HGAW ガンダムヴァサーゴ レビュー

今回は、HGAW 1/144 NRX-0013 ガンダムヴァサーゴのレビューをご紹介します!

HGAW ガンダムヴァサーゴは、『機動新世紀ガンダムX』に登場するMS「NRX-0013 ガンダムヴァサーゴ」の1/144スケールモデルキットです。ガンダムヴァサーゴの特徴的な機体形状を再現。ストライククローの延伸、メガソニック砲発射時の腹部展開ギミックにより、印象的なポージングが可能となっています。価格は3,190円(税込)です。

連邦政府再建委員会が極秘裏に開発した新型ガンダムで、劇中ではフロスト兄弟の兄、シャギア・フロストが搭乗。ガンダムアシュタロンと共にフリーデンのモビルスーツ部隊と幾度となく交戦し、その脅威を見せつけた機体「NRX-0013 ガンダムヴァサーゴ」がHGAWでキット化。

「ゲテモノガンダム」とも呼ばれた、巨大な悪魔を連想させる特徴的な機体形状が新規造形で再現されています。ビーム・サーベル刃のみHGAW ガンダムダブルエックスから流用となっています。

成形色はややオレンジ味のあるレッドを基調に、マスクや胴体部、ソール部、背部バックパックなどにダークブルー、頭部や腰部、前腕部などにくすみのあるイエローを配色。その他、腹部メガソニック砲がパープルグレー、内部や関節がブルーグレー成型色での再現です。

ホイルシールが付属しますが、頭部や武装のセンサー類、胸部エアインテーク内部を補うくらいで少なめ。サイドアーマーのアポジや足甲のモールド、各部ダクトなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分なくらいの色分けが再現されています。

ダークブルーの外装、パープルグレーのメガソニック砲、ブルーグレーの内部・関節パーツはKPS素材となっています。ABSは不使用。エアインテークのクリアオレンジパーツはアンダーゲート仕様です。

ポリキャップも不使用。肘や膝などの各部関節はKPSパーツ構成で関節強度はまずまず高めです。背部にウイング(冷却用ラジエータープレート)、バックパックを装備していますが、軽量で負荷は少なく、関節強度も高いので自立は安定します。

■付属品

ビーム・サーベル(ビーム刃、サーベル柄)、ストライクシューター×2、ストライクシューター用ジョイントパーツ、サーベルホルダー、武器持ち手(左右)が付属。

余剰パーツがいくつか付属。ビーム・サーベルが1本余剰扱いですが、二刀流が再現できるのでそのまま使っても良さそうです。アンテナパーツが余剰で付属するので、折ってしまっても替えがきくのも良いですね。

■各部形状

HGAW ガンダムヴァサーゴの各部を見ていきます。

■頭部

頭部。何と言っても左右に突き出た装甲、黒いマスクが禍々しく特徴的に造形。その中で額のV字アンテナがヒロイックな印象を与え、ガンダムタイプらしい雰囲気を醸し出しています。マスクは顎が別パーツ化され、2色での再現となっています。

メット部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はモールド化されています。ツインアイ、とさか前後のセンサーはパーツにグリーンのシールを貼っての色分け。

■胴体部

胸部・腹部。全体的にまとまりがありますが、吊り上がったエアインテークや肩部装甲など、どことなく禍々しさを感じさせるデザインで造形されています。エアインテークはオレンジのシールの上からクリアオレンジパーツを被せての再現。ブラックライトに少し反応します。

首はボールジョイント仕様で前後にスイングが可能。肩部はボールジョイントの受け口を前方に展開することができます。

腹部は上方に展開可能。内部からメガソニック砲が露出します。

メガソニック砲は中央のビーム砲口から左右のジェネレーターまで細かく造形されていてメカニカル。かなり見応えのあるディテールになっています。メタリック系で塗り分けるともっと映えそうですね。

この腹部展開ギミックにはロック機構があり、バックパックのバーニアを押し込むことでロックがかかり、腹部が下がらないようになっています。これによって腹部のメガソニック砲を展開したままの状態を保つことができます。

更に腹部には可動ギミックがあり、メガソニック砲展開状態だと上半身を幅広く前後させることができます。閉じると可動が制限されます。

腰部。派手さはないですが、各面とも縦長な装甲がバランス良く造形されています。旧キットではシールだったフロントアーマーのイエローモールドも、パーツできっちりと色分けされています。サイドアーマーのアポジはグレーに塗り分けが必要。

腰アーマー裏は各面とも簡単なモールドが造形されているくらいで簡易的。フロントアーマー裏もダボがマルイチなくらいでデザイン自体はあっさりとしています。

股間部には可動ギミックがあり、前方にスライドさせることで脚部の可動域を広げることができます。特にロック機構はないですが、強度があるので自然にスライドするようなことはなさそうです。

■腕部

腕部。厚みのある肩部装甲が特徴的に造形。上腕以下も無駄のないデザインで、前腕にはストライククロー用のクローが生物的且つ禍々しく造形されています。

上腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段差モールド化されています。ハンドパーツは穴無しのものが付属。自然な表情が楽しめるようになっています。

前腕のクローはヒンジ接続で前方に展開可能。赤い基部装甲は上下の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化されています。イエローの爪は左右の組み合わせで前後の角に合わせ目ができますが、あまり目立たないのでそのままでも良さそう。

中央のクロービーム砲は残念ながら開口されておらず。見た目を良くしたいなら、黒く塗り分けるか、ピンバイスでの開口も有り得そうですね。砲身部分はグレーなどに塗り分けが必要。

肘と前腕の接続部はロール可能。普通にがわら曲げが可能です。

ショルダーアーマーは前後の組み合わせですが、上部中央の合わせ目は段落ちモールド化。肩の付け根に可動ギミックがあり、アーマー自体が上方に展開するようになっています。

ショルダーアーマー内部に収納されているアームは展開可能。展開することで、ガンダムヴァサーゴの主兵装であるストライククローが展開できるようになっています。

アームは各所が左右の組み合わせですが、上下の合わせ目はモールド化。アームは各部にスライドギミックがあり伸縮可能な他、2箇所のスイングギミック、肩部や前腕部のロールギミックなどでかなり柔軟に可動するようになっています。アームのモールドも細かく造りがリアル。

■脚部

脚部。若干細身ながらも、程よく肉厚で丸みのある装甲がバランス良く造形されています。やや平凡ではありますが、アンクルアーマーが若干の禍々しさを感じさせる造り。旧キットでは色分けされていなかった膝や脹脛左右のスリットダクトも、このHGAWではパーツで細かくきっちりと色分けされています。

下腿部の内部構造。

大腿部、膝から下共に前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は各部とも段落ちモールド化。簡単なパーツ構成ながら、合わせ目などはなく、見栄え良く造形されています。

足の付け根はロールや上下などフレキシブルに可動する仕様です。

脛のモールドが別パーツ化されており、装甲が干渉することなく足首を幅広く前後させることが可能。この動きによって劇中のような地表を滑走するポーズも自然な姿勢で再現することができます。

ソール部はシンプルな山型で少し厚みのある仕様で、程よい重厚感が感じられる造りになっています。

足裏は一部が肉抜きっぽいですが、モールドと共にデザインされているため、そのままでも違和感はないかなというところです。つま先は角度変更が可能。つま先をしっかりと伸ばすことができます。

■バックパック

背部には左右に悪魔の羽のようなウイング(冷却用ラジエータープレート)とコンパクトなバックパックを装備。

バックパック。シンプルな角型のバックパックですが、下部には1基のバーニアを装備。

ウイング基部は上下に幅広く可動するほか、ウイング接続部がボールジョイント軸なので、少し引き出すことで柔軟に可動します。

バックパックは腹部のロック用ダボを交えた3ダボ接続。ですが通常の2ダボもあるので、同規格のバックパックであれば他キットのものも装備可能です。

ウイング(冷却用ラジエータープレート)。ダークグレー(ダークブルー)のカラーリングが特徴的な、2重装甲式のウイングになっています。トゲ感があってどことなく荒々しい雰囲気。上部には1基のバーニアが備わっています。一部パネルが別パーツ化されているので、塗り分けて雰囲気を変えてみても良さそう。

特に側面に合わせ目などはありません。

ウイングはヒンジ部分が展開可能。内側はモールドが少なく、いかにもラジエーターっぽい造りになっています。展開すると悪魔感が増しますね。

ウイング(冷却用ラジエータープレート)は基部の可動ギミックにより、上下に幅広く可動しますし、前後にもスイング可能。表情を細かく変化させることができます。

プレートを展開すれば、悪魔の翼のようなシルエットにもなります。

■他キットとの比較

HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。RX-78-2よりも若干大きいくらいですが、肩幅や背部ウイングがあるため、全体的にボリューム感があります。ヴァサーゴの頭頂高は17.8mですが、キットは微妙にオーバースケール気味かなというところ。

HGAW ガンダムダブルエックス(2013年10月発売)、HGAW ガンダムX(2010年4月発売)、HGAW ガンダムXディバイダー(2010年12月発売)と並べて。各種ともこのヴァサーゴとは発売時期に10年以上の差があり、若干の古さはありますが、並べても違和感を感じるほどではなさそうです。劇中シーンの再現も十分に楽しめそうですね。

フリーデンと共闘したHGAW ガンダムエアマスター(2014年7月発売)、HGAW ガンダムレオパルド(2026年8月発売)と並べて。レオパルドは近年のキットなので、完成度はヴァサーゴと同等。エアマスターは10年以上前ですが、こちらも質が高いので、組み合わせてもさほど違和感は無さそうです。

旧キットが手元にないので比較的できませんが、後日レビューして比較する予定です。

■各部可動域

頭部の可動は、深く顎を引くことはできますが、頭部裾と襟との干渉で見上げる動きはやや制限されます。左右へは干渉なくスムーズにスイング可能。

肩や上腕付け根の可動により、腕は水平程度まで上げることができます。肘は2重関節でV字程度まで曲げることが可能。

ストライククローを展開すれば、腕周りは幅広く可動させることができます。

肩はボールジョイントで適度に前後します。前方へは展開ギミックによって幅広くスイング可能。

腰部ボールジョイントによって上半身は適度に前後しますが、腹部を引き延ばせば、更に幅広く前後させることができます。

腰の回転は、装甲が干渉するため、45度程度までと制限されます。浮かせてディスプレイさせる場合は、一般的なHGと同様、股間部にアクションベースやスタンドの3.0mm軸を差し込みます。

フロントアーマーの展開や股間部可動ギミックにより、前方への開脚は水平程度まで展開可能。後方はリアアーマーが干渉するため制限されます。

膝は2重関節である程度深くまで曲げることができます。膝装甲裏も裏打ちパーツがきっちりと造形。

足首は脛の可動ギミックによって幅広く前後します。左右へは装甲が干渉するためそれなり。

意外にも左右への開脚はハの字程度までと制限されます。

内股は干渉で僅かしか展開せず。がに股は幅広く展開させることができます。

立膝はきれいな姿勢で再現することができました。

可動域の総括としては、構造上、干渉などで可動が制限されるところがあり、全体的な可動域はそれなりといったところ。ただ、股間部や脛のギミックによって広く可動する箇所もありますし、ストライククローを展開すれば腕も柔軟に可動します。なのでキットの特性を上手く活かせば、ダイナミックなポーズも十分に再現できそうです。

■武装類

ビーム・サーベルはビーム刃が蛍光クリアグリーン成型色での再現。厚みとトゲ感のあるエフェクトが特徴的に造形されています。柄も太く見応えのあるディテール。劇中の演習シーンでも、ドートレス(連邦軍仕様)を寸止めするのが印象的でした。

蛍光素材なため、ブラックライトで照らすと鮮やかに発光します。

携行時はリアアーマーにサーベルホルダーを組み付け、サーベル柄のみをマウントしておきます。ちなみに背部にマウントできるのは1本のみ。

ストライクシューター。ヴァサーゴの追加武器として装備されたビームガンです。劇中では第21話でのみ使用。3口の銃口を持つコンパクトな軽装ビームガンになっています。下部の爪状の装甲は前後にスイング可能。打突武装としても使用することができます。

本体部は左右の組み合わせですが、上下の合わせ目は段落ちなどでモールド化。上部グリップは取り外しが可能です。

上部センサーはグリーンのシールでの色分けです。3口の銃口も、それぞれが二股状でしっかりと開口されています。

ストライクシューターは上部のグリップを取り外し、付属のジョイントパーツと組み合わせることで、2基を連結することができます。

■ポージング

簡単にポージング。

ストライククローや腹部メガソニック砲を展開せずとも、前腕のクロービーム砲のみでシンプルな射撃ポーズを取らせることができます。股を開くと、サイドアーマーが干渉してたまに外れることがあるので注意。

ビーム・サーベルを装備して。ビーム・サーベルはハンドパーツの手甲をバラし、グリップを握らせて保持します。柄が太くハンドパーツにピッタリと収まるので、スルッと移動することなく安定した保持が可能です。

マスクが黒く、表情が確認しにくいことで、よりヒールらしさが強調されているのが良いですね。頭部を左右にふると、後頭部の尖った装甲が背部ウイングと干渉しやすいので注意。

ストライクシューターを装備して。ストライクシューターは上部グリップをハンドパーツに差し込んで保持します。グリップとハンドパーツ穴の大きさが合っているので、抜け落ちることなくしっかりと保持できるようになっています。

小型武装で取り回しがラク。劇中で使わなかったぶん、キットでは思う存分ストライクシューターを使ったポージングが楽しめます。

ショルダーアーマー内部にはストライクアローのアームが格納、ロックされていますが、腕を動かすとロックが外れてアームが展開してしまうことがあるので注意です。

ストライクシューターを連結させてポージング。劇中でも連結して使っていましたが、それがキットでしっかりと再現されているのは嬉しいですね。

ただ、画像のように両手でグリップを握らせるのはやや難しめ。両前腕が密着して干渉するため、細かく調整しながら握らせる必要がありました。

グリグリ弄っていたら、股間部軸がポッキリ折れてしまいました;パーツにしっかりとした強度はありますが、組み合わせが硬いのと、1軸のみでの接続箇所で負荷がかかりやすいです。なので脚の付け根を弄る場合は少し気を使ったほうが良さそうです。

仕方がないので、ピンバイスで開口し、WAVEの真鍮(1.5mm)を埋め込み。周りをプラリペアで補強しておきました。(あくまで応急処置なので強度は保証できません。)組み合わせ時はグリスを塗って調整。反対軸も白化していたのでグリスを塗って対策をしました。あ~怖い怖い;

ストライククローを展開して。アームに長さがあるため、展開するだけで迫力のあるポージングを演出することができます。

ストライククローは全体的に軽量なので、前方に伸ばしても肩が垂れる心配はありません。肩関節の強度も高いので、安定した展開ポーズが再現できます。自立時のバランスに注意するくらいですね。

アームの動きが柔軟なので、劇中のようなだら~んと垂れ下がるような演出も可能。

ストライククローを接地させてアンカーにし、背部ウイング(ラジエータープレート)を展開。腹部のメガソニック砲を展開することで、劇中のような迫力あるビーム射撃ポーズが再現できます。

背部のウイング(冷却用ラジエータープレート)は展開時に細かく角度調整ができるので、角度によってより荒々しさ、禍々しさを表現することができます。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。近年のキットと同様に完成度が高く、プロポーション、スタイルともに申し分ない出来に仕上がっています。細部のクォリティも高くギミックも多彩、頭部マスクや背部ウイングの造形などからも、まさにゲテモノの極みのような、ガンダムヴァサーゴらしさが十二分に表現されているのが良いですね。

気になる点はやはり股間軸。パーツに強度があるので破損しにくいとは思いますが、基部に前後へのスイングギミックがあること、足の付け根可動の負荷を1軸で受けることなどから、ねじれによる負荷がかかって折れる(ネジ切れる)可能性がありそうです。なのでできるだけ股間部周りに気を付けて動かしたほうが良さそうですね。それと股を開くとサイドアーマーが外れやすいので少しストレスを感じるかも。

多少取り扱いの難しさはありますが、造形的なクォリティは高く、ギミックも非常に質の高いものになっています。劇中シーンの再現も十分に再現できますし、禍々しさ、ワイルドさ、ダイナミックさなどあらゆる表情を楽しむことができます。待望のキット化で待ちかねたという方も多いでしょうし、最新の立体物として、ヴァサーゴの魅力が存分に味わえるのが良いですね。

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執筆者:nori
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