

センサーのボックスは簡単なモナカ割で合わせ目ができます。グリップには可動ギミックがあり、ラクに保持できるようになっています。

角型の砲口は別パーツ化されているので、塗装で塗り分ける場合もラク。塗り分けるとまた違った雰囲気になって良さそうですね。

ビーム・バズーカとヒート・サーベルを装備して。大柄なビーム・バズーカを装備するとリックドムに迫力が出ます。

背面のバーニアが大きくなっているので、ヒート・サーベルの角度が若干制限されますが、特に問題はなさそうですね。

ビーム・バズーカもジャイアント・バズと同様、付属の武器持ち手で保持します。グリップがダボ固定ではないため遊びが多く、ジャイアント・バズよりも重い分、不安定さが増している感じも。

ですが構えるだけでも十分な迫力。平手を添えて劇中のような自然な射撃ポーズを再現しても良さそうですね。宇宙仕様ということで、アクションベースを使用すれば浮かせた状態でのディスプレイも楽しめます。

簡単に何枚かどうぞ。

以上です。構造がMGドムに似たところがありますし、HGでもなかなか質の高いキットになっていると思います。だいぶ前に発売されたキットですが今でも通用しそうですね。人気な機体なだけに、当時の開発でのこだわりみたいなのも見て取れます。合わせ目もそこまで目立つわけでもないので素組みでも十分。

気になる点は、ハンドパーツがバラけやすいのと、遊びが多いので武器を構えるときに安定しにくいというところでしょうか。可動域に関してはそれほど広いわけではないですが、もともと重量級な機体で身軽な印象もないので、派手なポーズを付ける必要は無いのかと。

頭部のモノアイ可動ギミックも良くできていますし、値段的にも満足できるキットになっていると思います。3体揃えて黒い三連星のジェット・ストリーム・アタックを再現するのもいいですね。

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